原子力産業新聞

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規制委、島根2号機の新規制基準適合性で原子炉設置変更許可

15 Sep 2021

島根原子力発電所(左から1号機、2号機)

原子力規制委員会は9月15日の定例会合で、中国電力の島根原子力発電所2号機(BWR、82.0万kW)の新規制基準適合性に係る審査書を正式決定。本件に関して、同社に対し原子炉設置変更許可を発出した。新規制基準適合性に係る原子炉設置変更許可は17基目、BWRでは5基目となる。

同機の審査は、東北電力女川2号機(2020年2月に原子炉設置変更許可)とほぼ同時期の2013年12月に申請され、終盤では耐津波対策が主な焦点となっていた。規制委員会は6月23日、新規制基準に「適合している」とする審査書案を了承。原子力委員会および経済産業相への意見照会、パブリックコメントが行われていた。15日の会合では、津波の他、火山事象など、自然災害への対応に関し、最新の理科年表による気象・地質学的データにも言及しながら再確認。更田豊志委員長ら5名の委員ともに原子炉設置変更許可の決定に「異存なし」で一致した。

会見を行う更田規制委員長(インターネット中継)

会合終了後の記者会見で、更田委員長は、「設置変更許可は一つのステップ。中国電力には安全の確保に向け改めて気を引き締めて取り組んでもらいたい」と強調。また、現在、10基の原子力発電プラントが審査中にあるが、「初心を忘れず常に問い掛け続けていく必要がある」と、審査する側の知識・技術の向上を認める一方で、緊張感の欠如や思考停止に陥ることへの危惧を示した。

島根2号機に係る原子炉設置変更許可を受け、中国電力の清水希茂社長は、「再稼働に向けた大きな節目」ととらえ、引き続き、設計・工事計画認可、保安規定認可に係る審査に対し真摯に対応していくとのコメントを発表した。

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