電事連会長、福島県沖地震による対応状況を説明
22 Feb 2021
電気事業連合会の池辺和弘会長は2月19日の定例記者会見で、13日23時過ぎに発生した福島県沖を震源とする大地震への対応状況を説明した。東京電力エリアで最大約86万戸、東北電力エリアで最大約9万戸発生した停電は翌14日午前9時までにすべて復旧。揺れの大きかった地域の原子力発電所においても、大きな影響はなく、福島第一原子力発電所では、原子炉注水設備や使用済燃料プール冷却設備など、主要設備に異常がないことが確認されたとしている。火力発電所では、地震の影響で複数のプラントが停止したものの、被害の軽微なプラントから順次運転を再開しており、電力供給に大きな影響はない状況だ。〈電事連発表資料は こちら〉
なお、福島第一原子力発電所における今回の地震に伴う影響に関し、東京電力は22日の原子力規制委員会の検討会で説明。発災後の現場パトロールの状況を整理し、19日までに1、3号機の原子炉格納容器の水位に低下傾向があることが確認されたが、原子炉圧力容器底部温度や敷地境界モニタリングポストに有意な変動はみられず、外部への影響はないものとしている。
また、電事連は会見で今冬の需給状況に関し、「数年に一度レベル」の非常に強い寒波到来に伴い、12月下旬から1月上旬にかけて電力需給のひっ迫が生じたが、電力各社では燃料の追加調達や日頃稼働していない高経年火力を含めた発電所をフル稼働させるなど、供給力の確保に全力を尽くすとともに、需給ひっ迫エリアへの広域的な電力融通も図り安定供給が確保されたとしている。1月下旬以降は、気温が平年を上回る日も多くなり電力需要は落ち着きを見せ、発電用LNGについても各社とも安定供給に必要な水準にまで回復。電力供給面では、関西電力大飯4号機(関西エリア供給力の4%に相当)が1月17日に発電を再開した。
電事連は2月17日の総合資源エネルギー調査会会合で、今般の需給ひっ迫対応における課題として、(1)リスクを考慮した需給電力量(kWh)想定と評価の不足、(2)ベース供給力の不足、(3)全国大で燃料不足が発生している状況の把握遅れ(4)需給電力量不足に対するエリア間で融通調整に時間を要したこと、(5)節電協力のお願いの実施検討・調整に時間を要したこと――をあげている。