
国内NEWS
22 Dec 2025
255

IAEA 海洋放出開始後5回目の安全に関する報告書を公表
海外NEWS
22 Dec 2025
444

仏EDF EPR建設計画のコストを公表
海外NEWS
22 Dec 2025
317

米国 V. C. サマー増設プロジェクトのF/Sを実施へ
海外NEWS
22 Dec 2025
267

フィンランドの熱供給SMR 韓国地域暖房公社と協力へ
海外NEWS
19 Dec 2025
520

インド 民間企業の原子力分野参入促進に向けた法案が下院で可決
海外NEWS
19 Dec 2025
360

米ディープ・フィッション DOEの原子炉パイロットプログラムをカンザス州で実施
国内NEWS
19 Dec 2025
395

泊3号機再稼働へ 北海道知事 経産大臣へ同意を伝達
海外NEWS
19 Dec 2025
412

フィンランド 最終処分場のレビュー期限を再度延長

フランス電力(EDF)は12月18日、パンリー、グラブリーヌ、ビュジェイ各原子力発電所に、改良型欧州加圧水型炉(EPR2、165万kWe)を2基ずつ、計6基建設する計画について、費用見積を理事会に提出した。費用見積は合計728億ユーロ(約13.5兆円)で、2026年第1四半期に新原子力発電に関する省庁間代表団(DINN)の監査を受ける予定。理事会は、EPR2建設計画に向け、2026年に27億ユーロ(約5,000億円)の予算を承認した。パンリー発電所におけるEPR2初号機の稼働開始予定は2038年で、後続炉は12か月から18か月の間隔で稼働を開始する見通しだ。2025年3月、フランスのE. マクロン大統領が議長を務める閣僚級の「原子力政策評議会(CPN)」で決定されたとおり、同建設計画は国家による支援措置の対象となる。EDFは2025年11月19日、欧州委員会に対して支援措置の承認を申請しており、2026年末の最終投資決定を目指す。支援措置には以下が含まれる。建設費の少なくとも半分を国が優遇融資で支援差金決済取引(CfD)の実施政府とEDFのリスク分担EDFグループのB. フォンタナ会長兼CEOは、「EPR2建設計画の予算案の策定は、EDF、その子会社、およびすべての産業パートナーが、スケジュールとコストを管理するという決意の表れだ」と述べ、同計画がフランスのエネルギーと産業の主権、そして今後数十年にわたるエネルギー移行へ貢献するだろうとの展望を示した。■フラマンビル3号機が全出力運転を達成フラマンビル3号機(EPR、165万kWe)は12月14日、出力100%に達し、最大電力166.9万kWeを記録した。この100%出力への段階的引き上げは、12月12日に原子力安全・放射線防護局(ASNR)が出力80%超えを承認したことを受けて実施された。同機は2024年12月21日に送電を開始している。初めて出力100%に達したことで、設備のフルパワーでの試験、測定の実施、および全ての機能が正常に動作していることの確認が可能となる。数週間にわたり、起動試験の一環として、さまざまな出力レベルでの試験を続けるとともに、発電所内部の変電設備に対する試験も実施される。
22 Dec 2025
444

米サウスカロライナ州営電力のサンティー・クーパー社は12月8日、建設が中断されているバージル・C・サマー原子力発電所2、3号機(ウェスチングハウス<WE>社製AP1000)の売却を視野に、完成に向けた6週間の初期実行可能性調査(F/S)を実施することで、カナダの資産運用会社であるブルックフィールド・アセット・マネジメント社と覚書(MOU)を締結したことを明らかにした。ブルックフィールド社は、WE社の大口株主。電力需要の急増と州の支援を受けて、サンティー・クーパー社は今年1月、V. C. サマー発電所2基の買収と完成に関する提案募集を実施すると発表。10月には、ブルックフィールド社との独占交渉に関する意向表明書(LOI)を締結した。サンティー・クーパー社は現時点で、両社が最終投資決定(FID)を下し、両機の完成が約束されれば、27億ドルの現金を受領するとともに、営業運転開始後に最大25%の所有権取得を目指し、それに比例した設備容量も確保するとしている。但し、最終的な所有比率は両機の完成に要する最終コストに応じて調整される可能性がある。同社のJ. ステイトンCEOは「顧客が負担してきた負債を大幅に減らす現金支払いを含む強力な取引交渉を実施し、これら2基から追加の資本コストなしで将来的に電力供給を受けることができる」と述べた。建設時のコスト超過に起因する負債は顧客が負担しており、「今年1月に開始したこのプロセスにおいて、顧客の救済は2つの最重要目標のうちの1つ」と説明。さらに同氏は、もう1つの最重要目標としてサウスカロライナ州への貢献を挙げ、「200万kWe以上の信頼性の高い排出ゼロの電力を生み出すだけでなく、サウスカロライナ州は米国の原子力ルネサンスの最前線に立つことになる」と今回のMOU締結の意義を強調した。MOUでは、ブルックフィールド社が初期のプロジェクト実行可能性を決定する期限を2026年6月26日と定めており、FIDまでに約18〜24か月を要すると見込まれている。ブルックフィールド社は同日までにサウスカロライナ州の企業や労働力の活用、教育機関との連携、労働力開発への投資、地域社会と利害関係者との関わりを考慮した経済開発計画の草案を作成する予定。サンティー・クーパー社は同社と協力し、F/S評価に必要な作業のほか、FID達成に必要な詳細な建設計画・分析を進めるとしている。WE社は12月9日、V. C. サマー発電所でのAP1000×2基完成による経済的影響に関して、コンサルティングファームの英プライスウォーターハウスクーパース(PwC)による調査結果を発表した。同調査によると、両機の7年間の建設段階でサウスカロライナ州に73億ドル以上の国内総生産(GDP)をもたらし、年間7,300もの高レベルな雇用を生み出すとしている。両機が稼働を開始すれば、年間16億ドルのGDPと、運転期間80年間で4世代にわたり2,700以上の雇用を支えると見込む。
22 Dec 2025
317

フィンランドの小型モジュール炉(SMR)開発企業、ステディー・エナジー(Steady Energy)社と、韓国最大の地域熱供給会社である韓国地域暖房公社は12月5日、熱供給専用のSMR分野での協定を締結したと発表した。今回の協力を通じ、石炭やガスの燃焼に依存しない原子力由来の熱供給技術について検討を進める。ステディー社は、熱供給専用SMR「LDR-50(出力5万kWt」」を開発中。高さは約10メートルの地下建設型で、都市部の既存施設への導入を想定している。一方、韓国地域暖房公社は、韓国国内で約190万世帯に暖房用の熱を供給しており、都市部の脱炭素化に向けた新たな熱源の導入を模索している。人口密集地域での安定的な熱供給が課題となる中、原子力を活用した熱供給への関心が高まっている。ステディー社のT. ナイマンCEOは、「人口1,000万人を超えるソウルでは、ヘルシンキにおけるSMR導入の進捗に注目が集まっている」と述べた。また、都市部では規模の制約により大型の熱供給プラントの立地が難しく、脱炭素化の障壁となっているとの認識を示した上で「特に設備を地下に建設する点が注目されており、密集した都市部でもクリーンな熱を供給できる」と、同社技術の利点を強調した。同社はすでにフィンランド国内で15基分の契約を締結しており、設計はフィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)の評価を受けている。商業炉については2028年までに建設準備段階に到達することを目指す。これに先立ち、ヘルシンキ市中心部の旧サルミサーリ石炭火力発電所跡地に実証用のパイロットプラントを建設する計画も進め、今年7月には同プラント向けに3,200万ユーロ(約50億円)を調達したと発表している。
22 Dec 2025
267

インド国会の冬季会期中の12月17日、「インドの変革にむけた原子力の持続可能な利用と発展に関する法案」(Sustainable Harnessing and Advancement of Nuclear Energy for Transforming India: SHANTI)が国会(下院)で可決された。インド政府で原子力や科学技術を担当するJ. シン閣外専管大臣が12月15日に提出した。同法案は、1962年原子力法と2010年原子力損害民事責任法(CLNDA)を廃止し、原子力部門に対する民間参加への開放を含む、原子力の安全かつ確実な利用およびそれに関連する強固な規制枠組みの形成を提案するもの。法案は12月12日に閣議決定されており、今後、上院で審議・可決後、大統領の承認により成立する。政府は、エネルギー自立の強化に向けた持続的な研究開発により、国産の重水炉(PHWR)導入や燃料サイクル確立に向けた動きの進展など、責任ある方法で原子力計画を運営することが可能になったと指摘。原子力発電設備容量の大幅強化により、クリーンなエネルギー安全保障を支援し、エネルギー集約産業であるデータセンターなどの新たなニーズに信頼性の高い電力を供給する方針である。法案により、これまで原子力省(DAE)によって厳しく制限された原子力の複数の分野(原子力発電所の建設、所有、運転、廃止措置や、燃料製造、燃料または使用済み燃料の輸送・貯蔵、輸出入、取得・所持、重要鉱物の探査や採掘など)が民間を含む事業体が認可を受けたうえで、開放される見込み。但し、濃縮、再処理や高レベル放射性廃棄物管理を含む、使用済み燃料の取扱い、重水の生産などは政府またはその完全所有機関が原則として専管する仕組みとしている。1962年原子力法は、民間部門による原子力発電参入を禁止しており、原子力省(DAE)傘下のNPCILとバラティヤ・ナビキヤ・ビデュト・ニガム社(BHAVINI、高速炉の建設と運転の事業者)の2つの国営企業に限定。2015年の法改正により、インド国営火力発電会社(NTPC)のような政府系公社がNPCILとの提携が可能になっていたものの、抜本的な原子力部門の開放の必要があった。その背景には、インドの長期的なエネルギーおよび気候目標がある。政府は、2070年ネットゼロに向けて、独立100周年となる2047年までに現状の十倍以上となる、1億kWeの原子力発電設備容量を達成するという目標を掲げている。この目標達成のため、インドを世界の原子力エコシステムへの貢献者として位置付ける一方で、固有の原子力資源をより十分に活用し、官民双方の積極的な参加を可能にする必要性を強調。官民パートナーシップや合弁事業を含む官民双方の参加を促進し、小型モジュール炉(SMR)を含む原子力発電設備の大規模展開を念頭に置いている。運用レベルでは、同法案は、原子力発電またはその利用に関与する事業体に対する許認可および安全認可に関する規定とともに、停止または取消の明確な根拠を定めている。加えて、医療、食料・農業、産業、研究などの分野における原子力および放射線利用を規制対象とする一方で、研究開発およびイノベーション活動については、許認可要件から除外する方針を示している。同法案はまた、原子力損害に関する現実的かつ実用的な民事責任の枠組みへと見直すとともに、原子力規制委員会(AERB)に法的地位を与え、安全、セキュリティ、保障措置、品質保証、緊急時対応に係る体制を強化。さらに、原子力救済諮問委員会(Atomic Energy Redressal Advisory Council)の設置や重大な原子力損害事案に対応する原子力損害賠償請求委員会(Nuclear Damage Claims Commission)の創設など、新たな制度的枠組みを規定し、これら判断に対する控訴審については、電力上訴審判所(Appellate Tribunal for Electricity)がその役割を担うとしている。また、これまで海外サプライヤーによるインドでの原子力発電所建設の大きな障壁とされてきたCLINDAの供給者責任条項を見直し、保険や政府の補償枠組みを整え、原子炉建設を後押しする方針である。N. モディ首相は11月下旬、原子力分野において民間部門が強力な役割を担う基盤を築く改革を行っていると演説の中で表明。これにより、SMR、先進炉、原子力イノベーションにおける機会を創出し、インドのエネルギー安全保障と技術的リーダーシップをさらに強化するだろうと展望を示した。政府は、法律の改正により、インドのエネルギー移行、技術進歩、国際的義務に沿って、原子力ガバナンスを近代化したい考え。■インドのSMRの建設計画シン大臣は法案提出に先立ち、両院議会への複数の答弁書でSMR建設計画について明らかにしている。政府は、2025年2月に国会承認された2025年度連邦予算(2025年4月~2026年3月)において、SMRの研究開発を推進する「原子力エネルギーミッション」に2,000億ルピー(約3,400億円)を割当て、2033年までに少なくとも国産SMR×5基の運転開始をめざす方針を示した。現在、バーバ原子力研究所(BARC)で、3種類の実証用SMRであるBSMR-200(PWR、20万kWe)、SMR-55(PWR、5.5万kWe)、水素製造用の最大0.5万kWthの高温ガス冷却炉を設計・開発中であり、BSMR-200とSMR-55の先行炉をマハラシュトラ州にあるタラプール原子力発電所サイトに建設、高温ガス冷却炉をアンドラ・プラデシュ州にあるBARCのビザグ・キャンパスに建設を提案しているという。答弁書の中で、SMRは特に、安定的な電力供給が要求される産業の脱炭素化において有望な技術と強調。閉鎖予定の火力発電所のリプレース、エネルギー集約型産業向けの自家発電所や遠隔地でのオフグリッド適用を想定しているとした。なお政府はすでに、22万kW級重水炉(PHWR)の「バーラト小型炉(BSR)」の導入について、民間企業と連携する方針を表明している。これを受け、NPCILは2024年12月、現行法制度の下で提案依頼書(RFP)を発出し、産業向け自家発電用BSRの設置に関心を持つ国内企業に参加を呼びかけている。より多くの企業からの参加を促すため、提出期限が2026年3月31日まで延長された。
19 Dec 2025
520

米国の新興原子力企業ディープ・フィッション(Deep Fission)社は12月4日、同社が開発した小型モジュール炉(SMR)である「Gravity」のサイトとして、カンザス州南東のパーソンズにあるグレートプレーンズ工業団地を選定したと発表した。同炉は地下1マイル(約1.6km)、幅30インチ(約76cm)のボーリング孔に設置するPWR(1.5万kWe)で、今年8月に米エネルギー省(DOE)の原子炉パイロットプログラムの対象に選定された。同プログラム下で試験炉の実証成功後、同サイトで本格的な商業プロジェクトを推進する計画だ。パイロットプログラムはDOE傘下の国立研究所以外の場所でDOEの管理権限の下、原子力法に基づく規制手続きを簡素化し、先進炉設計の試験と研究開発の実施を促進する取組み。ディープ・フィッション社は12月3日、同プログラム下で試験炉の建設と運転を行うため、DOEとその他取引契約(Other Transaction Agreement: OTA)を締結した。DOEの認可を条件に、2026年7月4日(米国独立記念日)までに初号機の建設を完了と臨界達成を目指している。今回、グレートプレーンズ工業団地のオーナーであるグレートプレーンズ開発公社と同プログラムにおける協力ならびに同サイトでの本格的な商業プロジェクト開発に係る基本合意書を締結。12月9日には起工式が挙行された。サイト面積約60㎢のグレートプレーンズ工業団地は、産業・エネルギー開発向けのエリア。ディープ・フィッション社は、サイト内で事業を拡大し、今後数十年にわたり工業団地にエネルギーを供給する可能性がある。「Gravity」は、原子力、石油・ガス、地熱分野での実証をベースに設計。発生した熱は地下深部にある蒸気発生器に伝わり水を沸騰させ、非放射性の蒸気が急速に地表に上昇、そこで標準的な蒸気タービンを回して発電する。検査が必要と判断された場合、原子炉に取り付けられたケーブルにより、原子炉を地表に持ち上げることが可能。モジュール設計により、出力を最大150万kWeまで拡張可能で、産業現場、データセンター、遠隔送電網、商業ハブ全体を対象に柔軟に展開できるという。また既製部品と低濃縮ウラン(LEU)を利用し、サプライチェーンの合理化を追及。原子炉は地下1マイルに設置され、地下深部の地質が自然封じ込めの役目を果たす立地アプローチにより、安全性とセキュリティを強化、土地の占有面積を最小限に抑え、コストの削減をねらう。同社のコストモデルでは、従来の原子力発電所と比べて全体コストを70~80%削減し、発電コスト(LCOE)は5〜7セント/kWhと推定している。
19 Dec 2025
360

フィンランド雇用経済省は12月4日、同国の放射線・原子力安全庁(STUK)に対し、世界初となる使用済み燃料の深地層処分場の操業許可を求めるポシバ社の申請に対する審査完了期限の3回目の延長を承認した。STUKの意見書は、2026年6月末までに提出される見込み。ポシバ社は2021年12月、オルキルオトに建設中の地上の使用済み燃料封入プラントと地下の最終処分施設の操業許可を雇用経済省に申請した。処分施設は当初、2020年代半ばに操業開始を予定し、ポシバ社は2024年3月から2070年末までの操業許可を求めていた。操業許可の最終的な判断は政府が下すが、STUKの意見が許可の付与を支持する場合のみ許可される。STUKは2022年5月に審査を開始。当初、雇用経済省は2023年末までにSTUKの見解を求めていたが、2024年1月、STUKは2024年末まで意見書提出の延長を要請。その後、同年12月にも審査の遅延のため、同省は期限を2025年12月末まで延長した。今回、再度STUKの要請を受け、期限を2026年6月末まで延期している。STUKは、申請書類の大半を受取り承認しているが、ポシバ社が更新した最新資料についてさらなる説明を求めており、2026年初めに回答を得る予定だとしている。その評価を終えるまで、意見書を提出することはできず、6月末までの期限は可能ではあるものの、STUKとポシバ社双方にとって厳しいものであるとの認識を示した。審査は最終段階にあるが、予想以上に長期化している。STUKは遅延の一因として、ポシバ社が最終処分システムに加えた変更と、これら変更の影響を正当化し、安全要件を満たしていることを証明しなければならなかったためと説明。さらに、長期的な安全性の実証にいまだ不確実性がある、と指摘している。一方で、長期的な安全性を証明することは非常に困難な作業であり、本プロジェクトは世界的に前例もなく、審査には時間がかかり、細心の注意と専門知識が必要であると強調。使用済み燃料の最終処分の長期的な安全性とは、少なくとも数万年にわたる期間を指すが、特に、放射性物質の拡散を防ぐ役割を果たす粘土素材の機能性の実証がいまだ進行中であるという。ポシバ社は当初計画されていた粘土素材を別のものに置き換えており、STUKはこの新素材が最終処分の長期的な処分の安全性に与える影響を評価する必要があるとし、安全要件、安全性の根拠に関する詳細な分析を満たす最終安全報告書を受理するまで、操業許可申請の安全性評価を実施しないとしている。政府は2015年11月にポシバ社に最終処分場の建設許可を発給、2016年12月に総工費約5億ユーロの建設工事が開始された。操業許可が発給されれば、フィンランドで原子力発電所を運転するティオリスーデン・ボイマ社(TVO)のオルキルオト原子力発電所とフォータム社のロビーサ原子力発電所から発生した使用済み燃料の処分を開始する。同処分場は、2120年代までの100年間の操業を見込んでいる。
19 Dec 2025
412

フランスの原子力安全・放射線防護局(ASNR)は12月4日、放射性廃棄物管理機関(ANDRA)が2023年1月に提出した、高レベル放射性廃棄物(HLW)と長寿命中レベル放射性廃棄物(ILW-LL)を対象とする地層処分施設「Cigéo(シジェオ)」の設置許可申請に関する安全性評価について、最終的な意見書を公表した。Cigéoは、ANDRAが進める放射性廃棄物の深地層処分場プロジェクトで、フランス東部のムーズ県とオートマルヌ県にまたがるビュール地区周辺に建設される計画。地下約500メートルの粘土層に、合計約8万3,000立方メートルの高・中レベル放射性廃棄物を処分する想定となっている。施設は、放射性廃棄物の発生事業者であるフランス電力(EDF)、フラマトム、フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)等が処分費用を負担し、ANDRAが管理、運営する。本格的な処分作業は2040~2050年ごろに開始し、約100年間にわたって続くことが想定されている。ASNRは2023年3月、仏政府のエネルギー行政当局から審査を委託され、申請書の技術的審査を実施した。審査は、安全評価に用いる基礎データ、施設操業中の安全性、閉鎖後の安全性の三つの観点から行われた。審査過程で地域の委員会や市民の代表者らとの対話が行われたほか、意見案に対する公開意見募集(パブリックコメント)も実施された。意見募集では、安全性の立証、処分対象廃棄物の範囲、今後の公開審査の進め方などに関する懸念が寄せられたという。ASNRは最終意見で、安全性の説明は設置許可申請の段階としては成立していると評価した。一方で、操業開始前にも追加の検証が必要だと指摘し、操業は当初、試験的な段階に限定されるべきだとしている。その上で、審査過程で示された対応方針に基づき申請内容が補完されれば、今後の公開審査に進むことは可能であるとの見解を示した。ANDRAのL. エヴラードCEOは、「プロジェクトの開発において重要な一歩を踏み出した。30年にわたり安全基準を遵守し、設計や住民参加、地域社会との対話にベストを尽くして開発を進めてきた」とコメントしている。ASNRの意見書と公開意見募集の概要は、国会の科学技術評価委員会(OPECST)および原子力安全に関する透明性・情報公開委員会(HCTISN)に提出され、今後の政策判断や社会的議論に付される。フランスでは2006年、放射性廃棄物等管理計画法により、高レベル放射性廃棄物および長寿命中レベル放射性廃棄物について「可逆性のある地層処分」を基本とする方針が定められた。処分事業の各段階で得られる知見を踏まえて設計の変更や廃棄物の回収を可能とし、将来世代に判断の選択肢を残す考え方だ。ANDRAでも、操業を当初から全面的に行うのではなく、可逆性と安全性を検証する「パイロット操業フェーズ」から開始する計画となっている。
19 Dec 2025
342

中国の福建省で12月16日、中国広核集団(CGN)の寧徳(Nindge)原子力発電所6号機(108.9万kWe)が着工した。寧徳プロジェクトは福建省寧徳市に100万kWe級原子炉6基を2段階に分けて建設する。うちⅡ期工事の5-6号機は2023年7月に国務院が建設を承認しており、いずれも中国が独自開発した第3世代PWR設計「華龍一号」(HPR1000)を採用。5号機は2024年7月に着工している。CGNによると、両機の1基あたりの年間発電量は約100億kWh。寧徳原子力発電所ではすでに、第2世代のPWR設計「CPR-1000」を採用したⅠ期工事の1~4号機がそれぞれ営業運転中。1号機は2008年2月に着工、2013年4月に営業運転を開始した福建省初の原子力発電所である。
18 Dec 2025
524

米アイダホ国立研究所(INL)は12月3日、世界初となる塩化物熔融塩実験炉(Molten Chloride Reactor Experiment: MCRE)向けに、商業規模での燃料塩(熔融塩化物とウランの混合物)の製造を開始したことを明らかにした。高速増殖実験炉II(EBR-II)の運用以来、30年ぶりのINL最大規模の燃料生産事業となる。MCREは塩化物熔融塩高速炉設計で、液体塩を燃料および冷却材として使用。液体燃料塩は、従来炉の固体燃料棒と比べて高温運転が可能で燃料効率が高く、また安全性の強化が期待されている。INLは、こうした特性により、船舶用の小型原子力システムや遠隔地向け施設など、新たな応用分野が開かれる可能性を指摘している。INLによると、燃料製造チームは今年9月末に初の燃料塩バッチを製造。2026年3月までにさらに4つのバッチを製造する予定である。MCREで原子炉が臨界に達するまでには、合計72~75バッチの燃料塩が必要とされる。MCRE向けの燃料塩製造プロセスは2020年に開始。2025年3月にウラン金属の95%を、バッチあたり18kgの燃料塩にわずか数時間で変換することに成功した。これまで1週間以上かかった工程を大幅に短縮したという。INLのB. フィリップス燃料塩合成技術責任者は、「高速炉用に塩化物ベースの熔融塩燃料が製造されたのは歴史上初めて。米国のイノベーションにとって大きな節目であり、先進原子力に対する米国のコミットメントを明確に示すものだ」と語った。また、MCREプロジェクトのD. ウッド上級技術顧問は、「海運業界への影響は大きい。熔融塩炉は船舶に高効率で低メンテナンスの動力を提供し、温室効果ガスの排出量を低減するとともに長距離・無停船航行を可能にする。この技術は移動可能で拡張性があり、世界的に変革をもたらす新たな原子力分野の台頭を促すだろう」と述べた。MCREは、INLがサザン社、テラパワー社、コアパワー社、米エネルギー省(DOE)と共同で取組む官民プロジェクト。DOEの国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)がINLに建設中の運転試験ラボ(LOTUS)のテストベッドで、世界初の高速スペクトル熔融塩臨界システムの実証試験を行う計画だ。試験は6か月間の小規模実験として、早ければ2030年に実施される予定。MCREの成果は、テラパワー社およびサザン社が開発を進める、塩化物熔融塩高速炉(MCFR)の2030年代の商業導入に活用される。
17 Dec 2025
414

米国の放射性廃棄物処理のスタートアップ企業、ディープ・アイソレーション(Deep Isolation)社は12月3日、先進炉向けの廃棄物管理システムの開発を進めるプロジェクト「アップワーズ(UPWARDS)」の完了を発表した。プロジェクトは米エネルギー省(DOE)エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)から約377万ドル(約5億8000万円)の助成を受けたもので、2022年からの3年間にわたり実施された。先進炉向け燃料から生じる廃棄物は、従来の軽水炉と比べ、形態が小型かつ多様であることが特徴とされる。このため従来の処分システムを前提とした標準化が難しく、処分プロセスを改めて設計する必要性が指摘されてきた。アップワーズプロジェクトでは、先進炉から発生する使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物を対象に、「ユニバーサル・キャニスター・システム(UCS)」の設計、製造、試験、検証を行った。UCSは、廃棄物の貯蔵、輸送、最終処分の3段階に対応できるよう設計された共通容器で、再処理後のガラス固化体など、さまざまな廃棄物に対応できるとしている。また、同社の処分概念は、従来のように大規模なトンネルを掘削する地下処分場とは異なり、廃棄物を地中深くの細い孔(ボアホール)に隔離する「深地孔処分(Deep Borehole Disposal)」を採用している点が特徴。石油やガス開発で用いられてきた掘削技術を応用することで、垂直掘削に加え、途中から水平方向へ掘り進めるなど、精密な掘削が可能とされる。また、廃棄物の設置作業は人が地下に入ることなく実施できるという。今回実証を終えたUCSは、同社が提唱する深地孔処分に加え、従来型の地層処分の双方に対応できることを想定している。プロジェクトの主任研究員を務める同社のJ. スローン氏は、「新たな原子力技術への投資拡大が進む中、原子力産業にとって最も喫緊の課題の一つに対応するものだ」と述べた。同社は、プロジェクト完了により、将来的な商用化に向けた重要な基盤を構築したとしている。今後は米国や他国の先進炉分野においても、UCSのライセンス取得や運用に向けた準備を進める計画だ。
17 Dec 2025
418

ロシア極北のチュクチ自治管区にあるビリビノ発電所2号機(軽水冷却黒鉛減速炉RBMK=EGP-6、1.2万kWe)が12月3日、閉鎖した。残る同型の3-4号機も年末までに閉鎖する予定。1号機(EGP-6、1.2万kWe)は2019年に閉鎖済みで、使用済み燃料は炉心から冷却プールに取出し済みである。同発電所のA. クズネツォフ主任技師によると、廃止措置の段階は約8年続くと想定され、まずは、連邦環境・技術・原子力監督庁(ロステフナゾル)から廃止措置の認可を取得することから始まる。使用済み燃料の取出し(約2年)、機器・構造物の解体、廃棄物の処理など、全てで数十年かかる作業を行い、2054年頃にはサイト全体で復旧作業を始めるという。ビリビノ発電所の各機は、1974年~1977年にかけて営業運転を開始し、半世紀にわたって永久凍土地帯で運転を続けてきたロシア独自の原子炉。合計190炉年以上稼働し、116億kWh以上の電力を供給するとともに、周辺地域への熱供給も行ってきた。発電量は、統一電力システムから孤立したチャウン-ビリビノ電力システム内の総発電量の80%を占めていた。 現在、チュクチ自治管区のペベクでは、世界初で唯一の海上浮揚式原子力発電所であるアカデミック・ロモノソフ号(KLT-40S、各3.5万kWe×2基、50Gcal/h)が2020年5月から営業運転中で、近隣地域に電気と熱を供給。ビリビノ発電所の閉鎖後、電熱供給の代替発電所となる。極北における廃止措置プロセスは、建設プロセスに匹敵するほど複雑になることが予想される。ロシアにはまだ複数基を同時に閉鎖した発電所はなく、ビリビノ発電所での経験は業界でもユニークなものになると関係者は指摘している。
16 Dec 2025
594

韓国電力公社(KEPCO)とトルコ原子力公社(TÜNAŞ〈TUNAS〉)は11月24日、原子力分野における協力に関する覚書(MOU)を締結した。覚書は、トルコを訪問した李在明大統領とR. エルドアン大統領による首脳会談の場で、両首脳立ち会いのもと署名された。TUNASは、トルコ国内における原子力発電所の建設や運営などを担う国営企業として、2022年に設立された。今回のMOUは、両国間における技術や情報、ノウハウの共有を通じ、新規原子力発電所建設に向けた共同プロジェクトを促進することを目的とする。KEPCOは、トルコにおける原子力事業の開発推進を正式に位置づけ、事業用地の評価や原子力技術、規制・許認可、現地化など、事業全般にわたる協力枠組みを構築する。今後は、事業予定地の評価に向けた共同ワーキンググループを設置し、協力を具体化する方針だ。KEPCOの発表によると、同社のK. ドンチョル最高経営責任者(CEO)は翌25日、トルコのA. バイラクタル・エネルギー天然資源大臣と会談し、計画中のシノップ原子力発電所事業の建設スケジュールや事業条件について意見交換を行った。K. ドンチョルCEOは、「シノップの新規建設事業は、長期にわたり巨額の投資を伴うため、トルコ政府の積極的な支援が不可欠」と指摘。そのうえで、アラブ首長国連邦(UAE)での原子力発電所建設の実績を挙げ、「KEPCOは、シノップ事業における最適なパートナーとなり得る」と強調した。韓国は2023年1月、トルコ北部で韓国製の第3世代加圧水型原子炉(PWR)であるAPR1400(140万kW)×4基を建設するプロジェクトについて、トルコに対し予備提案書を提出している。トルコは2023年に公表した国家エネルギー計画で、原子力をカーボンニュートラル目標達成に向けた重要な電源と位置づけ、2035年までに原子力発電設備容量を720万kWに引き上げる方針を掲げている。同国南部では、同国初の原子力発電所となるアックユ原子力発電所(ロシア型PWR=VVER-1200、×4基)をロシアの融資と協力のもと建設中。建設は2018年以降段階的に進められており、2028年までの順次運転開始を目指している。
16 Dec 2025
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国際原子力機関(IAEA)によるALPS処理水海洋放出の安全性を検証するレビューミッションが、12月15日から19日にかけて実施された。今回のレビューミッションは、海洋放出開始後5回目。IAEAのグスタヴォ・カルーソ原子力安全・核セキュリティ局調整官ら6名のスタッフと、専門家9名(アルゼンチン、英国、カナダ、韓国、中国、フランス、米国、ベトナム、ロシア:以下IAEAタスクフォース)が来日。IAEAによると、これまで公表してきた過去4回の報告書と同様に、一連の対応は国際的な安全基準に沿っており、問題は見つからなかったと結論付けた。なお、同レビューミッションは、2021年7月に日本政府とIAEAの間で署名された「ALPS処理水の取扱いに関する安全面のレビュー付託事項(TOR)」に基づき行われている。12月17日にはIAEAタスクフォースが福島第一原子力発電所訪問し、東京電力から最新の状況について説明を受けた。現地では、ALPS処理水移送建屋や放水立坑をはじめとする海洋放出関連設備のほか、2025年度中に解体開始が予定されるJ8エリアのタンクや、すでに解体が完了しているJ9エリアの確認が行われた。さらに、IAEAタスクフォースは、ALPS処理水の測定や分析を担う化学分析棟およびIAEA福島ALPSラボラトリーを訪れ、分析体制や運用状況を確認したという。12月18日および19日には、経済産業省と東京電力がIAEAタスクフォースに対し、ここ1年のALPS処理水の放出実績や、海洋放出開始以降に実施してきた海域モニタリングの結果を説明。また、あわせて、IAEAの国際安全基準に基づく放出開始後の取組み状況に関する報告がなされ、これらを踏まえた議論が行われた。日本政府(経済産業省)はHPにて、IAEAによるレビューを通じて国際安全基準に沿った取組みを継続し、ALPS処理水の海洋放出の安全確保に万全を期す考えを示した。また、IAEAと連携しつつ、国際社会に対する透明性の高い情報発信を続け、国内外の理解促進に努めるとしている。
22 Dec 2025
255

北海道の鈴木直道知事は、12月10日の第4回北海道議会定例会予算特別委員会総括質疑において、泊3号機(PWR、91.2万kWe)の再稼働同意を表明した。12月18日には、経済産業省の赤澤亮正大臣と会談し、同機の再稼働同意を正式に伝達。安全対策や電気料金の値下げ、インフラ整備の支援策等を要望した。赤澤大臣は「要望を受け止め、地域の実情を踏まえたエネルギー政策を進めていく」と表明している。判断の理由として鈴木知事は、福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえた新規制基準に適合していると認められたこと、また、北海道およびUPZ(緊急防護措置を準備する区域)内13町村の防災・避難計画を一体化した「泊地域の緊急時対応」が国の原子力防災会議で了承された点を挙げた。また、再稼働によって電気料金の引き下げが見込まれること、安定した電力供給が確保されること、脱炭素電源の確保に伴う道内経済の成長や温室効果ガス削減につながることも判断材料になったという。さらに、北海道経済連合会からも同3号機の早期再稼働実現を要望するコメントが寄せられたことや、これまで開催してきた道内各地で開かれた説明会を通じて寄せられた道民の意見、岩宇4町村長の判断、後志管内16市町村からの意見、道議会での議論などを踏まえ、総合的に熟慮を重ねた結果、今回の判断に繋がったという。鈴木知事は、現時点で再稼働の方向性を示すことで、企業の投資判断における予見性が高まり、道内への投資促進や雇用拡大に繋がる可能性にも期待を寄せた。今後、国や北海道電力に対し、必要なインフラ整備を含め、北海道への産業集積に向けた積極的な取り組みを求めていく方針だ。一方で鈴木知事は、「原子力発電所の安全追求に終わりはない」との認識を強調。発電所の安全対策や防災対策に関する道民の不安や懸念については、同意後も継続して対応するとしている。道としても原子力防災対策を一層強化していく考えを示している。また、最終処分を巡る議論について「文献調査の議論が原子力発電所の立地地域などに限られている現状には強い問題意識がある」と述べた。その上で、電力の恩恵は都市部を含む広範な地域が受けているにもかかわらず、そうした地域では十分な議論が行われていないとして、「これは北海道だけの問題ではない」との認識を示した。一方で、現時点で文献調査から概要調査へ移行する場合には、引き続き反対する考えに変わりはないことも強調した。
19 Dec 2025
395

原子力関連施設が多く立地している青森県は12月12日、「原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金」を活用した地域振興の具体的な事業内容を公表した。交付金総額40億円のうち、約6.6億円の充当先の内訳が公開され、防災関連設備の整備や観光施設の整備、看護学科に特化した大学の運営費等に充てられる。残る約33.4億円については、今後策定される予定だ。同交付金は、原子力発電施設等の稼働状況が相当程度変化した県を対象に、地域振興を目的として国から交付金が交付される制度。各都道府県が策定した地域振興計画に基づき交付される仕組みで、制度の根拠は「原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金交付規則」(経済産業省告示第222号)に定められている。青森県には、建設中も含め、東北電力および東京電力の東通原子力発電所、大間原子力発電所(電源開発)、六ヶ所再処理工場(日本原燃)、使用済み燃料中間貯蔵施設(リサイクル燃料貯蔵)などが立地し、これら施設が今回の交付金の対象施設となっている。同県は、これらの施設の再稼働等に向けた動きが進む一方で、稼働延期や停止の長期化といった状況に伴い、立地地域が将来像を描きにくい状況が続いてきた。こうした状況を踏まえ、国、青森県、立地市町村、事業者が一体となり、地域と原子力施設が共生する将来像を描く場として、2023年11月に「青森県・立地地域等と原子力施設共生の将来像に関する共創会議」が設置(資源エネルギー庁が主催)された。2024年10月の第3回会議では、20~30年後を見据えた地域の将来像や基本方針、具体的な取組を示す工程表がとりまとめられ、これに基づき、交付金の配分の前提となる地域振興計画が策定、2025年11月に経済産業省から承認を受けた。計画によると、六ヶ所村で、津波発生時の住民避難を円滑に進めるための誘導標識や目標地点標識の整備等に4,000万円が充てられる。さらに、原子力災害への対応可能な医療体制の構築・強化を目的に、総事業費約14億円で弘前大学が整備を進める「放射線安全総合支援センター」に対し、1億円を支援する。むつ市では、看護師不足の解消を目的に、看護学科に特化した「八戸学院大学むつ下北キャンパス」の運営支援に、約1.9億円を充てる。その他、農林畜産業の高度化を目指す「しもきたハイテクフードバレー推進事業」に3,000万円。むつ市役所本庁舎の未整備エリアを改修し、関係機関との連携の強化、情報収集・分析・発信機能の向上等、迅速かつ効果的な災害対応のための体制を確立することを目的とした「むつ市デジタル防災センター」の整備に200万円が充てられる。その他、東通村では、名所である尻屋埼灯台周辺に、観光施設や駐車場を整備する計画があり、総事業費約7億円のうち3億円が交付金で賄われるという。交付金の総額は40億円で、1会計年度あたりの交付上限は10億円。地域振興計画が認められた会計年度から最長10年間交付される仕組みで、青森県では2025年度から2034年度までの活用を見込んでいる。
18 Dec 2025
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電気事業連合会(電事連)は12月12日、中学生を主な対象とした次世代層向け教育コンテンツ「エネルギーアカデミー ~エネルギーの資源篇~」と題した動画を、電事連のエネルギー・環境教育支援サイト「ENE LEARNING(エネラーニング)」と公式YouTubeチャンネルにて公開した。エネルギー資源の有効活用の重要性という切り口から、電力の安定供給のために、限りある資源をどのように活用していくかが重要であるかを解説している。なお、同動画は、学習指導要領における中学3年生の理科の単元に沿って作成されている。前述のENE LEARNINGにて、ワークシートや指導案も公開された。同動画では、火力・再生可能エネルギー・原子力発電等各エネルギー資源の可採年数のグラフを用いて、それぞれの役割や長所を整理した上で、需要と供給を一致させる電力システムの重要性を解説。安定供給の観点から複数の電源を組み合わせるエネルギーミックスの重要性も改めて紹介している。また、原子燃料サイクルの仕組み、高レベル放射性廃棄物等の最終処分といった原子力のバックエンドの概要を、専門家の解説と現地取材を交えて分かりやすく紹介。動画内ではエネルギーアカデミーの生徒役が、ユニバーサルエネルギー研究所代表取締役社長の金田武司氏とともに、日本原燃の六ヶ所原燃PRセンターを訪問したほか、原子力発電環境整備機構(NUMO)の職員の解説を通して、地層処分の考え方や国内外における取組み状況が紹介され、原子燃料サイクルの仕組み等を分かりやすく学べる構成となっている。電事連は、次世代を担う若年層に対し、エネルギーを「使う」だけでなく、「資源としてどう活用し、使い終えた後をどう考えるか」という視点を伝えることで、エネルギー問題を自分事として考えるきっかけに繋げていくことを狙いとしている。今後もエネルギーを巡る課題について、特定の立場に偏ることなく情報発信を強化していく考えだ。
17 Dec 2025
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日本原子力産業協会の増井秀企理事長は12月12日の定例記者会見で、同協会が手掛ける業界動向調査である「原子力発電に係る産業動向調査2025」の報告や、先月ブラジルで開催された「COP30」、フランスで開催の「WNE2025(世界原子力展示会)」への参加報告等を行った。はじめに増井理事長は、「原子力産業動向調査2025」の結果について、景況感を示すグラフは全体として右肩上がりで推移しており、「原子力産業がやや元気を取り戻してきている状況が読み取れる」と指摘した。実際、景況感は年々改善しており、1年後の見通しについても多くの企業が「さらに良くなる」と回答するなど、産業界として今後の回復基調を見込んでいることが明らかになった。一方で、課題として人材不足を挙げ、同調査によると「人手不足を感じているか」との問いに約8割が「感じている」と回答。「当該年度に十分な人材を採用できたか」という設問でも、「課題が残った」とする企業の割合が年々増加しているとし、「人材確保が難しくなっている実態が浮かび上がった」と述べた。但し、今後の人材採用や配置について「拡大する」と回答した企業も増えており、「人材の需要は引き続き高い水準にある」との見方を示した。続いて、11月にブラジルのベレンで開催されたCOP30への参加を報告。大会全体を通して、原子力がCOPの場で重要な地位を担うようになってきたことを強く感じたという。また、フランスのパリで開催されたWNE2025への参加報告では、日本として初めて「日本パビリオン」を設置し、9社が参加したことを紹介。日本企業が一体となって存在感を示す場となり、会期中は企業間交流や製品紹介が活発に行われ、各社のビジネス機会の拡大にもつながったとの認識を示した。今年最後の定例会見にあたり、増井理事長はこの1年を振り返り、「原子力産業界にとって大変良い年だった」と総括した。とりわけ、2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画で「原子力の最大限活用」が明記され、「原子力依存度低減」という文言が削除された点について、「業界全体に前向きな勢いをもたらした」と評価した。
16 Dec 2025
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京都フュージョニアリングは12月3日、島津製作所と共同で核融合発電施設向けターボ分子ポンプ(TMP)の試作機を開発したと発表した。同試作機はトリチウム環境下での運転が想定され、同社がカナダで建設中のUNITY-2(燃料を絶えず供給するための装置・システムを統合した試験プラント)での性能試験に使用されるほか、核融合発電関連企業や研究機関へも供給されるという。核融合は、トリチウム(三重水素)や重水素といった水素同位体を燃料とし、核融合反応を利用して熱を取り出し、莫大なエネルギーを生み出す発電技術。核融合発電プラントを安定的に稼働させるためには、燃料供給を絶えず行う必要があり、燃料であるトリチウム(三重水素)等を、炉心から排気・分離・循環する技術が求められる。同社はこの技術を、「フュージョン燃料サイクルシステム(Fusion Fuel Cycle System)」として世界に先駆けて開発を進めている。同システムでは、真空状態に保たれた炉心から未反応のトリチウムや重水素、核融合反応によって生じたヘリウムを含むガスを排気し、トリチウムや重水素を燃料として回収・再利用する。この工程の中核を担っているのが高性能な真空技術であり、この度、開発されたターボ分子ポンプ(TMP)等、トリチウム環境下での運転に耐えられる真空ポンプが活躍する。TMPは、トリチウムによる潤滑油の劣化リスクを避けるため、ポンプ内の回転体を磁力で浮かせて非接触で支持する磁気軸受型を採用。また、ポンプ内部はトリチウム暴露による劣化防止素材を使用し、トリチウムや重水素等の軽いガスにも優れた排気能力を発揮する機構を備えた。
15 Dec 2025
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京都大学発のベンチャー企業で、核融合発電に直結する技術開発を強みとする京都フュージョニアリングは11月27日、2030年代の核融合発電実証を目指す民間主導の産学連携プロジェクト「FAST(Fusion by Advanced Superconducting Tokamak)」全体の統括を担うStarlight Engine株式会社と、「FAST」の概念設計を完了し、その設計情報をまとめた「概念設計報告書(Conceptual Design Report:CDR)」を公開した。核融合発電装置の概念設計の完了は国内企業として初だという。ここでの概念設計とは、核融合発電実証プラントの設計プロセスにおいて、技術的・工学的な実現可能性や安全性、経済性を評価し、プロジェクトの方向性とプラントの基本仕様を定める段階を指す。京都フュージョニアリングによると、今後は建設を見据えた工学設計への移行と工学的な研究開発の加速に加え、サイト選定や整備、許認可手続き、長納期品の調達などを進め、2028年以降の建設開始につなげていく。今回取りまとめた概念設計は、以降のすべての活動の起点となる重要なプロセスであり、その成果をまとめたCDRは今後のプラント設計の基盤として中核的な役割を担うという。同社は、2035年に実証試験に入り、2042年ごろの商業発電を見込んでいる。FAST(Fusion by Advanced Superconducting Tokamak)は、核融合反応を用いた発電の実証を目的に、日本国内で進められているフュージョンエネルギープロジェクト。トカマク型を採用し、技術的な成熟度が高く、コストやリスクの管理が可能な点を重視し、商業化を見据えた現実的なアプローチを取るのが特長だ。複数の大学や企業が参加し、核融合研究の第一線で活躍する研究者がすでに数多く参画している。さらに、国内の主要大学と共同研究契約を結び、プラズマ設計からプラント開発に至るまで、幅広い研究・技術開発を進めている。「FAST」プロジェクトの始動から約1年という短期間で概念設計を取りまとめたことについて、同社の小西哲之代表取締役会長は、予定通りに短期間で完了したことに安堵感を示すとともに、「国内の専門家を結集し、高温超電導マグネットや液体増殖ブランケットシステム、高効率なトリチウム燃料サイクルシステムなど、商業プラントに不可欠な新技術を取り込んだ革新的な設計に仕上げられた」と評価した。また「安全設計や許認可、サイト選定に向けた準備も順調に進んでいる」とし、今後の建設に向けた工学設計段階では、金融機関やゼネコンなど幅広い業界との連携実績を有する同社の特長を生かし、事業活動と両立させながらプロジェクトを推進していく考えを示した。
12 Dec 2025
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環境保全をテーマとする国内最大級の展示会「SDGs Week EXPO 2025 (エコプロ )」(日本経済新聞社など主催)が12月10日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で始まった。原子力発電環境整備機構(NUMO)は今年も出展し、3回目となる今回は「地下探査で地層処分の謎を掘り進める」をテーマに、地層処分の仕組みを紹介する展示を行った。エコプロでは、環境問題をはじめ社会課題の解決に向けた企業の取り組みが紹介されている。展示会はSDGsの各目標に対応する形で構成され、ビジネスマッチングに加え、小中学生の環境・防災学習の場としても活用されている。今年は約550団体が出展し、主催者は3日間で約6万5,000人の来場を見込む。NUMOのブースは「地下探査」をコンセプトに構成されている。まず「地上」ゾーンで日本のエネルギー利用の現状や各発電方式の特徴を説明し、続いて「地下」ゾーンでは高レベル放射性廃棄物の地層処分の仕組みや海外での取り組み状況を紹介した。地層処分は原子力発電を利用する国にとって共通の課題であり、クイズを交えて来場者に分かりやすく説明することで理解促進を図った。初日の10日は授業の一環として多くの小中学生が見学した。社会科見学で訪れた小学生からは「自分たちの便利な暮らしの裏で、このような取り組みが行われていることを知って驚いた」、「多くの人が工夫しながら難しい課題に取り組んでいると分かった」といった声が聞かれた。来場した都内の工業高校の生徒は「地層処分の記事をインターネットで読んだことがあり関心があった。ガラス固化体1本を埋設するにも難しさがあると知り、これから大変だと思った」と話した。高レベル放射性廃棄物の地層処分を巡っては、調査受け入れ自治体や地域住民の間で議論が続く。2024年11月には北海道寿都町と神恵内村の文献調査報告書が公表されたほか、佐賀県玄海町でも文献調査が進められている。しかし、北海道知事は関連条例に基づき反対の立場を示している。NUMOの広報担当者は「調査を受け入れた3つの自治体だけの課題ではなく、国民全体で向き合う必要がある。多くの人に現状を知ってもらいたい」と述べた。ブースには例年3日間で約4,000人が来場しており、今年も関心の高まりを実感しているという。展示は12日まで開催される。入場は無料(事前登録制)。開催時間は午前10時〜午後5時。
11 Dec 2025
839

核融合エネルギー開発企業のHelical Fusion(ヘリカルフュージョン)は12月8日、愛知県内で食品スーパーを展開するアオキスーパーと、核融合実用化後の電力購入契約(PPA)を締結した。核融合を用いたPPAは国内初。同社は、2030年代にアオキスーパーへの電力供給を開始する予定だ。発電炉の建設場所は非公開となっている。同社はWEBサイト上で、核融合を社会実装するためには、技術開発だけでなく、実際にその電力を使う需要家の存在が不可欠だと説明。同社が長年、核融合による実用発電を目指した「ヘリックス計画(Helix Program)」のもと、ベースロード電源を担う発電プラントにこだわって開発を進めてきたことに触れ、今回のPPAは、これまでの同社の取り組みを評価された点に大きな意義があると説明した。同社の田口昂哉代表取締役CEOは今回のPPAについて、ユーザー側から核融合実装への具体的な期待が示された点を強調し、「開発・投資を進める立場にとって『出口』が明確になったことで、今後、社会実装への期待が高まり、さらなる開発・投資が加速する好循環にも期待できる」と述べた。また、アオキスーパーも自社のWEBサイトで、今回のPPAに至った理由を説明。同社が食料品を扱う企業として、地球温暖化による農産物や水産資源への影響を深刻に受け止めてきたことや、照明、冷蔵・冷凍設備など膨大な電力を必要とするスーパー業界では、エネルギー消費の大きさが課題となっていると指摘している。
10 Dec 2025
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原子力委員会は12月2日、今年9月に経済産業省で開催された「第1回原子力人材育成・強化に係る協議会」での議論を踏まえ、資源エネルギー庁・原子力政策課と、原子力産業界の人材育成の現状と課題について意見交換を行った。今後、資源エネルギー庁では海外事例に倣い、原子力人材育成を統括する「司令塔機能」を担う組織の立ち上げを目指すという。「原子力人材育成・強化に係る協議会」は、原子力人材の確保・育成が難化している現状を踏まえ、課題解決に向けた取り組みを具体化していくため、経済産業省らが今年9月に設置した。同協議会では、産業界の現状把握や各国事例の共有、政策立案に向けた議論を定期的に実施する。同日の原子力委員会では、先般の第1回同協議会で「原子力人材」は産業の裾野の広さゆえに、必要となる人材の分野や階層が多岐にわたる点が共有されたこと。また、電力事業者やプラントメーカーは、人材状況の把握や育成・確保の取り組みが一定程度進んでいる一方、より現場に近い領域である機器・部素材のサプライヤー、建設・工事を担う企業では、人材の現状把握や育成・確保が十分とは言えず、課題が残るとの認識が示された。また、人口減少が進む中、すべての領域で人材確保を実現することは現実的ではないとの意見もあり、企業単独では十分に育成・確保が難しい専門性の高い人材など、今後優先的に育成すべき領域を見極める必要があると指摘された。さらに、企業単独で人材育成・確保の具体的な施策を進めるのではなく、省庁や関係機関、企業らが横断的に連携して効率化・高度化を図るべきだという考えが示され、フランスの先行事例が紹介された。同国では、政府、産業界、労働組合の三者から成る原⼦⼒産業戦略委員会(CSFN)が原⼦⼒産業全体を俯瞰し、仏原子力産業協会(GIFEN)やフランス電力(EDF)らが、全体戦略に基づき個別の施策を実⾏する構図が確立されている。GIFENでは人材需給ギャップ分析の実施、CSFNでは産官学労の主要関係者の意⾒集約や利害調整を⾏われているという。なお、同協議会では今後、海外事例を参考に、原子力人材育成を統括する「司令塔機能」の具体像について議論を深めていく。司令塔組織が備えるべき役割としては、産官学それぞれの現状把握を行う機能、業界動向を踏まえた中期的な育成計画の策定、さらにその計画の実行状況を継続的にフォローアップする仕組みが挙げられている。産業界の現状把握の確認方法については、⽇本原⼦⼒産業協会が手掛ける「原⼦⼒発電に係る産業動向調査」などが紹介されている。
09 Dec 2025
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四国電力は12月3日、今年8月から10月にかけて実施した「伊方発電所周辺地域対象の訪問対話活動」の実施結果を公表。6割超の住民が原子力に「一定の理解」を示していることが明らかになった。同活動では、同社の社員が伊方発電所周辺の各世帯を直接訪問し、住民が同発電所に対して抱く疑問や不安、気になる点に耳を傾け、その場で丁寧に応対している。単なる情報提供ではなく、双方向のコミュニケーションを通じて原子力発電所への理解と同社への信頼の醸成を図ることが最大の目的だ。対象となったのは、愛媛県伊方町および八幡浜市の全世帯と、大洲市・西予市のうち伊方発電所から半径20km圏内に居住する世帯だ。のべ1,143人の同社社員が2人1組となり、23,987戸を訪問(在宅率は約50%)。南海トラフ地震など大規模災害に備えた安全対策や、発電所における安全文化の醸成、技術力の維持・向上、高経年化対策など、同社の取組みをまとめたリーフレットを用いて、住民に説明した。さらに、今年7月に開始した乾式貯蔵施設や、廃止措置作業に着手している1・2号機の進捗なども説明した。訪問者の印象をもとにまとめた住民の原子力発電に対する評価では、「一定の理解」と回答した割合が6割を超え、昨年度とほぼ同じ傾向が確認された。地域ごとに多少の違いはあるものの、全体としては「一定の理解」や「厳しい」との評価がわずかに減少し、「どちらでもない」とする回答がやや増える結果となった。また、住民から寄せられた意見を分類すると、原子力の安全性や必要性に関する意見、同社の取組みに対する激励や理解・信頼を示す声が全体の8割以上を占めた。また、昨年度に比べ、地震や津波への不安、避難に対する懸念といった意見が減少した。同社はこれらの背景として、3号機が安定的に運転を継続しそれを住民が高く評価していること、また、地震対策について同活動等を通じて丁寧に説明してきたことが理解の広がりにつながったと分析している。
08 Dec 2025
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高市首相は12月2日、就任後初めて福島第一原子力発電所とその周辺施設を視察し、廃炉の進捗状況や帰還困難区域の現状を自ら確認した。高市首相はまず、大熊町の中間貯蔵施設を訪れ、土壌貯蔵施設や、除染土壌を道路盛土に再生利用する実証事業の取組みを確認。その後、福島の復興・環境再生の取組みを発信している中間貯蔵事業情報センターに移動し、職員から説明を受けた。午後には双葉町の帰還困難区域と荒廃農地を視察し、未だ復興途上にある地域の現状に理解を深め、特定帰還居住区域制度を活用しながら、避難指示解除に向けた取組みを加速させる考えを示した。また、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興・再生に責任をもって取り組む決意を示した。そして、高市首相は、除去土の中間貯蔵施設を受入れた大熊町・双葉町、そして福島県に対し、改めて深い謝意を表明。福島県内で発生した除去土を2045年3月までに県外で最終処分を行うという国の方針について、「法律に基づく国の約束であり、責任をもって実現すべきものだ」と強調した。政府はこれら除染土の処分量を減らすために、放射性物質の濃度が低い土を、全国の公共工事の盛り土等に用いて再生利用する計画を進めている。すでにその第一歩として、総理大臣官邸の前庭や、霞が関の省庁の花壇などで除染土の利用が開始されている。さらに今年8月、政府は県外処分へ向けたロードマップを策定。2030年頃に最終処分場候補地の選定を開始し、2035年を目途に処分場の仕様を具体化、候補地選定につなげる計画を示した。高市首相は、「責任を持ってロードマップの取組みを進めるとともに、段階的に2030年以降の道筋も示していきたい」と述べ、改めて国の責任を明確にした。高市首相は今回の視察を通じ、福島の復興が依然として長い道のりであり、震災と事故の記憶を決して風化させない姿勢を強調。「『全ての閣僚が復興大臣である』との決意のもと、復興に向けた取組みを一層加速させる方針で、福島の再生を内閣の最重要課題として責任を持って進めていく」と強い意志を示した。
05 Dec 2025
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