JOGMECがウズベキスタンのウラン開発で資源地質学会技術賞を受賞
06 Jul 2021
五味篤資源地質学会会長(左)と技術賞を受賞したJOGMEC・下條将徳氏(中)、同・清水栄里氏(右上)、同・高橋修氏(JOGMEC発表資料より引用)
石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)はこのほど、ウズベキスタンにおけるウラン鉱床発見に関し、同機構の資源探査部関係者(3名)が資源地質学会の2020年技術賞を受賞したと発表。6月30日に開催された同学会の年会で表彰されたもの。〈JOGMEC発表資料は こちら〉
原子力発電の燃料となるウランも、石油、石炭、LNGなどと同様に多くを海外からの輸入に依存しており、日本では長期にわたりウランを安定して確保できるよう、供給国の多様化を図るとともに、それぞれの供給国と長期契約を結んでいる。
ウズベキスタンは世界第11位のウラン資源国で、JOGMECは2015年に同国と資源分野の技術協力や共同調査に関する合意文書を締結した。今回の技術賞受賞は、そのうちのウラン鉱床の共同探査・開発に関する協力覚書に基づき行われたナボイ州の有望鉱区「メシェティンスカヤ地域」(2,057平方km)共同調査プロジェクトにおいて、長期の現場派遣を通じ探査プログラム策定や地質解析に主体的に関与し新規鉱床の発見と資源量の拡大に貢献したことが評価されたもの。
JOGMECは2016年からボーリング調査を開始し、ウラン資源量2,000トンを超える砂岩型ウラン鉱床(4億年~数千万年前に堆積した河川成の砂岩層とれき岩層中に産する鉱床、比較的低コストでの生産が可能)を発見した。資源地質学会では、「ウズベキスタンが外国企業の探査活動参入を許可して以降、初めて砂岩型ウラン鉱床を発見した事例であり、日本・ウズベキスタンの関係深化にも貢献した」としている。
ウズベキスタンとのウラン開発に係る原子力協力については、「原子力立国計画」策定(2006年、資源エネルギー庁)の頃、世界的なウラン獲得競争激化を見据えた資源戦略上の中央アジアの重要性から、2007年に甘利経済産業相(当時)率いる企業トップら100名以上同行の海外ミッションが編成され、カザフスタンとともに二国間協力の強化が合意。これを受け、ウズベキスタンでは、JOGMECの他、三井物産や双日が黒色頁岩型ウラン鉱床(硯の材料にも使われる薄層が積み重なった黒色の泥岩中に堆積する低品位の鉱床、ウランが低価格の時代には開発対象ではなかった)の開発に乗り出した経緯がある。