
国内NEWS
26 Jan 2026
358

千葉大学でHLWに関するディベート授業 NUMOら支援
海外NEWS
26 Jan 2026
322

米DOE INLに使用済み燃料研究センターを設立
海外NEWS
26 Jan 2026
300

フィンランドHelen社 SMR導入に向け原子力子会社設立
国内NEWS
23 Jan 2026
784

赤澤経産大臣 全国知事に原子力利用への協力要請 柏崎刈羽再稼働にも言及
海外NEWS
23 Jan 2026
427

ポーランド 仏アラベルタービンを採用へ
海外NEWS
23 Jan 2026
342

加OPG ウェスリービル新設計画でIPD提出
国内NEWS
22 Jan 2026
999

柏崎刈羽6号機が再稼働 制御棒の引き抜き作業が慎重に進む
海外NEWS
22 Jan 2026
427

フィンランド 地域暖房で企業提携

米エネルギー省(DOE)原子力局は1月14日、傘下のアイダホ国立研究所(INL)に使用済み燃料研究センター(Center for Used Fuel Research)を設立したと発表した。これによりINLは、使用済み燃料管理に関する研究・開発・実証を担う主導機関に正式に指定された。同センターでは、長期保管条件下における使用済み燃料の安全な乾式貯蔵と輸送に関する応用研究を実施。商業炉およびDOE管理下の使用済み燃料について、最終処分前の安全な貯蔵および輸送に対する国民の信頼向上を目的とした技術的知見の蓄積を進める。INLは75年以上にわたり、燃料の開発、試験、認証を実施しており、今後は使用済み燃料の安全な長期貯蔵や輸送に関して公益事業者、規制当局、連邦政府機関が必要とする実証データの提供拠点となる。DOEはこの取組みについて、エネルギーと環境に関する米国の喫緊の課題を解決するための新たなコミットメントであり、使用済み燃料の最終処分に関するDOEの法定責任に直接対応するものであるとコメント。また、2025年4月にDOEとアイダホ州が合意した1995年和解協定の一部免除がなければ実現し得なかったと説明している。1995年の和解協定では、DOEがアイダホ州から遺留廃棄物を除去するマイルストーンを設定し、INLに商業炉からの使用済み燃料の搬入を禁止していたが、2025年4月、アイダホ州は和解協定の一部免除に合意。INLが商業炉の高燃焼度の使用済み燃料キャスクと国内大学の研究用原子炉から限定的な使用済み燃料を持ち込むことを認めた。これにより現在、ノースアナ原子力発電所に貯蔵されている高燃焼度の使用済み燃料キャスクをINLに搬出し、乾式貯蔵の研究を行うことが可能になった。搬出は2027年に行われる予定である。なおDOEは、同センターは使用済み燃料の安全な保管・輸送に関する問題に専念し、処分や再処理技術に関する直接的な研究は行わないとしている。INLは「ハブ・アンド・スポーク」(Hub and Spoke)モデルを通じて広範かつ多様な協力を調整。INLが中央ハブとなり、DOE傘下の他の国立研究所、産業界、大学、海外パートナーがスポークを形成し、幅広い関係者と効果的に協力する。大学はDOEの原子力エネルギー大学プログラム(NEUP)などのプログラムを通じて参加し、専門知識や人材育成への貢献が期待されている。海外パートナーとは、得られた教訓を共有、重複研究を避け、相互利益とベストプラクティスにおける整合性の確保に向けて連携するとしている。
26 Jan 2026
322

フィンランドのヘルシンキ市が保有するエネルギー企業Helen(ヘレン)社は1月12日、原子力プロジェクトの開発を目的とした完全子会社「Helen Ydinvoima(ユディンボイマ)」を設立した。新会社は、ヘルシンキにおける原子力発電所建設の前提条件に関する調査を担い、将来的な投資判断に向けた準備を進める。2月初旬に業務を開始する予定。ヘレン社は現在、地域暖房向けの熱供給源として小型モジュール炉(SMR)の導入可能性を検討しており、2024年9月にSMR導入プログラムを開始した。2025年11月には、SMRの建設候補地としてヘルシンキ市内の3か所を選定し、詳細調査を開始している。新会社の取締役会長には、J. タンフア氏が就任した。同氏は30年以上にわたり原子力業界に携わり、フィンランドの原子力事業者Teollisuuden Voima Oyj(テオリスーデン・ボイマ:TVO)社で、同国最新の原子力発電所であるオルキルオト3号機(EPR、166万kWe、2023年営業運転開始)の建設を指揮した実績を有する。また、CEOには、ヘレン社で発電部門ディレクターを務め、原子力・エネルギー分野で長年の経験を有するP. トロネン氏が就任している。ヘレン社のSMR導入プロジェクトでは現在、設備サプライヤー選定に向けた競争入札が進行中。また、事業スキームやパートナーシップモデルの検討を進めている。産業界や他のエネルギー企業との協業の可能性についても検討を進めている。今回の子会社設立により、同社は2030年までを目標とする地域暖房の脱炭素化に向け、フィンランド国内初となるSMRの建設・稼働の可能性を本格的に検討していく。
26 Jan 2026
300

仏アラベル・ソリューションズ社は1月13日、ポーランド初の原子力発電所で建設されるWE社製AP1000×3基向けに半速アラベル蒸気タービン・発電機セットを供給することを明らかにした。同発電所は、ポーランド国営の特別目的会社(SPV)であるPEJ(=Polskie Elektrownie Jądrowe)が、同国北部のポモージェ県ホチェボ自治体内のルビアトボ–コパリノ・サイトに建設する。主契約者は米ウェスティングハウス(WE)社とベクテル社の企業連合。PEJは現在、同企業連合とEPC(エンジニアリング、調達、建設)契約を最終交渉中である。初号機は2036年に運転開始予定。WE社傘下のWEエナジー・システムズ社のD. リップマン社長は、「アラベル社のような欧州の大手サプライヤーのプロジェクト参加は、企業連合の『Buy Where We Build』の理念に合致する」とコメント。また、タービン建屋のサプライチェーンには、ポーランドの地元の企業を活用しており、企業連合はプロジェクト全体を通じた地元企業の参画により、ポーランドの産業基盤を強化するとしている。アラベル・ソリューションズ社は、フランス電力(EDF)グループの完全子会社で、原子力タービンアイランド技術・サービス部門における世界有数の供給者。以前はGEベルノバ社の事業の一部だった。
23 Jan 2026
427

カナダ・オンタリオ州営電力のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社は1月12日、オンタリオ州ポートホープ近郊のウェスリービル(Wesleyville)サイトにおける原子力発電所新設計画について、初期プロジェクト概要(Initial Project Description:IPD)をカナダ環境影響評価庁(IAAC)に提出した。これにより、同計画は連邦政府による影響評価(Impact Assessment:IA)手続きの初期段階に入った。IPDはIAACのウェブサイトで公開されており、2月11日まで一般からのパブリックコメント)を受け付けている。IPDは、影響評価に先立ち、事業の概要や主な論点を整理して提出する文書で、利害関係者との意見交換を行うための資料。オンタリオ州政府は昨年1月、電力需要の増加を見据え、OPG社に対し、ウェスリービル・サイトにおける原子力発電所建設の可能性を検討するよう要請していた。IPDでは、立地許認可にあたりプラント・パラメータ・エンベロープ(PPE)方式を採用するとしている。これは、複数の技術を想定し、最も影響が大きい条件を前提に影響評価を行う手法で、特定の炉型を確定する前に評価を進めることができる点が特徴。炉型の検討対象の例としては、米ウェスチングハウス(WE)社のAP1000、仏EDF社のEPR、加アトキンス・リアリス社の重水炉CANDU、米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社のBWRX-300が挙げられている。IPDに示された暫定的なスケジュールでは、2030年頃のサイト準備、2033年頃の建設開始、2040年頃の初号機運転開始を想定している。ウェスリービル・サイトはオンタリオ湖沿岸に位置する約1,300エーカー(約5.26㎢)の敷地で、過去に発電用途として利用が検討されていた。既に電源開発地に分類され、送電網や鉄道、道路などのインフラにも近接している。OPG社の初期検討では、最大約1,000万kW規模の原子力発電所整備が想定されている。今後、IAACはIPDとパブリックコメントを踏まえ、影響評価の方法や範囲を定める。OPG社はこれに基づきさらに詳細な影響評価文書を作成し、影響評価(IA)に進む。IAはカナダ原子力安全委員会(CNSC)と連携して実施され、完了後、連邦政府がプロジェクトの可否を判断することになる。
23 Jan 2026
342

フィンランドの小型モジュール炉(SMR)開発企業ステディ・エナジー(Steady Energy)社と同国電力大手フォータム(Fortum)社は1月13日、ステディ社による地域暖房向けSMRの開発のために、フォータム社が幅広く原子力関連サービスを提供する枠組み契約を締結したことを明らかにした。フォータム社は特に、運転・保守コンセプトの設計などを支援する。ステディ社は、地域暖房向け熱供給専用SMR「LDR-50(出力5万kWt)」を開発中。高さ約10mの地下埋設型で、その他重要な安全機能を備え、地域暖房ネットワークに近い都市部での立地が可能である。現在、フィンランドのヘルシンキ、クオピオ、ケラヴァで3プロジェクトに取り組んでおり、2025年12月には、韓国最大の地域熱供給会社である韓国地域暖房公社と協力協定を締結している。今回の契約により、フォータム社は将来、フィンランドとスウェーデンにおいて、ステディ社のSMRに必要な運転・保守サービスを独占的に提供できるようになる。なお、フォータム社は既にLDR-50のプロセス設計と原子炉モデリングのシミュレーションに参加しており、さらに、210万ユーロ(約3.9億円)を投じて、開発を支援する。フォータム社のA. ヤーリネン原子力サービス担当副社長は、「当社は、原子力発電所を安全に所有・運転してきた約50年の実績があり、長きにわたり、運転・保守の開発と自社の運転の効率化に投資してきた。ステディ社の新たな地域暖房炉の最適な運転・保守コンセプトの開発は非常に興味深い」と本提携に期待を示した。ステディ社のT. ナイマンCEOによると、2028年までにLDR-50の設計を完了し、初号機を着工したい考え。同国では、SMR導入に対応する改正原子力法が、今年後半に議会で採択される予定であるという。欧州連合(EU)では地域暖房向けの熱供給の75%を化石燃料に依存。現在、天然ガスと石炭から生産されている熱供給は、LDR-50の出力に換算すると、約800基分に相当するという。
22 Jan 2026
427

オランダ南西部のゼーラント州は1月8日、同地域への小型モジュール炉(SMR)の導入可能性を調査した報告書「SMR Zeeland 2050」を公表した。州政府の委託を受けて昨年12月に最終報告としてとりまとめられたもので、SMR導入のメリットを整理するとともに、実現に向けた政府の関与や支援の必要性を指摘している。ゼーラント州はオランダ有数の工業集積地域であり、同国で唯一運転中のボルセラ原子力発電所(PWR、51.2万kW)が立地する。オランダ政府は、新規大型炉2基の建設構想についても、ゼーラント州のボルセラ・サイト周辺を有力候補地として検討しており、原子力を巡る議論が活発な地域となっている。今回の報告書では、SMRを導入した場合のメリットとして、①地域での発電に加え、産業に必要な熱供給や水素製造用電源としての活用、②再生可能エネルギーを補完するベースロード電源としての機能、③脱炭素化の促進、などを挙げた。一方で、SMRは世界的に多様な設計案が存在するものの、本格的な商用導入は今後の課題としており、北米や欧州で進むプロジェクトの動向を踏まえつつ、導入の現実的な時期を2035~2040年ごろと想定している。報告書は、州としての対応について、以下の3段階で準備を進めることを提言した。2026~2027年: 公的・民間パートナーによる協力体制の構築、地域エネルギー戦略の見直し、候補地調査などの基盤整備。2028~2029年: 技術検討やインフラ準備、許認可プロセスの整備、人材育成・教育体制の構築。2030年以降: 外部プロジェクトとの協業や地域内での実装に向けた実行体制の整備。地元企業については、SMR導入に一定の関心を示しているものの、単独でプロジェクトを主導する資金力やノウハウには限界があると指摘しており、州政府や国レベルでの政策支援が不可欠との見方を示した。オランダ政府は、2021年12月に発足した連立政権が連立合意文書に原子力発電所の新設を明記するなど、原子力を段階的に縮小する従来の方針を転換し、新規大型原子炉の建設を巡る議論を進めている。2022年12月には、新設サイトとしてボルセラ・サイトが最適との見解を示した。政府は、2035年までに出力100万~165万kW級×2基を新設する計画で、最終的には最大4基の新設を検討している。ゼーラント州では、国主導で進む大型原子炉の新設検討と並行して、SMRを将来の補完的な選択肢として位置づけており、地域の脱炭素戦略における多様な電源構成の一環として検討を進めている。
21 Jan 2026
540

米国の先進原子力エネルギー企業であるナノ・ニュークリア・エナジー(NANO Nuclear Energy)社は1月12日、韓国のダンソク社(DS Dansuk)と、ナノ社製マイクロモジュール炉(MMR)を韓国における開発、現地化、展開協力に向けた覚書(MOU)を締結した。ダンソク社は、バイオエネルギーやリサイクル事業を手掛ける、韓国有数の資源循環企業。本MOUにより、同社はナノ社の主要な現地産業コーディネーターとして、サイト選定、サプライチェーンの現地化、規制・制度面における関係者との連携を支援するとしている。特に、ダンソク社はナノ社に、以下へのアクセスを支援するという。信頼性が高く、排出ゼロのベースロード電力を求める韓国の産業顧客候補ナノ社が開発する高温ガス炉技術の中核であるモジュール化・複製可能な設計を活用した現地化を支援する、国内製造およびサプライチェーンパートナー主要な規制・制度関係者および規制環境に関する知見人材育成や原子力イノベーションを支援する大学・研究機関ナノ社は、ダンソク社のネットワークを活用することで、世界でも最先端の原子力産業市場の一つである韓国において、ナノ社が開発するKRONOS MMRを含むMMRの設計から展開までの移行を加速させる方針だ。KRONOS MMRは、TRISO(3重被覆層燃料粒子)燃料とヘリウム冷却を使用する第4世代の小型モジュール式の高温ガス炉。設置面積は5エーカー(約0.02平方キロメートル)未満とコンパクトで、最大4.5万kWt(1.5万kWe)の出力により、地域グリッドや再生可能エネルギーシステム、プロセス熱供給などと柔軟に連携可能とされる。運転員の介入や外部電源なしに自動的に停止し安全状態を維持する「walk-away safe」設計を特徴とし、停電時にも独立して稼働可能な完全自律マイクログリッド機能の確立を目指している。ナノ社は現在、米国とカナダにおいてもMMRの市場投入に向け、建設ならびに許認可プロセスを進める取組みを行っているところだ。なお韓国では、工場や産業施設にマイクロ炉を直接併設し、電力網に負担をかけることなく常時稼働のクリーン電力を供給する「ワン・ファクトリー、ワンMMR」構想が進められている。本MOUの下、両社は同構想を推進するため、韓国の産業用途向けKRONOS MMRの最適化韓国の原子力基準に沿った認可・認証プロセスの構築工場および産業キャンパスにおけるパイロットならびに初号機(FOAK)のサイト候補地の特定現地製造および人材育成パイプラインの確立韓国およびアジア市場全体を見据えた商業化・展開戦略の策定についても協力するとしている。ナノ社はダンソク社との協力をアジアへの戦略的ゲートウェイと位置づけ、韓国での成功を日本や東南アジアなど、アジアを中心としたエネルギー集約型経済圏への展開につなげたい考え。ナノ社のJ. ユー会長は、「本MOUは、通常であれば数年を要する産業基盤、規制機関、地域ネットワークへの扉を一気に開くものだ」とその意義を強調した。
21 Jan 2026
587

英サマセット州で建設中のヒンクリー・ポイントC原子力発電所2号機(欧州加圧水型炉:EPR、170万kW級)について、原子炉圧力容器(RPV)がフランスから現地に到着し、建設サイトに搬入された。運営するEDFエナジー社が1月12日に発表した。2030年の営業運転開始に向けた重要な節目となる。今回搬入された圧力容器は仏フラマトム社製で、重さ約500トン、全長約13メートルにも及ぶ。2025年11月28日、フランス東部サン=マルセルの工場で完成し、関係者が出席する式典が行われた。完成後は海上輸送で工場から英ブリストルのエイボンマウス埠頭へ運んだ後、サマセット州のパレット川をさかのぼり、コムウィッチ埠頭に到着するルートで輸送された。最終区間では、建設現場まで約6.4キロメートルを約6時間かけて陸上輸送した。ヒンクリー・ポイントCは、欧州加圧水型炉(EPR)2基を建設する計画で、英国における約30年ぶりの大型炉新規建設プロジェクトとなる。2号機は2019年12月に着工し、2025年7月には原子炉建屋ドーム屋根の据付が完了している。EDFエナジー社は、このプロジェクトについて「ビルド・アンド・リピート」の利点を強調。2018年12月に着工した1号機の建設で得られたノウハウを2号機に反映し、作業手順の効率化によって建設工程を約2~3割短縮できているという。配管や機器類を工場であらかじめ製作するプレハブ工法も進んでおり、その割合は現在、全体の約6割に達しているとしている。また、ヒンクリー・ポイントCで蓄積された建設ノウハウは、建設準備が進むサイズウェルCプロジェクトにも活用される見通しで、EDFエナジー社は工期短縮が可能になるとの見方を示している。
20 Jan 2026
716

米国とカザフスタンは12月22日、民生用原子力エネルギー分野における協力関係を拡大し、小型モジュール炉(SMR)導入に向けた取組みを開始すると発表した。同取組みは、米国務省が主導する「SMRの責任ある利用のための基盤インフラ(FIRST)」プログラムの枠組みの下で実施される。FIRSTプログラムの下で、カザフスタンのアルマティにある核物理研究所に教室型SMRシミュレーターを、国際科学技術センター(ISTC)を通じて提供する。同シミュレーターは、米国のホルテック・インターナショナル社と、カーチス・ライト社傘下のシミュレーション技術開発会社WSCによって製造される。駐カザフスタン米大使館によると、カザフスタンでは2022年からFIRSTプログラムが開始され、同国は中央アジア初のパートナー国であるという。同シミュレーターは、カザフスタンおよび中央アジア全域におけるSMRの安全かつ着実な展開を支える地域トレーニング拠点としての役割が期待されている。人材育成を通じてSMR導入を後押しする重要な取組みと位置づけられ、米国は今後、最高水準の核セキュリティ、安全、核不拡散基準を満たす信頼できるベンダーと連携しながら、原子力エネルギー分野でのパートナーシップを拡大していく方針である。さらに、FIRSTプログラムでは、米エンジニアリング企業のサージェント&ランディ社と提携し、カザフスタンでSMRの実行可能性調査(F/S)を開始した。カザフスタンの電力網、地理的条件、予測される電力需要の観点から、カザフスタンの潜在的な設置場所に適した米国製SMRの候補を絞り込むとしている。一方、カザフスタンでは大型炉の建設計画も進められている。2025年6月、ロシアの国営原子力企業ロスアトムが同国初となる原子力発電所(バルハシ発電所)の主契約者に選定された。アルマティ州のジャンブール地区、バルハシ湖近くのウルケン村にVVER-1200(PWR、120万kWe)×2基を建設する計画で、現在、サイトではエンジニアリング調査が実施されている。第2発電所も同地区での建設が計画され、中国核工業集団(CNNC)による建設が有望視されており、2025年12月にウルケン村にて公聴会が開催された。カザフスタンは化石燃料資源が豊富にあるため、総発電電力量の約6割を石炭火力、約3割を天然ガス火力に依存している。また、世界のウラン生産の約40%を占め、回収可能なウラン資源量の約11%を保有し、世界有数のウラン資源国でもある。政府は2060年までのカーボンニュートラルの達成とともに、高度なデジタル化と人工知能(AI)の広範な導入に適した環境を作り出すため、エネルギーのポテンシャルを高め、今後数十年にわたるダイナミックな経済発展と生活の向上には原子力発電が必要であると強調している。K.-J. トカーエフ大統領は1月5日、同国の新聞社とのインタビューで「複数の原子力発電所の建設は、ウラン生産の世界的リーダーでありながら原子力発電所が1つも建設されていないという歴史的な不条理を正すものである」と述べ、原子力発電所の建設に伴う、新たな技術者や専門家の育成に期待を寄せた。
19 Jan 2026
692

米IT大手のメタ・プラットフォームズ(Meta)社は2026年1月9日、米電力大手のビストラ(Vistra)社、先進炉開発企業のテラ・パワー(TerraPower)社、オクロ(Oklo)社の3社と、電力調達や開発支援を含む契約を相次いで締結した。データセンターやAIインフラの稼働に必要な電力の安定的な確保を目的としており、オハイオ州ニューアルバニーで建設が進む大規模AIインフラ「プロメテウス」など、同社の事業を支える次世代データセンター向けに電力を供給する。「プロメテウス」は、大規模なAI計算設備を集約した計算拠点で、Meta社の大規模AIモデルの学習や運用を支える基盤となる。ニューアルバニーではすでにMeta社のデータセンターが稼働しており、プロメテウスはその拡張・増設計画の一環。M. ザッカーバーグCEOは2025年7月、SNSへの投稿で、同施設を1GW(100万kW)級規模として言及している。Meta社は2025年6月にも電力大手のコンステレーション・エナジー社と、イリノイ州で運転するクリントン原子力発電所(BWR、109.8万kW)から電力を20年間購入する電力購入契約(PPA)を締結しており、データセンター稼働を見据えた原子力の活用を拡大している。3社の契約内容は以下の通り。ビストラ(Vistra)社Meta社は、同社が運営するペリー原子力発電所(BWR、131.6万kW)、デービス・ベッセ原子力発電所(PWR、95.3万kW)、ビーバー・バレー原子力発電所1号機、2号機(PWR、1号機98.7万kW、2号機97.6万kW)から210万kW超の電力を20年間購入するとともに、3原子力発電所で合計43.3万kWの出力増強を支援する。テラ・パワー(TerraPower)社ナトリウム冷却高速炉「Natrium炉」の商用化を目指しており、現在ワイオミング州で建設計画が進行中。2025年12月には、Natrium炉が米原子力規制委員会(NRC)の最終安全評価を完了している。Meta社は、この技術を用いた2基の新たなNatriumユニット(計最大69万kW)の開発を支援し、早ければ2032年の供給開始を見込む。さらに、2035年までに納入予定の最大6基、計210万kW分の発電能力に相当するエネルギー使用権も取得する。オクロ(Oklo)社開発中の「オーロラ(Aurora)」は、高速炉設計を採用し、構造を簡素化することで長期間の安定運転を目指す小型炉で、金属燃料を用いる点が特徴。現在、アイダホ国立研究所(INL)敷地内で建設準備が進められている。Meta社との契約では、オハイオ州パイク郡で新たな原子力エネルギー開発を進め、先進的な原子力技術キャンパスを整備する計画。早ければ2030年の稼働を目指し、最大120万kWの電力を同州含む米東部の電力網に供給する。これら一連の取り組みにより、Meta社は2035年までに最大660万kWの電源を確保する見通しだ。同社最高対外関係責任者のJ.B. カプラン氏は、「当社は米国史上、最も重要な原子力エネルギー購入企業の一つとなった。最先端のデータセンターとAIインフラは、米国がAI分野で世界的リーダーであり続けるために不可欠であり、原子力はその基盤を支える」とコメントした。同社は、データセンターで使用するエネルギー・コストは全額同社が負担し、一般消費者に転嫁されることはないとしている。
19 Jan 2026
1124

米国のスタートアップ企業であるスタンダード・ニュークリア社は1月7日、テネシー州オークリッジにある同社施設で、米エネルギー省(DOE)から高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)を受領したと発表した。DOEからHALEUの実物を受け取った燃料製造事業者としては初の事例となる。スタンダード社はHALEUを原料として、TRISO(3重被覆層燃料粒子)燃料を製造する。同社は2025年8月、先進試験炉向けの燃料製造を加速することを目的とした、DOEの燃料製造ラインのパイロットプログラムにおいて、実証対象計画の実施主体に選定されている。今回受領したHALEUは、DOEから先進炉開発企業であるラディアント・インダストリーズ社に割当てられたもので、スタンダード社がTRISO燃料へ加工する。ラディアント社が2026年に計画する先進炉実証に向けた炉心全装荷分の製造に十分な規模であり、スタンダード社は米国における先進炉の迅速な展開を支える燃料供給体制を整えた。スタンダード社のK. テラーニCEOは、「今回のHALEUの受領は、当社が先進燃料サプライチェーンの最前線に立つことを示す画期的なもの。当社はDOEから認可を受けた初の燃料製造企業として、米国製の信頼性の高い先進炉の実用化を実現するために不可欠なTRISO燃料の本格生産へと踏み出せたことを誇りに思う」とコメントした。TRISO燃料は、濃縮ウラン粒子をセラミックと炭素層で3重に被覆した構造を持ち、①極めて高い耐熱性、②優れた被覆保持性能、③想定外事象に対する高い安全性、を備えることから、「地球上で最も堅牢な原子炉燃料」とも称される。ラディアント社が開発する電気出力約0.12万kWのヘリウム冷却マイクロ炉「Kaleidos」は、2025年8月にDOEによる先進炉の実用化に向けた「原子炉パイロットプログラム」の対象炉に選定され、DOE傘下のアイダホ国立研究所(INL)内の国立原子炉イノベーション・センター(NRIC)が運営するマイクロ炉実験機の実証(DOME)テストベッドで試験を行う計画である。HALEUは、国家核安全保障局(NNSA)ならびにY-12国家安全保障複合施設を運営管理するConsolidated Nuclear Services(CNS)による綿密な調整と専門的管理のもと、バージニア州リンチバーグから安全に輸送された。本プロジェクトは、スタンダード社とDOEのアイダホ・オペレーション・オフィスとの間で締結された、その他取引契約(Other Transaction Agreement: OTA)の枠組みの下で実施されている。スタンダード社は、本取組みが2025年5月に発令された一連の大統領令が目的とする戦略的優先事項に合致し、国家のエネルギー安全保障および強固な国内燃料サプライチェーンの確立に向けた重要な一歩になるとしている。
16 Jan 2026
990

米国に本社を置くカナダ発の原子力企業テレストリアル・エナジー社は1月6日、米エネルギー省(DOE)と、一体型溶融塩炉(IMSR)プラントのパイロット炉建設・運転に関するOTA(Other Transaction Authority)契約を締結したと発表した。同社のIMSRは、2025年8月、DOEが進める先進炉の実用化を目的とした「原子炉パイロットプログラム」に選定されており、今回のOTA契約により、検討段階から実証段階へ移行する。テレストリアル社が開発中のIMSRは次世代技術を用いた溶融塩炉。発電に加え、産業利用への熱供給も想定している。主な特徴は、①5%未満に濃縮した低濃縮ウラン燃料を使用すること、②炉心を一体化した交換型設計を採用していること、③溶融塩を冷却材として常圧に近い条件で運転でき、安全性や運用の柔軟性を高めている点が挙げられる。低濃縮ウラン燃料を用いることで、供給網の整備が課題となっている高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)燃料への依存を避け、燃料供給面での制約を抑える設計としている点も特徴だ。OTAは、先進炉など開発途上にある技術の実証を想定し、米政府が通常の調達契約とは異なる柔軟な枠組みで締結する契約方式で、設計変更や段階的な実施を認めている。DOEの原子炉パイロットプログラムでは、国立研究所以外の場所で試験炉を建設・運転することを想定しており、民間主導による技術実証を後押しする狙いがある。同社は、IMSRの実証を通じて、将来的な商用展開に向けた技術的知見の蓄積を進めるとしている。なお、先進原子力分野の開発を手がけるオクロ社も1月7日、医療や研究に用いるラジオアイソトープの商用生産基盤の構築を目的としたパイロットプラントについて、DOEとOTA契約を締結したと発表している。DOEは、発電用途にとどまらず、医療や研究分野も含めた原子力技術の実証を支援し、パイロット事業を通じて国内供給体制の強化を進めている。
16 Jan 2026
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千葉大学教育学部で開講されている「ディベート教育論」の講義が1月15日、マスメディア向けに公開された。同講義では、高レベル放射性廃棄物の処分という社会的に難度の高いテーマを題材に、学生による本格的なディベートが行われた。同講義を担当するのは、教育学部長の藤川大祐教授。ディベート教育論は、現代的な課題を扱ったディベート実践の経験を通じて、生徒らの論理的思考力等の育成を図ることを目的とし、2012年度から継続して実施されている。今回は「日本は高レベル放射性廃棄物の地層処分計画を撤廃し、地上で管理を義務づけるべきである。是か非か。」を論題に、学生約50人を、1チーム4〜5人の12チームに分け、計6試合(ディベート)を実施。当日はその5試合目が公開された。公平性確保のため、試合順や賛否の立場はくじ引きなどで決定。学生らは事前に、原子力発電環境整備機構(NUMO)や日本原子力産業協会(JAIF)、日本原子力研究開発機構(JAEA)らによる講義を受け、バックエンド事業や高レベル放射性廃棄物に関する基礎知識を習得した上で議論に臨んだ。当日のディベートは、「HLWの地上管理」を主張する肯定側の立論からスタート。その後、否定側の質疑、立論、それに対する肯定側の質疑を経て、それぞれ否定側と肯定側が2回ずつ反駁の機会が設けられた。肯定側からは、地上管理方法の技術改善が進むことで、将来世代が廃棄物の管理・処分方法を選択できる可能性に言及。また、地上管理施設の保守作業等を通じ、地域雇用の創出や産業形成、関連企業の集積につながり、地方創生にも寄与するのではないかと訴えた。それに対し否定側は、地上管理における安全性への懸念や、有事の際の責任の所在について言及。地層処分による管理面や費用面での優位性を主張した。ディベート終了後、聴講していた学生らによる投票が行われ、議論がより優れていたサイドが選定された。同日は肯定・否定側それぞれ18対18の同数となり、藤川教授は「均衡した結果となり、非常に優れた議論であったことの証左となった」とコメントした。また、全体講評として「チームとして十分な準備を感じられ、初めて本格的にディベートに取り組む参加者が多い中でも、難しいテーマに真剣に向き合った点は評価できる」と述べ、両チームの健闘をねぎらった。藤川教授はディベートを振り返り、「肯定側の、将来世代の選択肢の増加や地域の発展の可能性という立案自体は悪くなかったが、最終的に問題になると予想される安全性を上回るほどのメリットを主張できていなかったと感じた。ここが勝敗を分けた要因になった」と総括し、総合的には否定側が優勢だったとの見解を示した。一方で否定側の課題として、将来世代の負担に関するコスト比較については、十分な数値が示されなかった点を挙げた。その上で立論について、「見出しが長く、何の話をしているのか分かりづらい場面があった」と指摘。後の反駁や引用を見据え論点を明確に示すためにも、見出しは簡潔に整理すべきだと強調。特に肯定側のメリットとして掲げていた「地域の発展」という論点が途中で曖昧になった点を課題として挙げ、「相手の議論がずれた場合でも、自ら軌道修正し、一貫した主張を続けることが重要だ」と述べ、論点整理と一貫性の重要性を強調した。藤川教授によると、近年、同授業において生成AIを活用するようになったことで、大きな変化がもたらされたという。以前は準備が不十分なグループも見られたが、現在はAIを活用することで、調査やディベートの構成まで、初期段階から完成度の高い原稿を準備するチームが増えたと指摘し、授業全体の底上げが進んでいると語った。
26 Jan 2026
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経済産業省の赤澤亮正大臣は1月16日、全国の都道府県知事に対し、原子力利用に伴う課題解決に向けた協力を求めるレターを発出した。レターでは、昨年末に東京電力柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(ABWR、135.6万kWe×2基)および北海道電力泊3号機(PWR、91.2万kWe)の再稼働について、それぞれ新潟県の花角英世知事、北海道の鈴木直道知事らが理解を示したことに触れ、これまでのプロセスに関わった全ての関係者に対し、謝意を表明した。今回のレター発出の背景には、再稼働の意義やバックエンド対策の重要性について、電力消費地の住民理解を求めるべきとの声が寄せられたことがある。これを受け、政府として原子力利用に伴う課題解決への協力を全国の自治体に呼び掛けた。レターでは、住民理解の促進や立地地域とのさらなる連携を要請するとともに、高レベル放射性廃棄物の最終処分について、電力消費地を含めた調査地域の拡大に向けた国の取り組みへの理解を求めている。赤澤大臣はバックエンド対策について、「国として責任を逃れることのできない大変重要な課題」と述べ、これまで以上に積極的に取り組む姿勢を示した。また、理解醸成に向けて、国が前面に立って取り組む姿勢を強調したほか、高レベル放射性廃棄物の処分地選定については、各地域の判断だけに頼るのではなく、国が責任を持って協力を求めていく考えを示している。また同日、赤澤大臣は中部電力浜岡原子力発電所における不正事案にも言及し、国民や立地地域に不安と懸念を与えていることを深刻に受け止めているとコメント。経済産業省として中部電力に厳正に対応するとともに、他の電力事業者に対しても安全最優先の徹底を要請したことを明らかにした。さらに赤澤大臣は1月23日の記者会見で、柏崎刈羽6号機の再稼働について、「東日本における電力供給の脆弱性の解消、電気料金の抑制、脱炭素電源の確保の観点から、国のエネルギー政策上極めて重要である」と述べた。21日の同6号機の原子炉起動についても、「極めて重要な一歩だ」と評価した。一方で記者からは、同6号機の制御棒の引き抜き作業中に不具合が発生し、原子炉を停止したことについて問われた赤澤大臣は、「制御棒1本の操作について不具合を示す警報が発生し、原因調査に時間を要する見込みであることから、東京電力が計画的に原子炉を停止したものと承知している」と説明。その上で、「工程ありきではなく、各作業を丁寧に確認しながら慎重に対応することが重要だ」と述べ、着実な対応を求めた。
23 Jan 2026
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東京電力は1月21日、柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135.6万kWe)について、原子力規制委員会から原子炉起動後に実施する設備健全性確認(使用前事業者検査を含む)に向けた原子炉の試験使用承認を受けたと発表。これを受けて同社は、同日午後7時ごろ制御棒の引き抜き操作を開始し原子炉を起動した。福島第一原子力発電所の事故以来、東京電力の原子力発電所が稼働するのは初。原子炉起動後、制御棒を順に引き抜き、同日午後8時半ごろに臨界を達成した。同社は、同6号機の再稼働を当初1月20日に予定していたが、1月17日の制御棒の引き抜き試験の際、警報が発報されない不具合が確認され、起動作業を一時延期していた。同社によると、本来、制御棒を1本引き抜いた状態で別の制御棒を選択すると、誤操作防止のための引き抜き防止機能が作動し警報が発報する仕組みとなっているが、17日の試験時には警報が発報しなかったため、試験を中断し、引き抜いていた制御棒を全て元の位置に戻したほか、制御棒の操作ができないよう電源を遮断していた。そして翌18日、全ての制御棒に対し同様な不具合がないか、警報の確認試験を実施。当該制御棒に設定されていたペアロッド設定に誤りがあることが判明したため、その後設定を正しく修正した上で、引き抜き防止機能が正常に作動し警報が発報することを確認し、運転上の制限から復帰していた。そして1月21日、全ての制御棒で警報が正常に作動することを確認したため、同件を同日午後、原子力規制庁に説明。原子力規制委員会から6号機の原子炉を起動することを認める「試験使用承認書」を受け取っている。同社は、約14年振りの運転となる同機の運転に際し、設備の健全性確認を慎重に進めている。1月22日には、再び制御棒を引き抜く作業を一時中断。制御棒の引抜操作時に、1本の制御棒の操作監視系の警報が発生したことが理由だと公表している。なお、プラント状態は安定しており、外部影響はない。
22 Jan 2026
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日本原子力学会は1月9日、報道関係者を対象とした交流会を開催した。交流会は、同学会の社会・環境部会が毎年実施しているもので、今年は、近年注目が高まる小型モジュール炉(SMR)をテーマに設定。エネルギー総合工学研究所・原子力技術センター原子力チームの都筑和泰氏を講師に招き、世界のSMRの開発動向や技術的特徴、導入を巡る課題に関する解説が行われた。SMRについて都築氏はまず、現地で一から組み立てるのではなく、工場で製造し、現地で据え付ける方式を採ることで、建設コストの低減や工期短縮が期待できる点を強調した。モジュール化の程度は設計によって異なるものの、近年では原子炉本体も工場で製造する設計が登場していることや、ロシアの浮体式原子炉のように、船舶に搭載して運用する方式などが紹介された。また、軽水炉の小型化自体に特段の技術的な革新性はないとしつつも、安全性と経済性を両立させる工夫がSMR普及の鍵になると指摘。「既存技術の活用や設計改善、量産効果などを通じたコスト低減が重要になる」とコメントした。さらに、開発の方向性については、「安全性を前面に打ち出す設計」と「構造を簡素化してコスト低減を狙う設計」という2つの流れがあると説明した。SMRの開発計画は2025年時点で100件超に増加しているものの、現在、多くは初期検討段階にとどまっていることを踏まえ、新たな産業としてはまだ立ち上がり段階にあるとも指摘する一方、中国やロシアでは実証段階に近い案件が多く、米国では設計の検討が活発化しているなど、各国の開発状況に違いがある現状を説明した。将来展望については、日本のように既に送電網が整備された国の大型原子力サイトにおいては、SMRの優位性が限定的になる可能性があるとも指摘した。その一方で、大型炉では電力供給が過剰となる地域や途上国、工場における熱・電力・水素の複合利用、データセンター用途などではSMRの適性が高いと述べた。特にAI向けデータセンターについては、都市近郊に立地する必要がなく、送電制約も踏まえれば、SMRを設置して直接電力を供給する形は合理的だとの見方を示した。その一方で、原子力安全に対する社会的な懸念や核セキュリティ対策が大きな課題であるとも指摘。そのうえで、成功事例が生まれれば、そこから普及が広がる可能性は十分にあるとの見通しを示した。さらに、SMRや原子力への社会的理解を広げるためには、「安全性の強調だけでは不十分だ」と述べ、エネルギー安全保障や脱炭素、コストといった観点を総合的に示し、日本にとって原子力が果たす役割を丁寧に説明する必要があるとした。原子力によって一定の電力供給を確保できれば、エネルギー自給率の低さに起因する非常時においても、医療や決済インフラなど社会の基盤機能を維持できる可能性があるとして、こうした現実的な視点に基づく議論の重要性を強調した。
20 Jan 2026
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中国電力は1月15日、「第40回自治体説明会」を開催し、島根原子力発電所2号機(BWR、82.0万kWe)でのMOX利用計画について、島根県や松江市、出雲市、安来市、雲南市、鳥取県、米子市、境港市など関係自治体の執行部に対し、計画内容を説明した。MOX燃料の利用は、限られた資源を有効活用する手段の一つであるだけでなく、「使用目的のない余剰プルトニウムを保有しない」とする国際公約を履行する上でも重要である。これまでに国内外でのべ7,000体以上での使用実績があり、運用経験が蓄積されている点も導入を後押しする要因となっている。中国電力は島根2号機において、定期的な燃料交換時に使用済みとなったウラン燃料の一部をMOX燃料に置き換え、ウラン燃料と併用して運転する計画を進めている。装荷するMOX燃料は、同号機の全燃料560体のうち最大228体以下とする。MOX燃料は、日本国内向けに製造・管理されていたものを調達する方針で、新規製造に比べ早期の確保が可能となるほか、国内に保有するプルトニウムの有効利用にもつながるとしている。対象燃料はフランスのオラノ社で製造され、当初は中部電力浜岡原子力発電所向けに準備されていたものを転用するという。同社はすでに2008年に原子炉設置変更許可を取得しており、今後は設計・工事計画認可や保安規定変更認可の申請を行い、国の審査を受ける予定だ。なお同日の説明会では、稼働を目指す島根原子力発電所3号機(ABWR、137.3万kWe)の新規制基準適合性(設置変更許可申請)に係る審査状況についても、併せて説明が行われた。
16 Jan 2026
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関西電力は1月9日、大飯発電所3、4号機(PWR、118万kWe×2基)における樹脂処理設備の設置と、高浜発電所3、4号機(PWR、87万kWe×2基)での高燃焼度燃料の使用計画について、原子力規制委員会に原子炉設置変更の許可申請を行ったと発表した。本計画をめぐり同社は2025年11月18日、福井県、おおい町および高浜町に対し、「原子力発電所周辺環境の安全確保等に関する協定書」に基づく事前了解願いを提出。その後、原子炉設置変更許可申請の手続きについて、関係自治体から了承を得ていた。樹脂処理設備は、一次冷却材などの浄化に使用されたイオン交換樹脂を処理する装置で、樹脂に吸着した放射性物質を適切に処理・管理することを目的としている。一次冷却材系統などの脱塩塔で使用されるイオン交換樹脂は、使用に伴い性能が低下するため定期的に取り替えられ、取り替え後は使用済み樹脂貯蔵タンクで保管されている。今回の計画では、タンク内に保管されている使用済み樹脂を計画的に処理することで、発電所構内に保管する放射性廃棄物の量を低減し、管理の安定化を図る。設備は3、4号機共用とし、放水口付近に樹脂処理建屋を新設し、その内部に処理設備を設置する。建屋は鉄筋コンクリート造で、主要寸法は縦約33メートル、横約34メートル、高さ約19メートル。設置工事は2027年度から2035年度にかけて実施し、2036年度の運用開始を予定している。設備構成は、美浜発電所や高浜発電所、大飯1、2号機に設置済みの廃樹脂処理設備と同様の方式とする。一方、同社は高浜発電所3、4号機において、燃料利用の高度化を目的に高燃焼度燃料の使用を計画している。高燃焼度燃料は、核分裂を起こしやすいウランの割合を高めることで、燃料をより長期間使用できるようにした燃料で、燃料の使用期間が延びることで燃料交換頻度が低下し、使用済み燃料の発生量抑制が期待される(事業者および申請書上の表記は「使用済燃料」)。具体的には、これまで使用してきた最高燃焼度4万8,000MWd/tの燃料(高燃焼度化ステップ1)から、最高燃焼度5万5,000MWd/tまで使用可能な高燃焼度燃料(高燃焼度化ステップ2)へと切り替える。高浜発電所では、現行燃料を1990年から使用してきた。同社によると、高燃焼度燃料の装荷時期は、3号機が2030年度ごろの定期検査以降、4号機が2031年度ごろの定期検査以降を予定しており、取替燃料として順次使用を開始する。
15 Jan 2026
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柏崎刈羽原子力発電所6、7号機(ABWR、135.6万kWe×2基)の再稼働に向けた議論が進む中、新潟県は12月24日、原子力災害時の避難路整備の進捗状況を紹介する専用ページを新たに開設した。この避難路は、原子力災害時の住民避難の実効性を高めるため、原子力発電所の周辺からUPZ(緊急防護措置準備区域)圏外へ円滑に避難することを目的としている。原子力発電所を中心として6方向へ放射状に延びる経路の整備を進める予定だ。県が主導して行う整備は、地震や豪雨、豪雪などが同時に起こる複合災害を想定し、未改良区間の道路改良や橋梁の耐震補強、土砂災害警戒区域における法面対策などを進め、自然災害時でも通行可能な状態を維持する。加えて、冬期の避難を想定し、拡幅用除雪車両の増強や消融雪施設、監視カメラの設置などを通じて除雪体制を強化する。未改良区間の道路改良について県は、平常時の交通に大きな支障はないものの、6方向へ放射状に延びる幹線道路には、路肩の狭さや線形不良、山間部を中心とした2車線未確保区間など、避難時の大量通行を想定した場合に課題となる区間が存在するため、道路改良を進めるという。また、橋梁の耐震基準についても基本的な対策は完了しているが、さらなる大規模地震に備えた高度な耐震補強を行う予定だ。そして、豪雪時のスタック(自動車のタイヤが雪道にはまり動けなくなる状況)発生による渋滞を防ぐため、発生リスクの高い区間に消融雪施設を設置し、路面や通行状況を把握する監視カメラを導入する。また、国道252号、291号、352号、353号では、拡幅区間に対応した除雪車両の増強など除雪体制を強化し、冬期の安定した道路交通の確保を進める。あわせて、避難時間の短縮と円滑な移動を図るため、高速道路の活用も重視し、新たにインターチェンジや緊急進入路の整備を検討し、広域避難に対応できる交通ネットワークの構築を目指す。これらは柏崎市が実施する。さらに、柏崎市街地における避難時の交通集中を緩和する観点から、国が主導し国道8号バイパスの整備を進め、市街地を通過せずに避難できるルートの確保を図るという。新潟県では、こうした整備を着実に進めるため2025年12月24日現在、内閣府の「原子力発電施設等緊急時安全対策交付金」を活用し、現地踏査や各種調査を通じて対策内容を検討する業務を、県内69か所で実施している。
14 Jan 2026
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岩手県一関市は1月8日、福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の影響を低減するための除染作業で発生した、除去土壌(以下:除染土)の埋め立て処分工事を開始した。除染土の埋め立ては、岩手県内で初の事例となる。一関市ではこれまで、公園、スポーツ施設、教育施設など公共施設366か所の敷地内に除染土を埋設保管してきた。しかし2025年3月、国が「福島県外における除去土壌の埋立処分に係るガイドライン」を策定したことを受け、同市は同ガイドラインに基づき、除染土を恒久的に埋め立て処分する方針を決定。昨年12月には、市のウェブサイトで工事の実施概要を公表していた。今回の埋め立て処分では、市内の花泉運動公園多目的競技場と室根支所資材置場の2か所を処分場所に指定。工期は2026年3月まで、事業費は544万円(2025年度)とされている。来年度以降は、教育施設など子どもが日常的に利用する施設から優先的に、除染土の移動と処分を進める方針だ。除染土をめぐっては、2025年7月、福島県の大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設で保管されていた除染土が、首相官邸の前庭や霞が関の省庁敷地内の花壇などで再利用され、社会的な関心を集めた経緯がある。国が定めた同ガイドラインでは、福島県外で発生した放射性セシウム濃度が比較的低い除染土については、地下水汚染防止の観点から、容器への封入や遮水工といった特別な対策は原則不要とされている。一方で、埋め立て作業中の粉塵の飛散や流出を防ぐため、散水やシート養生などの抑制措置を講じることが求められるほか、悪臭、騒音、振動によって周辺の生活環境に影響が生じないよう配慮することも規定されている。また、埋め立て場所には囲いを設け、除染土の埋め立て場所であることを明示する表示を行う必要がある。作業終了後は、開口部をおおむね30センチ以上の土壌などで覆って閉鎖するとともに、敷地境界で空間線量率を定期的に測定し、除染土の量や放射能濃度などの記録を作成・保存することが義務付けられている。
13 Jan 2026
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三菱総合研究所は12月8日、「原子力立地地域へのデータセンター誘致で新たな地方創生を ワット・ビット連携が切り拓く原子力と地域の未来」と題したコラムを公表した。執筆者は同研究所政策・経済センターの吉永 恭平氏と、防災・レジリエンス政策本部の角田浩太氏。これまで三菱総合研究所では、4回にわたる連載でワット・ビット連携の可能性を論じ、前回は、原子力事業者とデータセンター(DC)事業者の協業による両者への効果と、社会的な価値について言及した。<過去記事はこちら>第5回となる本稿では、地方創生の観点から原子力立地地域でのワット・ビット連携の可能性に焦点を当てている。同コラムは冒頭、原子力事業者とその立地地域がそれぞれ異なる課題を抱えていることについて言及し、これまで原子力事業者と立地地域の関係は、国のエネルギー政策や社会経済情勢の変化を背景に、時代とともに変化してきたことに触れた。具体的には、国や事業者は地域住民に原子力への理解を求める一方、地域経済の発展に協力し、事業者と地域が共存する「地域共生」の考え方を打ち出してきたという点だ。原子力が有する技術や人材といった資源を地域振興に活用することで、相互の持続的発展を目指す関係構築が図られてきたとしている。しかし近年、立地地域では人口減少や少子高齢化が進み、生活サービスの縮小や地域活動の担い手不足などが顕在化。原子力事業が一定の役割を果たしてきた地域においても、地域基盤の脆弱化は避けられない状況となりつつあると同コラムは指摘している。また、電力自由化の進展により、総括原価方式に支えられてきた電力事業の収益構造は大きく変化し、原子力事業を取り巻く経営環境の不透明感が増している。その結果、事業者が従来のように地域経済を支えることが難しくなりつつあると分析した。こうした中で、電力インフラとデータセンター(DC)などの情報基盤を一体的に活用する「ワット・ビット連携」は、原子力事業者と立地地域が直面する課題の解決につながる可能性を秘めていると指摘。同コラムでは、原子力事業者、立地地域、DC事業者の連携がもたらす相乗効果と、その実現に向けた課題について考察がなされ、その上で、事業者と地域が単なる補完関係にとどまらず、双方が自立しながら成長できる、新たな地方創生の取り組みへ転換する必要性を訴えている。一方で、DC事業者にとって原子力立地地域が必ずしも有利とは限らない点も指摘。DCは通信網や需要が集積し、障害対応もしやすい大都市志向が強く、動画配信や生成AIなどでは一定の通信遅延が許容されることから、東京や大阪への集約が合理的とされる点を挙げた。また、原子力発電所周辺に適用される土地利用規制が、立地上の制約となる可能性もあるという。こうした制約がある一方で、香川県では県内に立地したDCを核にIT関連企業を集積させ、地域雇用の創出を促進。AIやビッグデータを、製造業、農業、観光業などと結びつけることで、高付加価値なサービスや製品の創出を目指しているという。立地地域、原子力事業者、DC事業者がそれぞれの強みを持ち寄り、共創の関係を築くことができれば、地方から日本全体の産業競争力を底上げするモデルへと発展する可能性を秘めていると指摘し、原子力立地地域のワット・ビット連携が日本社会や経済を再興する新しいモデルとなる可能性に言及した。
09 Jan 2026
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日本原子力産業協会は1月7日、「原子力新年の集い」を都内で開催。会員企業・組織、国会議員、駐日大使館関係者ら759名が参加し、親睦を深めた。冒頭あいさつに立った三村明夫会長は、年末年始の電力の安定供給に尽力した全国の関係者に謝意を示した上で、昨今、エネルギー安全保障と脱炭素の両立に向け、世界的に原子力活用の機運が高まっているとの認識を示した。<年頭挨拶はこちら>昨年11月のCOP30では「原子力三倍化宣言」への支持が拡大し、金融機関やIT企業など幅広い分野で原子力活用を後押しする動きが広がっていると指摘。国際金融機関の姿勢変化により、原子力プロジェクトへの資金調達環境も改善しつつあると強調した。国内では、原子力を巡る動きにも具体的な前進が見られたと指摘した。昨年、関西電力が美浜発電所の後継機に向けた自主的な現地調査の再開を発表したほか、北海道電力の泊3号機や東京電力柏崎刈羽6・7号機の再稼働を巡っては、知事の理解が示されるなど、再稼働や新設に向けた環境整備が着実に進みつつあるとの認識を示した。一方で、こうした取り組みを実現に結び付けるためには、安全確保を大前提に、地域の理解を得るための丁寧な説明と対話を重ねていくことが引き続き不可欠だと強調した。また、高市政権が昨年11月に発表した「強い経済」を実現する総合経済対策で、原子力発電所の再稼働や次世代革新炉の実現が国家の成長戦略の中核に位置付けられたことを踏まえ、原子力がわが国の産業競争力や技術開発に果たす役割はかつてなく大きくなっていると指摘した。続いて三村会長は、原子力の最大限活用に向け、今後特に重要になる取組みとして次の3点を挙げた。1点目に、新規建設の早期実現に向けた事業環境整備を挙げ、資金調達や投資回収の確保、サプライチェーンの維持・強化が不可欠だとした。2点目には原子力産業の持続的発展を支える人材の確保・育成を挙げ、国際的な視点も踏まえた議論を通じて、将来を担う人材基盤の強化を図る考えを示した。3点目は、国際連携の推進を掲げ、国際機関や海外産業団体との協力を通じて、世界的な原子力活用の機運を維持するとともに、日本の原子力産業の海外展開を後押ししていく方針を示した。来賓挨拶に立った赤澤亮正経済産業大臣は、冒頭、浜岡原子力発電所の基準地震動策定を巡る不適切事案に言及し、国民の信頼を揺るがしかねない重大な問題として、厳正な対応と再発防止を求める考えを示した。その上で、世界的に原子力の重要性が高まっているとの認識を示し、第7次エネルギー基本計画に基づき、安全性と地域理解を最優先に、原子力発電所の再稼働や次世代革新炉の導入を進める方針を改めて強調した。また、原子力産業の持続的発展に向け、サプライチェーンの維持・強化や人材育成への支援に政府として全力で取り組む姿勢を示し、東日本大震災から15年目の節目を迎える今年、着任前後に福島を訪れた経験に触れ、現場主義のもと、復興と安全な廃炉に最後まで責任を持って取り組む決意を表明した。続いて登壇した電気事業連合会の安藤康志副会長は、浜岡原子力発電所の基準地震動策定を巡る不適切事案について、原子力事業への信頼を損なう重大な事案として深刻に受け止めていると述べ、電力会社を代表して謝罪した。その上で、昨年は国際的に原子力回帰が進み、第7次エネルギー基本計画で原子力の価値が改めて確認された重要な年だったと振り返った。そして、泊発電所や柏崎刈羽原子力発電所で再稼働に向けた進展が見られたことを評価し、今後もさらなる安全性の向上を追求するとともに、地域住民からの理解と信頼を得るため、丁寧な取り組みを着実に続けていく考えを示した。
08 Jan 2026
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日本原子力研究開発機構(JAEA)と廃止措置人材育成高専等連携協議会は12月20日、福島県の楢葉遠隔技術開発センターで第10回廃炉創造ロボコンを開催した。今大会は、日本国内から10校16チームと、マレーシア工科大、タイ高専(KOSEN-KMITL)の計18チームが出場。初出場のタイ高専が最優秀賞である文部科学大臣賞を受賞した。大会の様子はYouTubeで配信され、アーカイブを視聴することができる。廃炉創造ロボコンは2016年に初開催され、今大会で10回目の節目を迎えた。ロボット製作を通じて、若い世代が廃炉作業に関心を持つと同時に、創造性・課題発見・解決能力を養うことが目的だ。優れたロボットやアイデアについては、将来的に現場への適用や関係企業との共同研究につながる可能性を視野に入れているという。開会に先立ちJAEAの小口正範理事長はあいさつに立ち、廃炉が長期にわたる事業であることを踏まえ、次世代人材の育成が原子力産業界にとって極めて重要な課題であると強調した。その上で同大会について、遠隔操作やAIなど、実際の廃炉現場を見据えた技術に触れる実践の場であり、単なる競技にとどまらず、廃炉を支える技術と人材を育む「希望の場」だと位置づけた。今大会の競技課題は、「廃炉ミッション!原子炉格納容器内部を調査せよ」。福島第一原子力発電所2号機の原子炉格納容器(PCV)内部の調査を想定し、X-1ペネトレーションからPCV内部へ進入し、底部に存在する対象物を回収して帰還するまでの一連の作業に挑んだ。最優秀賞を受賞したタイ高専は、参加チームのうち唯一、すべての課題をクリアした。同校は、「日本型高等専門学校の教育制度(KOSEN)」を本格的に導入したタイ初の高専として知られる。日本の国立高等専門学校機構から教員が派遣され、現地教員への指導や研修が行われているほか、日本国内の高専でのタイ人学生の受け入れなども進められている。
07 Jan 2026
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日本原子力文化財団(原文財団)は12月14日、高校生らによるエネルギー・原子力に関する課題研究活動の成果発表会を東京大学で開催した。同発表会は電気事業連合会との共催で、今年度で8回目の開催となる。原文財団は、全国の高等学校などを対象に、エネルギーをテーマとした課題研究活動を支援する事業を展開。専門家による講義や参加校同士の交流、成果発表会を通じて、学生の主体的な学びと発信力の育成を目指している。今年度も、全国から多数の応募があり、その中から選ばれた10校が発表会に登壇。約5か月間にわたる研究成果を、プレゼン形式で発表した。また、参加生徒らは発表会前日、東京都市大学原子力研究所の視察見学会にも参加している。今年度は、昨年2月に策定された第7次エネルギー基本計画において、原子力と再生可能エネルギーの「最大限活用」が明記されたことを受け、「30歳の私へ~日本のエネルギーをどう考えますか~目指すべき2040年のエネルギーの姿」をテーマに設定。2040年時点の日本のエネルギー構成を考え、その可能性や課題について調査・研究を行った。最優秀賞には千葉県立東葛飾高等学校(3名)が選出された。同校は「千葉エネルギー革命~再エネ×安定供給~」をテーマに、発電量が全国最多の千葉県(2023年・2024年)において、火力発電偏重の現状を踏まえつつ、温室効果ガス削減とエネルギー自給率の向上を両立する電源構成の在り方を模索。そして、再生可能エネルギーの導入拡大と電力の安定供給をどう両立するかを研究目的に据えた。研究では、千葉県が洋上風力発電のポテンシャルが高い地域である点に着目。洋上風力の導入拡大に向けた現状と課題を把握するために、洋上風力促進区域に指定されている銚子市や、銚子市漁業協同組合らへの取材を通じ、関連産業の促進や雇用の増加、固定資産税の増収による地域経済への波及効果を確認した。一方で世界的なインフレによるコスト増や、秋田県での調査を通じ、海域ごとに異なる漁業形態を踏まえた関係者との合意形成、理解促進の難しさといった課題が浮かび上がったという。これらを踏まえて同校は、洋上風力発電の導入拡大には、国による建設段階から支援強化、事業者側の予期せぬコスト増による撤退を防ぐ仕組み作り、また、漁業リスクへの国家補償の促進を提言。そして、電源構成については、第7次エネルギー基本計画で示される原子力20%の位置づけを踏まえつつ、風力発電の比率を8%に引き上げるなど、現実的なエネルギーミックスの提案と適切な国による支援によって、持続可能な未来を築くことができると結論付けた。審査委員長を務めた東京大学大学院の飯本武志教授は、「とても分かりやすく、論理的で、政策的視点を持った良いプレゼンテーションだった」と講評。千葉県が全国最大の発電量を有する点を出発点に据え、そこから研究を組み立てていったテーマ設定や研究プロセスについても、「ストーリー性があり、完成度が高い」と高く評価した。そして、多くの関係者にヒアリングを行うなど、主体的に活動に取り組んだ姿勢が強く印象に残ったとコメントした。なお、優秀賞は栃木県立大田原高等学校、優良賞は山口県立宇部商業高等学校、審査員特別賞は市立札幌開成中等教育学校が選出されている。
06 Jan 2026
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