
国内NEWS
12 Jun 2026
192

新潟県 花角知事 柏崎刈羽6号機の安全対策の徹底など要望
海外NEWS
12 Jun 2026
238

ウレンコUSA 濃縮能力を大幅増強へ
海外NEWS
11 Jun 2026
588

米ニューヨーク州 原子力発電所の新規建設が準備フェーズに
国内NEWS
11 Jun 2026
454

福井 石田知事 来年度予算要望提出 原子力政策の推進などを求める
海外NEWS
10 Jun 2026
779

米先進炉が初臨界を達成 原子炉パイロットプログラム初の成功事例に
海外NEWS
10 Jun 2026
524

米ユタ州 SMR導入で原子力プロジェクト復活
国内NEWS
10 Jun 2026
619

女川2号機が営業運転再開 再稼働後初の定期検査完了
国内NEWS
09 Jun 2026
1139

原子力小委 2050年代までに最大14基分の建て替え需要を提示 行動指針改定案を議論

ウラン濃縮会社のウレンコUSA社は6月2日、米国ニューメキシコ州ユーニスにある同国唯一の商業用ウラン濃縮施設の生産能力を約50%拡張する計画を明らかにした。数十億ドルを投資し、新たに遠心分離式の濃縮プラント施設を建設、カスケード最大24基、2,100 tSWU/年の生産能力を追加する。2032年から順次稼働し、2036年までの完成をめざす。既存の濃縮プラントの生産能力は4,300tSWU/年で、米国の濃縮ウラン需要の約1/3を占める。現在、700 tSWU/年の拡張プロジェクトも進行中で、2027年に完了予定。今回の拡張計画と併せると、2030年代には生産能力が7,000 tSWU/年以上となる見込みである。米国での拡張計画は、ウレンコ社がオランダ、ドイツで所有・操業する濃縮プラントの拡張計画と併せ、合計4,600 tSWU/年を拡張するプログラムの一環。今回の計画は、米国で原子力発電の利用拡大が進む中、原子燃料の安定供給体制を強化し、海外、とりわけロシアへの依存低減を目的としている。また、既存の軽水炉向け低濃縮ウラン(LEU)だけでなく、将来の先進炉向け燃料需要にも対応できる体制を整えたい考えだ。米国では、今後拡大する原子力発電向け燃料需要やエネルギー安全保障への対応を目的に、低濃縮ウラン(LEU)の供給能力の増強など、国内燃料サプライチェーンの再構築をめざす動きが本格化している。一例として、仏オラノUSA社は50億ドルを投資し、米国テネシー州オークリッジに遠心分離方式によるウラン濃縮工場「Project IKE」の建設を計画中で、初期の生産能力は4,000 tSWU/年を見込んでいる。同社は2026年3月に米原子力規制委員会(NRC)に建設・操業認可を申請し、NRCは5月21日、これを受理。NRCは、2025年5月の「NRC改革に関する大統領令」に従い、通常より短い12か月で審査する方針を示している。なお、オラノUSA社は2025年1月、米エネルギー省(DOE)より、国内のウラン濃縮能力強化を目的とする9億ドルの助成の対象に選定されているほか、テネシー州の原子力基金からも支援を受けている。
12 Jun 2026
238

米ニューヨーク州のK. ホークル知事は6月1日、同州北部で少なくとも100万kWe規模の先進原子力発電開発計画の具体化に向け、州営ニューヨーク電力公社(NYPA)が二つの公募を開始したと発表した。一つは原子力発電所の開発・建設・運営に実績を持つ原子力発電開発事業者を対象とした資格審査(RFQ)であり、もう一つは州内の教育機関や労働組合などを対象とした原子力人材育成を目的とした助成事業への公募(RFA)である。今回の取組みは、州内での新規原子力発電の開発規模を500万kWeに拡大することをめざし、ホークル知事が2026年施政方針演説で掲げたイニシアチブ「原子力信頼性基盤」(Nuclear Reliability Backbone)の一環。現在、ニューヨーク州で稼働する約340万kWeの原子力発電設備容量と併せて将来的に合計約840万kWe規模を確保することで、電力系統の安定化や電気料金の抑制、クリーンエネルギーへの移行を実現したい考え。同州では現在、米大手電力会社コンステレーション社が3サイトで計4基の原子炉を運転している。NYPAは、2025年10月に先進原子力プロジェクトの開発事業者と潜在的なホストコミュニティを対象とした情報提供要請(RFI)を実施しており、今年1月、開発事業者候補から23件、同州北部のコミュニティから8件の回答を得たことを明らかにしている。開発事業者向けのRFQでは第3世代+(プラス)または第4世代の大型炉または小型モジュール炉(SMR)、あるいはその組合わせによって100万kWe以上の発電能力を実現できる事業者を対象としており、2033年までに建設開始できる実現可能性を重視。SMRについては、初号機(FOAK)段階は原則除外で、マイクロ炉も対象外としている。その他、技術成熟度、立地・許認可戦略、建設スケジュール、コスト見積もり、所有形態や提携モデルなどについて具体的な計画が求められている。RFQは将来的な提案依頼(RFP)に向けた事前選定の位置づけで、応募締切は6月26日。一方、人材育成向けRFAでは、今後4年間で最大4,000万ドルの資金を投入し、原子力産業を支える人材基盤の強化を図る。州内の技術系高校、コミュニティカレッジ、大学、業界団体、労働組合、地域団体などを対象に、訓練プログラム、実習、インターンシップ、就職支援など、人材育成を促進する事業への支援を行う。この取組みは、「ニューヨーク州の次世代原子力(NextGen Nuclear New York)」プログラムの一環として、将来の原子力産業を支える人材を州内で育成することを目指している。応募締切は7月31日。NYPAは2025年12月にカナダ・オンタリオ州のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)との協力を発表しており、技術革新や資金調達、人材育成などの分野で連携を進めている。今回の公募はこうした取組みを補完するものであり、ニューヨーク州における次世代原子力発電の推進に必要な専門知識と準備を強化するものと位置づけている。
11 Jun 2026
588

米エネルギー省(DOE)は6月4日、DOEの先進炉設計の開発・試験・認証の迅速化を目指した「原子炉パイロットプログラム」の一環として、原子力新興企業アンタレス・ニュークリア(Antares Nuclear)社が開発した先進マイクロ炉「Mark-0」(ナトリウムヒートパイプ冷却炉)が、アイダホ国立研究所(INL)においてゼロ出力臨界((原子炉において、熱出力がほぼゼロ(核分裂による熱がプラントの温度に影響を与えない極めて低い出力レベル)の状態で、核分裂の連鎖反応が持続する状態(臨界)に達すること。))試験に成功したと発表した。今回の実証試験にはDOE、INL、BWXテクノロジー(BWXT)社に加え、将来的な利用者となる米陸軍も協力。「Mark-0」は、商用モデル「R1」マイクロ炉(電気出力100kW~1,000kW)の性能検証を目的とするもので、DOEの原子炉パイロットプログラムで進められている複数の先進炉の中で、最初に臨界達成に成功した。またMark-0は、1951年以来、INLで臨界を達成した53基目の原子炉となった。DOEは2025年8月、同年5月発令の大統領令「エネルギー省における原子炉試験の改革」を受け、先進炉の設計試験を迅速に進めるため、DOEの管理権限の下で「原子炉パイロットプログラム」を開始した。大統領令で示された期限(2026年7月4日、独立記念日および建国250周年)までに少なくとも3基の試験炉で臨界達成を目指す目標が示され、同プログラムには10社11件の先進炉プロジェクトが選定されており、アンタレス社はその一つである。アンタレス社は、「2026年に臨界達成、2027年に『Mark-1』でのフル出力発電実証、2028年に軍事施設への実用配備を目指す」との目標を掲げている。同社のJ. ブランブルCEOは、構想開始からわずか12か月で臨界状態の原子炉を実現したとして、先進炉の迅速な認可・実証を可能にする新たなライセンスモデルを示したと強調している。Mark-0には、軍事作戦用の可搬式プロトタイプのマイクロ炉「プロジェクト・ペレ」向けにBWXT社が開発したTRISO燃料が使用されており、今回得られたデータはプロジェクト・ペレにも還元され、将来の軍用マイクロ炉開発に活用される予定。また、炉心物理特性や計装・制御システムの挙動などを検証し、商用炉の設計高度化に必要なデータも収集。同社によると、この経験を通じて設計・認可・建設・試験までを短期間で実施できる体制を構築し、原子炉技術だけでなく、規制対応やサプライチェーン構築の知見も大きく向上したという。C. ライトDOE長官は今回の成果について、「40年以上ぶりに米国で民間開発の非軽水炉が臨界に到達した歴史的な出来事」であり、「米国の原子力産業復活の象徴となる瞬間だ」と評価。T. ガリッシュ原子力エネルギー担当次官補は、「1年足らずで臨界達成は不可能だと考えられていたが、それを実現したことは原子力の未来を切り開く成果である」と述べた。DOEは今回の臨界試験について、原子炉設計の安全性と運転性能を実証するだけでなく、将来の商用炉の設計や米原子力規制委員会(NRC)の認可手続きにも役立つ重要なデータを提供すると説明している。実用化されたマイクロ炉は、地上での分散型電源だけでなく、宇宙開発や軍事施設など安定した電力供給が求められる分野での活用も期待されている。
10 Jun 2026
779

米中西部ユタ州を拠点とするエネルギーインフラ開発会社のブルーキャッスル(Blue Castle)社とフルクラムポイント(Fulcrum Point)社は5月28日、同州東部のエメリー郡グリーンリバー市で計画されているブルーキャッスル原子力プロジェクトを合弁事業化して推進することを発表した。ブルーキャッスル社が過去19年にわたり準備を進めてきた同プロジェクトについて、今後は共同でサイト開発、米原子力規制委員会(NRC)の認可取得、建設・運転開始に向けた開発を進める計画である。今回の提携は、ユタ州が今後10年間でエネルギー生産倍増に向けて推進する、先進エネルギー政策「オペレーション・ギガワット」の一環。フルクラムポイント社の創設者C. ヘイター氏は、「ブルーキャッスル・プロジェクトを長年の基礎作業から次の実行段階へと進めるために、当社の技術、運営、プロジェクト開発能力を活用する。このプロジェクトはユタ州のエネルギー供給を強化、農村経済の成長を支援し、今後数十年にわたる電力供給が可能になる」と述べた。2007年、ブルーキャッスル社(当時はトランジション・パワー・デベロップメント社)はグリーンリバー市に原子力発電所の建設計画を提案。2014年8月には、ウェスチングハウス(WE)社製AP1000×2基の建設に向けた協力覚書(MOU)をWE社と締結し、NRCへの事前サイト許可(ESP)申請に向けた準備作業を進めていたが、計画は事実上、中止となった。グリーンリバー・サイトでは、これまでに気象および地震データの収集、地質調査、地下水モニタリング、生態学調査など、広範な技術的および環境分析が実施され、既存の水利権、鉄道や高速道路へのアクセス、送電網との接続性など、発電所立地に有利な条件を備えている。ブルーキャッスル社のA. ティルトンCEOは、「過去19年間、原子力発電導入に向けたリスク軽減の基盤を築いてきた。ユタ州および周辺地域のエネルギー需要に応え、ユタ州農村部で高レベルの雇用と経済効果を生み出していく」と抱負を述べた。同サイトでは、米ホルテック・インターナショナルが開発する小型モジュール炉(SMR)「SMR-300」(PWR, 30万kWe)の導入が想定されている。ホルテック社によると、同炉は独自の空冷式復水器(ACC)を採用できるため、水資源が乏しいユタ州のような乾燥地帯での運用が可能になるという。ホルテック社は、ユタ州北部にあるブリガムシティを基盤とした先進原子力イニシアチブにおいても、フルクラムポイント社の関連会社であるハイテクソリューションズ(Hi Tech Solutions)社と提携してSMR-300の導入を計画しており、ユタ州で拡大しつつある原子力エコシステムの構築を支援している。ユタ州には現在、原子力発電所はないが、S. コックス知事は同州のエネルギーポートフォリオの大幅な拡大を推進し、特に原子力発電に重点を置いている。5月22日には、同知事主催による「オペレーション・ギガワット・サミット」が開催され、連邦および州、エネルギー関係事業者の幹部が出席。人工知能(AI)インフラ、製造業、先端産業による米国の電力需要増に原子力が果たす役割について議論された。
10 Jun 2026
524

英ロールス・ロイスSMR社は5月27日、小型モジュール炉(SMR)建設プロジェクト向けの原子炉設備(Nuclear Island)の主要機器のサプライヤーとして、チェコのシュコダ(Škoda)社と韓国の斗山エナビリティ(Doosan Enerbility)社と契約したと発表した。原子炉圧力容器などの長納期機器の供給体制を早期に構築し、欧州におけるSMR事業の展開を加速する考えだ。ロールス・ロイスSMR社は、両社について、原子炉圧力容器をはじめとする原子炉設備の主要機器を世界各地の原子力発電所に供給してきた豊富な実績を有すると評価。重要機器の製造をスムーズに始められるよう、両社が設計から製造準備までを事前に進めることで、建設スケジュールの短縮につなげる方針である。同社はまた、これまでの原子力技術に加え、モジュール化や工場製造方式(ファクトリービルト)の活用により、原子力プロジェクトの進め方そのものを革新できると強調している。同社はまず、英国・北ウェールズのウィルヴァ(Wylfa)とチェコのテメリン原子力発電所サイトの隣接地へのSMR配備を計画。これらの事業を支える大規模なサプライチェーンの構築に向け、鍛造品メーカーなど幅広いサプライヤーの確保を進め、現地調達率の最大化を目指す方針だ。さらに将来的なグローバル展開も視野に、サプライチェーンの長期的なビジネス機会の拡大につなげたい考えである。同社のR. トッド・サプライチェーン担当ディレクターは、「原子力発電所建設において最重要となる長納期品目について、戦略的パートナーシップにより製造準備を前倒しできる。これにより、プロジェクトリスクを低減し、予定どおりの納入が可能になる」と述べ、今回の契約の意義を強調した。ロールス・ロイス社は2025年6月、英国初のSMR導入を目指す英政府から優先権者に選定され、同社製SMR(PWR, 47万kWe)×3基の建設を北ウェールズのウィルヴァで計画している。また、英政府系機関Great British Energy – Nuclear(GBE-N)と今年4月、SMR導入に向けた技術設計契約を締結している。さらに同月には、チェコ電力(ČEZ)とテメリン・サイトに隣接して建設するSMRプロジェクトの先行作業契約(Early Works Contract: EWC)を締結。サイト固有設計や許認可準備など、初期エンジニアリング作業を進めている。
09 Jun 2026
476

ウズベキスタン東部のジザク州ファリシュ地区で6月4日、ロシア国営原子力企業ロスアトムの協力により建設予定のロシア製小型モジュール炉(SMR)初号機が着工した。記念式典はウズベキスタンの建設現場とロシア・サンクトペテルブルク会場をオンラインで結んで開催。ロシアのサンクトペテルブルク国際経済フォーラムに参加中の両国大統領の立会いの下、ウズベキスタン初となる原子力プラントの基礎工事となる初コンクリートが打設された。初打設では、133㎥のコンクリート混合土が流し込まれた。必要なコンクリート量の総体積は10,000㎥にのぼる。同国の産業・放射線・原子力安全委員会は6月4日、原子力庁(ウザトム, Uzatom)傘下の「原子力発電所建設総局」に対し、ロシア製SMR「RITM-200N」(PWR, 5.5万kWe)を採用した発電ユニットの建設許可を発給。それに先立ち、3月下旬にサイト許可が発給されている。当初、2024年5月の建設契約に基づき、RITM-200N×6基の建設を予定していたが、2025年9月、RITM-200N×2基ならびに大型炉VVER-1000×2基を建設する原子力発電所プロジェクトとし、同プロジェクトへの燃料供給も含めて合意された。低出力の先進炉と実績ある高出力の原子炉の両方が同サイトで稼働する。建設プロジェクトでは、資材供給、輸送などで地元の請負業者が施工に関与し、建設現場では15,000人の雇用が期待されている。全基稼働後には年間172億kWhを発電し、国内の電力需要の最大14%を賄う見込み。
08 Jun 2026
820

アルゼンチン原子力規制庁(ARN)は5月20日、国営原子力発電運転事業者のニュークリアエレクトリカ(Nucleoeléctrica, NA-SA)に対し、アトーチャ原子力発電所2号機(独シーメンス社製PHWR, 74.5万kWe)の運転期間を10年間延長し、2036年5月26日までの運転を認可した。アトーチャ2号機は2016年5月に営業運転を開始。2021年以降、支持構造物の不具合対応に伴い短期間の更新が繰り返されてきたが、今回初めて2036年までの10年間の長期運転認可を取得した。同国には、NA-SAが所有・運転する3つの原子炉があり、すべて加圧重水炉(PHWR)。ブエノスアイレス州リマ近郊にあるアトーチャ原子力発電所は独シーメンス製の2基構成で、1号機(36.2万kWe)は1974年に運転を開始した。現在、20年間の運転期間延長に向けて改修作業が進行中。コルドバ州では、エンバルセ発電所(加AECL製Candu-6, 65.6万kWe)が単機で1984年から運転中である。全3基でアルゼンチンの総発電電力量の約7%(2024年実績)を占めている。NA-SAは2022年2月、中国核工業集団(CNNC)とアトーチャ3号機に華龍一号(PWR=HPR1000, 120万kWe)採用のエンジニアリング・調達・建設(EPC)契約を締結した。契約規模は83億ドル。中国が85%を融資するが、アルゼンチンは中国に100%融資を求めて金融契約の合意に至らず、2023年10月、両者はEPC契約の有効期限を2025年4月とする契約延長を決定した。その後の計画は明らかではない。このほか、アトーチャ・サイトに隣接して、国産の小型モジュール炉(SMR)原型炉のCAREM25(PWR, 3.2万kWe)が2014年8月からCNEA(原子力委員会)によって建設中。原子力発電所の開発および運転開始における国内能力の強化を目指しており、資材、部品、および関連サービスの少なくとも70%を、自国企業から調達する。2019年に政府の支払遅延や設計変更等により工事は中断。2021年に新建設契約の締結により工事は再開され、2022年末時点で77%まで進捗していたが、その後設計見直しに伴い2024年9月から再び工事が停止している。2025年5月に開催されたCNEA創設75周年記念式典において、NA-SAのD. ライデル社長(当時)は、同国リオネグロ州政府所有のハイテク企業INVAPによる独自設計のSMR「ACR-300」(30万kWe)4基をアトーチャ・サイトに建設し、同国の原子力発電設備容量をほぼ倍増させ、さらに同炉を国外でライセンス供与する方針を示した。INVAPはビジネス機会の開拓と輸出を視野に2018年、米国特許商標庁へ同炉の特許を出願し、2024年に承認されているという。
08 Jun 2026
473

米原子力エネルギー協会(NEI)のM.コースニック会長兼CEOは5月12日、会員企業や原子力関係者らを招いて毎年開催する「Nuclear Energy Policy Forum」で講演し、米国の原子力産業について「追い風が吹いている(momentum is on our side)」との認識を示した。政策支援や規制改革、官民投資、AI・データセンターによる電力需要増などを背景に、米原子力産業は「拡大局面に入りつつある」としたうえで、「問われているのは建設できるかではなく、大規模に展開できるかだ」と強調した。政策面では、D. トランプ政権が2050年までに米国の商業用原子力発電設備容量を現在の約4倍となる4億kWに拡大する目標を掲げていることを紹介。その実現に向け、2025年5月に同大統領が署名した4本の大統領令では、原子力発電所の再稼働・新設支援や原子力規制委員会(NRC)の規制改革、人材育成、国内燃料サイクルの強化、原子力技術の海外展開促進など、業界が長年求めてきた施策が盛り込まれたと説明した。米国が「原子力分野で世界を主導すべき」との政権の姿勢についても歓迎した。規制面では、NRC改革の進展を大きな成果として挙げた。NEIの調査によると、既設炉を保有する電気事業者は20の発電所で運転認可更新、29基で出力増強を進めているほか、今後15年間で2,340万kWの新設を計画しているという。こうした動きを支えるため、第2回目の運転認可更新(subsequent license renewal)の審査期間短縮や検査工数削減などが進んでいると説明。先進炉では、テラパワー社のナトリウム冷却高速炉「Natrium」(電気出力34.5万kW~50万kW)の審査が18か月で完了し、予定より9か月前倒しとなったことなどを紹介した。そのうえで、「21世紀の課題を20世紀のルールで解決することはできない」と述べ、「大規模展開には規制改革が不可欠」との認識を示した。また、コースニック氏は、政府による公的支援に加え、民間資本の流入拡大にも言及した。モルガン・スタンレーは、2050年までの原子力投資額を2.2兆ドル(約349兆円)と予測しており、前年予測から47%増加したという。2025年には原子力スタートアップ全体で約30億ドル(約4,800億円)を調達し、X-エナジー社による約10億ドル超(約1,600億円)の大型資金調達もあった。さらに、ブルックフィールド社とThe Nuclear Companyによる合弁設立にも触れ、2017年7月に建設中止となったV. C. サマー(AP1000×2基)を含む、ウェスチングハウス(WE)社製原子炉の建設推進に向けた新たな動きも出ていることを紹介した。燃料分野でも、ウラン濃縮能力の拡大に向けた民間投資が進んでいるとした。さらに、AIの普及やデータセンターの増加による電力需要の急増も追い風として挙げた。同氏は、世界のデータセンターの電力消費量は2030年までに倍増し、米国では3倍になるとの見通しを示した。ビッグテック各社による原子力活用の動きも紹介し、Meta、Google、Amazonなどによる投資・電力調達を例示。ビッグテックの原子力に対する需要規模は現状、約4,000万kWに達するとした。また人材確保も大きな課題として挙げ、2050年までに必要な人材は現在の約3倍に増えると予測。ボーグル3、4号機(AP1000×2基)の建設では8,000人超が従事したことを紹介し、建設労働組合で技能訓練制度(apprenticeship program)が拡大していることにも触れ、人材育成の重要性を訴えた。
08 Jun 2026
580

米国の先進炉・燃料サイクル開発企業オクロ社は5月26日、米エネルギー省(DOE)の「余剰プルトニウム利用プログラム(Surplus Plutonium Utilization Program)」において、今後の交渉の対象企業に選定されたことを明らかにした。同プログラムは、米政府が保有する余剰プルトニウムを民間企業に提供し、厳格な安全保障・保障措置・核物質管理の下で先進炉向け燃料に転換することを目的としたもの。2025年5月発令の大統領令「国家安全保障のための先進原子炉技術の導入」「原子力産業基盤の再活性化」では、DOE長官に、米国内の原子炉向けにリサイクルまたは処理可能な有用ウランおよびプルトニウムのDOEの在庫内での特定ならびに余剰プルトニウムを処理・先進炉向け燃料として利用するプログラムの立上げを指示。DOEは、酸化物および金属形態の約19.7トンの余剰プルトニウムを、民間企業が利用可能な燃料にして処分する計画。2025年10月には、詳細な再処理・加工計画について、その資金調達計画やスケジュールを含め、民間企業からの提案募集(RFA)を開始した。オクロ社は他の4社とともに交渉対象に選定され、今回の決定を同社の燃料調達戦略を支える重要な一歩と位置付ける。なお、オクロ社の他にExodys Energy、Flibe Energy、SHINE Technologies、Standard Nuclearが交渉対象に選定されている。オクロ社のJ. デウィットCEOは、先進炉の普及において燃料供給が大きな制約になっていると指摘。今回のプログラムによって既存の余剰プルトニウムが「橋渡し的な燃料(bridge fuel)」となり、原子炉導入を早められる可能性があるとしている。同社はフランスを拠点とする先進炉開発企業ニュークレオ(newcleo)社と連携し、余剰プルトニウムの利用を主導する計画である。オクロ社がプロジェクトの中心的な役割を担い、ニュークレオ社は燃料製造に関する知見や資金面での支援を提供する構想だ。両社は、2025年10月から米国内で先進燃料製造インフラを整備するための戦略的提携を進めており、その中には余剰プルトニウム関連事業も含まれている。ニュークレオ社は関連プロジェクトに最大20億ドルを投資する可能性を示しており、2026年2月には米原子力規制委員会(NRC)と事前申請の協議も開始している。
05 Jun 2026
630

米テラパワー社は5月19日、同社が開発するNatrium炉および併設するエネルギー貯蔵プラントの迅速な商用化と展開に向けて、韓国のHD現代ならびにHD現代建設(HDEC)と契約を締結した。HD現代との供給枠組み契約では、その傘下にあるHD現代重工業(HHI)をNatrium炉の原子炉格納構造物(Reactor Enclosure System, RES)の優先製造者に指定。大規模製造能力や精密加工技術を有するHHIを戦略的製造パートナーとし、将来のNatrium炉の量産に対応できる供給体制を構築したい考え。また、HD現代に加え、国内外で大型炉の豊富な建設実績を有するHDECを含む3者間契約を締結し、Natrium炉の複数炉展開、製造、サプライチェーン、建設、事業スキームの構築までを含む包括的な協力を進める方針。部品供給だけではなく、複数炉のフリート展開や資金調達の仕組みづくりまで視野に入れている。HD現代は2022年の3,000万ドルの投資を皮切りに、Natrium炉の技術開発に共同で関与し、米ワイオミング州でテラパワー社が建設中のケンメラー発電所初号機の原子炉容器の製造やサプライチェーンの拡大に取組むなど、協力を強化している。テラパワー社は、米国の先進技術と韓国の製造・建設能力を結び付けることで、先進炉の本格展開へ向けた新たな段階に入る、と期待感を表明。HD現代も、今回の提携を世界の原子力市場への本格参入に向けた重要な足掛かりと位置付け、原子炉機器の安定供給と量産体制の確立を目指す考えを示した。Natrium炉は34.5万kWeのナトリウム冷却高速炉。熔融塩蓄熱システムを併設し、通常時は安定した出力を維持しながら、需要のピーク時には迅速に50.0万kWeまで増強できる。ケンメラー発電所の初号機は2030年に完成予定。2026年1月にはIT大手のMeta社と、2035年までに最大8基の導入に向けた開発支援契約を締結。また2026年2月には、英国における包括的設計審査(GDA)が開始されており、海外展開も進みつつある。今回の提携により、テラパワー社は米国で建設中の初号機を起点に、韓国企業の製造・建設能力を活用しながら将来的なフリート展開を見据えた供給体制の構築を進める考えだ。
04 Jun 2026
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国際エネルギー機関(IEA)は5月28日公表の「世界エネルギー投資2026(World Energy Investment)」で、世界の原子力投資額が2025年に続き2026年も800億ドルを超えるとの見通しを示した。AIの普及による電力需要の増加やエネルギー安全保障への関心の高まりを背景に、各国で原子力開発を支援する政策が広がっており、IEAは原子力投資の拡大基調が続くと分析している。IEAのF.ビロル事務局長は、現在の状況について「世界はこれまで経験した中で最大級のエネルギー安全保障上の危機に直面しており、世界の投資戦略を根本的に変える可能性がある」と指摘した。そのうえで、1970年代の石油危機後に見られたようなエネルギー投資構造の大きな転換が再び起こり得る、との見方を示している。2026年の世界のエネルギー投資額は3.4兆ドルのうち、約3分の2に当たる2.2兆ドルが送電網や蓄電池、低排出燃料、原子力、再エネ、省エネ、電化などのクリーンエネルギー関連分野に向かう。一方、石油・天然ガス・石炭への投資は約1.2兆ドルにとどまる見込みである。再エネへの投資額は、2026年に約6,650億ドルに達すると見込まれており、このうち太陽光発電向けが約3,650億ドルを占める。再エネ投資の伸びは、ここ数年の急拡大を経て鈍化しているものの、世界の発電分野への投資全体に占める低排出電源の割合は、依然として7割を超えている。原子力投資額は2025年に続き、2026年も800億ドルを超える見通しだ。現在、15か国で計7,800万kWが建設中であり、中国が世界の原子力投資の約3分の1を占める。IEAは、1970年代のエネルギー危機後と同様、現在の供給不安が小型モジュール炉(SMR)など、多様な原子力技術への投資拡大を後押しする可能性があると指摘。既に40か国以上が原子力導入を支援する政策を整備しており、原子力に対する評価が世界的に見直されつつあるという。IEAは報告書で、原子力投資拡大を後押しする各国・地域の政策や事業の動向についても紹介している。米国では、データセンターや人工知能(AI)による電力需要増加を背景に、テクノロジー企業による原子力開発への関心が高まっている。IEAによると、構想段階のものも含めると、新たな原子力発電設備容量は5,000万kW超に達するという。米政府も、資金面や規制面で大型炉やSMR開発への支援を進めている。一方、各炉型の規制面での進展度には差があり、米原子力規制委員会(NRC)の承認を取得しているSMRは米企業1社にとどまる。設計認証を受けた炉型も限られ、多くの契約が法的拘束力を伴わないことから、計画実現にはなお不確実性が残ると指摘している。欧州でも投資促進策が進展している。欧州委員会(EC)は最新の「原子力実証プログラム(PINC)」で、大型炉新設や既設炉改修に2050年までに累計2,410億ユーロの投資が必要と試算したほか、SMR開発向けに2億ユーロ規模の保証基金創設を発表した。英国ではロールス・ロイスSMR社の初号機建設、フランスでは総事業費730億ユーロとされるEPR2×6基の建設計画が、ともに政府支援の下で進められている。こうした動きは中国や日本、新興国にも広がっている。中国は毎年約10基の新規建設を承認しており、第15次五か年計画では2030年までに原子力発電設備容量を1億1,000万kWへ拡大する方針を掲げ、輸出も視野に入れている。日本でも原子炉の再稼働が進展しているほか、新設に向けた資金調達や投資回収などの事業環境整備の検討が進められている。さらに、これまで原子力融資に慎重だった世界銀行グループやアジア開発銀行(ADB)も方針を見直し、原子力導入検討国への支援に向けた取組みを開始した。IEAは原子力投資の拡大基調は続くとの見方を示す一方、新設炉やSMR初号機では依然として建設リスクが大きく、各国による制度支援が成否を左右すると指摘している。
04 Jun 2026
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スウェーデンの原子力技術サービス企業スタズビック(Studsvik)社は5月25日、同国南部ニショーピング(Nyköping)の自社原子力サイトおよび周辺地域に、合計出力60万~140万kWe規模の原子力発電所を建設する計画を政府に申請した。2030年代の初号機運転開始を目指す。同国では電力需要の増加や既設原子力発電所の老朽化を背景に、新規原子力建設に向けた動きが活発化しており、SMRを中心とした複数の計画が進展している。今回の申請についてスタズビック社は、長期にわたる許認可プロセスの第一段階に過ぎないと強調。今後は土地・環境裁判所やスウェーデン放射線安全局(SSM)による審査に加え、自治体の承認も必要となる。同社は今年5月、SMR開発企業シャーンフル・ネキスト(Kärnfull Next, KNXT)社の買収を完了しており、今回の計画は同社グループが進める「ReFirmプログラム」の一環に位置付けられる。3月にはKNXT社が南部ヴァルデマルスヴィークで30万kW級SMRを4~6基建設する計画を申請しており、スタズビック・グループとしては2件目の新規建設申請となった。スウェーデンでは、鉄鋼や化学産業の電化に加え、データセンター需要の増加により電力需要の拡大が見込まれている。一方、現在の電力供給を支える既設原子力発電所の多くは今世紀半ばに運転寿命を迎えるとされ、新たなベースロード電源の確保が課題となっている。こうした状況を受け、同国政府は5月、新規原子力発電設備約500万kWの建設を支援するため、総額2,200億スウェーデンクローナ(約3.8兆円)規模の融資制度とCfD(差金決済取引)制度を導入した。また、国営電力会社バッテンフォール(Vattenfall)が進めるSMR計画や、先進炉開発企業ブリカラ(Blykalla)による鉛冷却高速炉「SEALER」の建設計画なども申請段階に入っており、スウェーデンでは新規原子力建設に向けた動きが加速している。
03 Jun 2026
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新潟県の花角英世知事は6月9日、経済産業省を訪問し、柏崎刈羽原子力発電所の安全対策の徹底と実効性ある原子力防災対策の構築などを求める要望書を、赤沢亮正経済産業大臣へ手交した。同要望は、新潟県が国に提出している2026年度の「政府に対する新潟県の要望」の一環。花角知事は冒頭、昨年12月に、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働同意の前提として国へ要請した7項目について改めて対応を求めた。要望書では、約14年ぶりに営業運転を再開した柏崎刈羽6号機の安全対策や原子力防災への県民理解は依然十分ではないと指摘。東京電力の信頼性確保や安全対策の徹底、防災対策の実効性の向上に向け、国の責任下で着実に対応するよう求めた。具体的には、原子力発電の必要性や安全性に関する分かりやすい情報発信の継続、安全性向上に向けた不断の取組み、避難計画の実効性向上などを要請。また、避難路の整備促進や除排雪体制の強化、屋内退避施設の整備促進など、原子力災害と自然災害の複合災害を見据えた防災インフラ整備の加速も求めた。そして、使用済み燃料対策や風評被害対策、原子力発電所への武力攻撃対策など県民の関心が高い課題についても、国が責任を持って取り組むよう要望。東京電力に設置された「監視強化チーム」についても、実効性ある運用と活動状況の周知を求めた。また、今年4月に「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法」において、立地地域の指定範囲がUPZの市町村(柏崎市、刈羽村、長岡市、小千谷市、十日町市、見附市、燕市、上越市、出雲崎町)に拡大された一方で、財政上の特例措置が適用される特定事業の対象は未だ限定的であると指摘し、対象事業の拡充や財源確保を要請した。さらに、近年の豪雨災害の激甚化や複合災害リスクの高まりを踏まえ、防災・減災対策に加え、地域振興や産業基盤整備に対する支援の強化を求めた。これに対し赤沢大臣は、新潟県から示された7項目の要望を重く受け止め、関係省庁と連携しながら対応を進めていると説明。柏崎刈羽原子力発電所に関しては、政府の監視強化チームを通じて東京電力の取組状況を確認するとともに、地域への丁寧な説明を続ける考えを表明。あわせて、立地地域振興や避難路整備についても、関係省庁と連携しながら着実に進める方針を示した。さらに、自身が4月に柏崎刈羽原子力発電所を視察したことに触れ、「緊張感を持った訓練や高いレベルのセキュリティ対策を確認できた。原子力発電は安全確保と地域理解が大前提だ」と述べ、東京電力に対して継続的な信頼向上の取組みを求めた。
12 Jun 2026
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福井県の石田嵩人知事は6月2日、経済産業省を訪問し、「令和9年度政府予算に対する要望書」を越智俊之経済産業大臣政務官に手交した。要望書では、全8項目のうちエネルギー政策・原子力分野に関する要望を2項目に盛り込み、第7次エネルギー基本計画に基づく原子力政策の着実な実行や将来像の明確化、エネルギー教育の推進、原子力発電所立地地域の振興、使用済み燃料対策や原子燃料サイクルの推進などを求めた。また同要望書には、「もんじゅ」の廃止措置を契機に敦賀エリアを原子力研究・人材育成の拠点として発展させるため、新試験研究炉の早期整備や研究開発・人材育成基盤の維持強化についても言及。新試験研究炉を軸とした同地域の活性化へつなげていく考えを示した。福井県は15基(7基が運転中、7基が廃止措置中、1基が停止中)の原子炉が立地する全国有数の原子力発電所立地地域であり、原子力政策の動向が同県の地域経済や産業基盤に大きく影響することから、これまでも国に対し、継続的な要望を行ってきた。石田知事は4月に赤沢亮正経済産業大臣へ要望書を手交した際も、半世紀以上にわたり国策である原子力政策に積極的に協力してきた県の首長として、現場の声や課題を踏まえたエネルギー政策の推進を要望していた。また石田知事は、会談の公開部分で、政府が進める地域未来戦略の推進に向けた産業人材の育成・確保や産業クラスター形成への支援を要請したほか、中東情勢の影響による燃料費や原材料価格の高騰への継続的な支援を国に求めた。これに対し越智政務官は、地域未来戦略について、関係省庁と連携しながら投資促進策とインフラ整備を一体的に進め、地域全体の発展につながる施策を推進していく考えを示した。また、中東情勢への対応については、燃料価格高騰対策を継続しながら、原材料調達やサプライチェーンへの影響も注視し、引き続き必要な支援に取り組む考えを示した。
11 Jun 2026
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東北電力の女川原子力発電所2号機(BWR、82.5万kW)が6月9日、再稼働後初の定期検査を完了し、営業運転を再開した。同機は2024年11月に再稼働(発電再開)し、同年12月に営業運転に復帰していた。定期検査は今年1月14日から行われ、発電を停止して原子炉本体、原子炉冷却系統施設、原子炉格納施設などの点検に加え、燃料集合体や制御棒の一部取替えを行った。同機は1995年7月に営業運転を開始。2010年10月に定期検査入りし、2011年3月の東日本大震災により起動作業中のところ、自動停止した。2013年12月に新規制基準適合性に係る審査を申請し、2020年2月に原子炉設置変更許可を取得。2024年5月の安全対策工事完了を経て、同年11月に新規制基準施行後初のBWRとして発電を再開し、同年12月から営業運転を再開した。特定重大事故等対処施設(特重施設)などの設置期限が、現行制度では本体施設の「設計及び工事の計画認可(設工認)」取得日から5年以内とされている。同機は期限の2026年12月までに特重施設の設置が間に合わず、東北電力が完成を見込む2028年8月まで再度運転停止を余儀なくされる状況にあった。しかし、原子力規制委員会による規則改正が現在進んでおり、改正されれば、設置期限は2029年12月となるため、次回の定期検査が始まる2027年6月頃まで運転を継続できる見通しだ。
10 Jun 2026
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経済産業省・資源エネルギー庁の原子力小委員会は6月5日、「今後の原子力政策の方向性と行動指針」の改定案を議論。改定案では、既設炉の運転終了を見据え、2040年代までに大型炉約2~5基分、2050年代までに同約11~14基分の建て替え需要が生じるとの試算を提示した。既存炉の活用だけでは2040年以降に供給力の大幅な低下が見込まれることから、改定案では原子力発電の見通しや将来像を新たに前段に位置づけ、原子力産業界における長期的な投資判断や人材確保、サプライチェーンの維持・強化に向けた事業予見性の向上を図った。同改定案では、原子力発電が2040年代から2050年代にかけて総発電電力量の約20%を担うケースを前提に、必要な設備容量を試算。その場合、2040年代までに約220万~550万kW(約2基~5基)、2050年代までに累計約1,270万~1,600万kW(約11基~14基)分が不足する見込みだという。なお、建て替え基数は大型炉換算で算出しており、SMRの場合はさらに必要な基数が増加する。また、試算には建設中の3基(大間、島根3号機、東京・東通1号機)を含む一方、電気事業法に基づく運転延長認可制度は考慮しておらず、年途中で運転開始から60年を迎えるプラントについては、当該年の設備容量に含めていない。改定案では、行動指針の6本柱という基本構造は維持しながらも、再稼働が一定程度進捗してきたことを受け、原子力の長期利用を前提とした構成へ見直した。具体的には、「原子力を長期的に活用していく上での大前提」を新たな柱として設けるとともに、再稼働関連施策を「再稼働の加速・既設炉の最大限活用」に集約。さらに、次世代革新炉の開発・設置や、バックエンドプロセスの加速化、サプライチェーン・人材基盤の維持強化などを明記している。各委員からは、原子力発電の見通し・将来像を具体的に示した点を評価する意見が相次いだ一方、ファイナンス支援の具体化やバックエンド施策、燃料サプライチェーン整備、人材・技術継承等について、さらなる検討を求める意見も出された。バックエンド分野では、竹下委員(東京科学大学)が同改定案を評価した上で、六ヶ所再処理工場やMOX燃料工場の本格稼働を見据えた保障措置体制の強化を要望。併せて、プルトニウム管理や核燃料サイクルの実効性向上、ウラン燃料供給の安定化に向けた国内基盤整備の必要性を指摘した。また、水田専門委員(関西電力/電気事業連合会)は、中長期的な原子力の将来像や見通しが具体化されたことについて、「事業予見性の向上や業界の活性化、技術継承、人材確保の好循環につながる」と評価。その上で、次世代革新炉の開発・建設を着実に進めるための事業環境整備の継続的な見直し、また、バックエンドを含む人材・サプライチェーン基盤の強化を着実に進める必要性を訴えた。そして、日本原子力産業協会の増井理事長(専門委員)は、同改定案について「原子力産業を巡る現状や本委員会での議論を踏まえ、適切に取りまとめられている」と評価。特に、2040年と2050年を見据えた原子力発電の見通し・将来像が示されたことについて、「産業界として未来への希望と長期的な展望を持つことができる」と述べた。あわせて、日米間で検討が進む大型原子力案件は日本企業にとって大きな機会になるとの認識を示す一方、過度な負担が生じないよう政府の適切な対応を求めた。また、同志国との連携やサプライチェーン強化など国際協力の重要性を強調し、原子力国際協力センター(JICC)等と連携し、海外産業界との連携強化に引き続き取り組む考えを示した。
09 Jun 2026
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原子力規制委員会は6月4日、特定重大事故等対処施設(特重施設)および所内常設直流電源設備(3系統目)の設置期限に関する規則改正案を公表。パブリックコメントの募集を開始した。特重施設は、2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故後に導入された新規制基準に基づき整備が求められている施設で、航空機衝突やテロ攻撃などによって原子炉の制御機能が失われた場合でも、炉心損傷や放射性物質の大量放出を防ぐためのバックアップ機能を担う。現行制度では、特重施設などの設置期限は、本体施設の「設計及び工事の計画認可(設工認)」取得日から5年以内とされている。しかし、実際には設工認取得から運転開始までに長期間を要するケースが多く、規制委によると5年以内の完成が困難となる事例が相次いでいる。改正案では、この5年間の経過措置期間の起算点を、現行の設工認認可日から「使用前確認日」に変更する。規制委は、5年間という猶予期間そのものは維持しつつ、実際の運転開始時期に合わせた制度へ見直すとしている。安全面について規制委は、使用前確認が行われる時点では原子炉内の使用済み燃料が十分に冷却されており、特重施設が必要となるような事態が発生する可能性は低いと説明。現行制度と比較しても安全上の大きな差異はないとしている。今回の改正案は、現時点で経過措置期間が満了していない実用炉が対象となる。このため、すでに期限を迎えている柏崎刈羽7号機や東海第二は対象外となる。一方、大間、島根3号機、東京・東通1号機など建設中のプラントについては、施設全体の使用前確認日が起算点となる。規制委は4月、現在経過措置期間中にある女川2号機と島根2号機を有する、東北電力と中国電力からヒアリングを行った。両社は、制度改正が行われた場合でも特重施設の早期完成に向けて取り組む方針を示しているという。パブリックコメントはwebか郵送で受け付けており、募集期間は7月3日まで。
08 Jun 2026
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原子力・放射線利用分野で働く女性で構成される「WiN-Japan」の2026年度総会・年次大会が5月29日、都内で開催された。総会には約100名が出席し、最新の会員動向と2025年度の活動・収支報告、そして2026年度の活動計画と予算案、また、役員改選などを行った。総会後に開かれた年次大会では、「原子力とともに拓く、私たちのキャリアと挑戦」をテーマに、女性活躍やジェンダーバランスの向上をテーマとした講演や意見交換が行われ、参加者が今後のキャリア形成について考える場となった。WiN-Japanは、「原子力の価値向上」「原子力専門家としてのネットワーク構築」「原子力分野におけるジェンダーバランスの向上」の3つを柱に活動している団体で、「WiN Global」の日本支部に該当する。WiN Globalは世界各地に約80の支部、約35,000名の会員を擁する団体で、原子力産業界、規制当局、医療機関、大学、研究機関など、原子力や放射線に関わる幅広い分野で専門的に活動する女性によって構成されている。総会の冒頭、WiN-Japanの石橋すおみ会長(電気事業連合会広報部部長)は、3月30日から4月3日の日程で韓国・慶州にて開催された直近のWiN Globalの年次大会への参加を報告。同大会でWiN Globalのメリーナ・ベリンコ会長が「原子力業界の未来はイノベーションだけでなく、社会との信頼を築く能力にかかっている。だからこそWiNが必要とされている」と発言したことを紹介し、石橋会長は「この言葉に深く共感した」と語った。その上で、WiN-Japanとしても原子力分野における女性活躍の推進や社会との対話を通じた信頼醸成に、引き続き取り組んでいく考えを示した。来賓として出席した国民民主党の竹詰仁参議院議員(エネルギー調査会長)は、国民民主党が原子力発電所のリプレースや新増設、次世代革新炉の開発推進を掲げていることに触れ、「原子力に携わる皆さんには誇りを持ってほしい」と激励。「原子力を応援する立場として、今後も皆さんとともに学び、支えていきたい」と述べ、WiN-Japan会員らにエールを送った。続く年次大会の冒頭、原子力発電環境整備機構(NUMO)の山口彰理事長が登壇し、原子力分野における女性活躍の重要性に言及。「多様な考え方やバックグラウンドを持つ人々がともに働くことが、より良い技術や組織につながる」と述べ、WiN-Japanの活動にさらなる期待を寄せた。その後の基調講演では、文部科学省原子力課長の有林浩二氏が「文部科学省のリケジョ支援策から考える今後の原子力人材育成」と題して講演し、女子中高生の理系進学支援や原子力人材育成に向けた文部科学省の取り組み等を紹介したほか、産学官が連携した人材育成の重要性を強調した。また、原子力分野における女性人材の確保・育成のあり方について問題提起し、参加者との活発な意見交換を行った。続いて、関西電力執行役常務の野地小百合氏は、「多様な視点が、組織の判断を変える~女性活躍の本当の意味」と題して講演を行い、同業界が抱える女性活躍を阻む構造的な課題にも触れながら、多様な視点を生かした組織変革の必要性を訴えた。
05 Jun 2026
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6月5日に開催された総合資源エネルギー調査会・原子力小委員会において、朝野賢司委員(電力中央研究所 社会経済研究所 副研究参事)は、経済産業省が示した「今後の原子力政策の方向性と行動指針」改定案について、事業環境整備の具体化を歓迎する一方、「なお不十分」と指摘。自由化された電力市場では、原子力発電は「発電事業者にとって我が国における最大級のリスク資産」であり、民間企業の投資判断を後押しするためには、国によるリスク分担の明確化が必要との考えを示した。朝野委員はまず、行動指針案について、原子力投資に伴うリスク要因を明確に整理したことや、事業環境整備を政策の柱として位置付けたことを評価した。具体的には、初期投資負担の大きさやリードタイムの長期化、市場価格変動による収入見通しの不確実性、バックエンドや許認可に関するリスクなどが明記されたことを評価。また、長期脱炭素電源オークションの改善に加え、英国サイズウェルC建設プロジェクト(SZC)で導入された規制資産ベース(RAB)モデルの教訓、原子力損害賠償制度の見直し、地元合意形成や許認可手続きの円滑化などが盛り込まれたことについても、「これまでの小委員会での議論を受け止めた内容」と述べた。一方で、将来像として示された原子力利用の見通しを実現するための事業環境整備としては、なお不十分との認識を示した。朝野委員は、政府の信用力を活用した融資制度の検討は重要としながらも、「借入を増やすだけでは原子力への投資判断には足りない」と指摘。その理由として、自由化された電力市場において原子力発電は「発電事業者にとって我が国における最大級のリスク資産」であると説明した。具体的には、1兆円を超える初期投資、10年以上に及ぶ建設期間、運転開始まで収益を生まない事業構造に加え、規制変更に伴う追加投資、バックエンド対策、原子力損害賠償制度、地域合意形成など、多様なリスクが重層的に存在すると指摘。「他産業を見渡しても、これほど巨大かつ長期にわたり、政治・社会・技術のリスクが一体となった資産はほとんどない」と述べた。さらに、こうしたリスクに見合う収益を市場で確保することが難しい点も問題視した。電力市場では電気は電源を問わずすべて同質の商品として取引されるため、原子力特有のリスクを、販売価格へ反映させることが困難であると説明。脱炭素の価値や容量としての価値の評価制度は存在するものの、「原子力特有の巨大なリスクを十分に価格化できているわけではない」と指摘した。その結果として、「発電事業者が競争環境の中で自社のバランスシートにこうしたリスクを抱え込む動機は極めて乏しい」ことから、むしろ投資を見送る方が、取締役会や株式市場に対して合理的に説明しやすい状況にあるとの見方を示した。また朝野委員は、エネルギー安全保障や脱炭素、電力システムの強靱化、経済安全保障といった公益的価値が原子力に期待されている一方で、それらの価値を事業者の収益として十分に評価されていないことが問題の本質であると指摘。「公益的には必要だが、民間企業の投資対象としては合理的な投資判断を行いにくい。このギャップを埋めることこそ事業環境整備の核心だ」と強調した。その上で、必要なのは旧来の総括原価方式への回帰ではなく、「民間の事業者にとって原子力を、巨大なリスク資産として放置するのではなく、エネルギー安全保障や脱炭素、レジリエンス、経済安全保障に資する国家インフラ資産として位置付け直す制度設計」であると提言。建設期間中の費用回収や規制変更リスク、バックエンド対策、原子力損害賠償法など、民間では負いきれないリスクについては、一定の範囲を超えた部分を、国が引き受ける仕組みを明確化すべきとの考えを示した。そして、「原子力を含む大規模かつ安定的な電源については、民間企業に使命感で投資を求めるのではなく、投資することが合理的だと説明できる制度を整えることが重要だ」と述べた。 ※同小委会合については、後日詳報
05 Jun 2026
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日本原燃の増田尚宏社長は5月28日の定例会見で、再処理工場の設工認審査について、次回審査会合で全項目の説明完了を目指す考えを示した。また、MOX燃料工場では第3回設工認の認可を受けて設備据付工事に着手したほか、低レベル放射性廃棄物埋設センターでは覆土作業を開始するなど、核燃料サイクル施設の整備が進展していることを説明した。再処理工場の設工認審査について増田社長は、全体約700項目のうち未説明となっている26項目について原子力規制庁とのヒアリングを進めており、次回審査会合で全項目の説明を終える考えを示した。説明完了後は、審査で示した設計方針を現場設備へ反映するとともに、補正申請に向けた準備を進める。また、高レベル放射性廃液をガラス固化体に加工するガラス溶融炉の検査について、使用前事業者検査で「模擬廃液」を用いて安全機能を確認する新たな日本原燃の方針に対し、直近の原子力規制委員会において、委員から特段の異論は示されなかったと報告した。日本原燃が、2024年8月に示した工程では実廃液を用いた検査を前提としていたが、今回新たに、使用前事業者検査では「模擬廃液」を、操業までに「実廃液」を用いて、生産機能を含む確認運転を実施する方針。増田社長は、「模擬廃液による検査が可能となれば、工程上の裕度が高まる」との認識を示した。一方で、規制委からは、高レベル放射性廃液の保有リスク低減や操業後の安全管理について指摘があった。それを踏まえ日本原燃では、安全に管理するための手段や方法、保安規定への反映を含め検討していく考えを示した。次に、MOX燃料工場について増田社長は、第3回設工認が5月26日に認可され、MOX粉末を焼き固めてペレットに加工する設備の据付工事着手を報告。今後は、重大事故等対処設備や溢水防護対策設備などを対象とする第4回設工認申請に向け、再処理工場での審査結果を反映しながら準備を進めるという。増田社長は、設工認審査は2024年8月時点の工程と比べてやや遅れているものの、第3回までで主要設備の設計方針は認可されており、第4回認可後の工事を効率的に進めることで、竣工目標(2027年度中)への影響はないとの見通しを示した。また、低レベル放射性廃棄物埋設センター1号埋設施設では、5月25日に覆土を開始。青森県産の砂やベントナイトを活用し、2035年度までに施設全体の覆土完了を目指すという。同施設はモルタルやコンクリート構造、難透水性覆土などによる多重バリア機能を備えており、覆土完了後も放射線量や地下水中の放射性物質濃度の監視を継続しながら、長期にわたり安全管理を行う方針だ。
04 Jun 2026
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青森県下北半島のむつ市・六ケ所村・大間町・東通村の首長らは5月27日、経済産業省の井野俊郎副大臣と会談し、原子力災害時の住民避難に必要な道路整備を国の責任で推進するよう求める要請書を手交した。2024年の能登半島地震を踏まえ、原子力災害と自然災害が同時に発生する複合災害への備えが重要だとして、避難道路や接続道路の整備促進に向けた財源確保を要望した。下北半島には、東通原子力発電所や建設中の大間原子力発電所、六ヶ所村の燃料サイクル施設など、国内有数の原子力関連施設が集積している。4市町村は、原子力防災の実効性を高めるためには、住民避難を支える道路網の整備が不可欠だとして、地方負担を伴わない形で国が責任を持って財源を確保し、整備を推進するよう求めた。要請では、①下北半島縦貫道路の全線早期整備、②三沢空港や東北縦貫自動車道と接続する上北沿岸高規格道路の整備促進、③国道338号バイパスや国道279号バイパスなど主要避難道路の整備促進、④各地域集落から主要避難道路へ接続する避難道路の整備――の4項目を重点事項として掲げた。4市町村は要請の中で、能登半島地震によって半島地域における防災インフラの重要性が改めて浮き彫りになったと指摘。下北半島では避難道路の整備が進められているものの、依然として代替ルートが十分とは言えず、災害時の交通確保に課題が残るとしている。さらに、日本海溝・千島海溝沿いで巨大地震の発生が懸念される中、下北半島内の多くの道路が津波浸水想定区域に位置していることから、原子力災害と自然災害が複合的に発生した場合の住民避難に強い危機感を示した。むつ市の山本知也市長は、「下北半島には原子力関連施設が集中している。避難道路整備について国として前向きに支援してほしい」と述べ、原子力防災の実効性向上のため、下北半島全体の避難ネットワークの多重化を求めた。六ケ所村の橋本隆春村長は、再処理工場など燃料サイクル施設が立地する地域として、住民の安心・安全の確保が重要だと指摘。国道338号沿線の道路整備など、同村周辺の道路網の強化を要望した。また、大間町の野﨑尚文町長は、2021年の豪雨災害で実際に国道279号沿線の地域が孤立した経験に触れ、早急な道路整備の必要性を強調。東通村の畑中稔朗村長は、村人口の約半数が東通原子力発電所から5km圏内に居住し、村全体が30km圏内にあると指摘した上で、実効性ある避難計画の前提として避難道路や接続避難路の整備が不可欠との認識を示した。これに対し井野副大臣は、能登半島地震の教訓を踏まえ避難道路整備の重要性に理解を示した上で、地元住民らの要望にしっかり応え、国の原子力政策を着実に進めていくとの考えを示した。なお、同要請書は、内閣総理大臣、国土交通省、財務省にも提出されている。
03 Jun 2026
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日本原子力産業協会の増井秀企理事長は5月29日の定例記者会見で、世界各地で計画が進む小型モジュール炉(SMR)について、日本企業が部品・機器供給や設計面で重要な役割を担っているとの認識を示した。その上で、海外SMRプロジェクトへの参画は日本の原子力サプライチェーン維持につながると評価する一方、技術基盤を将来にわたって維持するためには国内での原子力発電所建設も重要との考えを強調した。増井理事長は最初に、4月に行われた原産年次大会の総括を行った。今回のテーマ、「原子力の最大限活用を支える人材戦略」を踏まえ、人材の課題に対して、産官学が一体となって取り組むべきものであるという理解を示し、人口減少の局面における省人化技術の必要性について言及した。また、初の取り組みである会員企業による学生支援キャンペーンによって100人を超える学生が年次大会に参加し、これまで以上に活気ある会場であったと語った。次に、原産年次大会の約1週間後に行われた第41回韓国原子力産業協会年次大会(KAP2026)および国際原子力産業展示会(INEX2026)への参加を報告。原産年次大会と比較して、企業が数多く出展する国際展示会の役割が強く、ロボットやVRを取り扱う企業が多かったと述べた。その後、「世界の原子力発電開発の動向」に関連して、世界各国におけるSMR開発・導入の動向について説明した。各国のSMRを取り巻く状況や日本企業が関わっているBWRX-300 やVOYGR などが各地で採用されていることに触れ、原子力利用国が約30か国なのに対し、約20か国がSMRについて何らかの検討を進めていることに触れ、その注目度の高さを評価した。会見後半、記者との質疑応答ではSMRと日本の関わりについての質問が相次いだ。その中で増井理事長は、日本企業が関与している海外のSMR について、短期的な視点と中期的な視点があると言及。短期的な視点としては、日本から部品や機器を供給する機会が増えることで、日本の原子力サプライチェーンの持続可能性向上につながるのではないかと述べた。例としてGE ベルノバ日立製のSMRについて挙げ、計画されている数百億ドル以上の投資額が実現すれば、日本の産業界に大きく貢献する可能性を指摘した。中期的には、海外で運転実績を積んだSMRが日本に逆輸入される可能性に言及した。また、日本企業のSMRの関わりについては、主要な案件としてBWRX-300(GVH)、VOYGR(NuScale Power)、SMR-300(Holtec International)を挙げ、設計の一部と、部品・機器のサプライヤーとして関わっている現状を説明。一方でその影響について、日本の技術基盤を維持するためには海外案件への参画だけでなく、国内での原子力発電所建設も重要であると訴えた。国が将来の原子力発電の見通しを示す意義についても触れ、国民に分かりやすい形で、いつまでにどの程度必要なのかを示すことは、国民への強いメッセージになるとともに、原子力産業にとっても将来への展望を示すことにつながるとの考えを示した。
02 Jun 2026
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経済同友会は5月29日、「エネルギー自立を国策の根幹へ~S+3Eの高度化に向けた意見~」を公表し、原子力利用の拡大に向けた「原子力規制のアップグレード」を提言した。AIの普及にともなうデータセンター需要の増加や、地政学リスクの高まりを背景に、原子力を「現実的な主力電源オプション」と位置付けた上で、審査の効率化・合理化や予見性向上、革新炉への対応、人材・体制強化などを求めている。提言では、エネルギー安全保障の観点から、自立性の高いエネルギー供給体制の構築が不可欠と指摘。AIの急速な普及にともなうデータセンター需要の増加や国際情勢の不安定化を踏まえ、「安全性・安定供給・経済性・環境適合」(S+3E)の同時達成を、日本の国力の基盤と位置付けた。「S+3E」の実現に向けて同友会は、原子力、再生可能エネルギー、移行期における化石燃料を適切に組み合わせたエネルギーミックスの構築が必要と提言。原子力については、「長期にわたる自立性の向上や安定供給、脱炭素を支えるとともに、電力系統の安定運用に不可欠な機能を提供する現実的な主力電源オプションの一つ」と評価した。そして原子力利用拡大には、安全性向上と社会的理解の確保が前提とした上で、現行の規制体系について、福島第一原子力発電所事故後の高い安全水準の実現に貢献してきた反面、審査の長期化や判断プロセスの見通しにくさが、再稼働や新増設、関連投資の制約要因になっていると指摘した。このため、同友会は「原子力規制のアップグレーディング」として、案件の重要度に応じた審査資源の重点配分による審査の効率化・合理化を提案。加えて、審査期間や評価の考え方に関する予見性向上、小型モジュール炉(SMR)など革新炉の、従来の大型軽水炉とは異なる特性を踏まえた規制運用の検討、規制当局の人材・体制強化などを求めた。また同友会は、原子力や再生可能エネルギー、蓄電池、送電網などを一体的に捉えた「電力システム最適計画」の制度化も提言。原子力発電所の立地地点には一定の社会的制約があるとの認識の下、楽観的な新増設シナリオに依存しない電力システムの構築を求めた。再生可能エネルギーについても用地制約などを踏まえた現実的な導入計画を求めた。さらに、原子力を系統安定性を支える「アンカー電源」と位置付けた上で、再生可能エネルギーや蓄電池、高効率火力などを組み合わせた現実的な電源ポートフォリオの構築を提言した。一方、エネルギー政策の持続性を確保するためには国民理解と信頼の再構築が不可欠とし、原子力などエネルギー問題について、立地地域と電力消費地の相互理解を促進する必要性を強調。学校教育や社会人教育を通じ、エネルギーの選択肢やトレードオフを整理し、比較・判断するための基礎的なリテラシーを高めていくことが重要と指摘した。経済同友会は、今後も関係省庁や地方自治体、研究機関、教育界、産業界などとの議論を通じ、長期的な視点からエネルギー自立の実現に向けた提言を継続していくとしている。
01 Jun 2026
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独立行政法人都市再生機構(UR)は8月より、学生向け福島県浜通り地域のスタディツアー「キモチ、あつまるプロジェクト2026」を開催する。参加者は8月19~22日に福島県大熊町、双葉町、浪江町を訪問し、福島第一原子力発電所の事故と復興の現状について学び、現地の方々との交流会やワークショップに参加する。原子力災害伝承館、復興祈念公園、中間貯蔵情報センターなどを訪れる予定。その後、現地の方と協働し、実施する企画内容を検討。12月に現地で企画発表会を行い、2027年2月には実際に企画を実施する予定。URがスタディツアーを行うのは4回目だが、再訪や企画実施は今回が初めての試み。参加費用は無料。交通費、食費、宿泊費などをURが負担する。申込時点で18歳以上の学生で、6月18日開催のプレイベントに参加、もしくはプレイベントのアーカイブ動画を視聴可能で、条件を満たせば応募可能。定員は15人で、申込は6月30日まで。URは2011年の東日本大震災発生直後から、復旧・復興活動に取り組んできた。大熊町、双葉町、浪江町についても、ハード・ソフトの両面から支援を行っており、今回のツアーはその一環。
01 Jun 2026
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