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福島の未来に向け、学生たちが「Jヴィレッジ」でトーク

25 Mar 2021

原子力災害を経験した福島の10年を振り返り、「30年後の未来に向けてできること」をテーマに学生たちを交え話し合う環境省主催のトークイベントがこのほど「Jヴィレッジ」(楢葉町)で開催された。東日本大震災・福島第一原子力発電所事故発生から10年を契機に、福島の環境再生と未来について考えるシンポジウムの中で行われたもの。

東京からオンライン参加した小泉環境相(左)と丸山桂里奈さん

環境省では昨秋より、「いっしょに考える『福島、その先の環境へ。』チャレンジ・アワード」と題し、福島の復興に関心を持つ中学生から大学生を対象に、これからの福島について、「こう変えたい」、「こうなって欲しい」という未来や希望に関するアイデアや想いを募集。3月12日に優秀作品が発表された。今回のトークイベントは、「チャレンジ・アワード」の受賞学生たちに加え、9月に環境省から「福島環境・未来アンバサダー」の第1号として任命されたタレントのなすびさんの他、オンラインを通じ、小泉進次郎環境相、内堀雅雄福島県知事、元サッカー女子日本代表で福島第一原子力発電所での勤務経験を持つ丸山桂里奈さんが参加。

学生たちにエールを送る内堀知事

トークイベントに先立ち行われた「チャレンジ・アワード」表彰式で、内堀知事は、「Jヴィレッジ」の名付け親である元サッカーイングランド代表のボビー・チャールトン氏の言葉「福島県の皆様が示した『あきらめない魂』は多くの人々に感動を与えている」を紹介し、今後の学生たちの活躍に期待を寄せた。

「チャレンジ・アワード」最優秀賞を受賞した守谷さん(左)と林さん

「チャレンジ・アワード」中学生部門最優秀賞を受賞した林佳瑞さん(ふたば未来学園中学校)は、「里山モデル福島への道」と題する作品の中で、「生物多様性での地域おこし」を提案。「双葉町では稲作をやめ水田に水が入らなくなったためタガメが消滅したが、帰還困難区域が解除された土地で再び人間が農業を始めると、消えた生物が戻ってくるケースが多い」という県職員の話に衝撃を受け、「絶滅に瀕した生物を救いたい」想いに至ったという林さんは、イベントで、「観察会もできるビオトープ(生物空間)を創りたい」と将来の希望を語った。

なすびさん、2016年のエベレスト登頂経験を語り若者のチャレンジ精神を応援

また、「蝶の研究から学んだ『自然と共生する福島』の実現方法」で高校生部門最優秀賞を受賞した守谷和貴さん(福島高校)は、福島県内の蝶を「自然のバロメーター」として調査し続け、急激な再生可能エネルギー開発や原子力災害に伴う森林管理の放棄などで生じた環境破壊を危惧したという。作品の中で空地への太陽光パネル設置や風車の小型化の他、県内森林資源への需要喚起、地形を活かした牧場・スキー場の創設を通じ観光産業の振興を提案する守屋さんは、「福島の美しい光景を未来に残していきたい」と意気込みを見せた。

山村留学を通じ「人のつながりの大切さ」を学んだという東京出身の高校生・三宅さん、「福島を新しい社会のモデルへ」と

この他、高校生部門の入賞者から、カフェを拠点とした地域情報発信の提案や、福島県只見町への山村留学で得たふれあい体験など、コミュニティの視点からの福島復興・再生に向けたアイデアや想いも語られ注目を集めた。

※写真は、いずれもオンライン中継より撮影。

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