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24 Jul 2026
242

英サイズウェルBが2055年まで運転へ 政府とCfD締結で基本合意
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24 Jul 2026
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富岡町 特産品を使ったスイーツレシピのコンテスト開催
国内NEWS
24 Jul 2026
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福井県 核燃料税引き上げ条例可決
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24 Jul 2026
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IEA「重要鉱物見通し2026」を発表 原子力回帰で原子燃料サイクル投資が急務
海外NEWS
23 Jul 2026
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米ニュージャージー州 新規原子力発電所の調達プロセスを開始
国内NEWS
23 Jul 2026
1041

政府 骨太の方針策定 原子力強化明確に
海外NEWS
22 Jul 2026
481

フィンランドの地域熱供給向けSMR 規制当局間で合同早期レビュー
国内NEWS
22 Jul 2026
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規制委 柏崎刈羽6号機の長期施設管理計画を審査 ABWR初

英EDFエナジー社は7月9日、イングランドのサフォーク州に所有・運転するサイズウェルB(SZB)原子力発電所(PWR単機, 125.0万kWe)の20年間の運転期間延長に向けて、英政府と差金決済契約(CfD)の締結で基本合意したことを明らかにした。同発電所は1995年に営業運転を開始。当初は2035年までの運転を予定していたが、英政府と2035年以降20年間、CfDの下でストライクプライス70.50ポンド/MWh(2025年価格ベース)を適用し、2055年まで運転を続ける方針である。今年後半にCfDを最終決定する予定。SZBは英国で稼働する原子炉の中で唯一の加圧水型炉(PWR)。年間平均90億kWhを発電、250万世帯に電力を供給し、英国の総電力需要の約3%を供給している。EDFエナジー社は今後15年間、18か月ごとの定検期間中に約8億ポンド(約1,740億円)をかけて大規模な改修工事を実施する。建設中のヒンクリー・ポイントC原子力発電所(欧州加圧水型炉: EPR、170万kW級×2基採用)に導入される新しい環境モニタリングシステムや自動プラント監視システムの導入に加え、サイト内の配管、バルブ、ポンプの交換や、詳細な技術分析やプラント点検を継続的に行うこととしている。また、EDFエナジー社の20%の株式を保有する、英エネルギー企業のセントリカ社から投資支援を受ける予定。この運転期間延長により、現地で約900名の熟練者の雇用を支える見込みだ。EDFエナジー社は現在、SZBを含め5サイトで計9基の原子炉を運転している。2025年の総発電電力量は329億kWhで、英国の総電力消費量の約12%を占めた。ランカシャー州にあるヘイシャムB発電所(1-2号機, 改良型ガス冷却炉: AGR, 各68.0万kWe)ならびにスコットランドにあるトーネス発電所(1-2号機, AGR, 各68.2万kWe)が当初2023年3月に閉鎖予定であったが、2024年12月の見直しに基づき、運転期間が2030年3月まで延長されている。また、当初2014年3月に閉鎖予定だったヘイシャムA発電所(1-2号機, AGR, 各62.5万kWe)ならびにティーズサイド地域にあるハートルプール発電所(1-2号機, AGR, 各65.5万kWe)は、2025年9月の見直しに基づき、2028年3月に閉鎖を予定していたが、7月22日、さらに2年間延長し、2030年3月まで運転することが決定された。これらAGR×8基の運転継続に向け、EDFエナジー社とセントリカ社は今後3年間(2026-2028年)で合計12億ポンド(約2,610億円)を投資することとしている。英国における原子力発電所の運転終了時期に関する決定は、規制当局や政府とは独立して行われるが、終了時期はあくまで予測であり、最終判断は定期的な黒鉛の検査結果を受け、EDFおよび原子力規制庁(ONR)が行う。AGRは、マグノックス炉と呼ばれる旧式のガス冷却炉(GCR)の改良型。EDFエナジー社は2009年、GCR以外の英国内すべての原子力発電所をブリティッシュ・エナジー社から取得。AGRはいずれも2023年初頭までに閉鎖する予定だった。一連の運転期間延長により現在、上記4サイトで運転中。その他、3サイト(ハンターストンB、ヒンクリー・ポイントB、ダンジネスB)は閉鎖済み。EDFエナジー社は、AGR寿命の継続的な検証により、さらなる運転延長が可能かどうか判断するとしている。
24 Jul 2026
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国際エネルギー機関(IEA)は7月16日、年次報告書の2026年版「世界の重要鉱物見通し(Global Critical Minerals Outlook 2026)」を発表した。銅やリチウム、希土類(レアアース)など主要エネルギー鉱物の需給・投資動向を分析するとともに、「原子力サプライチェーン」を重点テーマの一つとして取り上げ、原子燃料サイクル全体を通じた供給保証について詳細に分析した。報告書は、原子力発電の再拡大によるウランおよび原子燃料サイクル全般にわたる多額の投資の必要性を指摘している。世界の原子力発電設備容量は2025年時点で約4億2,000万kW、建設中は約7,800万kWと過去30年で最高水準にある。IEAの公表政策シナリオ(STEPS)では、2050年までに設備容量は約8億kWまで拡大し、原子力発電量は倍増する見通し。こうした需要拡大への期待を背景にウラン価格は2020年以降大幅に上昇し、ウラン精鉱(U3O8)のスポット価格は酸化ウラン換算で1kg当たり約60米ドルから2024年には200米ドル超まで上昇した。報告書では「最も差し迫った制約は、採掘以降の工程、とりわけウラン転換の分野で顕在化している」とし、能力逼迫の解消には追加投資が不可欠と強調。濃縮能力も当面は充足するものの、中期的には需要増によりボトルネックになり得るとした。次世代炉向けの燃料供給も課題に挙げた。報告書によると、小型モジュール炉(SMR)などで使用が見込まれる燃料のHALEU (高アッセイ低濃縮ウラン)1は、濃縮度が高いほど燃料1トン当たりのウラン投入量が最大4倍、濃縮作業量が最大5倍に増えるケースもあるという。現在、商業規模のHALEUの供給はロシアと中国に限られ、多くのプロジェクトが本格供給を始めるのは2030年代初頭以降と見込まれることから、SMR導入需要との間にタイミングのギャップが生じる可能性があると指摘している。さらに燃料製造能力については、従来型燃料では概ね充足するが、認証済み燃料設計が限られるロシア型加圧水型炉(VVER)向け、とりわけVVER-1200炉には現在代替燃料の選択肢がなく、ロシアの国営原子力企業ロスアトム社傘下の燃料製造企業TVEL社への依存継続を課題としている。報告書はまた、原子燃料サイクル全体で供給が特定の国・地域に集中していることを安全保障上の重要リスクと位置付けた。上位3か国がウラン採掘では約4分の3、転換・濃縮能力ではそれぞれ約70%を占めていると分析。さらに、ロシアと中国という2大供給国を除くと、利用可能な転換能力は需要の80%、濃縮能力は約90%にとどまると試算した。短期的には在庫や長期契約で補えるものの、需要増を見据えれば供給源の多様化を急ぐ必要があると指摘した。さらに、原子力発電所は非ウラン鉱物の消費量こそ少ないものの、燃料被覆管に用いるジルコニウムや制御棒に使うハフニウムなど、サプライチェーンが高度に集中し、代替の限られる特殊鉱物にも依存している点もリスクとして挙げている。本報告書では、U235の濃縮度が8~20%の低濃縮ウランをHALEUとしている。↩︎
24 Jul 2026
376

米ニュージャージー州のM. シェリル知事は7月13日、同州の増大するエネルギー需要に応えるため、新規原子力発電所の建設に向けて競争的な調達プログラムを設定する法案(パワーNJ法)に署名した。州は少なくとも110万kWeの新規原子力発電の調達をめざす。同法案は超党派の支持を受けて、州議会の上下両院を全会一致で通過。電力料金高騰の現状やAI・データセンターなどによる電力需要の急増を見据え、安定した脱炭素電源として先進原子力を将来の電力供給の柱の一つに位置付け、競争プロセスを通じて具体的な導入プロジェクトの検討を本格化させる。米国では近年、電力需要の増加や脱炭素化の進展を背景に、原子力発電所の新設を制限してきた州レベルの「原子力モラトリアム(禁止・制限措置)」を見直す動きが広がっている。ニュージャージー州もその一つ。2026年4月、約50年間続いた実質的な新規原子力発電所の建設禁止措置を解除し、原子力タスクフォースを発足させた。資金調達、サプライチェーンと技術開発、労働力の育成と訓練、規制・許認可枠組み、住民の信頼醸成を重点5分野として、新たな原子力エネルギーの推進に取り組む。今回成立した調達制度の下で、州公益事業委員会(NJBPU)と州経済開発局(NJEDA)が共同で、先進炉を含む新規建設プロジェクトの開発事業者を競争入札方式で募集・評価する。同法案は電力料金支払者を強力に保護しているのが特徴で、プロジェクトが完成するまで、電力料金支払者に対して建設費用の負担やコスト超過の負担を負わせないと明言。開発事業者は発電開始後、信頼できる容量証書(Reliable Capacity Certificate: RCC、いわゆる安定供給能力)を変動する市場価格ではなく、予め交渉で定めた固定価格で小売電気事業者に販売する。固定価格による長期販売契約のため、事業の予見可能性を高め、投資促進が期待されている。NJBPUは2027年1月に開発事業者の募集を開始し、NJEDAと共同で仮選定された事業者とその後1年間かけて正確なコスト見積や価格面などの条件交渉を行い、2028年7月までに事業者を最終決定する方針である。決定の条件として、プロジェクトが電力料金支払者に正味の利益をもたらし、その負担コストが不当または過大ではないことや連邦政府からの資金調達を確保している必要がある。ニュージャージー州では現在、電力会社のPSEG社がセーレム原子力発電所(PWR×2基, 各120万kWe級)とホープクリーク原子力発電所(BWR単機, 124.0万kWe)の3基を運転中。原子力発電は、州内発電電力量の約4割、クリーン電力の8割を占め、稼働率90~95%の安定した運転を継続している。PSEG社は米原子力規制委員会(NRC)に対し、両発電所の運転認可更新申請を2027年第2四半期に提出する予定。承認されれば、セーレム1-2号機の運転期間はそれぞれ2056年と2060年に延長、ホープクリークの運転期間は2066年に延長され、いずれも80年運転の認可となる。
23 Jul 2026
464

フィンランドの小型モジュール炉(SMR)開発企業ステディ・エナジー(Steady Energy)社は7月3日、同社製の地域熱供給向け小型モジュール炉(SMR)「LDR-50(出力5万kWt)」に対する国際合同早期レビュー(Joint Early Review: JER)について同国の放射線・原子力安全庁(STUK)が取りまとめた概要報告を明らかにした。フィンランド、スウェーデン、ポーランド、チェコ、ウクライナの5か国の規制当局が、それぞれの安全規制に基づいてLDR-50の設計概念を評価した結果、各国の安全要件に従って開発を進める上で根本的な障害は確認されなかったと結論付けている。今回のJERは、ステディ社が概念設計に対する早期の規制当局からのフィードバックを目的に、STUKに要請して実施されたもの。5つの原子力安全規制当局-フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)、スウェーデン放射線安全局(SSM)、ポーランド国家原子力機関(PAA)、チェコ国家原子力安全局(SÚJB)、およびウクライナ国家原子力規制検査局(SNRIU)―が、それぞれの国内規制枠組みに照らして、LDR-50の原子炉コンセプトを独立して評価した。なお、JERは自発的かつ拘束力のない活動であり、共通の規制上の立場や拘束力のある決定を導き出すことを目的とはしていない。評価は、2025年初頭にステディ社が公開したLDR-50の設計文書と、同年夏に完了したSTUKによる概念設計の安全性評価に基づいて行われた。審査の結果、設計文書は初期の概念設計段階としては適切だが、許認可レベルの結論を下すには不十分とする一方で、どの規制当局においても、開発が次の段階へ進むことを妨げるような根本的な原子力安全上の問題は確認されなかった。また今回のレビューでは、多重防護を軸とした安全哲学や固有・受動的安全機能を広く採用し、事故初期段階で運転員の迅速な対応への依存を低減する設計を強みとして評価。一方で、今後の許認可に向けては詳細設計や安全解析、技術文書などの整備が必要とされた。今回のJERは、複数の規制当局が先進的なSMRのコンセプトを評価するにあたり、他の規制当局が実施した初期段階の安全性評価を参考資料に活用した先駆的な取組みである。ステディ社は、この経験が今後の国際的な規制協力の強化につながると期待しており、フィンランドおよび国際市場での実装に向けた詳細設計および将来の許認可手続きを念頭に、LDR-50の開発を引き続き推進していく方針だ。LDR-50は、地域暖房向け熱供給専用SMR。高さ約10mの地下埋設型で、複数の重要な安全機能を備え、地域暖房ネットワークに近い都市部での立地が可能である。現在、フィンランドのヘルシンキ、クオピオ、ケラヴァで3プロジェクトに取り組んでおり、昨年12月には、韓国最大の地域熱供給会社である韓国地域暖房公社と協力協定を締結。今年1月には、フィンランドの電力会社フォータム社とフィンランドとスウェーデンで運転・保守サービスの協力を得ることで合意している。
22 Jul 2026
481

リトアニアのイグナリナ原子力発電所(INPP)の廃止措置を進める国営企業Altraは7月8日、イグナリナ原子力発電所1-2号機(軽水冷却黒鉛減速炉: RBMK-1500×2基、各150万kWe)の炉心解体工事を対象とする国際入札を開始した。契約には、解体工法の設計、規制当局の許認可取得を支援、特殊装置の製造・供給、炉心解体作業、放射性廃棄物の管理までが含まれる。本事業は世界で初めてRBMK-1500を完全に廃止措置する事例となり、国際的にも前例のない大規模プロジェクトとなる。Altraは2027年に請負契約者を決定し、その後、設計・許認可取得を経て本格的な炉心解体に着手する計画だ。原子炉の中心部である炉心(R3ゾーンとも呼ばれる)は、断面が21m×21m、高さが25mの鉄筋コンクリートシャフト内に位置している。黒鉛スタックや周囲の金属構造物、および様々な充填材料(砂、砂利、砕石、スチールショットなど)で構成。2基の原子炉全体で、合計約25,500トンの資材の解体を想定している。資材の大部分は長寿命の放射性廃棄物で構成されており、解体作業は遠隔操作機器を用いて実施。解体プロセスは専門的な技術的知識を必要とし、厳格な原子力・放射線安全要件を満たさなければならない。なお、原子炉シャフトの上部構造および下部構造(それぞれR1およびR2ゾーンと呼ばれる)の解体および除染はAltra自身で実施している。R3解体の契約額は約4億ユーロ(742億円相当)と推定。欧州復興開発銀行(EBRD)が管理するイグナリナ国際廃止措置支援基金(IIDSF)を通じて、欧州委員会(EC)が資金を提供する。入札は、EBRDの電子調達ポータル(ECEPP)を通じて2段階で行われ、第1段階では参加者が技術提案書を提出し、第2段階では価格提案書を提出する。2027年に契約が締結される見込みだ。契約発効日からプロジェクトの完了までに約16年を要すると推定されている。同社は7月1日、発電所の管理区域内で初めて解体工事を開始すると発表した。対象は原子炉建屋ではなく、両機の気水分離器。同発電所の廃止作業の中でも最も技術的に複雑な作業の一つとされている。2024年の国際入札を通じて選定されたウェスチングハウス・エレクトリック・スウェーデンABとウェスチングハウス・エレクトリック・スペイン(S.A.U.)のコンソーシアムと原子力施設の廃止措置に実績のあるスロバキア企業ROBO Piešťanyが作業を開始する。本契約は、スウェーデン、スペイン、フランス、フィンランド、ドイツ、スロバキアの企業やコンソーシアムの参加による国際入札の結果である。気水分離器は長さ約30m、直径約3m、両機に合計8基が設置されており、合計重量は約6,000トン。放射線管理区域内での大規模な国際共同作業の第一歩となる。今後の炉心(R3ゾーン)解体に向けて経験の蓄積が期待されている。イグナリナ発電所は、リトアニアで稼働していた唯一の原子力発電所。1号機が1983年、2号機が1987年から稼働していたが、欧州連合(EU)は、ウクライナのチョルノービリ原子力発電所と同型であるRBMKの安全性への懸念から閉鎖を要求、リトアニアはEU加盟と引き換えに同発電所を2009年までに閉鎖した。同発電所は閉鎖されるまで、リトアニアの電力の70%を供給していた。イグナリナ発電所の廃止措置は即時解体方式を採用しており、原子炉の解体は2043年までに、原子炉建屋の最終的な原状回復を含むすべての廃止措置作業は2050年までに完了を予定している。
21 Jul 2026
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アルゼンチンのA. ラビエル大統領報道官は7月7日の記者会見で、米企業のマイトナー・エナジー社が12億ドル(約1,940億円)を投じ、首都ブエノスアイレスから約120kmに位置するアトーチャ原子力発電所サイトに出力30万kWeの小型モジュール炉(SMR)を建設する計画を明らかにした。同計画は100%民間資本で資金調達されるもので、同国初の民間資本による原子炉建設となる。J. ミレイ大統領は2024年12月、同国の原子力計画を発表。まず、アトーチャ・サイトに新型SMRを建設して国内の電力需要を賄い、次に国内ウラン資源を開発して国内需要分を満たすとともに、高付加価値の燃料輸出国としての地位確立をめざす。最終的には、人工知能(AI)の普及に伴う電力需要の拡大を見据え、パタゴニア地域の冷涼な土地環境を活かして、アルゼンチンをデータセンターのハブとする構想を掲げている。アトーチャ・サイトに建設されるSMRは、同国リオネグロ州政府所有のハイテク企業INVAPが設計開発した第3世代+(プラス)の「ACR-300」(PWR, 30万kWe)。政府は最終的にアトーチャ・サイトに4基建設し、原子力発電設備容量をほぼ倍増させる計画である。アルゼンチンでは現在、アトーチャ発電所1-2号機(PHWR, 1号機: 36.2万kWe、2号機: 74.5万kWe)、エンバルセ発電所(PHWR単機, 65.6万kWe)が運転中で、原子力シェアは7.3%(2025年実績)。INVAPは2024年に米国でACR-300の特許を取得している。INVAPの米国登録企業ブラックリバーテクノロジー(BRT)(出資比率40%)が米企業アンサリ・グループ(出資比率60%)とともにマイトナー社の共同オーナーであり、マイトナー社はアルゼンチンの国産技術であるACR-300の商業展開・製造に関する権利と特許を共同保有している。アルゼンチンでは、同炉の開発、建設、試運転、運転の各段階で2,000名の直接雇用が創出される見込みだ。アトーチャ・サイトに隣接して、国産のSMR原型炉のCAREM25(PWR, 3.2万kWe)が2014年からCNEA(原子力委員会)によって建設されていたが、2019年に政府の支払遅延や設計変更等により工事は中断。2021年に新たな建設契約の締結により工事は再開され、2022年末時点で77%まで進捗していたが、その後の設計見直し、予算削減と人員削減を背景に、2024年9月から建設工事が再度中断された。現政権は、CAREMの開発・建設で培った技術を基盤に、新型SMRであるACR-300の開発を進めるとしている。国内企業や原子力関連企業と連携して大規模な原子力プロジェクトを遂行できる体制を整え、国内サプライチェーンを強化、将来的にはSMR技術や関連機器の輸出を推進する方針だ。
17 Jul 2026
604

医療や産業向けの原子力電源を開発する米企業City Labsは7月7日、トリチウムを利用した超小型電源を搭載する人工衛星「BOHR(Betavoltaic Orbital High-Reliability)」を、米宇宙企業SpaceX社のライドシェア(相乗り)打ち上げミッション「Transporter-17」で打ち上げたと発表した。City Labs社によると、民間企業が開発した商業用原子力電源を搭載する衛星としては世界初となる。今回打ち上げられたBOHRには、同社が開発した「NanoTritium」と呼ばれる超小型電源が搭載されている。トリチウムが自然に放出するベータ線を半導体で直接電気に変換する仕組みとなっている。発電量は小さいものの、装置を小型化しやすく、長期間にわたり安定して電力を供給できることが特徴だ。衛星はSpaceXのファルコン9ロケットで打ち上げられ、軌道上で電源性能の実証を行う。衛星本体の運用には従来の太陽電池を使用し、NanoTritiumは搭載した実験機器への電力供給に用いられる。宇宙では太陽光が利用できない場面が少なくないことから、放射性同位体を利用した電源が長年活用されてきた。惑星探査機「ボイジャー」は、プルトニウム238の崩壊熱を電気に変える放射性同位体熱電気転換器(RTG)を搭載し、50年近くにわたり稼働を続けている。BOHRは、こうした宇宙用原子力電源を小型衛星向けに応用し、民間利用への展開を目指す。またBOHRは、米連邦航空局(FAA)の原子力打ち上げ承認制度を利用した初の商業ミッションとなった。打ち上げに必要な安全審査を経て認可を取得したことも、商業利用に向けた大きな前進となる。
17 Jul 2026
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ハンガリーの首都ブダペスト市で地域熱供給を運営するブダペスト公共事業会社(BKM)は7月1日、ブダペスト工科経済大学と共同で、パクシュ原子力発電所の廃熱をブダペストの地域暖房に利用する可能性に関する調査を開始したことを明らかにした。パクシュ発電所とブダペストの地域熱供給網を結ぶ長距離熱供給パイプラインの技術的・経済的な実現可能性を評価し、将来の投資判断の基礎資料にしたい考え。パクシュ発電所は、旧ソ連時代に建設されたロシア製PWR=VVER-440、各50万kWe級×4基構成の同国唯一の原子力発電所。1983~87年に運転を開始し、同国の総発電電力量の約5割を供給している。公式運転期間の30年を超過したため運転期間が20年延長され、同サイトに隣接して建設中のパクシュⅡ(ロシア製VVER-1200, 各120万kWe×2基)に順次リプレースしていく方針。発電所が所在するパクシュ市では1980年代から発電所の熱を地域暖房に利用しており、その実績を広域利用に発展させる構想である。原子炉で発生する熱の一部は発電に利用されず、冷却水を通じてドナウ川へ放出されている。今夏の欧州を襲う熱波により、パクシュ発電所では6月末~7月上旬にかけて、河川の水温に関する環境規制への対応から出力制限を行っている。BKMによると、ブダペストの地域暖房システムの冬季ピーク需要は約100万kWtで、夏季においても家庭用温水の熱需要は約10万kWtある。パクシュ発電所から発生する熱(温水)は、地域暖房用の輸送パイプライン約125kmを経由し、年間を通じて首都のニーズの大部分を提供できる可能性があるとしている。過去数十年の間に熱供給パイプライン技術は大きく進歩しており、熱損失は最小限に抑えられ、プロジェクトの経済性に実質的な影響を与えることはないという。また、再生可能エネルギー発電の割合の増加に伴い、国内の電力系統の制御が課題となる中、余った電力を温水などの熱に変換して蓄えるなど、高い柔軟性と蓄熱能力を備えた地域熱供給システムが電力系統の需給調整になると指摘している。このパイプライン構想が実現すれば、ドナウ川の水温上昇の抑制や電力系統の安定化に加え、CO₂排出量の大幅な削減や、天然ガス輸入依存(輸入ガスの74%がロシア産)の緩和が期待されている。また、パクシュとブダペストを結ぶパイプライン沿線の都市の地域熱供給システムや産業用需要家の接続も可能であり、エネルギー効率と経済効率の向上が見込まれている。BKMは、近年の夏季高温による原子力発電所の運転への影響やエネルギー安全保障の重要性の高まりを背景に、本構想が「今まさに検討すべき段階にある」としている。予備的な試算では、本構想の実現により、年間約3億㎥の天然ガスの輸入を代替すると予測している。調査は今年第4四半期に完了予定。
16 Jul 2026
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米ホルテック・インターナショナル社は7月2日、ミシガン州南西部にあるパリセード原子力発電所(PWR, 85.7万kW)の運転再開プロジェクトが大きな節目を迎えたと発表した。主要な改修・更新工事はすべて完了し、現在は保守点検や各種試験、検査、運転準備など最終段階の作業へ移行。運転開始に向けた仕上げのフェーズに入ったとしている。ホルテック社は、長期にわたり安全かつ安定して運転できる準備が整った時点で運転再開すると説明しており、具体的な運転開始予定日は示していない。最終段階において、タービン・発電機を大規模点検・補修後にターニングギアで低速回転させる段階への移行、新型燃料取扱機の据付・試験完了などを達成。また、原子炉圧力容器の検査、原子炉容器上蓋の重要機器の交換、原子炉冷却系の配管内部の化学洗浄や腐食防止処理、蒸気発生器の熱交換管の補修と内部洗浄、新燃料の受入れ・検査に加え、運転員の再教育・再資格取得など、運転再開に必要な重要工事や準備を完了した。当初は2025年末~2026年初めにかけて送電開始を予定していたが、大がかりな工事により運転再開は遅延している。今後は運転指令センター(OCC)が中心となり、安全な起動に向けて、24時間体制で残る試験や確認作業を進めていくとしている。米原子力規制委員会(NRC)は2025年7月、技術審査を完了し運転再開に必要な主要許認可および規制措置を承認したが、原子炉を起動するには、最終的な試験や点検、保守を終え、NRCの検査・監督により、すべてが安全基準を満たしていると確認される必要がある。パリセード発電所は1971年に営業運転を開始。2022年5月の永久閉鎖後、翌6月に当時の所有・運転者であったエンタジー社からホルテック社に売却された。当初は廃止措置を前提とした取得だったが、脱炭素化の動きや新たに電力販売契約が成立したことなどにより採算性の見通しが立ち、方針を転換。ホルテック社は運転再開に向けた整備作業を進めるにあたり、米エネルギー省(DOE)から最大15.2億ドル(約2,400億円)の融資保証や州政府の支援を受けている。NRC委員や超党派の議員代表団も視察に訪れるなど、運転再開への関心も高い。ホルテック社は、すべての連邦規制要件と業界基準を満たしたうえで、運転再開を目指すとしており、このプロジェクトは米国初の商業炉の運転再開事例として、今後のモデルケースになると期待を示している。
15 Jul 2026
652

スウェーデンの先進炉開発企業であるブリカラ(Blykalla)社は6月29日、同社が開発する鉛冷却型の先進モジュール炉(AMR)の導入に向けて、日立エナジー社と長期的な協業の可能性を検討する覚書を締結した。ブリカラ社の先進的な原子炉技術と、日立エナジー社の電化、系統連系、エネルギー業界向けソフトウェアの専門知識を組合わせ、電気および系統連系の最適化を共同で進めていく。本協業では、系統接続およびネットワーク統合の概念設計、発電所内電気系統の設計、建設・運用に向けたデジタルツールの導入に重点に置き、日立エナジー社は自社ソリューションを小型モジュール炉(SMR)向けの標準ソリューションとして組み込んでいきたい考え。ブリカラ社のJ. ステッドマンCEOは、「日立エナジー社は当社技術の市場展開を支える重要なパートナー」と述べ、両社はそれぞれの強みである原子炉技術と電気インフラ向けソリューションを組合わせ、持続可能で安全かつ強靭なエネルギーシステムへの移行に貢献すると強調。データセンターやエネルギー集約型産業などへの脱炭素のベースロード電力の供給を通じて、産業の成長を支えたいとしている。ブリカラ社が開発を進めるAMRは鉛冷却高速炉「SEALER(5.5万kWe)」。小型のモジュール設計を採用し、出力拡張にも対応する。同社は、独自開発したアルミニウム添加鋼材により、液体鉛環境下での耐腐食性を向上させたとしている。鉛冷却方式については、高い冷却性能や柔軟な立地対応が可能で、産業施設との併設にも適すると説明している。首都ストックホルムの北約200kmに位置するノルスンデット(Norrsundet)に、同国初となる「SEALER」を6基、合計33.0万kWeの商用発電所を建設予定。
14 Jul 2026
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インド原子力省(DAE)は6月27日、タミルナドゥ州のカルパッカムにあるインディラ・ガンジー原子力研究センター(IGCAR)において、高速増殖試験炉(FBTR, 4万kWt/1.32万kWeのナトリウム冷却ループ型高速増殖炉)の原子炉熱を利用した、銅-塩素(Cu-Cl)熱化学プロセスによる世界初となる水素製造施設を開設した。同施設は、ムンバイのバーバ原子力研究所(BARC)が独自開発したCu-Cl熱化学プロセスを実証するための技術実証設備であり、原子炉から供給される高温のプロセス熱を利用して、水素を製造する。Cu-Cl熱化学プロセスは、比較的低い温度(約500℃)で運転可能で、熱効率にも優れることから、有望な水素製造技術の一つとされている。原子力由来の熱を直接活用することで、従来の化石燃料を用いた水蒸気改質法に比べて温室効果ガスの排出を抑え、大規模なカーボンフリー水素の生産につながる可能性があるとしている。なお、原子力を利用した水素製造技術には、米国のナインマイルポイント原子力発電所で実証されている水電解法や、日本では高温ガス炉を用いるISプロセス法((ヨウ素(I)と硫黄(S)の化学反応を利用して、900℃の熱で水を分解・水素を製造。電気を介さず、熱だけで水を分解できるため、高効率に水素を製造。))の研究・実証が進められている。本施設は、BARCとIGCARが共同で研究開発、設計、機器製作、据付、試運転を進めて完成したもので、今後は運転データの蓄積やプロセスの最適化を進め、将来的な商業規模への展開を目指す。DAEのA. K. モハンティ長官は、原子力は安定した脱炭素電源であるだけでなく、高温熱源として水素製造を支える重要な役割を担うと強調。本施設はインドのエネルギー安全保障や脱炭素化、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩であるとの認識を示した。
13 Jul 2026
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ポーランドの小型モジュール炉(SMR)開発・投資会社であるシントス・グリーン・エナジー(SGE)社は7月1日、英国内の3か所に米GEベルノバ日立ニュークリアエナジー社(GVH)製のSMR「BWRX-300」(BWR, 30万kWe)を14基導入する計画を発表した。パートナーにはGVH社のほか、韓国の建設大手であるサムスンC&T社(サムスン物産)、英建設会社Laing O’Rourke、加建設会社Aecon Group、Google Cloudなどが参画する。SGE社は、英政府が今年2月に発表した、国内で民間主導の革新炉技術の開発・商業化を支援する枠組み「先進原子力フレームワーク(Advanced Nuclear Framework)」の下で、合計出力420万kWeのフリート展開計画に対する支援を申請した。同社によると、導入により英国の電力需要の11%を供給し、少なくとも60年間にわたり、推定約800万世帯分の電力需要を賄う。今回の申請に合わせ、SGE社は英国を拠点とする専任のプロジェクト実施主体「SGE SMR UK」社を設立した。SGE社は、3サイトに計14基を配備する計画で、最初のサイトに6基のBWRX-300を設置し、その後、さらに2サイトへの展開を予定している。BWRX-300をめぐっては、加オンタリオ州でオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社がダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)サイトで建設中。2025年12月、英国で初めて建設される炉型を対象とした設計認証審査である包括的設計審査(GDA)のステップ2(実質的な技術評価段階)を完了した。SGE社は、英国を高度な技能を持つ人材や強固な産業基盤を有し、次世代原子力の導入を主導する、欧州有数の有望市場と位置づけている。2050年までに最大2,400万kWの原子力発電設備容量の導入をめざす英国で、フリート展開により建設・工程リスクを低減し、市場参入を図る考えだ。また、2026年11月には、英政府が有望な民間主導の先進原子力プロジェクトを登録する「先進原子力パイプライン(Advanced Nuclear Pipeline)」に組込まれ、2027年上半期までにサイト選定および政府支援スキームに関する交渉の完了を見込む。その後、約1年以内に大規模な投資やサイト整備、許認可取得作業を開始し、2034年に初号機の営業運転開始を予定している。なお、本プロジェクトは、民間資金を活用し、差金決済取引(CfD)が導入される見込みで、運転開始前に消費者に費用負担は発生しないとしている。SGE社は2019年に設立された中東欧地域のSMR事業開発会社で、BWRX-300の標準設計にも共同出資している。欧州の6か国以上でパートナーシップやプロジェクトを展開中で、旗艦プロジェクトはポーランド・エネルギー大手のPKNオーレン社との合弁企業オーレン・シントス・グリーン・エナジー(OSGE)社の主導により、ポーランドで実施されている。同国中央部ブウォツワベク(Włocławek)、南部のスタビ・モノフスキエ(Stawy Monowskie)、南東部のスタウォワ・ヴォラ(Stalowa Wola)の3地点で開発が進められており、このうち、ブウォツワベクで最大6基を建設し、2032年に初号機の運転開始を想定している。6月末、OSGE社はエネルギー大臣に対し、これら3地点での計14基のBWRX-300の建設に向けて、CfDによる国家補助を申請した。OSGE社は、最終的に国内に26基を建設する計画である。
10 Jul 2026
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福島県富岡町と産経新聞社は、富岡町の復興応援を目的として、富岡町の特産品を使ったスイーツのアイデアを競う学生対象のコンテスト「スイーツ甲子園 ふくしま富岡町レシピチャレンジ」の開催を決定し、レシピの募集を開始した。2026年4月時点で高等学校、大学・大学院、各種専門学校に在籍している生徒・学生を対象とし、「生菓子スイーツ部門」と、「焼き菓子スイーツ部門」の2部門でレシピを募集する。レシピのテーマは「富岡町の魅力がいっぱい詰まったスイーツ」で、特産品であるパッションフルーツ、ぶどう、玉ねぎ、ワインなどの「テーマ食材」のうち1種類以上使用する必要がある。審査は麴町の「PATISSIER SHIMA(パティシエ・シマ)」のオーナーシェフである島田徹氏が担当し、各部門の最優秀賞受賞者には副賞として島田氏と共同で、富岡町の特産品を使ったスイーツを開発する権利が贈られる。開発したスイーツは、東京都内で開かれるイベントなどで実際に販売されるほか、最優秀賞受賞者は「ふくしま富岡町PR大使」にも任命され、富岡町への視察旅行なども予定されている。各種条件を満たせば、webの専用応募フォームから応募可能。9月4日締切。
24 Jul 2026
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福井県議会は7月21日、県内に原子力発電所を有する電気事業者に課している核燃料税の税率を引き上げる条例案を可決した。引き上げたのは価格割((発電用原子炉に挿入された原子燃料に課す))、出力割((熱出力に課すが、廃止措置中の税率は2分の1))、搬出促進割((5年を超えて貯蔵されている使用済み燃料に課す))の3種全て。いずれも全国最高税率。価格割は従来の原子燃料の価額の8.5%から9.0%に、出力割は1,000kWにつき年間204,800円から260,000円に、搬出促進割は重量1kgあたり1,500円から2,000円に変更となる。なお、出力割の廃止措置期間の軽減税率に変更はない。県は今回の引き上げの理由について、「持続可能な立地地域を作るための財政需要が増大している」ためとしている。福井県の2024年度の核燃料税の総額は127.3億円で、内訳は価格割が15.1億円、出力割が58.9億円、搬出促進割が53.3億円。核燃料税は、1976年に福井県が全国で初めて導入した法定外普通税((地方自治体が独自の条例で定める、使い道が自由な税))。福井県では、原子力安全対策のほか、河川や港湾等の整備、農林水産業支援、子育て支援などに使用されている。県は5年ごとに核燃料税条例の見直しを行っており、現行条例の課税期間は2026年11月9日まで。今後、県は総務省と協議を進め、総務大臣が同意すれば11月10日から条例施行となる。
24 Jul 2026
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政府は7月21日、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」と「日本成長戦略」を閣議決定した。骨太の方針の中では、安全性の確保や地域の理解を大前提に、原子炉の再稼働加速や次世代革新炉の開発・設置に取り組むことが明記され、フュージョンエネルギーの早期社会実装も目指すとした。これに加え、次世代革新炉は、フュージョンエネルギーとともに日本成長戦略における「戦略17分野」のひとつに位置付けられ、官民投資ロードマップが作成された。「戦略17分野」では、複数年度での予算措置の活用、政府調達や規制改革を通じた初期需要の創出、研究開発から社会実装までの一気通貫の支援、税制・金融面からの大胆な後押しなどが予定されている。このほか、骨太の方針には、再処理施設稼働を見据えた独立行政法人の設置等保障措置の枠組みの強化や、原子力の安全規制の見直しも今後検討され、次期通常国会での法案提出を目指すことが記載された。さらに、避難道路の整備を含めた原子力防災体制の充実や最終処分に係る調査地域の拡大にも取り組む。なお、福島第一原子力発電所事故からの復興・再生に関しても、AIやロボット技術の開発・実証を行って廃炉を着実に進めることが盛り込まれた。
23 Jul 2026
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原子力規制委員会(規制委)は7月16日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135.6万kWe)の長期施設管理計画認可申請に関する審査会合を開いた。6号機は改良型沸騰水型軽水炉で、同型炉の長期施設管理計画が審査されるのは初めて。東京電力がこれまでの指摘事項への回答を説明し、規制側は現時点で必要な技術的論点を確認できたとの認識を示した。今後は申請書の補正内容や補足説明資料への反映をヒアリングで確認する。長期施設管理計画は、運転開始から30年を超えて運転する場合に10年ごとの認可が必要となる制度で、6号機は今年11月に運転開始30年を迎える。今回の審査の焦点は、ABWRの設計上の特徴を長期運転の劣化評価にどう反映するかだった。東京電力は、原子炉格納容器や原子炉冷却材再循環ポンプなどに設計上の特徴がある一方、劣化評価には実績のある手法や規格基準を適用でき、長期施設管理計画における劣化評価として特異性はないと整理。給水系・復水系配管の耐震評価や上部格子板グリッドプレートの点検計画などを示し、規制側はこれらの技術的論点を確認できたとした。一方で規制側は、格納容器の評価対象部位や劣化事象の記載を明確化・拡充するよう求めたほか、申請書の記載漏れや配管解析の委託作業に関する記載誤りにも触れ、適切な体制の下で補正書を作成するよう要請した。東京電力は、7月中に補正方針を示した上で最終的な補正を行う考えだ。
22 Jul 2026
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核融合発電の実現を目指すスタートアップ、スターライトエンジンは7月15日、2030年代の発電実証を目指す「FAST(Fusion by Advanced Superconducting Tokamak)」プロジェクトについて、実証プラントの建設候補地の公募を開始した。民間が主導する核融合発電実証炉の候補地を全国公募する取組みは国内で初めてとなる。 FASTは、京都フュージョニアリングがプロジェクトリーダーを務める産学連携の核融合発電実証プロジェクト。トカマク型を採用し、2035年の運転開始、2038年の発電実証を経て、2040年代の商用化を目指す。スターライトエンジンは、同プロジェクトを推進するため2025年に設立された。 公募の対象は都道府県と政令指定都市で、募集期間は10月15日まで。公募後は自治体との対話や現地調査などを経て選定を進め、2028年までの候補地決定を予定している。2025年から日本立地センターを通じて実施した予備的調査では、すでに17の広域自治体が関心を示しているという。 また同社は同日、設立以来初となる資金調達を実施し、第三者割当増資により17の企業・団体から総額60.6億円を調達した。FASTプロジェクトは2025年11月に概念設計を完了しており、今回調達した資金は、工学設計フェーズにおける研究開発のほか、サイト選定・規制対応、サプライチェーン構築、人材・組織体制の強化などに充てる。 今回の資金調達には関西電力グループのK4V Vital Platform Fundも参加した。関西電力の桑野理・執行役常務は、「将来の電源のゼロカーボン化を見据えた探索の一環として、フュージョンエネルギーに関する知見の獲得や技術開発への協力に取り組む」とコメントしている。
21 Jul 2026
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政府は7月14日、「統合イノベーション戦略2026」を閣議決定した。「統合イノベーション戦略」は、科学技術・イノベーション基本計画に基づき、2018年以降毎年作成されている年次戦略で、環境変化や施策の進捗状況を踏まえて、特に重点を置くべき施策が示される。同計画の6つの柱である、①知の基盤としての「科学の再興」、②技術領域の戦略的重点化、③科学技術と国家安全保障との有機的連携、④イノベーション・エコシステムの高度化、⑤戦略的科学技術外交の推進、⑥推進体制・ガバナンスの改革――に沿って、各府省庁の主要な取組みがまとめられている。その中で、原子力に関連する事項として、日本原子力研究開発機構(JAEA)の強化、基礎・基盤研究や大型研究施設の整備・高度化・利活用促進、ANEC(未来社会に向けた先進的原子力教育コンソーシアム)の原子力研究基盤強化が記載された。JAEAについては、次世代革新炉実現に向け、イノベーション機能強化が盛り込まれた。さらに、人材育成の拠点としてJAEAの関連施設や設備を最大限活用できるようにし、実習機能の拡大等を図って、産学をつなぐハブ機能強化を目指す。また、ANECは、原子力教育研究基盤強化のため、人材育成対象の強化・拡大、運営体制の強化、産業界との連携促進等を行う。加えて、「フュージョンエネルギー」は「国家戦略技術領域」のひとつに位置付けられ、基礎研究から社会実装まで一気通貫での支援が明記された。
17 Jul 2026
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日本製鋼所(JSW)は7月13日、2029年3月期までに原子力発電所向け部材の生産能力を2026年3月期比の2倍に拡大すると発表した。原子力向け部材を含む素形材・エンジニアリング事業の売上は、2026年3月期に397億円だったが、2029年3月期には680億円を見込む。同社はこのほど、2024年6月に発表した中期経営計画を見直し、売上高や営業利益の目標を上方修正。それに合わせた各事業の新たな事業戦略も明らかとなった。JSWは原子力発電所で使用される、原子炉圧力容器の部材や、タービンで使用するローターシャフトを北海道の室蘭製作所で製造している。AIの急速な普及などを背景に、国内外で高まる原子力発電向け需要を見据え、人員増強を行い、省人化・自動化も推進しながら、生産体制を強化する。同社は、国際エネルギー機関(IEA)の最新の年次報告書「World Energy Outlook(WEO)2025」で、2050年の原子力発電設備容量見通しがWEO2023比で26%上方修正されたことも、需要拡大を見込む要因の一つとして挙げている。なお、素形材・エンジニアリング事業の営業利益は、2026年3月期の88億円から2029年3月期には160億円を目指す。
17 Jul 2026
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青森県の大間町、風間浦村、佐井村で構成する「大間原発三ヶ町村協議会」は7月13日、経済産業省の井野俊郎副大臣と会談し、電源開発が建設中の大間原子力発電所(BWR=ABWR, 138.3万kW)の早期工事再開などを要望した。本体工事が15年にわたり中断され、地域経済への影響が続く中、工事の再開に向けた国の支援を求めるとともに、原子力政策の推進を訴えた。要望書では、2050年カーボンニュートラルの実現や今後の電力需要増加に対応するため、優れた安定供給性を持つ原子力の必要性を指摘し、一貫したエネルギー・原子力政策の推進を求めた。協議会は毎年同様の要望活動を行っているが、今年はAIやデータセンター、半導体工場の進展に伴う電力需要の増加を新たに盛り込み、原子力の必要性を訴えた。また、東日本大震災以降、本体工事が中断している大間発電所について、原子力規制委員会による審査の早期進展を支援し、本体工事を早期に再開するための実効性のある施策を講じるよう要望。さらに、原子力施設が集積する下北半島北部では、災害時の避難路確保が重要として、国道279号風間浦バイパスの早期整備に向けた支援も求めた。これに対し井野経産副大臣は、大間発電所について「六ヶ所再処理工場が審査の最終段階にあり、そこで製造されるMOX燃料を活用する同発電所は、国のエネルギー政策にとって重要な発電所だ」と述べ、地元の要望を踏まえながら、安定的なエネルギー供給に向け、審査を含めて取り組んでいく考えを示した。会談後、協議会長の野﨑尚文大間町長は報道陣に対し、「工事の再開とまではいかないが、作業員宿舎の整備など、町民から見ても工事に向けた動きが見え始めている」と話した。本体工事が再開すれば、ピーク時には3,000人規模の作業員が出入りする見込みだという。その上で、「誘致した当時、電源開発は国(の特殊会社)だった。民営化した現在も国策であることに変わりはなく、国には責任を持って取り組んでもらいたい」と強調した。
16 Jul 2026
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福島県は7月10日、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う避難指示などの対象となった12市町村((福島県田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村 ))への移住を促進する拠点「ふくしま12市町村移住支援センター 東京サテライト」を東京都港区に開設した。JR田町駅近くのオフィスビル「ミタマチテラス」内に設置し、首都圏向けの移住相談や情報発信を担う。 ふくしま12市町村移住支援センターは2021年に福島県富岡町に設置された。12市町村への移住者数は2021年度の436人から年々増加し、2025年度は過去最多の975人を記録。移住者の中心は20~30代で、首都圏からの移住者が全体の半数以上を占めるという。 東京サテライトには3人の職員が常駐し、月曜日から土曜日まで、メールまたは電話による事前予約制で移住相談に対応する。あわせて首都圏で企業・団体や大学のキャリアセンターなどとの連携を進めるほか、PRイベントや移住セミナーを開催し、12市町村の魅力や仕事、暮らしに関する情報を発信する。 開所式で、同センターの藤沢烈センター長は、「福島では復興の過程で新しい仕事や挑戦が次々と生まれている。新しいキャリアやチャレンジを求める若い世代の移住者が多いことが特徴」と説明した。 イベントでは、首都圏から移住した3人によるパネルディスカッションも行われた。 南相馬市小高区でクラフトサケを醸造する「ぷくぷく醸造」代表の立川哲之さんは、「地方には仕事がないと思われがちだが、自分も含め、人材不足に悩む事業者は多い。うまくマッチングできれば仕事はあるし、地方だからこそ自己実現につながる仕事も多い」と語った。また、福島の沿岸部には人が住み、仕事があること自体が十分に知られておらず、情報発信の重要性について言及した。 2020年6月の福島復興再生特別措置法改正では、従来の避難者の帰還促進に加え、移住促進や交流・関係人口の拡大が復興施策に位置付けられ、新たな住民の受け入れに向けた取組みが進められている。東京サテライトが、首都圏からの移住ニーズを着実に12市町村へつなぐ拠点となるか注目される。
15 Jul 2026
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原子力規制委員会(規制委)は7月6日、今年4月の同委員会で決定された「立入検査実施要領」の改正について、説明会を開催した。今回の改正では、RI法で定められている、放射性同位元素や放射線発生装置を取り扱う事業所や原子力施設に対して、事前に通告を行わない立入検査の導入と立入検査実施要領の改善が行われた。規制委は、国際原子力機関(IAEA)の過去2度に渡るミッション(2024年実施のIPPAS、2025年実施のIRRS)で通告を行わない立入検査の実施を行うよう勧告を受けていた。さらに、法令違反の可能性があり、早急に事実関係を確認する必要があった事案が実際に発生したことから、改正に至った。通常の立入検査では実施日の約1ヶ月前にメールや電話で「通告」を行い、日程調整等を行う。一方、事前通告を行わない立入検査では一切の「通告」なく、立入検査開始直前時の文書による「通知」で、初めて事業者は立入検査実施を知ることとなる。今年度対象になるのは、法令違反の可能性があるなど早急に事実関係を確認する必要がある場合のみ。通常時の法令順守の状況、放射性同位元素の管理体制等の業務実態把握を目的として実施される。事前通告のない立入検査はRI法に基づき実施されるため、やむをえない事情がある場合を除いて、拒否や虚偽の陳述などを行った場合は罰則が設けられている。立入検査を実施することで、患者などの生命への影響の懸念や、放射線障害のリスクが高まる場合は、立入検査の開始時刻、検査内容や進め方を調整する場合もあるという。事前に規制委が質問を募集したところ、事前通告のない場合の検査当日の受入体制に関する質問が最も多かった。規制委は、当日施設長等が不在の場合でも、RI等を取り扱う現場を中心に、事業者のありのままの状況を放射線業務従事者などの立ち合いのもと確認出来れば問題ないという回答を行った。また、立入検査実施要領の改善により、今後の立入検査対象事業者の選定は、立入検査の年間計画に基づいて行われることが明確化された。なお、今年度の事前通告なしの立入検査はRI法における許可届出使用者等に対して行われ、登録認証機関等には行われない。来年度以降の対応については、今後策定される年間計画によるという。
14 Jul 2026
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関西電力は7月9日、日本初の原子力の電力を活用したオフサイト型フィジカルPPA(電力購入契約)実現に向け、需要家や小売電気事業者などの法人を対象とした問い合わせ窓口の設置を発表した。オフサイト型フィジカルPPAとは、発電事業者が電力購入者の敷地外で発電した電力を、一般の電力系統を通じて電力購入者に届ける仕組み。使用電力の脱炭素化に加え、個々の契約にもとづき、価格が固定されるため、市場価格の変動を受けにくく、コストを見通しやすくなる。関西電力はこれまでも同様のPPA事業を行ってきたが、太陽光を中心とするものだった。今回は原子力・水力由来の電力を対象としている。関西電力で現在稼働している原子力発電所は美浜3号機、高浜1~4号機、大飯3-4号機の計7基。関西電力は原子力・水力を活用することで、季節や天候、時間帯に左右されにくい脱炭素電源を調達できることをメリットとしている。問い合わせは専用webフォームで受け付けている。海外では先日、米国の大手電力会社コンステレーション社と小売大手ウォルマート社が、ドレスデン原子力発電所から電力を供給する長期のPPAを締結するなど、PPAをめぐる動きが活発化している。
13 Jul 2026
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原子力規制庁(規制庁)は7月7日、公益財団法人原子力安全技術センター及びKDDI株式会社(KDDI)とともに、高耐久スマートフォンを活用した放射線測定データ伝送システムの実証実験を実施すると発表した。原子力災害時のモニタリング体制強靭化を目的に、第1回の耐熱実証を8月に東大阪で、第2回の耐寒実証を12月に泊オフサイトセンター(北海道共和町)で行い、将来的に従来の可搬型モニタリングポストの代替となり得るかを見極める。2024年1月の能登半島地震で、放射線測定自体は行われていたにもかかわらず、通信障害で一部のデータを送信できず欠測が生じたことから、通信の多重化や容易に設置できる代替システムの配備が検討されている。現行の可搬型モニタリングポストは1台約45kgと重く、道路寸断時の迅速な設置を妨げる一因ともなっている。今回のシステムは、小型のサーベイメータ(RadEye PRD ER4J)とKDDIの高耐久スマートフォン「TORQUE(トルク)」をBluetoothで接続する構成をとる。通常はLTE回線で通信し、圏外になると自動的に衛星通信「au Starlink Direct」へ切り替わり、回線復帰時には元に戻る。取得した線量・時刻・位置情報はSMSで送信され、収集サーバを経由して規制庁の「放射線モニタリングプラットフォーム(RAMP)」用に変換・暗号化されたうえで、測定値を公表する「放射線モニタリング情報共有・公表システム(RAMIS)」上でリアルタイムに確認できる。低軌道衛星通信の採用で送信電力を抑えたことで、小型バッテリーでも給電なしに7日間の連続運用が可能。システム重量は従来の約45kgに対し約4kgとおよそ10分の1に軽量化され、通信コストも約4分の1に低減する見込みで、規制庁は「緊急時に最も必要な空間線量を、衛星通信でも確実に送れるよう設計した」と説明。実証実験ではシステム全体として過酷環境で安定的に機能するかを確認し、寒冷地専用バッテリーへの交換や断熱などについても検証する。規制庁は本システムを、モニタリング体制強靭化に向けた複数の対応策の一つと位置付けている。低消費電力で相互に通信するLPWA(省電力広域無線通信)なども並行して検討している。昨年、福井県のLTE圏外地域で衛星通信への自動切替と災害時の通信確保を検証しており、今年度の結果を踏まえ、来年度からの実用化を目指す方針だ。
13 Jul 2026
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