原子力産業新聞

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日揮が米ニュースケール社SMR開発への参画を表明

06 Apr 2021

ニュースケール社が開発するSMR(©NuScale Power社)

日揮ホールディングスは4月6日、海外における小型モジュール炉(SMR)のEPC(設計・調達・建設)事業に進出すべく、米国ニュースケール社に4,000万ドルの出資を行うことを決定したと発表した。〈日揮発表資料は こちら

ニュースケール社は、アイダホ州の国立研究所内に2029年の運転開始を目指し軽水炉型SMR(直径約4.5m、高さ約23m、1基当たりの電気出力7.7万kW)の開発を進めている。SMRは小型炉心のため、自然循環を使用した原子炉の冷却機構など、システムのシンプル化を通じた信頼性向上とともに、工場でのユニット生産も可能。従来の100万kW級原子炉に比べ工期短縮・建設コスト削減を図れるメリットを持ち、米国の他、カナダ、英国でも、実証炉建設から第三国への展開に向けた開発プロジェクトが進行中だ。

日揮ホールディングスは、SMRの将来的な市場拡大に加え、再生可能エネルギーと並び、脱炭素社会の実現に貢献できるものと期待。中でもニュースケール社の技術が、他のSMR技術に先駆けて、2020年8月に米国初の設計認証を取得し、米国原子力規制委員会(NRC)によりその安全性が認められたことから、商業化に最も近いSMR技術であると見て、今回の決定に至った。今後は、海外市場を中心にSMRのEPCプロジェクトの受注・遂行を視野に活動していくほか、SMRと再生可能エネルギー設備、水素製造設備、海水淡水化設備とを統合したプラントシステムの開発も検討していく。

会見を行う梶山経産相(インターネット中継)

2050年カーボンニュートラル宣言を受けて2020年12月に策定された「グリーン成長戦略」では、原子力産業の取組に関し、「海外で進む次世代革新炉開発に、高い製造能力を持つ日本企業も連携して参画していく」とされている。

梶山弘志経済産業相は、4月6日の閣議後記者会見で、「多様な原子力技術のイノベーションを促進することは、原子力の安全性向上を絶えず追求する観点からも重要。今回、日米企業の連携による具体的取組に進捗が見られたことは大変喜ばしい」と述べた。

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