原子力産業新聞

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原子力機構、施設内の放射能汚染に迅速対応できる高機能・簡単組立テントを開発

25 Jan 2021

新方式テント組立ての様子(原子力機構提供)

日本原子力研究開発機構は1月22日、施設内で放射能汚染が発生した際、作業者を速やかに退避させることのできる高機能・簡単組立テントを開発したと発表した。〈原子力機構発表資料は こちら

テントの開発に当たった同機構核燃料サイクル工学研究所の説明によると、原子力施設における作業中、放射性物質が漏えいし身体の複数個所に汚染が付着した場合、作業者を退避させ除染処置を行う密閉テントは、これまで足場用のパイプを組んだフレームにビニール製テントをロープで結び付ける構造であったことから、設置に多くの時間を要し、内部被ばくリスクを高める恐れがあった。

局所排気装置を用いてGH内の空気を排気しダストモニタで放射能濃度をリアルタイムで監視(GH:グリーンハウス〈汚染拡大防止用密閉テントの意〉、原子力機構発表資料より引用)

そこで、フレームを展開・伸縮可能な構造へと改良し、材質にはアルミを用いることで軽量化を図り、設置に要する時間を約2時間から約20分へと大幅に短縮。組立てには専用の工具や脚立も要らず、人員数も従来方式の7名から4名に削減。また、隣り合った前後左右のテントをファスナーで接続できる構造から、施設内の様々な場所に適切なレイアウトで設置でき、多数の作業者に身体汚染が生じても、複数の退避経路を確保することが可能だ。

今回開発された高機能・簡単組立テントは、既に原子力機構のプルトニウム燃料技術開発センターに配備され運用を開始しており、今後も、内部と外部の環境を隔てた密閉空間での作業を可能にするという点で、国内外の原子力施設での利活用が期待される。

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