
海外NEWS
09 Mar 2026
277

米NRC テラパワーのNatriumに建設許可を発給
海外NEWS
09 Mar 2026
202

コペンハーゲン・アトミクス社 熔融塩ポンプ2年連続運転達成
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05 Mar 2026
570

NUMO 教育関係者を対象とした全国研修会を開催
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05 Mar 2026
1432

米国史上初 マイクロ炉を空輸
国内NEWS
04 Mar 2026
647

日米の若手原子力人材が交流 WPAサンタフェプログラムの一環
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04 Mar 2026
730

英政府 先進炉向け原子力投資支援枠組みを公表
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03 Mar 2026
525

クロアチア 原子力導入に向けて議会に法案を提出
海外NEWS
03 Mar 2026
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米ウラン転換施設 生産拡大へ

米原子力規制委員会(NRC)は3月4日、米先進炉開発ベンチャーのテラパワー社傘下のUS SFR Owner(USO)に対し、ワイオミング州に建設予定のケンメラー発電所1号機(ナトリウム冷却高速炉「Natrium」、34.5万kWe)の建設許可を発給した。商用炉としてはアルビン・W・ボーグル3・4号機(PWR=AP1000、125.0万kW×2基)以来、10年ぶりの建設許可発給。非軽水炉としては、40年以上ぶりとなる。NRCのホー・ニエ委員長は、「米国における先進原子力にとって歴史的な前進であり、厳格かつ独立した安全審査に基づき、適時かつ予見可能な判断を下すという当委員会の取組みを示すもの」と語った。テラパワー社は2024年3月、既存の石炭火力発電所近傍のサイトへのNatrium炉の建設を計画し、建設許可申請をNRCに提出。NRCは2024年5月に申請を受理し、正式な審査を開始、当初予定の27か月の審査スケジュールを短縮し、18か月未満で技術審査を完了した。なお、発電所の運転には別途、運転認可の申請とNRCによる承認が必要である。「Natrium」は出力34.5万kWeで、必要に応じて最大50.0万kWeまで出力を高める熔融塩を用いたエネルギー貯蔵システムを備えている。同1号機は、米エネルギー省(DOE)の先進的原子炉実証プログラム(ARDP)を通じて官民連携により開発され、2030年に完成予定だ。Natrium炉およびエネルギー貯蔵システムについては、テラパワー社は2025年10月、英国の安全・環境基準への適合性を確認する包括的設計審査(GDA)に申請しており、2026年2月、英政府により受理された。GDAは、英国で初めて導入される炉型に対して実施される設計認証審査。Natrium炉にとっては、国際市場での展開を見据えた最初の規制上のステップである。テラパワー社は今後数か月間、エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)、原子力規制庁(ONR)、環境庁(EA)と連携し、最終的に英国へのNatrium炉導入に向けた取組みを推進していくとしている。
09 Mar 2026
277

デンマークの原子力技術開発企業、コペンハーゲン・アトミクス社は2月9日、同社施設で実施している熔融塩ポンプおよび試験ループの2年間の連続運転の達成を発表した。同社によると、高温熔融塩環境下での長期耐久試験としては世界最長級としている。同社が開発中の小型トリウム熔融塩炉(MSR)に不可欠な主要機器の信頼性を裏付け、商用化や将来の規制審査に向けた重要な節目となる。同社は2010年代から熔融塩炉の開発を進め、2030年代初頭の商業展開を目指している。同社の原子炉はコンテナ型モジュールとして工場で製造され、1基あたり10万kWの熱出力を供給する設計。将来的に組立ライン方式による量産を想定し、1つの生産ラインで1日1基以上の製造を目標としている。2023年には英国の包括的設計審査(GDA)を申請しており、今回の長期連続運転実績は、こうした規制プロセスを見据えた技術的裏付けの一つとみられる。熔融塩炉では、液体燃料または冷却材を600度超の高温で長期間循環させる必要があり、ポンプの長期安定運転の実証は設計の妥当性を確認する基礎となる。今回の試験は核分裂反応を伴わないものの、実機で想定される条件を再現した統合試験設備で実施し、データを蓄積してきたという。また同社は2月19日、ノルウェーのレア・アース・ノルウェー社と基本合意書(LoI)を締結した。同社は欧州最大級のレアアース鉱床の一つとされるフェンスフェルテット鉱床の開発を進めている。同鉱床はレアアースとともにトリウムを含むことが知られており、合意は炉の燃料サイクルに関わるトリウム資源への将来的なアクセス確保を目的とする。今回の基本合意書では、両社が技術、商業、規制面で協力する枠組みを定めている。フェンスフェルテット鉱床ではレアアース採掘に伴い副産物としてトリウムが発生する。同社はトリウム資源へのアクセス確保を図る一方、レアアース開発側にとっても資源の有効活用となる。
09 Mar 2026
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米戦争省(国防総省)とエネルギー省(DOE)は2月15日、Valar Atomics社の試験用マイクロ炉Ward 250(燃料未装荷)を米空軍のC-17グローブマスターIII機に搭載し、カリフォルニア州のマーチ空軍予備役基地から、ユタ州のヒル空軍基地に輸送した。「Operation Windlord」と名付けられた同プロジェクトは、原子炉の空輸として米国史上初となる。Ward 250は、ヘリウム冷却、TRISO(3重被覆層・燃料粒子)燃料利用の出力0.5万kWeのマイクロ炉。試験と評価のため、ユタ州にあるサン・ラファエル・エネルギー研究所(USREL)へ運搬される。戦争省は、「Ward 250のようなマイクロ炉は、軍事基地のエネルギー安全保障を確保し、民間の電力網への依存を低減する。さらに、海外での軍事作戦においても、敵による燃料供給の途絶を懸念することなく米軍の活動を可能にする」と指摘。また、米国全体のエネルギー安全保障の向上にも資するとし、2025年5月に発出された一連の大統領令「原子力産業基盤の再活性化」、「エネルギー省における原子炉試験の改革」、「原子力規制委員会の改革」、「国家安全保障のための先進原子炉技術の配備」に沿った取組みであると強調している。調達・維持を担当するM. ダフィー戦争省次官は、大統領の原子力イニシアチブの推進には、エネルギー省と戦争省のパートナーシップが不可欠と述べ、「このパートナーシップにより、エネルギーレジリエンスと国家安全保障の強化、先進的な原子力技術の開発、評価、配備が可能になる」と評価。また、AIデータセンターや指向性エネルギー兵器、宇宙およびサイバーインフラなど、次世代の戦争に必要な能力に言及し、敵よりも速く動き、驚異的な速さで勝利させるシステムの構築には、軍独自のエネルギーインフラが必要、との認識を示した。そのうえで、「今日は、そのシステムの構築に向けた記念すべき一歩。産業基盤とそのイノベーション能力を支援し、必要とされる場所への回復力のある電力供給を加速する」と語った。DOEのC. ライト長官は、米国は今回のようなマイクロ炉の活用により原子力ルネサンスを目指しているとし、「米国の原子力ルネサンスは、民間資本と米国のイノベーションと決意をもって、迅速かつ慎重にボールを再び動かすことだ」と強調。今年7月4日までに3基の試験炉の臨界達成、順調に稼働することへの期待を示した。Valar Atomics社は2025年8月、DOEが支援する先進炉の実用化に向けた「原子炉パイロットプログラム」に参加する10社の1社に選定された。翌9月には、同プログラムを支援する燃料製造ライン構築のパイロットプログラムに参加する4社のうちの1社にも選ばれている。また同月、USRELサイトにおいて、Ward 250の起工式を開催した。
05 Mar 2026
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英国政府は2月4日、国内で民間主導の先進原子力プロジェクトを推進する政策パッケージ「先進原子力フレームワーク(Advanced Nuclear Framework)」を公表した。小型モジュール炉(SMR)などの革新炉技術の開発・商業化を支援する枠組みを整備し、投資判断の透明性を高めることで、民間資金の参入を促す狙い。フレームワークは、民間主導のSMRや先進モジュール炉(AMR)、マイクロ炉(MMR)などを対象とする。柱となるのは「パイプライン」制度で、民間からの提案を技術成熟度や資金計画などの観点で評価する。基準を満たした案件は政府の原則的支持を受け、投資家の信頼向上や将来的な収益支援・リスク軽減措置の検討対象となる。審査はエネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)とGreat British Energy – Nuclear(GBE-N)が共同で担う。 原則的支持は、政府による事前審査を経た案件であることを示すもので、投資家にとっては政策的不確実性の低減につながる。ただし、将来の収益安定策や重大リスクへの対応についてはDESNZと協議する余地を残す。また、英政府系ファンドのNational Wealth Fund(国家投資基金)が、民間資金を呼び込む目的で出資などに関与する可能性があるとしている。 さらに、事業者向けに設計審査や立地許認可手続きの円滑化を支援する「コンシェルジュ型サービス」を提供する。英国の計画制度や規制要件などへの適合に向けた助言を行い、制度面の不確実性の低減をはかる。パイプライン制度と並行して案件形成を支援する。 P. ヴァランス科学・イノベーション・研究・原子力担当大臣は、「先進原子力分野で先行する機会を捉え、産業が発展するための環境整備を進めている」と強調した。EDFエナジー社のSMR開発ディレクター、J. ボウイ氏も、政府の枠組みが資金調達環境の改善に資するとの見方を示し、策定を歓迎した。パイプラインへの申請は3月から受け付ける予定。政府は本フレームワークを、近年強化されている原子力投資政策の一環と位置付け、原子力分野への投資拡大を奨励する方針だ。
04 Mar 2026
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クロアチアのA. シュシュニャル経済大臣は2月17日、政府が議会に「民生用原子力エネルギー開発法案」を提出したことを受け、政府会合で法案を説明。同法案は同国における原子力開発のための法的枠組みを初めて体系的に整備するものであり、エネルギー・セキュリティの強化、経済競争力の向上、電力システムの長期的な持続可能性確保にむけた戦略的な一歩であると強調した。同大臣は、電力消費が増加し気候目標がますます厳しくなる中、原子力発電が安定的で低炭素、かつ長期にわたって低コストなエネルギー源であると指摘。そのうえで、同法が必要とされる理由について、クロアチアが経済競争力、エネルギー・セキュリティ、カーボンニュートラルの達成という3つの課題に直面していることを挙げ、「2040年までに電力需要の少なくとも30%を原子力でまかなうことを目標とする」と述べた。同法は今後の手順も定めており、エネルギー担当大臣が法律採択後6か月以内に、専門的調査・分析の基礎となる活動プログラムを策定することを規定。政府はその後12か月以内に、包括的な原子力開発計画を採択する。原子力発電所の立地については、すべての専門的・規制上の手続きを経た後、特別法によって決定する。「本法により、クロアチアは新たなエネルギー源を選択するだけでなく、エネルギー・セキュリティ、気候変動への責任、技術進歩へのコミットメントを示す戦略的決定を行う」と述べ、必要な調査、分析、戦略の準備、そしてクロアチアにおける将来の原子力発電所建設計画を実現するための活動を開始すると説明した。クロアチア経済省は2025年2月、同省関係者に加え、産官学の原子力専門家らが参加する原子力作業部会を設立している。原子力発電に関する法的枠組みの整備や独立した原子力機関の設立に向けた条件整備、原子力オプションを含むエネルギー開発シナリオの策定・分析を行う。また、従来型大型炉または小型モジュール炉(SMR)の潜在的な立地調査の準備のほか、最適炉型の選択にむけ、従来型大型炉と比較したSMRの財務的・経済的側面からの分析を実施する。さらに経済省は、原子力専門知識の維持・発展、人材育成を確実に実施する緊急措置が必要とし、官学が連携して原子力分野の教育プログラム設立を推進するイニシアチブを推進している。クロアチアには原子力発電所がなく、隣国のスロベニアのクルスコ原子力発電所(PWR、72.7万kWe)をクロアチアの国営電力会社のHrvatska elektroprivreda(HEP)と国営スロベニア電力(GENエネルギア)が共同所有。同発電所はクロアチアの総発電電力量の約16%をまかなっている。スロベニアではクルスコ増設(JEK2)プロジェクトが進められているが、クロアチアは現在、参加していない。
03 Mar 2026
525

米ソルスティス(Solstice Advanced Materials)社は2月10日、イリノイ州に立地するメトロポリス・ワークス(MTW)プラントにおいて、2026年に六フッ化ウラン(UF₆)の生産量を10,000トン(10kt)へ拡大することを発表した。これは、2024年に計画していた生産能力から約20%の増加となる。ソルスティス社は先端材料の専門企業。2025年10月、米国の多国籍企業であるハネウェル社からスピンオフし、MTWの所有・操業ライセンスを引き継いだ。MTWは60年以上の操業実績がある米国で唯一のUF₆転換施設であり、世界各地の鉱山から供給されるウラン精鉱をUF₆へ転換している。転換後のUF₆は、他事業者による濃縮や燃料加工により、原子炉用燃料として利用。米原子力規制委員会から2060年まで有効な操業許可を取得済みである。同社は、UF₆に対する高い需要を受け、2023年の操業再開以降、MTWでのボトルネック解消プロジェクトに投資。今回の生産規模の拡張は、20億ドル超の受注残高に支えられており、その多くは国内の電力会社など長期顧客からの注文だという。米国が掲げる「2050年までに原子力発電能力を4倍にする」という目標が後押ししていると見ている。MTWは2017年~2023年にかけて、市場環境の悪化により一時的に操業を停止していたが、2023年7月に操業を再開した。米エネルギー省の支援も一部受けながら、ソルスティス社はMTWにおける生産能力増強に向けた新規プロジェクトを検討中。並行して、大手エンジニアリング・調達・建設(EPC)企業を起用し、能力拡張に向けた初期エンジニアリング分析を実施しており、顧客と長期供給に関する協議も開始した。ソルスティス社とゼネラル・アトミックス社の折半出資の合弁会社であるコンバーダイン(ConverDyn)社が、MTWで生産されるすべてのUF₆の独占的販売代理を務めている。
03 Mar 2026
561

昨年12月30日に臨界を達成した、インドのタラプール原子力発電所1号機(BWR、16万kWe)が2月16日、送電網に接続、定格出力を達成した。同機は運転期間延長に向けた大規模改修工事のため、2020年1月以降、運転を停止していた。改修工事では、原子炉再循環配管の高耐食性材料への交換、3Dレーザースキャン、タービン発電システム改修、電気システム改良などを実施した。同機は1969年10月に営業運転を開始したインド最古の原子力発電所であると同時に、世界で現在運転中の原子炉の中でも最長の運転実績を有する。同2号機も同型で、両機は同時に営業運転を開始しており、現在は改修工事中だ。なお両機は、インドの商用炉では唯一のBWRである。同サイトではほかに3・4号機(国産加圧重水炉=PHWR、各56万kWe)が、2005~2006年から運転中。また、政府が掲げる「原子力エネルギーミッション」の下、バーバ原子力研究所(BARC)において開発中の実証用SMRのBSMR-200(PWR、20万kWe)、SMR-55(PWR、5.5万kWe)の先行炉の建設が提案されている。同発電所を所有・運転するインド原子力発電公社(NPCIL)は、タラプール1号機の運転再開をインドの原子力発電の歴史における画期的な出来事とし、クリーンエネルギー、技術的強靭性、そして国家の長期的なエネルギー安全保障上における重要な一歩であるとしている。カイガ5・6号機が着工3月1日には、カイガ原子力発電所5・6号機(PHWR、各70万kWe)が着工した。NPCILは、同日の初コンクリート打設から約60か月で、5号機の初臨界達成を見込んでいる。同建設プロジェクトでは初の取組みとして、掘削、原子炉建屋、タービン建屋、原子力計装などそれぞれの工事を少数の大規模EPC契約に集約する方式を採用、工期短縮と業者間のインターフェース問題の低減を図っている。現在、同サイトでは1~4号機(PHWR、各22万kWe)が2000~2010年代初めから運転中である。70万kW級の国産PHWRのうち、カクラパー3・4号機、ラジャスタン7号機はすでに営業運転中。NPCILは、計16基からなる70万kW級PHWRをすべて、2031年までに運開予定だ。インド原子力省(DAE)は同年までに原子力発電設備容量を現在の888万kWeから、PFBR(高速増殖原型炉、50万kWe)を含めて、2,248万kWeに増強する計画である。
02 Mar 2026
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フランス政府は2月12日、第3次エネルギー複数年計画(PPE3:2026〜2035年)の政令を発表した。PPE3は、原子力比率引き下げ方針を事実上撤回し、既存炉の長期運転と新設を軸に据える戦略へと大きく舵を切った点が最大の特徴だ。PPEは、2015年8月のエネルギー転換法の制定を受け、今後10年のエネルギー政策や戦略的優先事項・施策を規定するもの。PPE3は、2022年から開始された国会・地方議員との長期間の協議、2025年春の国会討議に加え、2025年12月に送電系統運用者RTEが公表した将来シナリオなどに基づき策定された。脱炭素化され、主権的かつ競争力のあるエネルギーシステムを構築するため、2035年までに電力生産を拡大する計画を通じ、2050年までのカーボンニュートラル達成への道筋を示すものである電力生産と脱炭素目標については、2035年の脱炭素電力生産目標を6,500億〜6,930億kWh(2023年は4,580億kWh)化石燃料由来のエネルギー消費を2035年には約3,300億kWeまで削減する(2023年は約9,000億kWh)2030年にエネルギーの60%を脱炭素化、2035年には70%にを掲げている。この目標達成には、大幅な電化も不可欠であり、産業、建築、輸送、デジタル分野を支援するため、政府は国家電化計画を始動。原子力と再生可能エネルギーを組み合わせた、バランスの取れたエネルギーミックスをめざすとしている。なお、エネルギー施設の設置、生産、送電網への接続および配電に関連する総コストを考慮に入れたコスト管理の徹底と、エネルギー主権に根差した、バリューチェーンの確保および欧州内での一体管理のため、欧州製の設備に基づく生産方式の優先を強調している。前回の第2次PPE(2019~2028年対象)では、再生可能エネルギーの大幅な導入と並行して、原子力依存度の引き下げが柱とされた。2035年までに原子力比率を当時の71%から50%へ低減する方針を掲げ、90万kW級原子炉14基の閉鎖を想定。最も古いフェッセンハイム発電所の2基は2020年に閉鎖された。今回のPPE3では、原子力重視への明確な転換が示され、原子力発電量目標(2030〜2035年)を3,800億〜4,200億kWh/年(2023年の3,200億kWhに対して)としている。フランス電力(EDF)は2月20日、今後数年の原子力発電量の展望として、2026~2027年に3,500〜3,700億kWh、2028年には3,450〜3,750億kWhと示している。また、PPE3では、既存原子炉の運転期間延長:50年または60年EPR2×6基建設(初号機は2038年に稼働開始)追加8基の建設判断を2026年に実施2030年代初頭に小型モジュール炉(SMR)初号機の着工燃料サイクルのバックエンド事業の施設更新目標の具体化を掲げ、原子力分野への政策的コミットメントを示した。また、PPE2では原子炉14基の閉鎖方針を示していたが、新規建設と既存炉の運転期間延長の方針を明確にした。再生可能エネルギーについては、水力発電への投資の再活性化、洋上風力発電の加速、および陸上の再生可能エネルギー(太陽光、風力発電)の開発を合理的かつ現実的に推進。電化が困難なエネルギー部門については、バイオメタン、水素、再生可能熱、バイオ燃料などの脱炭素代替エネルギーの利用を推進するとしている。また政府は、再生可能エネルギーへの支援を最適化し、総コストを削減。平均的な電気料金に関するモデルにおいて再生可能エネルギー支援の国家負担額が約半減すると予測している。さらに政府はPPE3の実施により、年間約600億ユーロに及ぶ化石燃料(石油とガス)の輸入依存を低減、2030年までに12万人以上の新規雇用創出(特に原子力、太陽光発電、洋上風力発電分野で顕著)などの経済・雇用効果を見込んでいる。原子力産業界は、電力システムのバランスを考慮した可視性のあるPPE3を高く評価し、原子力産業の持続可能性と発展に対する国の強力な支援を歓迎した。EDFは、EPR2建設、既存炉の運転期間延長、水力発電への投資の再活性化を進めるとともに、再生可能エネルギー分野、とりわけ洋上風力における技術と専門性を維持していくとし、オラノ社は、燃料サイクル全体における長期的な投資の見通しを評価している。
02 Mar 2026
945

米イリノイ州のJ.B.プリツカー知事は2月18日、新規原子力発電の導入加速に向けた州知事令(Executive Order 2026-01)を発出。イリノイ州電力庁(IPA)およびイリノイ州商務委員会(ICC)に対し、60日以内に新規原子力発電所の建設を検討する事業者を対象とした照会通知(NOI, Notice of Inquiry)を行うよう指示した。照会項目には、設備容量および小型モジュール炉(SMR)を含む炉型、資金調達の枠組み、候補サイト、系統接続の可否、建設コストおよび運転開始時期、労働力需要、廃棄物処分を含む燃料管理計画などが含まれる。既設サイトの拡張や出力増強も対象としており、最終的に新設または既設炉の出力増強により合計出力200万kW超の原子力設備を導入することを目標とし、2033年までに着工する方針だ。また、ICCは新規原子力施設の立地受入れに関心を示す地域社会を対象とする第2のNOIを発出し、有望な候補地を少なくとも1か所選定する方針。土地や水資源の確保状況、地元コミュニティの支持、経済開発上の特性、既存送電インフラ(閉鎖あるいは閉鎖予定の発電所を含む)の活用可能性などに関する情報提供を要請する。さらに、IPA、ICC、商務経済機会局(DCEO)など関係機関およびイリノイ大学を含む省庁横断ワーキンググループを設置し、新設または出力増強を想定した制度・規制面の課題を検討、NOI公表から120日以内に州知事室へ報告する。必要に応じて、立法措置を検討する。その他、DCEOは新規原子力発電所の建設・運転に必要な人材需要を洗い出し、トレーニング計画を策定するほか、2027会計年度(26年10月~27年9月)に原子力関連の訓練アカデミー設立への予算措置を検討する。州内サプライチェーンの強化に向けた報告書も2026年9月までに作成する。イリノイ州では現在、6サイトで11基の原子炉が運転中で、全米最大の原子力発電電力量を誇る。今回の州知事令により、約40年ぶりとなる新規導入に向けた具体的検討が本格化する。同州では2021年制定の「Climate and Equitable Jobs Act(CEJA)」に基づき、2050年までに100%クリーンエネルギーを実現する目標を掲げている。2023年にはSMRに限り建設禁止を解除したが、大型炉については需要家負担増への懸念から州知事が拒否権を行使していた。しかし今年1月、「Clean and Reliable Grid Affordability Act(CRGA)」に知事が署名し、新規原子炉建設に関する州内モラトリアムを全面的に解除された。2月の施政方針演説では、州内の原子力発電の優位性を強調し、需要増および電力価格抑制の観点から、追加的な原子力導入の必要性を表明した。
27 Feb 2026
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韓国の科学技術情報通信部(MSIT)は2月12日、「小型モジュール炉(SMR)の開発促進および支援に関する特別法」制定案が同日、国会本会議で可決されたことを発表した。政府が5年単位のSMR研究開発の基本計画を策定し、財源調達やサプライチェーンの構築などを後押しする。人工知能やデータセンターの電力需要の急増、カーボンニュートラル目標の達成に向け、無炭素電源としてSMRが世界的に注目されている。一方、韓国の原子力法体系は大型原子力発電所を中心に構成されており、SMRを集中的に支援する法的基盤は存在せず、韓国の原子力産業界はSMR政策の一貫性を確保し、研究開発にスピード感を与える特別法の制定を継続的に要求していた。特別法の制定により、SMRに対する明確な法的支援根拠を整備し、SMRの技術開発の全過程を体系的に支援することで、エネルギー安全保障の強化およびグローバル市場での競争力の向上をめざす。今回可決された特別法は、科学技術情報通信・国防委員会に提出されたSMR関連法案3件を、国会審査過程において与野党合意により一つの法案に統合して整備したもの。MSITは今回の特別法について、SMRの研究開発と実証が加速化され、韓国がグローバル市場において主導権を握るための基盤になるとしている。特別法で定める政府による支援施策は以下のとおり。―MSITはSMR開発の政策目標、研究開発推進戦略、財源調達、サプライチェーン構築に係る基本計画を5年ごとに策定、その実効性を高める施行計画は1年ごとに策定(第5条~第7条)―MSIT長官が委員長を務め、省庁横断的なSMR研究開発政策の司令塔となるSMRシステム開発促進委員会の設置・運営(第8条)―SMR関連法令および制度改善の根拠を明文化(第9条)―民間企業と研究機関によるSMR研究開発と迅速な技術実証に向けたサイトと財源確保の支援(第10条~第11条)―民間企業、公共機関などによる共同出資会社設立への支援。民間主体によるSMR関連研究組合の設立・運営支援(第12条)―大学・研究所・企業が密集した地域を開発特区に指定し集積効果を最大化するSMRシステム研究開発特区の指定(第13条)―専門人材育成機関の指定、教育および訓練に要する費用支援などを通じた専門人材の育成(第14条)―国際協力促進による民間の標準化事業の推進を支援(第15条)―広報および教育コンテンツなどの開発・普及を通じた社会的受容性確保施策の推進(第16条)などがある。本特別法は、国務会議および大統領の裁可を経て公布され、公布後6か月に施行される予定。MSITは法施行までに下位法令を整備し、施行後1年以内に「第1次SMR開発基本計画」を策定する。また、民間企業とともにSMRの技術開発と設計を完了させ、商用化への移行を加速するため、新規大型プロジェクトも早期に推進する方針だ。韓国原子力産業協会(KAIF)は本特別法成立への歓迎を表明。原子力産業界がSMRを将来の重要な成長エンジンと認識し、韓国が世界市場をリードする取組みに積極的に参加・協力していく意向を示している。原子力安全委員会は2030年までにSMR規制体系構築へ原子力安全委員会(NSSC)は同12日、2030年までにSMR規制体系を整備する「SMR規制体系構築ロードマップ」を発表した。既存の大型軽水炉中心の現行規制を見直し、船舶搭載や熱供給、水素生産など多様な用途に対応する設計特性をふまえた安全審査制度を構築する。NSSCは「原子力規制の独立性と安全最優先の原則を前提に、世界的なSMR開発競争で遅れを取らないよう、先制的に安全規制体系を整えていく」としている。NSSCは2023年に「SMRの安全性規制の方向性」を発表後、詳細な規制体系の改善に着手。関係省庁、開発者、専門機関、産官学の専門家などの意見を取入れ、ロードマップを策定した。NSSCは2030年までの今後5年間で、既存の大型炉ベースの安全規制体系を段階的に改編する。まず、発電用・研究用・教育用の原子炉と規定された既存の認可体系を、船舶用、熱供給用、水素生産用など多様な目的と設計を包括できるよう大幅に改編。併せて、SMRごとに設計が異なり、新規かつ革新的な技術を適用する特性を考慮し、これに適合した安全性を検証する方式を導入する。このため、許認可技術基準はコア機能・要件を中心に規定し、事業者が当該原子炉に適した方法論の設定や基準を提示して安全性を立証できるように「(仮称)SMR技術基準に関する規則」の制定も推進することとしている。そのうえで、2027年までに原子力安全規制体系の詳細な改編案を策定、2028年から利害関係者の多角的かつ広範な意見聴取を経て、関連法令と基準を順次改正していく計画だ。なお、新たな設計・技術に対する許認可の予見性を高めるため、事業者(開発者)とのコミュニケーションを一層強化、認可申請前であっても規制機関の審査を受けられる事前審査制度の今年中の導入をめざし、法制度化の準備中である。規制者、開発者、研究者などが共に安全課題を議論する炉型別の規制研究グループも今年前半に運営を開始する予定であるという。NSSCはさらに、2026年に予定されている韓国製SMR「i-SMR」(電気出力17万kWの一体型PWR)の標準設計承認(SDA)申請に向けて、審査指針を年内に作成するとしている。i-SMRの設計前審査は2022年から継続実施しており、SDA審査の効率性向上を図っている。NSSCは、2030年頃に見込まれる「i-SMR」の国内建設と非水冷却型SMRの認可に備え、規制システムの合理化を図り、中長期的に原子力安全規制の全領域を段階的にカバーしたい考え。このため、規制専門機関の人員・組織体制を補強し、国際機関やSMR開発国との規制経験の共有の協力を拡大する方針だ。
25 Feb 2026
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米原子力規制委員会(NRC)は2月4日、原子力技術の許認可審査の効率化と迅速な導入に向けて、意思決定の合理化および業務機能の統合を柱とする大規模な組織再編に着手すると発表した。再編では、①新規原子炉、②運転中原子炉、③核物質および廃棄物の3つの中核事業分野を中心とする体制へ移行する。各事業分野の中にライセンス(許認可)と検査機能を統合し、プロジェクトの初期段階から両部門が一体的に対応することで責任の所在を明確化するとともに、NRCの管理・支援部門についても統合を進め、組織全体の効率向上を図る方針。NRCのホー・ニエ委員長は、「本再編は、原子力技術の安全な導入を加速するという国家的優先事項に沿ってNRCの組織構造を見直すものであり、より効率的かつ迅速な意思決定を可能にする。地域事務所間で安全プログラムの運用の一貫性向上もめざしている」と述べた。今回の再編は、2025年5月の大統領令「原子力規制委員会改革の命令」および、同年2月の「政府効率化に向けた人員最適化の実施」に基づく要件をふまえたもの。当面は、原子炉安全プログラムの主要ポストの任命を進めるほか、今後60日以内に新たな組織図と変更管理計画を策定し、9月末までの実施をめざす。NRCは、既存施設の安全とセキュリティを最優先に維持しつつ、米国民への説明責任と奉仕を確実にする組織文化を築いていく考えだ。
24 Feb 2026
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米上院のJ. リッシュ議員(共和、アイダホ州)とR. ガイエゴ議員(民主、アリゾナ州)は2月10日、商業用原子炉の建設に伴うコスト超過リスクを抑制し、投資を加速させることを目的とした「Accelerating Reliable Capacity(ARC)法案」を提出した。初号機(FOAK)特有の不確実性を限定的に政府が吸収することで、民間資金の呼び込みを図り、先進炉の商業化を後押しする狙いがある。初号機の建設では、想定外の工期遅延やコスト超過のリスクが大きく、資金調達面での不確実性が高まることから、投資家の参入をためらわせる要因となっている。同法案は、予期せぬ工期遅延やコスト増大に備える保護措置を設けるとともに、融資条件の改善や限定的な連邦政府の費用分担を通じて、プロジェクトの金融リスクを低減する仕組みを創設する。少なくとも3件以上の先進炉プロジェクトを支援対象とすることが想定されている。具体的には、米エネルギー省(DOE)融資プログラム局(LPO)内に最大36億ドル(約5,500億円)の予算措置を可能とする枠組みを整備する。また、プロジェクトの実際の建設費が当初の基準見積額(予備費等を含まないベース見積)の120%を超えた場合、一定の条件下で連邦政府が費用の一部を負担する仕組みを設ける。支払額は、基準見積額の30%または最大12億ドルのいずれか低い額を上限とし、発電所の運転開始後に保証融資の負担軽減に充てられる。そのほか、対象プロジェクトに対する優遇措置として、当初の基準見積額の最大200%まで融資保証を可能とする特例が含まれる。リッシュ議員は「米国が原子力分野で世界のリーダーであり続けるためには、国内の電力需要増に対応し、海外市場にも供給可能な先進炉の展開が不可欠だ」と強調。ガイエゴ議員も「急増する電力需要に対応する上で原子力は重要だが、新規プロジェクトには企業単独では負いきれない金融リスクがある」と述べ、超党派での法案提出の意義を訴えた。法案は、ClearPath Action、米原子力エネルギー協会(NEI)、Nuclear Innovation Allianceなどが支持。アイダホ国立研究所(INL)のJ. ワグナー所長は、初号機に対するコスト超過への保護は商業展開の加速と産業競争力の強化につながるほか、原子力分野における米国のリーダーシップを維持、強化するものと評価した。
24 Feb 2026
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原子力発電環境整備機構(NUMO)は3月1日、全国の教育関係者を対象とした「全国研修会」を日本科学未来館(東京都江東区)にて開催した。この日は、全国から23団体・178人の教育関係者が一堂に会した。 NUMOでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分事業について、学校の授業で扱う際の教材研究や授業づくりを支援する「授業研究支援事業」を長年実施している。全国研修会は、その取り組みの一環で、今年度で11回目の開催となった。学校の教諭らが児童・生徒に授業内容を分かりやすく伝えるための切り口や工夫、教材研究の成果などが共有され、現場で活用できる知見を持ち寄る機会となっている。 研修会の冒頭、挨拶に立ったNUMOの山口彰理事長は、今年度の授業支援事業の実績として、約400名の教育関係者の協力によって、約500クラス、約5万2,000人の児童・生徒に授業が実施されたことを報告。関係各位に改めて謝意を述べた。 研修会ではまず、「高レベル放射性廃棄物の地層処分 これからの授業展開の可能性~学校教育の新たな潮流を踏まえて~」をテーマにパネルディスカッションを開催。その後、教育関係者による授業実践や取組みの紹介が行われたほか、会場では各ブースでポスターセッションも行われた。ポスターセッションに出展した日本原子力産業協会の担当者は、出展の目的について「協会の活動や制作している冊子などのツール、見学会、ボードゲームといった取組みを知ってもらう場とするとともに、先生方と直接会話できる貴重な機会として例年参加している」と説明した。会場では、今夏(2026/8/3)に予定している教員向け福島第一原子力発電所見学会に関心を示す声が寄せられたほか、展示していたボードゲームにも多くの関心が集まったという。同担当者は「実際に授業で使ったことがあるという先生もおり、印象に残った」と振り返った。研修会終了後、山口理事長は、教育関係者らのプレゼン(口頭発表)を振り返り、地層処分そのものではなく関連する題材をきっかけとする授業の工夫について言及。「エネルギーや環境といった広いテーマを土台に据えたり、クリアランス金属など身近なテーマを入り口にする発想は非常に良い切り口だ」と評価した。そして、参加した教員らの教材研究の水準の高さや多様なアイデアに感銘を受けたと語った。さらに地層処分が廃棄物問題などを含む横断的なテーマであることにも触れ、総合的な学習などの枠組みで扱う意義を指摘した。また、地層処分は社会科や理科の授業で扱う内容であることに加え、健康影響の観点から保健体育とも関係する分野だと指摘。出前授業など外部の専門機関との連携についても触れ、学校教育の中で専門家が関わり、継続的に情報提供できる仕組みが重要だとの認識を示した。
05 Mar 2026
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日本原子力学会若手連絡会とWashington Policy and Analysis(WPA)は2月20日、日米の若手原子力人材による交流イベント「NEXTGEN NUCLEAR TALKS」を開催した。同イベントは、WPAが実施する「サンタフェ・リーダーシップ・プログラム」の一環として企画されたもの。WPAは、米国ワシントンDCに拠点を置くエネルギー分野のコンサルティング会社で、1988年に設立された。創設者兼会長は、米国エネルギー省(DOE)の元副長官であるウィリアム・マーティン氏。同氏は幅広いネットワークを活用し、米国政府や原子力業界、日本政府・電力業界などの関係機関と広く関係を持ち、日米間の原子力分野における政策や産業の橋渡し役として連携や支援を行ってきた。こうした日米間協力活動の一環として、WPAが実施しているのが「サンタフェ・リーダーシップ・プログラム」だ。米国の若手原子力リーダー(20代~40代)らが日本を訪問し、原子力関連施設や政府機関などを視察するとともに、日本の同年代の若手人材との交流を通じて相互理解を深め、日米間の長期的な信頼と協力関係の構築に繋げる狙いがある。同プログラムは2016年に開始され、今年で10回目を迎えた。今年も、さまざまな分野から選ばれた米国の次世代リーダーを日本に招き、原子力関連施設の視察や関係機関との意見交換を行い、日本の原子力政策や原子力産業の現状について理解を深めた。イベント当日は、プログラムの概要説明の後、マーティン氏が開会挨拶を行い、続いて日米の原子力分野が直面する主な課題について、日本原子力学会若手連絡会長の川合康太氏とWPAのレア・ブース(Lea Booth)氏が、双方の視点から講演を行った。川合氏はまず、日本では、脱炭素とエネルギー安全保障を実現する柱として原子力が再評価されている一方で、福島第一原子力発電所の事故後、原子力発電所の長期停止によって産業基盤が弱体化し、若手人材の不足や熟練技術者の減少、サプライチェーンの縮小などさまざまな課題に直面していると指摘。一方のブース氏は、米国でもボーグル3、4号機 (PWR=AP1000、125.0万kWe×2基)の建設において、建設期間の長期化やそれに伴う建設コストの増加により、大型炉の建設への慎重姿勢が強まっていることや、電力市場の自由化と資金調達、また燃料調達における課題を挙げた。その後、参加者は3グループに分かれ、「日本の原子力開発が直面する最大の課題は何か」「日米の原子力協力で最も有望な分野は何か」などのテーマに沿った意見交換が実施され、課題解決、そして日米協力の可能性について議論した。同イベントの終了後、川合氏は、「日米の若手人材が同じ立場で率直に議論できる点に意義があった」と述べ、こうした地道な交流や情報共有の積み重ねが、日米の信頼関係を支える基盤になると語り、今回のような若手人材の交流の場を今後も増やしていくことの重要性を強調した。
04 Mar 2026
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原子力規制委員会の山中伸介委員長は2月18日の定例会見で、特定重大事故等対処施設(特重施設)の現行の経過措置の在り方を見直す方向で検討していると明らかにした。特重施設は、意図的な航空機衝突などの状況に備えて、重大事故等への対策として用意している可搬型設備などに加え、信頼性を更に向上させるためのバックアップ対策として設置することが求められている施設を指す。経過措置期間は、2013年の新規制基準施行時に5年と設定され、2016年の規定改正以後、起算点を新規制基準施行日から各プラントの設計及び工事計画の認可(設工認)日に変更したが、期間自体は引き続き5年であった。規制委は、同制度の運用開始から約10年が経過したが実際に5年以内に完成した例がほとんどないため、規制委は経過措置そのものの考え方を議論する必要があるとの認識を示した。山中委員長は、特重施設が完成している12基の実績を検証した結果「5年では完成しないことが多いと明らかになった」と指摘。これまで、「運用上のルールであるため遵守すべきだ」との立場を取ってきたが、これまでの実績が積み重なった以上を鑑み、「何らかの変更を行う必要があるだろうというのが規制委としての結論だ」との見解を示した。ただし、具体的な延長や制度変更を決定した事実はないと強調。あくまで検討段階であるとした。記者からは「特重施設なしで運転する期間が延びるのではないか」「規制緩和に当たるのではないか」との指摘があった。これに対し山中委員長は、特重施設は「完成の有無によってリスクが著しく上下する性質の施設ではない」と説明。その上で、守れないルールを形式的に押し通すことが規制として適切かどうかは検討すべきだと述べ、今回の議論は「規制緩和ではなく、継続的な規制の改善である」との認識を示した。一方で昨年、事業者側から建設業界の労働環境の変化等を理由に、特重施設の3年間の設置期限延長要望があったが、これについては「働き方改革の影響は他律的要因には当たらない」との認識を示した。規制委は今後、必要に応じて事業者側に事実確認を行った上で、経過措置期間、起点の変更や期間の扱い、適用範囲などについて議論する。
03 Mar 2026
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赤澤亮正経済産業大臣は3月3日の閣議後会見で、高レベル放射性廃棄物(HLW)の最終処分に向け、東京都小笠原村の南鳥島を対象とした文献調査の実施を同日午後に申し入れると表明した。これを受け同日13時、資源エネルギー庁の吉村一元エネルギー・地域政策統括調整官が、父島において小笠原村の渋谷正昭村長に対し正式に申し入れを行った。赤澤大臣は会見で、本年1月16日に全国の都道府県知事宛てに発出したレターに触れ、「地域任せにするのではなく、国の責任で地域に協力をお願いしていく」との方針を改めて強調。その具体的な対応として、南鳥島における文献調査を国から申し入れるに至ったと説明した。南鳥島は、国が公表している科学的特性マップにおいて、地層処分にとって「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域」とされている。また、地上施設を設置し得る未利用地が存在すること、島全体が国有地であることなども判断材料とされた。大臣は「処分地選定調査は地域の理解なくして進めることは困難」と述べ、村民向け説明会を早期に開催し、丁寧な情報提供を行う考えを示した。メディアからの質問に対し大臣は、南鳥島が長年にわたり国策に協力してきた地域である点にも言及し、最終処分の必要性や文献調査の内容について国から説明する必要があるとしたうえで、「小笠原村の皆様のご理解とご協力を得られるよう努めていく」と述べた。申し入れを受け、渋谷村長は同日14時にコメントを発表。文献調査の申し入れ文書を受領したことを明らかにし、事前の相談段階で国およびNUMOに対し、最終処分の必要性や文献調査の内容について村民向け説明会を速やかに開催し、丁寧な説明を行うよう求めていたと説明した。そのうえで、「説明会等における村民や村議会の意見などを踏まえながら判断」していくと強調し、調査受け入れの可否については今後慎重に判断する考えを示した。最終処分事業の実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)は、今回の国からの申し入れそのものについては「申し上げる立場にない」とした上で、「小笠原村で文献調査を受け入れていただけるよう、きめ細かい説明・対応を行う」との姿勢を示している。NUMOは今後、住民向け説明会を開催する予定で、3月14日に父島、15日に母島で実施する。文献調査は、既存の文献やデータに基づき地質環境の適性を評価する初期段階の調査であり、ボーリングなどの現地調査はいっさい行わない。調査の実施には、自治体の応募または国からの申し入れに対する受諾が前提となる。南鳥島は東京都小笠原村の行政区域に属す日本最東端の島で、一般住民は居住していない。国が自ら文献調査を申し入れたことは、「国が責任を持って前面に立つ」とした方針を具体化する動きであり、処分地選定プロセスを次の段階へ進める試みとして位置付けられる。
03 Mar 2026
942

原子力規制委員会の山中伸介委員長は2月14日、九州電力川内原子力発電所を視察。その後、同発電所の近隣9市町村の首長や九州電力関係者との意見交換会に臨んだ。山中委員長は冒頭、同日午前中に同発電所の特定重大事故等対処施設や緊急時対策棟、および乾式貯蔵施設の建設予定地を視察したと説明。そして、現場での実際の運用状況や職員の業務の様子を確認したとし、「重大事故への対策が整ったことを改めて確認できた」と述べ、堅牢な施設の完成により「安全性が向上した」との受け止めを示した。さらに、川内原子力発電所の立地について、「非常にフラットでゆったりとした敷地に建設されており、自然ハザードに対する備えも行き届いている」との認識を示した。また、同行した規制委の神田玲子委員は、「特定重大事故等対処施設についてこれまで議論を重ね、学んできたが、実物を目の当たりにすることで、その大きさや堅牢さ、各種設備の状況を実感することができた」と語った。一方、鹿児島県の塩田康一知事は、山中委員長らに対し同発電所1号機(PWR、89.0万kWe)が2024年7月4日から、2号機(同上)が2025年11月28日から運転開始後40年を超える期間に入っていることに言及。県としては常に事故の発生を念頭に置き、「県民の生命と暮らしを守る観点から、安全対策・防災対策の充実強化に取り組んでいく」と述べた。そのうえで塩田知事は、規制委員会に対し以下の6項目を要請した。 ①乾式貯蔵施設昨年10月、九州電力が川内原子力発電所の使用済み燃料乾式貯蔵施設の設置に係る原子炉設置変更許可を申請したことに触れ、規制委による厳格な審査を求めたほか、県民に分かりやすい情報発信を行うよう要請した。②六ヶ所再処理工場川内原子力発電所の乾式貯蔵施設は、青森県六ケ所村の再処理工場へ搬出するまでの間の一時貯蔵施設の役割を担っているが、六ヶ所再処理工場の稼働延期が続き、現在も規制委の審査が行われていることから、着実な審査と分かりやすい状況説明を求めるとともに、今後の見通しについても説明を求めた。③運転期間延長2023年7月に鹿児島県が規制委に提出した10項目の要請について、県の原子力専門委員会で規制庁から対応状況の説明を受けているが、継続的な取り組みや将来の知見拡充に関する事項が多いとして、今後も対応を継続し、その内容を県民に分かりやすく説明するよう求めた。④屋内退避の運用昨年、一部改正された原子力災害対策指針において、屋内退避中でも生活維持に必要な範囲での一時外出や、民間事業者の活動が可能とされた点に言及し、引き続き分かりやすい情報発信と説明を求めた。⑤次世代革新炉設計段階から新たな安全メカニズムを組み込む次世代型の革新軽水炉について、今後の規制上の取り扱いに関する見通しを問い合わせた。⑥中部電力の不正行為への対応中部電力浜岡原子力発電所の基準地震動策定に関する不正行為について「安全・安心の観点から大変遺憾」と述べたうえで、原子力施設の安全確保に一義的責任を負うのは事業者であるとしながらも。規制委に対しても安全規制に万全を期すよう求めた。 要請を受けて山中委員長は、乾式貯蔵施設については、既に他の発電所で実績のある堅牢な方式であり、リスクの小さい施設と説明。規制側の審査実績も多く、「特段大きな懸念はない」としつつ、住民への丁寧な説明に応じる考えを示した。六ヶ所再処理工場の審査状況について、現在は設工認審査(分割二回目)の最終段階に来ており、今後、保安規定の審査や事業者・規制側それぞれの使用前検査などを経て稼働に至ると説明。なお、同工場の稼働の正式な時期は明確にしていない。同発電所1・2号機の40年超運転については、10年ごとに劣化状況を確認する長期施設管理計画制度の下で、40年運転から50年運転までの基準適合性を確認済みと説明した。そして、屋内退避の運用については、継続判断を「概ね3日目」に行う方針を示し、原子力災害対策指針は改定済みだが、より具体的な運用方策を示す関連文書について、近く発行する予定だという。また、次世代革新炉(規制側は建替原子炉と表現)については、ATENA(原子力エネルギー協議会)と規制上の取り扱いや課題整理を進めており、建替原子炉の申請があれば迅速に審査できる体制を整えるとコメント。また、中部電力のデータ不正については「極めて深刻」と指摘し、再発防止策の強化に取り組む考えを示した。また、同発電所が立地する薩摩川内市の田中良二市長は、原子力発電所の立地自治体として規制委と直接、意見交換できることは「市民の安全・安心の醸成において極めて重要」と評価。そのうえで、両機の40年超運転、そして昨年10月、九州電力が使用済み燃料の乾式貯蔵施設設置に関する原子炉設置変更許可を申請したことに触れ、「市民の関心は非常に高い」と述べた。特に乾式貯蔵施設については、安全性や審査状況に関する丁寧で分かりやすい説明を求めるとともに、審査体制の強化と高い独立性・透明性の確保を要望した。さらに、2月7日に実施された県の原子力防災訓練にも言及し、防災体制の不断の見直しと改善が不可欠だと強調。事故やトラブル時の迅速な情報共有を含め、継続的な助言を求めた。また、いちき串木野市の中屋謙治市長からは、川内原子力発電所のすぐ南に同市が位置するため、冬場の季節風が強い時期に発電所で事故があった際、立地する薩摩川内市よりも被害が大きいのではないかと懸念する住民が一定数いることを明かし、規制委による専門的・科学的見地に基づく厳格な審査が何より重要だとコメントした。その他、電源三法交付金制度について「立地自治体に極めて偏った制度ではないか」との認識を示し、市民が納得していない状況が見受けられると述べた。その他、阿久根市の西平良将市長からも、地域の防災拠点や避難経路の整備、また、電源三法交付金の増額など財政的な支援が要望され、いちき串木野市の中屋市長同様、同件すべてが規制委の所管でないことを理解しながらも、立地自治体が置かれている現状や課題について理解を深めてほしい旨が伝えられた。
02 Mar 2026
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総合資源エネルギー調査会の革新炉ワーキンググループ(座長=斉藤拓巳・東京大学大学院工学系研究科教授)が2月26日に開催され、フュージョンエネルギーの早期実現に向けた検討状況および次世代革新炉開発ロードマップ(案)を中心に議論が進められた。今年度最後の開催となった同WGでは冒頭、フュージョンエネルギーの早期実現に向けた検討状況について、内閣府から説明があった。政府は、昨年5月に改定した「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」で、世界に先駆けた2030年代のフュージョンエネルギーによる発電実現を目標に掲げている。同戦略では、バックキャスト(理想の将来像から逆算し、今、行うべき活動やその優先順位を決める思考法)によるロードマップを策定するとともに、量子科学技術研究開発機構(QST)等のイノベーション拠点化の推進、そして、フュージョン産業のエコシステムの構築を進めている。WGでは、内閣府が進めるタスクフォースによる「フュージョンエネルギーの社会実装に向けたロードマップ案」の取りまとめの進捗が示され、民間企業が商用プラントを建設・運営し、発電収益が得られている姿を描けるような体制作りの重要性が指摘された。そして、当面はBA活動(幅広いアプローチ:Broader Approach)やQSTによる基盤整備を加速するとともに、米国型のマイルストーン方式によるスタートアップ支援を導入する方針が示された。コスト面では、発電実証プラントの建設費を合理的水準に抑えることが課題とされ、米国の水準(50MW規模で総建設費60億ドル未満)を参考にしながら、日本側も国際競争力のある水準を目指すという。次に同WGでは、「次世代革新炉開発ロードマップ(案)」の抜粋版をもとに議論が行われ、革新軽水炉、小型軽水炉、高速炉、高温ガス炉それぞれの社会実装に向けた課題と今後の対応が議題に上がり、各炉型に共通する課題として、サプライチェーン、人材、国民理解の3点について改めて言及された。その後、自由討論と質疑応答が行われ、各委員からさまざまな意見が寄せられた。産業界の立場から参加している大野薫専門委員(日本原子力産業協会)は、提示されたロードマップ案について「産業界の声をしっかり受け止めていただいたものと歓迎している」と評価した上で、制度面や事業環境整備の重要性について4点を指摘した。まず大野委員は、革新軽水炉の事業環境整備について、政府の信用力を活用した融資制度に加え、投資回収の予見性を確保する仕組みや、他律的要因によるリスクを合理的に吸収するルールの設定が、事業者の投資決定に先立ち必要との認識を示した。小型軽水炉についても、フリートで導入される場合など原子力特有の事業リスクは革新軽水炉と同様であるとして、同様の融資・投資回収制度の導入を求めた。また、多様な資金調達を可能とする観点から、原賠制度の総合的な検討も必要と指摘し、これらの制度整備はプラント導入時期から逆算して適切な時期に完了すべきだと強調した。次に、小型軽水炉の規制の在り方について、海外では社会実装段階にある一方、国内ではPAZ(予防的防護措置を準備する区域)やUPZ(緊急防護措置を準備する区域)を含む規制の予見性が十分とは言えない指摘。社会実装を推進するために、事業主体が明確でない段階からでも規制の在り方を検討する枠組みが必要との考えを示した。さらに、フュージョンエネルギーについて、新技術による事業には極めて大きなビジネスリスクを伴うため、自由化された電力市場の下では、まず「産業政策」の観点からの政策措置の検討が先行すべきとの見解を述べた。最後に大野委員は、サプライチェーンと人材の課題にも触れ、昨年10月の原子力小委員会で約7割の企業が人材確保に苦戦しているとの指摘があったことを紹介。中小企業の多いサプライチェーンにおける人材確保の問題について、改めて対応の必要性を訴えた。
27 Feb 2026
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電気事業連合会は2月20日、六ヶ所再処理工場およびMOX燃料工場の暫定操業計画や直近の状況変化を踏まえ、最新のプルトニウム利用計画を公表した。同計画では、2026年度から2028年度までの3年間における各社の利用量が示され、各社合計のプルトニウム保有量は2025年度末で40.1トンとなる見込みだ。2026~2028年度の利用計画では、関西電力高浜3、4号機(PWR、各87.0万kWe×2)で2026年度と2027年度に各0.7トンを利用する計画。年間利用目安は約1.1トンとされている。一方、六ヶ所再処理工場およびMOX燃料加工施設の暫定操業計画(2026年1月28日公表)に基づく再処理回収見込みは、2026年度0.0トン、2027年度0.6トン、2028年度1.4トン。これらを反映した所有量合計は2026年度39.4トン、2027年度39.3トン、2028年度40.7トンと見通されている。さらに同計画では、2022年12月には具体的な行動計画を取りまとめ、地元理解の促進や事業者間の連携強化を打ち出した。そして、各社の地元理解に向けた各社の情報や知見を共有するとともに、自社が保有するプルトニウムは自社の責任で消費することを前提に、事業者間での交換も進めている。電気事業連合会は、資源に乏しい日本にとって、原子燃料サイクルの確立は将来にわたるエネルギー安定確保の観点から重要な課題と改めて強調。福島第一原子力発電所の事故以降、原子力を取り巻く環境は変化しているものの、再処理によって回収した資源を有効活用する方針は変わらず、2030年度までに少なくとも12基の原子炉でMOX燃料を使用した発電を実施することを目標としている。
25 Feb 2026
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福井県は2月18日、原子力発電所の解体に伴い発生した「クリアランス金属」を加工した鉄筋が、県内2か所で行われている橋梁工事の建設資材に使用されたと発表。同日、その施工現場を報道陣に公開した。クリアランス金属を公共工事の建設資材に活用するのは全国で初めて。同事業のクリアランス金属は、日本原子力研究開発機構(新型転換炉原型炉「ふげん」)が提供している。クリアランス金属とは、原子力発電所の解体などに伴って発生した廃棄物のうち、放射能レベルが極めて低く、人の健康への影響を無視できると国が確認した金属を指す。所定の基準を満たし、国の認可を受けたものについては、一般の金属と同様に再利用や処分が可能だ。今回、クリアランス金属を加工した鉄筋(クリアランス鉄筋)が採用されたのは、敦賀市と南越前町で進む橋梁工事の2つの現場だ。敦賀市松栄町では、松原橋の下部補強工事が進められており、2基ある橋脚のうち1基を対象に約23トンのクリアランス鉄筋が使用されている。一方、南越前町鯖波では「(仮称)鯖波大橋」整備工事の下部工事が行われ、4基ある橋脚のうち2基を対象に約31トン分のクリアランス鉄筋が採用された。福井県ではすでにクリアランス制度の理解促進活動が活発に行われ、同金属を活用した製品が福井大学構内のベンチや若狭サイクリングルートのサイクルラック、福井南高校の防犯灯などで採用されてきた実績がある。また、資源エネルギー庁によると、令和7年8月時点で、全国26都道府県において約6,800個のクリアランス物が再利用されているという。一方で、クリアランス金属の消費は限定的で、これまで、鋳造用途に限定される傾向があった。こうした状況を踏まえ、福井県は国や電力事業者と連携し、制度への理解促進に取り組んでおり、今後は需要規模の大きい建設資材向けの加工・活用はもとより、用途を限定せず一般社会で広く活用できる「フリーリリース」の実現を目指している。
24 Feb 2026
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全国各地の魚介グルメを集めた大型フードイベント「SAKANA&JAPAN FESTIVAL 2026 (魚ジャパンフェス)in 代々木公園」(主催:SAKANA&JAPAN FESTIVAL実行委員会)が、2026年2月20日(金)から23日(月・祝)までの4日間、東京都渋谷区の代々木公園イベント広場およびケヤキ並木で開催される。後援は水産庁、復興庁、経済産業省、福島県。なかでも注目されるのが、東日本大震災から15年の節目を迎える福島の復興応援企画だ。「常磐もの」として知られる福島県産の魚介を使った料理の提供だ。県産フルーツを活用したスイーツも登場するという。さらに、来場者が体験型で参加できる企画も用意されており、味わうだけでなく、楽しみながら福島の魅力や復興の歩みに触れられる場となる。SAKANA&JAPAN FESTIVAL 2026 in 代々木公園は、東京都渋谷区の代々木公園イベント広場~ケヤキ並木で開かれる。開催時間は、20、21、22日が10時~20時、23日が10時~18時。入場無料(飲食代は別途)。
20 Feb 2026
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一般社団法人六ヶ所村観光協会は2月21、22日の両日、武蔵小山商店街パルム会館(東京都品川区)で「北の恵み 青森六ヶ所村マルシェ」を開催する。村内生産者によるりんごや長芋、にんにく、しじみ貝などの特産品を販売する。同村の担当者によれば、今回の出展は、観光協会が指定管理を担う特産品販売施設「六旬館」の商品PRの一環。県外への出展は年間数回(都内3~4回、東北1回、九州1回、関西1回程度)行っているが、武蔵小山商店街への出店は今回が初めてとなる。住宅街に隣接する商店街での展開も初の試みで、今後も継続的な展開を目指す方針だ。開催時間は21日が10時~18時、22日が10時~17時。2,000円以上の購入者には、六ヶ所村産長芋を原料とした長芋焼酎「六趣」のミニボトルを数量限定で進呈する。また、同村からは同時期に開催される「SAKANA&JAPAN FESTIVAL 2026 (魚ジャパンフェス)in 代々木公園」にも出展(一般社団法人あおもりウォーズ)。青森県内で鮮魚販売や魚食普及、担い手育成などに取り組む「あおもりウォーズ」の橋本翔代表理事は、青森県は日本海と太平洋の両方に面する地理的特性を持ち、ホタテやサケ、サバ、イカ、ヒラメなど、多様な水産資源に恵まれている点が強みだと強調。「青森の魅力を東京、そして世界に発信したい」と意気込みを語った。同フェスでは、鯖のゴマ味噌ラーメンや六ヶ所村の地酒などを提供している。
20 Feb 2026
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石原宏高環境大臣は2月10日の記者会見で、福島県の大熊町と双葉町にまたがる中間貯蔵施設で貯蔵されている除染土のうち、放射能濃度が比較的低く再利用が可能とされる「復興再生土」について、新たな再利用先を今秋までに決定する方針を明らかにした。除染土は、福島第一原子力発電所事故後の除染活動で発生した土壌で、法律により2045年3月までに福島県外で最終処分することが定められている。最終処分の量を可能な限り減らすため、一定の基準を満たす土壌を公共事業などで活用する「復興再生利用」が進められている。環境省は昨年9月、再利用対象となる低濃度土壌を「復興再生土」と位置付ける方針を正式決定。政府は昨年8月に策定した県外最終処分に向けたロードマップに沿って、再利用実績の積み重ねと国民理解の拡大を図るとしている。2025年7月には、復興再生土が首相官邸の前庭で芝生の基盤材として使用されたほか、霞が関の省庁敷地内の花壇などでも再利用され社会的な関心を集めた。政府中枢での使用は、安全性への理解を広げる象徴的な取り組みと位置付けられている。石原大臣は「秋までには再利用する場所を必ず見つけられるよう、全力を尽くしたい」と述べた一方、地域住民の理解を得ながら慎重かつ着実に進めていくことの重要性も示唆し、関係各位に理解を求めた。
19 Feb 2026
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福島県双葉町と富岡町では2月13日、「特定帰還居住区域」の一部において立入規制緩和区域が追加設定されたと発表した。福島県双葉町では約160ヘクタールが、富岡町では、約55ヘクタールの地域が新たに追加設定され、2月13日付で内閣総理大臣から計画変更の認定を受けた。「特定帰還居住区域」とは、将来にわたって居住を制限するとされてきた帰還困難区域(特定復興再生拠点区域を除く)に、帰還意向のある住民が帰還できるよう、必要な箇所の除染を進め、避難指示を解除し、住民の帰還・居住が可能と定められた区域を指す。東日本大震災と福島第一原子力発電所事故に起因する影響で、現在も避難指示が継続している帰還困難区域に該当する各市町村では、「特定帰還居住区域復興再生計画」を作成し、内閣総理大臣の認定を受け、特定帰還居住区域内の除染やインフラ整備等を一体的に進めてきた。現在、双葉町と富岡町どちらも、対象区域の一部で年間20mSvを上回る地点もあるものの、空間線量は概ね20mSv/年以下まで低下しているという。双葉町、富岡町双方とも、2020年代までに帰還意向のある住民全員が特定帰還居住区域に戻れるような環境整備を進め、復興と再生を進め、この度、追加認定された区域でも、線量低減や家屋解体、上下水道などのインフラ復旧を進め、1日も早い避難指示解除を目指すとしている。
18 Feb 2026
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