原子力産業新聞

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福島第一3号機、使用済燃料プールからの燃料取り出し完了

02 Mar 2021

共用プール燃料ラックに3号機燃料が収納(東京電力ホームページ より引用)

東京電力は2月28日、福島第一原子力発電所3号機の使用済燃料プールからの燃料取り出し作業が終了したと発表した(動画)。福島第一廃止措置に向けた中長期ロードマップで目標とする「2020年度内の取り出し完了」を達成。使用済燃料プール内の燃料取り出し完了は2014年12月の4号機に続くもの。同社では、続く1、2号機での燃料取り出し作業に向けて、「安全最優先で廃炉作業を着実に進めていく」としている。梶山弘志経済産業相は3月2日の閣議後記者会見で、「燃料デブリが残るプラントで使用済燃料の取り出しが完了したのは初めてのことであり、長期にわたる廃炉作業において重要な一歩」と述べた。

3号機使用済燃料取り出しのイメージ(東京電力発表資料より引用)

3号機の使用済燃料プールには、事故発生時、使用済燃料514体、新燃料52体が保管されていた。4号機に続く燃料取り出しに向けて、2017年度に燃料取り出し用カバー(全ドーム屋根)および燃料取扱機・クレーンの設置工事を完了。燃料取り出し開始は、当初「2018年度中頃」が目標とされていたが、燃料取扱機・クレーンの試運転で複数の不具合が連続して発生し2019年4月に延ばされた。2020年11~12月にはクレーンモーターのトラブルによる作業中断もあったが、燃料取り出しは12月24日時点で441体にまで達した。2020年度からは重量物落下によりハンドル部分に変形が生じた燃料への対応に向け、つかみ具の製作やつり上げ試験に入り、2021年2月3日よりこれら燃料の取り出しも開始。同28日に使用済燃料プール内の最後の6体を輸送容器から共用プール燃料ラックへ取り出す作業が終了した。

続く2号機の燃料取り出し開始は2024~26年度が目標とされており、現在、燃料取扱設備の設計が進められている。

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