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18 Sep 2026
204

タイ SMR導入調査に米国が助成
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18 Sep 2026
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茨城大学 「次世代原子力デジタルツインプログラム」 大学・高専機能強化支援事業に選定
国内NEWS
18 Sep 2026
255

規制委 法令報告を改善 10月から関係規則の解釈変更
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18 Sep 2026
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2026年版「レッドブック」 ウラン生産は2割増 探鉱・開発投資は4割増 将来供給へ投資不可欠
海外NEWS
18 Sep 2026
241

GIFEN International Day 開催 10か国から180人が参加
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16 Sep 2026
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IAEA総会 分断した時代においても「共通の献身の精神」を
海外NEWS
16 Sep 2026
518

IAEA 原子力予測を初めて2060年まで延長 ― 退役・新設の見通し示す
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15 Sep 2026
404

シーメンス ロールス・ロイスSMR向け蒸気タービン部品を英国で製造へ

タイ電力公社(EGAT)は9月14日、首都バンコクで、米貿易開発庁(USTDA)と、小型モジュール炉(SMR)発電所プロジェクトの予備的な実現可能性調査に関する助成協定を締結した。これにより、EGATはタイにおけるSMR技術の導入計画推進に必要な候補地の予備評価やコスト、規制手続き、要件などを検討する。EGATのN. ポアワニッチ総裁とUSTDAのT. ハーディ副長官が調印した。調印式には、P. エーカナット・エネルギー相、J. ダンリー米エネルギー省副長官らが立会った。タイは、2050年までに温室効果ガス排出ネットゼロ達成をめざすとともに、エネルギー安全保障の強化、長期的な電力の安定供給をめざしている。国内電力需要の増加を受け、SMR技術を同国の長期的な発電構成に組み込み、電力網の柔軟性と安全性を高め、持続的な経済成長と産業発展につなげたい考え。EGATのポアワニッチ総裁は、今回の合意がタイにとってSMR技術の実現可能性を評価する上で極めて重要な基盤となるとし、米国のイノベーション、専門知識と経験を活用し、両国間のより強固な協力関係を構築するものと評価した。USTDAのハーディ副長官は、このパートナーシップについて、米国のイノベーションを推進し、原子力の平和利用や先進原子力技術で主導的役割を果たす米国の姿勢を示すものだと強調。同盟国やパートナーと協力して信頼性の高いエネルギー技術へのアクセスを拡大、インド太平洋地域全体のエネルギー安全保障強化という、米国の外交政策目標とも合致していると述べた。なお、2025年7月には、タイと米国間の原子力平和利用に関する協定(いわゆる123協定)が発効している。米国務省は同年5月発令の大統領令「国家安全保障強化のための先進炉技術の導入」に沿って、タイと強固な民間原子力パートナーシップを発展させていくと表明している。タイの発電電力量(2025年)は天然ガスが主要燃料で、全体の約54%を占める。輸入量が約17%、石炭が約15%、再生可能エネルギーが約10%と続く。エネルギーの海外依存度は高い水準にあり、国際ガス価格の変動による電気料金の高騰を踏まえ、天然ガス依存からの脱却や再生可能エネルギーの拡大が課題となっている。タイ・エネルギー省エネルギー政策計画局(EPP)が策定中の新たな電力開発計画(PDP2026)草案では、2026~2037年の新規発電設備容量として、計5,090万kWe(天然ガス複合火力: 910万kWe、SMR: 30万kWe、太陽光: 2,430万kWe、風力: 270万kWe、バッテリーエネルギー貯蔵システム: 1,450万kWe)を増強し、2050年のクリーン電源比率は少なくとも65%とすることを目標としている。
18 Sep 2026
204

経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)と国際原子力機関(IAEA)は9月14日、46か国の国別報告を基に、ウラン資源、探鉱、生産および需給状況をまとめた「2026年版 ウラン:資源・生産・需要」(Uranium 2026: Resources, Production and Demand:通称「レッドブック」)を共同で刊行した。2023~24年の世界のウラン鉱山生産量は2021~22年比で約20%増加。報告書は、2050年以降の需要を満たすのに十分な資源が存在する一方、将来の供給確保には新規生産に向けた適時かつ継続的な投資が欠かせないと強調している。レッドブックは1965年からほぼ隔年で刊行され、今回で通算31冊目。2026年版には46か国の国別報告が収録され、2023、24年のデータを中心に、一部2025年、26年の情報も含まれている。2025年1月1日時点で、回収コストが260ドル/kgU未満の既知資源量((鉱床の規模・品位・形状が明らかな「確認資源」と、データが不十分な「推定資源」の合計))は810万4,500トンUで前版比2.1%増加。130ドル/kgU未満では、586万4,500トンUとほぼ横ばいだった。世界のウラン鉱山生産量は2023~24年の2年間で11万6,487トンUとなり、2021~22年の9万6,851トンUから約20%増加。2024年単年では6万1,924トンUと、2016年の約6万3,000トンUに迫る水準まで回復した。増加を押し上げたのは、カナダの鉱山の本格生産への復帰や、カザフスタンでの新規生産能力の立ち上がり、そして2030年までに生産量を3,500トンUから7,000トンUへ倍増させる大統領令を受けたウズベキスタンの増産など。2024年には鉱山生産で、世界の原子炉所要量の約96%を賄った。ウラン価格の回復などを背景に、探鉱・開発投資も回復している。2023~24年の世界の探鉱・開発支出は約18億ドルと、2021~22年比で46%増加した。ウラン価格は2021年初頭の1ポンド当たり30ドル(U3O8)から2024年1月に106ドルまで上昇した後、2025年3月には約64ドルまで下落、2026年1月には再び約94ドルへ戻している。ウラン需要も大きく伸びる見通しだ。世界の原子力発電設備容量は、2024年の3億9,800万kWから2050年には5億6,500万kW~9億1,600万kWに増加すると予測。これに伴い、年間ウラン需要量も現在の約6万4,500トンUから約8万4,800~14万3,900トンUに拡大する見通しで、特に中国を中心とする東アジアで大幅な増加を見込む。現在確認されている資源量はこうした需要を満たすのに十分なものの、NEAとIAEAは、鉱山開発には長いリードタイムを要すると指摘。将来の供給制約を回避するには、短・中期的に新規プロジェクトを具体化し、開発を進めるとともに、継続的な探査を支える十分なウラン価格と投資が不可欠としている。
18 Sep 2026
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フランス原子力産業協会(GIFEN)は9月16日、パリ郊外で第2回「GIFEN International Day」を開催した。日本を含む10か国(フランス、日本、イタリア、ベルギー、オランダ、ウクライナ、ドイツ、ポーランド、トルコ、インド)から約180人が参加し、各国の原子力産業の最新動向や国際協力について情報共有、意見交換を行った。冒頭、GIFENのオリヴィエ・バール事務局長は、「世界で原子力を巡るモメンタムが加速している。こうした中、国際的な協調と協力が不可欠である」と述べ、原子力産業の国際連携の重要性を強調した。その後、イタリア原子力産業協会(AIN)とGIFENのMOUが締結された。日本からは、日本原子力産業協会の増井理事長が「日本の原子力の最新動向」について、三菱重工フランスの加古原子力担当部長が「三菱重工の原子力事業概要」について、それぞれプレゼンテーションを行った。発表後の質疑では、日本の原子力関連の輸出動向について質問が寄せられた。増井理事長は、2011年の福島第一原子力発電所事故以降、減少が続いていたものの、2021年度を境に反転し、増加傾向にあると説明した。次回のGIFEN International Dayは、2027年3月17日にパリで開催される予定。
18 Sep 2026
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国際原子力機関(IAEA)の第70回通常総会が9月14日から18日の日程で、オーストリアのウィーンで開催されており、各国政府、国際機関、NGOなどから168か国・3,200人以上が参加している。開会の冒頭にスピーチしたIAEAのR. グロッシー事務局長は、IAEA創設から70年を迎えた今も、原子力安全、保障措置、がん治療支援、災害時の緊急支援などを通じ、各国がIAEAを通じて協力する姿を日々、目の当たりにしていると述べ、IAEAが果たす幅広い役割を強調した。IAEAは発電のみならず、医療、農業、環境など幅広い分野で原子力科学技術へのアクセスを世界に広げ、新興加盟国では安全で信頼性の高い原子力発電の導入支援を続けている。グロッシー事務局長は、国際情勢が分断と緊張に直面する中においても、IAEA初代事務局長W. スターリング・コールが1957年10月の第1回総会で表明した原子力の平和利用に向けた「共通の献身の精神」に立ち返り、国際協力を継続することの重要性を訴えた。また、世界的な原子力発電への関心の高まりを反映し、着工・運転開始に至る基数が着実に増えていると指摘。IAEAが本総会に合わせて公表した最新予測では、電力需要の増加や脱炭素化、産業・運輸の電化、デジタル経済の拡大などを背景に、世界の原子力発電設備容量が2060年までに、現在の3倍以上になる可能性があるとの予測を紹介した。特に、IT大手企業が原子力発電への投資を進めていることに注目。原子力は、低炭素で信頼性の高い電力を安定して供給できるため、AIやデジタルインフラとの親和性が高く、両者の結び付きは偶発的なものではなく、構造的な連携になっているとの認識を示した。また、原子力発電の導入を検討する国が増えるなか、IAEAは現在、「マイルストーン・アプローチ」に基づき43か国の新規導入を支援し、さらに20か国が導入を検討していることに言及。小型モジュール炉(SMR)への世界的な関心の高まりについては、国際的な普及に向け、各国で異なる規制手法の調和や設計の標準化が必要だと指摘。IAEA主導の原子力の調和および標準化イニシアチブ(NHSI)を通じ、複数国の規制当局が参加する事前許認可のパイロット事業などを紹介した。また、世界貿易の約80%を担う海運の脱炭素化における原子力の役割を強調。今年8月に海洋分野における原子力技術の応用(ATLAS)イニシアチブを立ち上げたほか、国際海事機関(IMO)とも協力し、海洋におけるSMR利用に関する法的、規制的、技術的および保障措置上の課題を検討していくとした。さらに、World Fusion Energy Groupを通じて、核融合発電の研究、開発、実証、展開の加速を支援していくとしている。こうした原子力利用拡大の機運は「確かなもの」だとする一方、野心的な目標と実際の設備容量の伸びのギャップを埋めるためには、資金調達の抜本的な変革が必要だと強調。世界銀行が原子力への融資を認める方針に転換したことを歓迎し、国際金融機関の原子力プログラムに対する理解促進に向けた能力開発事業を進めていると紹介した。これに続く各国代表からの一般討論演説では、日本代表として、小野田紀美科学技術政策担当大臣が登壇。日本がIAEAとの協力を通じ、原子力の平和利用と核不拡散を推進する決意を表明した。また、日本はエネルギー安全保障と脱炭素に貢献する原子力発電について、安全性を最優先に最大限活用するとした。そのうえで、今年7月に閣議決定された「日本成長戦略」の下、海外の原子力発電所建設プロジェクトへの日本企業参画の促進や次世代革新炉の開発・導入を進め、さらに、2030年代のフュージョンエネルギーの発電実証に向けて、IAEAとの連携を強化すると述べた。福島第一原子力発電所の廃炉では、使用済み燃料の取出しや燃料デブリの試験的取出しなどの進展を説明し、ALPS処理水の海洋放出についても計画通り安全に実施されており、IAEAによる安全性確認が継続していると強調した。加えて、IAEA保障措置の強化、追加議定書の普遍化、人材育成と技術開発にも取組むと表明。北朝鮮やイランの核問題、ウクライナの原子力安全・セキュリティへのIAEAの関与を支持し、NPT体制の維持・強化と核兵器のない世界の実現に向け、日本としてIAEAを最大限支援していく考えを示した。 ◇ ◇例年通りIAEA総会との併催で加盟国等による展示会も行われている。 日本のブース展示では、「クリーンエネルギー、イノベーション、レスポンシビリティ」をテーマとし、革新軽水炉やSMRなどの次世代革新炉開発、フュージョンエネルギー社会実装への道筋、核セキュリティや緊急被ばく医療分野における能力構築を目指した国際協力、放射性医薬品の開発・製造・利用を取り上げた内容を展示するとともに、福島第一原子力発電所の最新の廃炉進捗状況も紹介している。 展示会初日には、日本政府代表の小野田紀美科学技術政策担当大臣がブースのオープニングセレモニーに出席し、挨拶の中で日本政府がエネルギー安全保障と脱炭素に寄与する原子力の最大限の活用を方針としていることをあらためて強調するとともに、ブース展示については有益で魅力的な内容を備えているとアピールした。 福島復興をアピールする観点から日本ブース展示に参加している復興庁は福島産の農産物や民芸品を多数提供するほか、ブース・オープニングでの日本原子力産業協会の増井理事長による乾杯でも福島県産の日本酒が用いられブース来訪者に振舞われた。 一方、翌日にはIAEAのグロッシー事務局長が初めて日本ブースを訪問した。同局長は、IAEAの協力イニシアチブに対するこれまでの日本の貢献を評価し、日本と加盟国の強い連帯の表れであると述べるとともに、ブースで提供されている福島県産食品を試食するよう来訪者に勧めるなど、今総会での日本ブースは従来以上に福島復興を後押しする機会となっている。
16 Sep 2026
413

国際原子力機関(IAEA)は9月14日、ウィーンで開催中の第70回IAEA総会で、最新報告書「2060年までの世界のエネルギー・電力・原子力発電予測」(第46版)を公表した。 IAEAは高・低の2ケースで今後の原子力発電設備容量を予測し、世界の原子力発電設備容量は2060年までに、高予測ケースで2025年末の約3.4倍にあたる12億8,400万kWe、低予測ケースでもほぼ倍増の6億9,600万kWeに達する見通しを示した。 予測は6年連続で上方修正された。 なお、報告書のエネルギー・電力予測はネットゼロへの経路を示すものではなく、1.5℃・2℃目標と整合するシナリオでもないとしている。今回の版では、2010~2025年版で2050年までとしてきた予測の対象期間が、2060年まで10年延長された。 現在運転中の設備容量の67%は運転開始から30年以上の炉、46%は40年以上の炉によるもので、今後の退役や運転期間延長の動向が長期的な設備容量の見通しを左右する。 IAEAが同報告書で2050年より先の見通しを示すのは、今回が初。2060年までの退役と新設を比べると、高予測ケースでは1億2,800万kWeが退役する一方で10億1,700万kWeが加わり、純増は8億9,000万kWe。 低予測ケースでは退役が2億2,000万kWeに増える一方、新設は5億2,100万kWeにとどまり、純増は3億100万kWeまで縮小する。 低予測ケースの退役規模は2025年末の設備容量の約6割、新設容量の約4割に相当する。 IAEAは、既設炉の運転期間延長は、実行可能な場合、低排出のベースロード電源を確保するうえで最も費用対効果の高い選択肢の一つであり、高経年化した原子炉群を抱える地域ではとりわけ重要だと指摘。 長期運転に向けた経年化管理プログラムの実施例が増え、自由化された電力市場で既設炉の競争力を支える政策措置も導入されつつあるとした。 IAEAのR. グロッシー事務局長は「この潜在力を実現するには、新規建設への投資と既設炉の運転期間延長が不可欠になる」と強調している。見通しが上方修正される一方、実際の世界の原子力発電設備容量は、前版の起点となった2024年末の417基・3億7,700万kWeと今回の起点となる2025年末の413基・3億7,710万kWeで、ほぼ横ばいだった。 2025年は12基・1,430万kWeが着工したものの、送電開始は3基・300万kWe、閉鎖は7基・280万kWeで、設備容量ではほぼ相殺された。 発電電力量は前年比1.1%増の2兆6,891億kWhと増えたが、世界の総発電電力量が2.7%増とこれを上回るペースで伸びたため、原子力の占める割合は2024年の8.7%から8.4%へ低下している。低予測ケースでは世界全体の設備容量が増える一方、北・西・南欧は8,100万kWeの退役を3,400万kWeの新設で補えず、主要地域で唯一、4,700万kWeの純減となる。 これに対し、中央・東アジアは低予測ケースでも2025年の1億1,380万kWeから2060年に2億7,900万kWeへ拡大する。 日本もこの地域に含まれるが、報告書は国別の将来見通しを示していない。2060年までの新設容量に占める小型モジュール炉(SMR)の割合は、世界全体で高予測ケース28%、低予測ケース23%となる見通し。 地域別では北米で両ケースとも約60%と世界全体の割合を大きく上回り、東南アジアと中南米・カリブ海地域では約40%を占める一方、中央・東アジアでは約10%にとどまるなど、導入割合には大きな地域差がある。2060年の原子力発電設備容量の拡大が見込まれるなか、原子力発電電力量は高予測ケースで2025年の約3.9倍の約10兆kWh、低予測ケースでも2倍超の約5.7兆kWhとなる。 IAEAは、世界の総発電電力量も同期間に2.5倍に伸びると推計している。 このため報告書では、原子力のシェアは、高予測ケースでは現状の8.4%から13.2%へ上昇する一方、低予測ケースでは7.2%へ低下するとしている。
16 Sep 2026
518

英ロールス・ロイスSMR社は9月3日、英国の北ウェールズ・アングルシー島ウィルヴァで建設を計画している同社製SMR(PWR、47.0万kWe)×3基の高圧タービンやバルブケーシングなどの主要な蒸気タービン部品を、同国ニューカッスルにある独シーメンス・エナジー社の施設で製造することを明らかにした。ロールス・ロイスSMR社によると、欧州全域においてSMR向けのこれら部品製造は初。同社は今後、ニューカッスルの施設を同社のSMRフリート向けの主要部品の供給拠点とする計画である。ロールス・ロイスSMR社は2025年2月、シーメンス・エナジー社をタービン・システムのパートナーに選定しており、今回の措置は、熟練した550人以上の雇用を支え、同社が進める英国内のサプライチェーンの構築と製造拠点の現地化、製造業の国内回帰に向けた取組みの一環である。ニューカッスルでの製造能力を国内向けだけでなく、将来的には拡大するSMR輸出市場にも活用し、エネルギー安全保障の強化、国際ガス市場への依存低減、英国の再工業化につなげたい考えだ。ニューカッスルにあるシーメンス社の施設は、かつてのC. A. パーソンズ・アンド・カンパニーを継承したもの。19世紀末からタービン製造を続けてきた英国のエネルギーインフラ史上、重要かつ歴史的な拠点である。1956年に初号機が運転を開始した英国初の商用原子力発電所であるコールダーホール(ガス冷却炉GCR, 8万kWe×4基, 2003年閉鎖)の蒸気タービンもここで製造された。
15 Sep 2026
404

英国のロイド船級協会(LR)、デンマークのコンテナ船大手のA.P. モラー・マースク(Maersk)社、米国東海岸のチャールストン港、英国最大のコンテナ港フェリクストウ港は9月2日、将来の米英間における原子力コンテナ船の運航を想定し、運航、セキュリティ、保障措置などの要件を検討する「ピンク・コリドー(Pink Corridor)」((エネルギー分野で原子力発電を示す色として「ピンク」を使用していることに因む。))プロジェクトを開始すると発表した。同プロジェクトは、将来、関係者が原子力商船の航路を検討する場合に、実務上の要件や制度上の空白、さらに今後必要となる作業を理解できるよう支援することを目的としている。海事業界では、一定の技術的・安全上の前提を満たした原子力船が港に寄港する際、主要な障壁は技術そのものより、規制・責任体制・保険・港湾手続きなどの制度整備にあるとされる。本プロジェクトの成果を将来の規制策定につなげ、大西洋横断の商業海運における原子力利用の安全かつ確実な導入を支援したい考えだ。同プロジェクトの初期段階では、米チャールストン港と英フェリクストウ港間の仮想航路を航行する原子力コンテナ船を想定し、両港への入港や運航に必要となる要件について、船舶のセキュリティ、保障措置、サイバーレジリエンス、緊急時対応、保険制度、海事規制と原子力規制の整合性などの観点から検討する。初期段階の成果を踏まえ、原子力商船に関する工学、規制、法制度、セキュリティー、保障措置の枠組みにおいて、さらなる検討が必要な分野を含め、続く第2段階の実施範囲を決定していく方針である。なお、本プロジェクトは構想段階であり、船舶の設計や就航スケジュールは未定である。米英両国は2025年9月に、科学技術・産業分野の包括的な協力枠組である「Technology Prosperity Deal, TPD」を締結。これにより、両国がAI、量子コンピューティング、原子力分野における協力拡大をめざす中、「ピンク・コリドー」プロジェクトを通じて、航路の開拓を含む、民生用海事における原子力利用の検討に向けた二国間の取組みを支えることが期待されている。
15 Sep 2026
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フィンランドの電力会社フォータム(Fortum)社は9月9日、同社が運転するロビーサ原子力発電所(VVER-440×2基、各51.3万kWe)の長期運転を支える電力購入契約(PPA)を、米IT大手Google社と締結した。PPAは22年間にわたる。2028年に小規模で始まり、2030年から2049年にかけてロビーサの発電設備容量の最大50%に相当する規模に拡大。フォータム社は長期の収益確実性を得ることで、同発電所の2050年までの運転継続に必要な投資を進めやすくなるとしている。なお、同発電所の運転認可は2050年末まで延長済みである。ロビーサ発電所1-2号機は、それぞれ1977年、1981年に営業運転を開始。フォータム社は同発電所の運転期間延長に向けて、約10億ユーロ(1,782億円)の投資計画を進めているが、必要なプロジェクトの約80%、金額にして7億ユーロ(1,247億円)については、投資決定が行われていない。PPAはこれらの投資を支える収益基盤となるほか、2028年に予定される3.8万kWeの出力増強に加え、さらに1万kWeの出力増強を可能にするとしている。ロビーサ発電所は現在、フィンランドの電力需要の約10%を供給しており、2050年までの運転継続によって、脱炭素電源の維持と電力系統の安定化にも寄与するとしている。両社はさらに、新たな発電設備や蓄電システムなどの柔軟な電力設備を共同検討するための覚書も締結。まず、Google社はカヤーニのデータセンター隣接地に9.4万kWeのバッテリー蓄電システムを設置し、フォータム社がその運用最適化を担う。またロビーサ・サイトでの新規建設を視野に、需要や共同投資、リスク分担などを含め、競争力のある事業モデルを検討することとしている。Google社は、南部のハミナでデータセンターを運営するなど、過去15年間にわたりフィンランドで事業を展開している。2027~2028年にはハミナに加え、北部のムホス、ヴァーラ、カヤーニでのデータセンターや関連インフラ、クリーンエネルギープロジェクト、地域とのパートナーシップ活動に130億ユーロ(約2.3兆円)を投資する計画も発表。Google社にとって欧州最大規模の投資案件である。AIやデータセンターによる電力需要の増加に伴い、低炭素電源への需要も高まるとみられている。フォータム社のM. ラウラモCEOは、「Google社との長期的なパートナーシップは、電力価格が大きく変動し、将来の見通しが立ちにくい現在の市場環境において特に重要。長期契約によって収入や需要の見通しが立ち、低炭素電源への投資やエネルギー安全保障の強化が進めやすくなる。データセンターなどのデジタル・産業分野への投資を呼び込み、フィンランドの雇用やイノベーションにもつながる」と今回のPPA締結の意義を強調した。
14 Sep 2026
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米テネシー州のB. リー知事は8月31日、テネシー州環境保全局(TDEC)が核融合開発企業のタイプ・ワン・エナジー(Type One Energy)社に対し、核融合装置の運転に必要な副産物物質ライセンスを発給したことを明らかにした。核融合装置に特化した新たな規制制度に基づくライセンス発給は全米初。同州オークリッジ近郊にあるテネシー峡谷開発公社(TVA)のブルラン・エネルギー・コンプレックス(旧ブルラン火力発電所サイト)で進められる、ステラレータ技術((複雑にねじれたコイルだけでプラズマ閉じ込めに必要な磁場を作る方式。))を採用した商用核融合プロジェクト「プロジェクト・インフィニティ」(Project Infinity)が今回のライセンス発給の対象。同プロジェクトは段階的に進められ、工学的検証・訓練用プラットフォーム「Infinity One」に続き、40万kWeの商用核融合設備「Infinity Two」の建設を計画している。タイプ・ワン・エナジー社は2025年2月、TVAと「Infinity Two」の計画策定に関する協力で合意し、同年9月には同計画をブルラン・エネルギー・コンプレックスに展開する意向書(LOI)を締結。同社とTVAは密接に連携し、今年1月にライセンスを申請していた。米原子力規制委員会(NRC)は2023年4月、核融合装置を商用核分裂炉と同様の規制ではなく、既存の副産物物質(Byproduct Material)規制を基に管理する方針を決定。NRCとの協定に基づき副産物物質の規制権限を持つ「Agreement State」であるテネシー州では、TDECにある放射線保健部門が核融合装置および核融合関連活動のためのライセンスプログラムの策定を主導し、今年6月に全米初となる核融合装置専用の規制制度を施行した。今回のライセンス発給は同規制制度の初適用事例。同州は今後、同制度を他の州が核融合発電を規制する際の参考モデルにしたい考えだ。プロジェクト・インフィニティは段階的に進められる。第1段階では、工学的検証・訓練用プラットフォームの「Infinity One」を年内に着工し、2029年の運転開始をめざす。続く第2段階では、「Infinity Two」を2028年に着工し、2034年の全面運転を計画している。タイプ・ワン・エナジー社の商業用地は、オークリッジ国立研究所(ORNL)、TVA、テネシー大学などとのプロジェクトを通じて核融合開発キャンパスとして整備される予定だ。リー知事は、「テネシー州は原子力エネルギーの世界的中心地として、次世代の原子力イノベーションを牽引するために必要な人材、インフラ、規制の枠組みを整備している。核融合のような新技術に向けた明確な道筋を示し、今後何世代にもわたり信頼性が高く豊富なエネルギー源を推進している」と強調した。
11 Sep 2026
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中国の山東省煙台市で9月5日、中国広核集団(CGN)の招遠(Zhaoyuan)原子力発電所2号機(PWR=華龍一号「HPR1000」、121.4万kWe)が着工した。招遠1-2号機は2024年8月に国務院がI期工事として建設を承認。国家核安全局(NNSA)が同年11月13日に建設許可を発給後、1号機は同月18日に着工している。同サイトでは6基の「華龍一号」建設を計画しており、省内の原子力・風力・太陽光・蓄電を統合したクリーンエネルギー産業クラスターの形成を担う重点プロジェクト。地域暖房にも利用され、今後、産業用蒸気や水素製造、海水淡水化などでの利用も検討されている。同建設プロジェクト完了後、発電量は年間500億kWhに達し、約500万人の年間電力需要を満たす見込みである。本プロジェクトでは、華龍一号としては初となる二次系循環冷却技術を採用し、高さ203m、散水面積16,800㎡となる自然通風冷却塔6基を設置する。この冷却塔により、タービン建屋の直接冷却源は海水から大気へと切り替えられ、海水は補給水としてのみ使用し、水資源の消費を大幅に抑える。また、原子炉側には原子力級の機械通風冷却塔を採用し、冷却安全性を一層強化するという。中国の原子力発電所は招遠発電所を含め、通常は沿海部に立地しているが、海水冷却に依存しない大型炉の冷却方式を沿海部で実証し、その技術を今後の立地拡大に活用しようとしている。
11 Sep 2026
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スウェーデンでは今年8月下旬から9月初めにかけて、新規建設に向けた動きが相次いでいる。スウェーデンは2035年までに小型モジュール炉(SMR)や大型炉を含む新規原子力発電設備容量を250万kWe、2045年までに1,000万kWeの拡大をめざしており、新規建設向けの政府の支援制度が2025年8月1日から施行されていることが背景にある。政府融資や差金決済契約(CfD)など、リスクと利益の分担を通じて事業を支える国家補助の枠組みが整備され、複数の事業者がプロジェクトを政府に申請する段階へ移行している。まず8月25日、同国の先進炉開発企業であるブリカラ(Blykalla)社は、ウプサラ県ティエルプ市のウントラ(Untra)に、同社が開発を進める先進モジュール炉(AMR)の鉛冷却高速炉「SEALER」(5.5万kWe)×6~8基、最大合計出力44.0万kWeの建設計画について、政府に承認を申請した。年間発電電力量は約36.8億kWhと想定される。同社は今年5月に、イェヴレボリ県イェヴレ市のノルスンデット(Norrsundet)で「SEALER」×6基、合計33.0万kWeの同国初となる先進炉を採用した商用発電所の建設計画の承認申請をしており、ウントラでの計画はそれに次ぐもの。国内で複数の原子力パークを展開する動きの一環である。8月31日にはブリカラ社が全額出資するプロジェクト会社のウントラ・ニュークリア・パワー社がウントラでの建設計画に対する国家補助を申請した。8月27日には、フィンランドの電力大手フォータム(Fortum)社傘下で、スウェーデンにおける新規原子力発電のプロジェクト会社であるNuCore Energi社が、同国南部のオスカーシャム市で計画する新規建設に向けて国家補助を申請した。建設規模は120万kWe~340万kWeで、SMRと大型炉の双方を選択肢として検討している。フォータム社は2年間にわたる新規原子力発電の実行可能性調査の結果、大型炉ではフランス電力および米ウェスチングハウス(WE)社/韓・現代E&C社、SMRでは米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社との協力を強化。2025年6月にそれぞれ先行作業契約(EWA)を締結している。NuCore Energi社は今回の政府への申請を契機に、支援条件などに関する協議を開始する方針。なお、国家補助の申請はブリカラ社とNuCore Energi社の申請を含め、今年8月末の時点で6件となっているが、国家補助対象は最大約500万kWe、およそ大型炉4基分相当と限られている。9月3日には、スウェーデンの原子力技術サービス企業スタズビック(Studsvik)社の主導下で、GVH社、韓国サムスンC&T(サムスン物産)などがGVH社製SMR「BWRX-300」(BWR, 30万kWe)×4基、計約120万kWeの建設プロジェクトを共同開発することで合意した。建設候補地はスタズビック社の既存の原子力施設がある同国南部ニショーピング(Nyköping)とヴァルデマルスヴィーク(Valdemarsvik)のマルメ(Målma)の2か所。複数の拠点で展開する新規原子力開発プログラム「ReFirm」の初プロジェクトとして、いずれかのサイトで2030年代半ばには初号機を運転開始する計画だ。今回の合意により、独占交渉期間中に、商業面や技術面、規制面、資金調達面などに関する共同作業を開始する。スウェーデンの新規原子力発電開発では、制度整備の段階から複数の事業者が具体的な建設案件を競う段階に入った。大型炉だけでなくAMRやSMRも計画されており、今後は政府による支援案件の選定や許認可、資金調達などが焦点となる。
10 Sep 2026
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世界原子力協会(WNA)は9月7日、「世界原子力発電見通し」(World Nuclear Outlook Report)の第2版を発表。各国政府の目標や具体化している案件が実現し、既設炉の運転が継続すれば、2050年の世界の原子力発電設備容量は14.57億kWe(グロス)となるとの見通しを示した。COP28で打ち出された「原子力三倍化」目標(約12億kWe)を上回るとの結論は、今年1月の初版と変わらないが、第2版では各国が目標を実際に達成できるかを測る実行能力の評価が新たに加わった。WNAは各国を「政策枠組みの整備状況」「制度・インフラの整備状況」「プロジェクト・プログラムの成熟度」「目標達成の見通し」の4基準で評価し、原子力開発の状況が近い国々を5類型に整理。 日本が分類されたのは、相当数の原子炉を運転し、成熟した制度を持ちながら、近年は継続的な建設が行われていない「リスターター」(Restarter、原子炉の建設能力を再構築する「再始動国」)で、ベルギー、オランダ、スウェーデン、ブラジル、南アフリカなど12か国が並ぶ。リスターター全体では、制度・インフラの整備状況は比較的高く評価される一方、関係機関の業務の重心は既設炉の運転継続に置かれており、規制機関が新型炉の設計審査に十分対応できる体制にない場合があると指摘している。こうした国々では、当面の設備容量の上積みは、運転期間延長や改修、出力増強、再稼働から生じる公算が大きいと分析。またWNAは、一基ごとの個別対応から、複数案件を継続して進める「プログラム型」の仕組みへの移行を優先課題に挙げた。資金調達だけでなく、許認可、サプライチェーンの整備、人材計画についても、後続案件に繰り返し適用できる枠組みが必要だとしている。こうした課題がある一方、報告書は再始動国について、原子力開発に必要な制度的基盤の多くはすでに存在しており、見通しは明るいと評価。既存の産業・制度基盤と再び強まった政策支援を、継続的な原子力発電所の建設につなげられるかが鍵になると指摘した。これが実現すれば、2050年までに相当規模の原子力発電設備を追加できる可能性があるとしている。また報告書によると、2025年の世界の原子力発電電力量は2兆7,020億kWhで過去最高を更新し、世界の総発電電力量の約9%を占めた。平均設備利用率も83.7%へ上昇し、原子炉の高経年化による全般的な低下は見られなかった。一方、着工は11基(中国9基、ロシア2基)と、過去40年でも高い水準だったが、三倍化には2030年代半ばまでに現状の約6倍の着工ペースが必要になると分析した。 2050年見通しのうち5.59億kWeは、建設中・計画中・提案中のいずれにも該当する具体的な案件をまだ伴っていない。さらに報告書は、12分野の政策提言を示したうえで「目標はすでに掲げられている。今問われるのは、それを達成するための体制を築けるかどうかだ」と総括している。
09 Sep 2026
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独立行政法人大学改革支援・学位授与機構(NIAD-QE)は9月16日、新たに令和8年度大学・高専機能強化支援事業に選定された28件の事業を公表。原子力分野では、茨城大学の「地域共創による次世代原子力デジタルツイン((現実の発電設備などを仮想空間上に再現し、動作や変化を事前に検証する技術))人材育成」事業が採択された。NIAD-QEは2023年度から、成長分野における高度専門人材の育成に取り組む大学・高等専門学校(高専)を対象に、大学・高専機能強化支援事業を実施している。支援には「成長分野転換枠」、「大規模文理横断転換枠」、「高度情報専門人材育成枠」、「重点分野支援枠」があり、今回茨城大学は、「重点分野支援枠」で選定された。支援金額は最大約10億円。今回の事業で茨城大学は、2028年4月に同大学大学院理工学研究科博士前期課程に、定員20名の「次世代原子力デジタルツインプログラム(仮称)」を新設する。マルチフィジックス解析((コンピューターを用いて、複数の異なる物理現象が相互に影響しあう様子を同時にシミュレーションする手法))やAI等の情報技術を理解・統合して活用し、原子力設備の挙動解析や予測、安全評価、異常検知などを担う分野横断型の技術者・研究者の育成を目指す。
18 Sep 2026
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原子力規制委員会は9月17日、定例会合を開催し、原子炉等規制法第62条の3に基づく事故故障等の報告(法令報告)に関する関係規則の解釈を変更することを了承し、10月1日から施行することに合意した。規制委は2025年8月の定例会合で、解釈の改善の方向性について既に了承しており、今回はそのうち、規則改正を伴わないものを先行して施行することとした。一方、規則改正を伴うもの、すなわち核燃料施設等の故障に関する報告要件や、原子力災害対策指針において原子力災害対策重点区域の設定を要しない施設に関する法令報告に関する改善については、引き続き検討を行う。今回の解釈変更は大きく分けると、①管理区域内における放射性物質の漏洩の報告要件について、試験研究炉と使用施設について実用炉等と同じ基準に統一する、②福島第一原子力発電所において、汎用品の交換等で復旧できる不具合は法令報告が不要であることを明確化し、また法令報告のタイミングについて、他施設で削除済みの事項を同様に削除する、③被ばく線量が線量限度を「超えるおそれ」に関する解釈の統一、④条文引用の表記整理――の4点。今回の変更は、解釈の改正や記載の適正化に当たることから、意見公募は行わず、10月1日に施行する。規制委は、国際原子力機関(IAEA)が今年実施した総合規制評価サービス(IRRS)の勧告で、グレーテッドアプローチ(リスクや重要度に応じて規制の厳しさを調整する)の規制プロセス全体への適用について指摘を受けている。今後、こうした規制制度に関する検討と法令報告との関係を整理し、規則改正を伴う見直しについて引き続き検討する。
18 Sep 2026
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中部電力は9月14日、浜岡原子力発電所の基準地震動評価における不適切事案について、外部の専門家による調査委員会の調査報告書を公表するとともに、再発防止策の方向性を発表した。経営責任を明確にするため、勝野哲会長と林欣吾社長は9月30日付で辞任する。後任の社長には、10月1日付で取締役・専務執行役員の安井稔氏が就任する。また、同社は浜岡3、4号機(BWR、3号機:110.0万kW、4号機:113.7万kW)の新規制基準に係る原子炉設置変更許可申請などを取り下げることも決定した。同発電所の再稼働をめぐっては、2026年1月、中部電力が基準地震動評価の代表波選定において、審査会合での説明と異なる方法や意図的な方法で実施していた疑いがあることを公表し、調査委員会が調査を進めていた。報告書によると、原子炉設置変更許可申請で必要な地震動評価および基準地震動の策定において、定量的な基準によらず人為的に代表波を選定していたほか、実際には行っていない選定方法の証跡となるバックデータを事後的に作成し、規制委に実態と異なる説明を複数回行っていた。背景には、関係者が「安全性には影響がない」「技術的には正しい」などとして自らの行為を正当化する「独自の正当化理論」が存在したほか、高度の専門性に起因する統制機能の不全や社内のけん制機能の脆弱性などがあったと指摘した。中部電力は再発防止に向けた施策案として、経営ガバナンス改革、組織風土改革組織の設置、部門間ローテーションなどによる次世代人材の育成、原子力本部内への多様な視点の導入、外部専門家によるチェック・レビューの実施、内部監査の強化、内部通報への対応強化などを挙げた。また、調査委員会も、外部専門家による定期的な技術監査の実施や、監視・牽制機能の独立性確保などを提言している。なお、浜岡3、4号機については、信頼回復を最優先とし、そのうえで再申請をめざすとしている。日本原子力産業協会の増井理事長は、「原子力事業において、コンプライアンスと安全性確保は大前提であり、当協会としても極めて重く受け止めております。今後、会員各社・関係機関とともに社会からの信頼回復に努めてまいります」と述べた。
15 Sep 2026
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近畿大学と関西電力は9月14日、原子力分野の包括連携協定を締結した。研究用原子炉などの教育・研究基盤を持つ近畿大と、原子力事業の知見や運営経験を持つ関西電力が協力し、原子力分野を担う次世代の人材育成と国内の原子力事業基盤の強化を目指す。協定では、関西電力が学生向けの講演・講義やキャリア形成支援を行うほか、研究面での連携、高等教育機関の学生を対象とした人材育成プログラムへの協力などに取り組む。また、研究炉の見学や講座などを通じ、地域住民に原子力について学ぶ機会を提供する。大学の原子力研究所の安定的な管理運営に向けては、関西電力が原子力業務経験者を紹介する人的支援も行う。一方、近畿大は研究炉や教員の知見を活用し、関西電力の社員教育を支援する。近畿大は1961年に運転を開始した日本初の教育用原子炉「UTR-KINKI」を保有。自大学の教育・研究に加え、国内外で原子力工学を学ぶ学生や教員、研究者を対象とした原子炉実習などに活用している。現在、国内の大学が保有する研究・教育用原子炉は、UTR-KINKIと京都大学の臨界集合体実験装置「KUCA」の2基のみ。京都大学の研究用原子炉「KUR」は今年4月に運転を停止した。今年3月の原子力委員会の会合では、近畿大学原子力研究所の若林源一郎副所長が、KURの運転停止を控え、「今後、近畿大学の原子炉の役割がさらに重要になる」と述べていた。
15 Sep 2026
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経済産業省は9月11日、産業資源であるコンビナートや地域に偏在する脱炭素電源などを核に、新たな産業クラスターの形成を目指す「GX戦略地域」の第1弾を認定した。原子力や再生可能エネルギーを活用した産業団地の整備を目指す「脱炭素電源活用型」では、新潟県柏崎市など8地域10地点が選ばれた。 GX戦略地域制度は、2025年2月に閣議決定された「GX2040ビジョン」で示されたGX産業立地政策を具体化するため、同年8月に創設された。①コンビナート等再生型、②データセンター集積型、③脱炭素電源活用型――の3類型について地域を選定し、支援と規制・制度改革を講じる。また、④脱炭素電源地域貢献型では、脱炭素電源を活用し、電源立地地域に貢献する事業者の設備投資を支援する。 このうち「脱炭素電源活用型」は、再生可能エネルギーや原子力などの脱炭素電源を活用した産業団地を整備し、電源立地地域における産業立地モデルの創出を図るもの。今回、青森県(六ヶ所村、六戸町)、新潟県柏崎市、福井県(福井市、小浜市)、島根県松江市など8地域10地点が認定された。 柏崎市では、鯨波(くじらなみ)産業団地で原子力と再生可能エネルギーによる脱炭素電力100%の安定供給を目指す。首都圏に送電されている原子力発電の電力の一部を地域に安定供給することも検討している。 また、「データセンター集積型」では、鹿児島県(薩摩川内市)など9地域10地点を認定した。薩摩川内市は4月、「脱炭素電源活用型」の有望地域に選定されていたが、今回は「データセンター集積型」で第1弾の認定を受けた。同型の各地域の計画概要は後日公表される。 政府は8月26日のGX実行会議で、4月に選定した有望地域の中から、近日中にGX戦略地域の第1弾を認定する方針を示していた。その他の有望地域についても、引き続き事業計画を具体化し、計画の熟度が十分に高まった段階で順次認定する。
14 Sep 2026
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中国電力は9月10日、2030年度の運転開始を目指している島根原子力発電所3号機(BWR=ABWR、137.3万kW)について、原子力規制委員会(規制委)の新規制基準適合性審査で一通りの説明を終了した。今回の会合で中国電力は、シーケンス選定((重大事故対策の有効性を検証する際、対象とする事故の進展シナリオを選ぶこと))や確率論的リスク評価(PRA)などの指摘事項に回答。規制側から追加の指摘事項はなく、同電力の三村秀行副社長・電源事業本部長は、これまでの会合での規制側のコメントを踏まえ、適切に補正内容を確認し、品質管理を行った上で補正申請を速やかに行いたいとの意向を示した。翌11日には、これまでの審査内容を踏まえた補正書が規制委に提出された。今後は、補正書の確認後に、原子力規制庁が審査書案を作成し、規制委がとりまとめを行う。同案については、原子力委員会や経済産業大臣への意見聴取と意見募集(パブリックコメント)が実施され、それらの結果を踏まえて必要に応じて審査書を修正。規制委が了承すれば、原子炉設置変更許可が交付される。島根3号機の建設に関する本格的な動きは1995年の事前調査から始まり、2005年に着工した。当初は2012年3月の営業運転開始予定だったが、2011年の福島第一原子力発電所事故を契機に、安全対策を講じるなどの対応を実施。2018年に新規制基準への適合性審査に係る原子炉設置変更許可申請を規制委に提出し、現在に至る。島根県の丸山達也知事は9月11日の定例記者会見で、記者から審査終了の受け止めについて聞かれ、規制委の中で必要とされている審査項目の全てが終了したことは一つの節目であるとし、今後審査書案や意見募集を注視していくと語った。
11 Sep 2026
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日本原燃は9月7日、原子力規制委員会の審査会合で、六ヶ所再処理工場の竣工前に、過去の試験運転で発生した溶液・廃液を用いた確認運転を実施する方針を示した。竣工後に実施するとしていた方針を見直した。 再処理工場では、過去の試験運転で発生したプルトニウム濃縮液や高レベル濃縮廃液などが施設内に残っており、関連する主要設備も長期間停止している。確認運転では、これらの溶液・廃液を実際に使用する。 溶液処理では、長期間停止している主要設備の健全性を確認する。廃液処理では、まず模擬廃液を用いてガラス溶融炉の漏えい確認を行った後、実廃液を供給して処理運転を行い、ガラス溶融炉の処理能力や設備の健全性を確認する。 確認運転の実施に伴い、保安規定についても変更認可を申請する。同社は、確認運転に関する変更と新規制基準対応に関する変更の2段階で申請する方針。規制委側は、竣工前の確認運転と新規制基準適合との関係や、保安規定、使用前事業者検査に関する手続きを引き続き整理するよう求めた。 六ヶ所再処理工場は、7月末時点の総合工事進捗率が約99%で、使用済み燃料を実際に用いて設備性能などを確認する「アクティブ試験」も約96%まで進んでいるものの、竣工に向けた規制上の審査や検査が続いている。 新規制基準への対応では、2020年7月に事業変更許可を取得。その後、設備の詳細設計に当たる設計・工事計画の認可(設工認)の審査を進めてきた。現在は設工認の補正申請に向けて準備するとともに、工事や使用前事業者検査を並行して進めている。日本原燃は、2026年度中の竣工を目指している。
10 Sep 2026
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経済産業省は9月9日、「次世代革新炉の開発・建設に向けた技術開発・サプライチェーン構築支援事業補助金」の二次公募の採択結果を公表した。東芝、原子燃料工業、日本ギア工業、日本製鋼所の4社が選ばれ、原子燃料工業以外は一次公募に引き続いての採択となった。今回の支援事業では、一次公募・二次公募共通で、次世代革新炉の技術開発と次世代革新炉の開発・建設に向けた産業基盤強化を目的とする事業に、最大で27億円(補助率50%以内)の補助金を交付する。事業期間は最大3年度まで。東芝は開発を進める革新軽水炉「iBR」の炉内構造物について、技術開発および製造実証をサプライヤーとともに実施し、将来の炉内構造物製造に必要となる製造・供給能力および保守管理能力を構築、製造基盤の確立とサプライチェーンの維持・高度化を図る。そのほか各社の採択された 事業は以下のとおり。<東芝>次世代革新炉向け炉内構造物の開発及び製造実証(Phase2)<原子燃料工業>次世代革新軽水炉向けPWR/BWR高性能燃料に係る部材製造設備の製造実証事業<日本ギア工業>ウォームシャフト製造の内製化・自動化による安定供給体制の構築と高精度熱処理技術の確立<日本製鋼所>原子力用鍛鋼品製造量増大のための技術開発
10 Sep 2026
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東京大学大学院工学系研究科と原子力発電環境整備機構(NUMO)は9月8日、高レベル放射性廃棄物の地層処分における安全評価技術の高度化と専門人材の育成を狙いとして、初の社会連携講座「地層処分AI・マルチフィジックス連携」を、10月1日に同大学に開設することで合意した。9月8日付で社会連携講座設置兼共同研究契約を締結している。高レベル放射性廃棄物の地層処分では、熱や化学反応など、複数の現象を解析する手法(マルチフィジックス解析((コンピューターを用いて、複数の異なる物理現象が相互に影響しあう様子を同時にシミュレーションする手法)))を用いて、長期にわたる安全性を評価する必要がある。今回の講座開設は、 ①AI・機械学習による計算・データ解析の高速化、②解析コードの比較検討を行う開かれた場の構築、③将来を担う人材の育成――を目的としている。放射性廃棄物の地層処分や、放射性核種によって汚染された環境の評価・修復のために、放射性核種やその他の有害物質の環境挙動を研究する斉藤拓巳教授(原子力専攻)が講座を担当する。実施期間は2029年9月30日までの3年間。さらに、NUMOは講座の中核的な取組みとして、他大学・民間企業・研究機関等の専門家が参加する解析コードの比較検討会を定期的に開催する。複数のTHMC連成解析コード((熱(Thermal)・水理(Hydraulic)・力学(Mechanical)・化学(Chemical)の現象が相互に影響しあう様子を解析するマルチフィジックス解析プログラム))で同じ課題を解き、その結果を比較して、知見を蓄積する。複数の専門家が参加する開かれた議論を通じて、安全評価の信頼性を高め、処分場の設計最適化に必要な技術力の強化につなげることが狙い。初回は11月25日に開催予定で、詳細については今後発表される。
09 Sep 2026
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企業と学生の採用・就職活動支援と原子力産業界への理解向上を目的とした「原子力産業セミナー」(主催=原子力産業協会/関西原子力懇談会)が9月5日、東京都立産業貿易センター(東京・港区)で開催された。原子力産業新聞取材チームは、出展企業・機関のうち4社に、人材確保・育成に向けた取組みを聞いた。前回の木内計測、日本原子力発電に続き、今回は発電設備技術検査協会とアトックスの取組みを紹介する。■発電設備技術検査協会:第三者の立場から「安全」を支える発電設備技術検査協会は、7年ぶりに同セミナーにブースを出展した。発電設備の安全・健全性を評価する同協会の業務は、学生をはじめ一般には広く知られておらず、人材確保には厳しさもあるという。一方、エネルギーの安定供給や原子力発電所の再稼働への関心が高まるなか、第三者・中立的な立場から原子力発電所の安全を支える役割に魅力を感じる学生も増えているとして、こうした学生との接点拡大に期待を寄せる。人材確保に向け、今年から技術系学生を対象としたインターンシップも開始した。電力会社の協力を得て、再稼働した原子力発電所や技能訓練施設を見学するほか、モックアップを使った溶接検査の模擬体験や非破壊検査技術の体験なども取り入れた。配管内部の傷を見つけ出す検査を「宝探し」に例えるなど、学生に仕事の面白さを伝える工夫も凝らしている。1970年の設立以来、検査の専門家集団として溶接部の健全性評価や材料、非破壊検査などに関する知見・経験を蓄積してきた同協会は、これらを次世代に継承することを重要課題と位置付ける。安全は設備だけでなく、最終的には「人」によって支えられるとの考えから、現場を客観的に見極めるプロフェッショナルの育成を目指している。■アトックス:「ラストワンマイル」を担う強み2006年の同セミナー開始当初から出展を続けるアトックスは、近年、学生の原子力に対する意識に変化を感じているという。カーボンニュートラルへの関心の高まりやエネルギー問題が身近になったことに加え、原子力をめぐる前向きな話題が増えていることなどを背景に、原子力に対するネガティブな反応が減ってきたと指摘。企業説明会でも、原子力を主力とする企業という理由で敬遠されることが少なくなってきたとの感触を示す。放射線技術を中心に原子力産業とともに発展してきた同社が、自社の強みとして学生にアピールするのが「ラストワンマイル」だ。機械化・自動化が進むなかでも代替できない最終工程を人の手で担うなど、他社が手掛けていない領域で強みを発揮しているという。一方、近年はエンジニアリング部門にも業務を拡大し、放射線技術を応用した医療装置の開発にも取り組むなど、事業領域を広げており、同社はこうした変化に挑戦する意欲を持つ人材を求めている。学生に対しては、原子力産業は多様な技術や企業から成る総合技術産業であるとして、最初から選択肢を絞らず、広い視野で業界を見てほしいと呼びかける。また、若い世代が持つITリテラシーやAIなど新技術への適応力にも期待を寄せており、そうした力をエネルギー・原子力産業の発展に生かしてほしいとしている。
08 Sep 2026
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石原宏高原子力防災担当大臣が9月6日、フィンランドのオルキルオト原子力発電所1-3号機(1,2号機: BWR, 92.0万kWe×2基、3号機: PWR=EPR, 166.0万kWe) と、同発電所近隣に立地する高レベル放射性廃棄物(使用済み燃料)の最終処分場(オンカロ)を視察するとともに、同発電所が立地するエウラヨキ町の関係者と意見交換を行ったことを、自身のX(旧Twitter)で報告した。今回の視察は、9月3日から5日にかけて行われた。石原担当大臣はオルキルオト原子力発電所と「オンカロ」のエリアツアーに参加し、同発電所と使用済み燃料封入施設の外観、そして地下約60mにある低中レベル放射性廃棄物(SFR)の処分場を視察したと報告。なお、高レベル放射性廃棄物の最終処分場は操業開始直前ということもあり、内部の視察は行わなかった。オルキルオト・ビジターセンターでは、ポシバ社((国内で原子力発電所を運転するティオリスーデン・ボイマ社(TVO)とフォータム社が使用済み燃料最終処分の実施主体として設立した事業体))の子会社であるポシバ・ソリューションズ社のM.ポホヨネン社長から、施設や事業の内容、エウラヨキ町との関係性について説明を受けた。また、エウラヨキ町では町議会議長、町理事会会長、町長と意見交換を行い、フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)への高い評価や、「最も電化された自治体(The Most Electrified)」という地域ブランドの構築、住民理解の重要性などについて説明を受けたという。石原担当大臣は、今回の視察を通して、原子力関連施設の立地・運営への理解を得るために、立地地域との長期的かつ継続的なコミュニケーションを通じて、信頼関係を構築していくことの重要性を感じたと語り、日本における最終処分場の整備事業において、フィンランドの取組みは大いに参考になるとした。なお8月には、中道改革連合の泉健太衆議院議員も超党派の議員連盟によるフィンランド視察に参加するなど、国会議員によるフィンランドの最終処分に関する取組みを視察する動きがみられる。
08 Sep 2026
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日立グループが顧客やパートナーとの協創に向けたきっかけ作りの場として継続しているイベント、「Hitachi Social Innovation Forum 2026 JAPAN」が9月4-5日に東京国際フォーラムで開催された。今回は「環境・幸福・経済成長が調和する『ハーモナイズドソサエティ』の実現」をテーマに、これまで日立グループが積み重ねてきた専門的な領域での知識やデータをAIと掛け合わせることで、幅広い業界との協創を加速させ、社会課題解決に向けた新たな価値創出につながる展示・講演が中心となった。その中で原子力については、小型モジュール炉(SMR)の「BWRX-300」、革新軽水炉の「Highly Innovative ABWR(HI-ABWR)」、高速炉技術、核融合炉技術、原子力メタバースプラットフォームの展示があった。BWRX-300は既に西側初の商用SMRとして、カナダのダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)サイトで建設が進められている。そのほかポーランドやアメリカでも建設が計画されており、海外での実績を積み、将来的には日本での導入も視野に入れている。一方、HI-ABWRでは、放射性物質閉じ込めシステムの開発を進めているという。外部環境への放射性物質の放出を抑えるための従来のフィルタベントシステムに加え、希ガス分離膜と、従来除去することが困難であった有機ヨウ素を除去可能な新ヨウ素除去フィルタを導入し、大気に放出する蒸気と水素から放射性希ガスと有機ヨウ素を除去し、過酷事故時でも住民の避難が不要な状況を目指す。核融合技術については、かねてから量子科学技術研究開発機構(QST)とともに主要な部品の開発・製作を進めており、国際核融合実験炉「ITER」の認証試験にも合格した実績があるが、近年は国内外の核融合スタートアップとの関わりも増えている。担当者によると、原子力メタバースプラットフォームも、実際に国内の原子力発電所で導入実績があり、実際のステークホルダー間での打ち合わせでも円滑なコミュニケーションに役立っているという。
07 Sep 2026
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