
国内NEWS
30 Oct 2026
175

規制委 許認可・国内保障措置制度の見直し概要案で意見公募
国内NEWS
30 Oct 2026
187

IHI シンガポール企業とMOU締結 原子力分野で協業可能性を探る
国内NEWS
30 Oct 2026
228

JAEAが第21回報告会 原子力の持続可能性に向けた研究成果を紹介
国内NEWS
30 Oct 2026
163

NUMO 東京大学と共催する解析コード比較検討会の参加者を募集
海外NEWS
28 Oct 2026
597

SGE ポーランドと英国でBWRX-300導入に向け合弁企業設立へ
国内NEWS
28 Oct 2026
846

柏崎刈羽6号機 30年超運転の認可取得
海外NEWS
27 Oct 2026
675

ロシア 浮体式原子力発電ユニットによる電力輸出でインドネシアと合意
国内NEWS
27 Oct 2026
665

エネ庁 最終処分基本方針の改定へ 選定プロセス明確化を議論

ポーランドを拠点とするSGE社は、ポーランドと英国でGEベルノバ日立ニュークリアエナジー(GVH)社製の小型モジュール炉(SMR)「BWRX-300」(BWR, 30万kWe)の建設計画を進めるため、関係国のエネルギー関連企業と合弁企業の設立で合意した。SGE社は2019年に設立された、欧州におけるSMR開発プロジェクト企業である。■ポーランドでは同国のエネルギー企業と提携SGE社は10月13日、ポーランド中央部のコニン地区ポントヌフにBWRX-300×6基の導入に向けて、同国のエネルギー企業ZE PAK社と合弁会社「PAK BWRX S.A.」の設立で合意した。建設予定地は、既存の石炭火力発電所サイト。ポーランドでは石炭火力発電所の廃止が進む一方、同国の送電系統運用者PSEの予測によると、産業やデータセンター、AIなどにより今後14年間で電力需要の約40%増加が見込まれ、2032年までに500万kWeの発電設備容量が不足する可能性があるという。両社は既存発電所のインフラや地域人材を活用しながら、安定した低炭素電力の供給によるエネルギー安全保障の強化と地域経済の発展をめざしている。SGE社はOrlenとの合弁会社OSGE社を通じて、ポーランド国内で別のBWRX-300計画も進めており、政府から原則決定(decision-in-principle=DIP)を取得した計画は合計26基、約780万kWeに達する。現在、導入計画は同国中央部ブウォツワベク(Włocławek)、南部のスタビ・モノフスキエ(Stawy Monowskie)、南東部のスタウォワ・ヴォラ(Stalowa Wola)の3地点に集中し、最初に14基の導入が見込まれている。一方のZE PAK社は、国営エネルギーグループPGEと2023年4月、合弁のPGE PAK EJ社を設立。韓国水力・原子力(KHNP)との協力により、コニン地区ポントヌフで韓国製140万kW級PWR=APR1400を少なくとも2基(合計出力280万kW)の建設を計画している。ポーランドの気候環境省は2023年11月、PGE PAK EJ社に対し、原則決定(decision-in-principle=DIP)を発給したが、その後、韓国は同プロジェクトから撤退。PGEは2025年10月、ZE PAK社が所有するPGE PAK EJ社の株式50%を取得、PGE PAK EJ社を完全子会社化し、第2原子力発電所建設プロジェクトを国営原子力事業者のポーランド原子力発電会社(PEJ)と共同で進めていく体制を整えた。■英国ではカナダOPG傘下企業と提携SGE社が2026年6月に英国に設立した、プロジェクト実施主体「SGE SMR UK」社は10月22日、加オンタリオ州営電力のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社の傘下企業Origin Nuclear社と英国でのBWRX-300のフリート展開に向け、合弁会社設立に関する基本合意書(LOI)を締結した。SGE SMR UK社は、英国内の3サイトにBWRX-300を計14基導入する計画である。初号機の営業運転開始は2034年を予定し、計画が実現すれば、少なくとも60年間にわたり、英国の電力需要の約11%に相当する約800万世帯分の電力を供給できる見込み。SGE社は、英政府が今年2月に発表した、国内で民間主導の革新炉技術の開発・商業化を支援する枠組み「先進原子力フレームワーク(Advanced Nuclear Framework)」の下で、同計画への支援を申請しており、現在、詳細審査の段階に進んでいる。Origin Nuclear社は、許認可手続き、試運転、運転開始に向けた準備、発電所の運転、および複数の発電所に共通する支援業務を担当する予定。OPG社は、加オンタリオ州のダーリントン新・原子力プロジェクト(DNNP)サイトで世界初となるBWRX-300の建設作業を進めている。SGE社はOPG社の建設・運転経験を活用し、英国での許認可取得や将来の運転体制の整備を進めていく考えだ。
28 Oct 2026
597

ロシア国営原子力企業ロスアトムは10月16日、インドネシア国営PT Pembangkit Listrik Nuklir社と、インドネシア東部の北マルク州に、ロシア製浮体式原子力発電ユニットの配備による電力供給で合意した。浮体式原子力発電による電力輸出は世界初。同日、モスクワで開催された「ロシア・エネルギー・ウィーク(REW)」において合意書が調印された。ロスアトムは、浮体式原子力発電ユニット「FPU-100」(海外市場向けPWR=RITM-200M×2基搭載、10万kWe)を2ユニット配備(計20万kWe)し、北マルク州のハルマヘラ島北部の産業や住民向けに電力を供給する。同ユニットは、原子力砕氷船での長年の運用を通じてその効率性、信頼性、安全性が実証されているRITMシリーズの原子炉を採用。主な契約条件の発効から約5年後に電力供給が開始される見込みだ。ロスアトムのA. リハチョフ総裁は、「今回の合意は、単なる電力供給にとどまらず、長期的なパートナーシップの基盤を築くもの。政府による体系的な支援があれば、民間セクターが国の経済を変革し得る原子力プロジェクトを主導・推進できることを証明している」と述べた。インドネシアの原子力科学者でありPT Pembangkit Listrik Nuklirの取締役であるYudi Utomo Imardjoko氏は、「クリーンで信頼性が高く、CO2排出のない電力供給はインドネシアの長期的なエネルギー確保に不可欠。原子力発電は、わが国の増大するエネルギー需要を満たしつつ、特にインドネシア東部における経済発展を支援する持続可能な解決策となる。本プロジェクトは、インドネシアの国家予算に依存することなく、民間部門の投資によって推進され、完全に企業間(B2B)の取り組みとして構成されている」と強調した。インドネシア政府は2025年、国家エネルギー計画に原子力発電を盛り込み、長期的なエネルギー安全保障を確保するとともに、2060年までにカーボンニュートラルの達成を掲げている。2024年7月、当時インドネシア国防相であったS. プラボウォ大統領がモスクワを訪問。V. プーチン大統領と会談し、ロスアトムとの協力に対するインドネシアの関心を正式に表明した。2026年5月、リハチョフ総裁は、プラボウォ大統領と会談し、原子力の平和利用における協力の見通しについて、原子力発電プロジェクトの開発、人材育成、原子力技術の非エネルギー分野への応用などの観点から、幅広く協議した。ロスアトムはインドネシアに2段階のアプローチを提案。第1段階では、小規模な浮体式原子力発電ユニットの導入、第2段階では、陸上設置の大型炉の導入を提案しているという。
27 Oct 2026
675

フィンランド政府は10月22日、使用済み燃料の最終処分の実施主体であるポシバ社に対し、オルキルオトにある使用済み燃料封入プラントと最終処分施設(オンカロ)の操業許可を発給した。使用済み燃料の最終処分場に対する操業許可の発給は世界初となる。ポシバ社は2015年11月、政府から最終処分施設の建設許可を取得し、2016年末から建設工事を開始。2021年12月末には、オルキルオトに建設中の同施設の操業許可を雇用経済省に申請していた。今回の操業許可は、40年以上にわたる研究・準備作業を経て、今後100年以上にわたる操業へ移行するための重要な節目となる。2026年8月にフィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)が提出した安全性評価の意見書が、今回の政府決定の重要な根拠となった。なお最終処分の開始前には、ポシバ社が試験操業を完了し、必要な試験や検査を実施したうえで、STUKによるその検証と承認を受ける必要があるという。現時点では、操業開始に関する詳細なスケジュールは示されていない。使用済み燃料は、複数の人工バリアと天然バリアによって岩盤の深部で人間や生活環境から隔離され、長期的な安全性が確保される。最終処分前に約40年間冷却した後、地上の使用済み燃料封入プラントで二重構造のキャニスターに封入され、地下約400〜450mに建設された施設に恒久的に定置される。100年の操業期間中には合計約100本の処分坑道が掘削される予定で、1本の処分坑道の長さは最大350m、全長は約35kmに達する見通し。各処分坑道の幅は約3.5m、高さは約4.5mになる予定である。1本の処分坑道の床面に約30の処分孔を掘削し、それぞれにキャニスターを1本ずつ縦置きで定置する方針。キャニスターの総数は処分孔の数で異なるものの、それぞれの処分坑道に30本のキャニスターを定置した場合、使用済み燃料の量は約65トンになるという。
26 Oct 2026
637

米大手電力会社のサザン・カンパニーと海洋分野の原子力利用プロジェクトを進める英コアパワー社は10月14日、米エネルギー省(DOE)が「塩化物熔融塩実験炉(Molten Chloride Reactor Experiment, MCRE)」開発の最終段階を加速するため、費用分担型の追加資金支援を承認したことを明らかにした。MCREの開発はDOEの先進炉実証プログラム(ARDP)の下で実施され、アイダホ国立研究所(INL)サイト内にある国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)の試験ラボに設置する計画。サザン・カンパニー、コアパワー社、DOEが共同で取組む官民プロジェクトで、早ければ2027年に初臨界達成が予想されている。MCREが臨界に達すれば、塩化物熔融塩実験としては世界初。高速中性子を利用するMCRE(150kWth)は、液体塩を燃料および冷却材として使用。液体燃料塩は、従来炉の固体燃料棒と比べて高温運転が可能で燃料効率が高く、また安全性の強化が期待されている。INLはこうした特性により、船舶用の小型原子力システムや遠隔地など、新たな応用分野が開かれる可能性を指摘している。2020年12月にDOEの先進炉実証プログラム(ARDP)の将来実証炉リスク低減プロジェクトの枠組みの支援対象に選定され、7年間の事業総額1億1,300万ドルのうち、DOEが80%に当たる9,040万ドルを支援する。今回の追加支援額は公表されていない。MCREの目的は、燃料の挙動、原子炉の運転特性、システム性能などに関するデータを取得し、テラパワー社およびサザン・カンパニーが開発を進める塩化物熔融塩高速炉(MCFR)の2030年代の商業化に資すること。これまで計算モデルに依存していた炉の挙動について、実際に核分裂連鎖反応が持続する状態で測定したデータを得ることが重要となる。INLの原子力科学・技術部門の責任者J. ゲーヒン氏は、実測データによって計算モデルの精度を高め、将来の原子炉設計者や規制当局が抱える技術的不確実性を低減できると説明。一方、サザン・カンパニーは産業界と政府、研究機関の連携によって技術開発を加速させる意義を強調している。また、コアパワー社のM. ボーCEOは、実験結果は、商業展開に向けた炉設計や許認可手続き、新たなサプライチェーンの構築に役立つとし、将来的には大型商用船舶への導入を視野に入れている。MCFRは、産業用熱源や医療用放射性同位体の製造、使用済み燃料から回収したアクチノイドの再利用などへの応用も期待される。燃料は液体塩化物に溶解されるため、将来のシステムでは新しい固体燃料集合体を繰り返し製造することなく、長寿命核種のアクチノイド元素をリサイクルし、最終処分を必要とする廃棄物量の低減や管理期間の短縮が可能となる見込み。燃料のクローズド・サイクルと船舶用原子炉の融合により、持続可能で排出ゼロの動力源が海上における世界貿易の輸送方法を一変させる可能性がある。
23 Oct 2026
660

ポーランドのエネルギー省、国営原子力事業者のポーランド原子力発電会社(PEJ)および国営エネルギーグループ(PGE)は10月13日、第2原子力発電所(EJ2)プロジェクトの実施に向けて役割分担と協力原則に合意した。PEJがEJ2プロジェクトの投資家兼コーディネーターとなり、PGEは原子炉ベンダー候補と協力して立地分析や予備的な実現可能性調査を行う。合意書には、エネルギー省のW. ヴロースナ国務長官兼戦略エネルギー・インフラ担当政府全権代表と、PEJ、PGEの代表が合意書に調印した。これを受け、M. モティカ・エネルギー相は、「原子力発電は国の安全保障にとって戦略的に重要であり、自国の危機に対する耐性を強化し、海外依存度を低減させるもの。我が国は第1原子力発電所(EJ1)プロジェクトから継続して、国内企業の育成に重点を置いている」と強調。一方、ヴロースナ長官は、「この合意を機に、PEJとPGEの役割分担が明確になり、両社の専門性の活用が可能になる。今後の立地調査や実現可能性調査、炉型選定にあたり、技術だけでなく資金調達や長期的な戦略的協力も考慮したプロセスを競争的な形で進め、事業の実施に有利な条件を整えていく」と述べた。合意文書には9月29日に閣議決定された、ポーランド原子力発電プログラム(PPEJ)改定版の指針が織り込まれ、EJ2プロジェクトの準備における両社の役割を以下のように示している。PEJ – プロジェクトの調整および投資主体としての準備PGE – 原子炉ベンダー候補と共同で予備的な実現可能性調査を実施するとともに、PEJのために候補地の必要な分析を実施EJ2の建設にあたり、PEJがEJ1プロジェクトを通じて得た知見とPGEのリソースや経験を効果的に活用し、政府・行政レベルでの調整を通じて、投資準備を円滑に進めていく方針である。EJ2プロジェクトは現在、原子炉ベンダーと主契約者の選定に向けて、米国、フランス、カナダの事業者との協議が進行中である。EJ1と同様、実績のある第3世代+(プラス)の大型水冷却炉が検討対象となっており、技術や資金調達、幅広い戦略的協力事項を含む包括的な提案を選定するとしている。PPEJに基づくEJ2プロジェクトの主な段階は、以下の通り。2027年 – 原子炉ベンダーおよび主契約者選定の予定2032年頃 – 着工予定2040年頃 – 初号機の稼働開始予定EJ2の候補地としては、石炭火力発電所のある同国中央部のベウハトフ地区やコニン地区の2か所が検討されており、投資可能性の確認に必要な調査・分析を実施した上で最終決定される。■EJ1建設プロジェクトの進捗PEJは、同国北部のポモージェ県ホチェボ自治体内のルビアトボ-コパリノで、ポーランド初となる原子力発電所(EJ1)プロジェクトを実施している。EJ1発電所は、米ウェスチングハウス(WE)社製AP1000×3基、合計出力375万kWeで構成される。2028年の着工、初号機の営業運転開始は2036年を予定している。1,200万世帯以上の電力需要を賄い、ポーランドのエネルギー転換を支える柱の一つとなる。PEJは10月8日、WE社に対し、EJ1初号機について長納期品の調達開始を指示した。対象はAP1000の原子炉格納容器や関連構造モジュールなど、原子力部(Nuclear Island)の6主要機器・構造物。製造に長期間を要する機器などを早期に確保し、建設工程の遅延リスクを回避することが目的。10月13日にはWE社は、初号機の安全関連モジュールの製造に向け、ポーランド企業4社と条件付きで購入発注書を発行した。それぞれ格納容器内燃料交換用の水貯蔵タンク関連モジュールや、格納容器建屋内の壁・床を構成するモジュールなどの製造を担当。原子力施設向け品質保証規格NQA-1への適合認証の取得や試作モジュールの製造などで、原子力安全関連の製造に必要な各社の能力が確認され次第、正式な発注に進む方針。ポーランド企業の技術力を育成・活用するとともに、将来的には同国の製造業をAP1000向けの国際的なサプライチェーンに組込みたい考えだ。
22 Oct 2026
761

米先端材料企業ASPアイソトープ(ASPI)社は10月15日、傘下のQuantum Leap Energy(QLE)社が南アフリカ原子力公社(Necsa)と、HALEU((U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン ))の製造に向けた合弁事業の基本合意書を締結したと発表した。南アフリカのペリンダバ原子力研究施設で、試験設備の整備や商業規模のHALEU製造施設の建設を進める計画。合弁事業の権益比率はQLEが約80%、Necsaが約20%とし、次世代炉向け燃料の供給源の多様化をめざす。 QLEとNecsaは2024年11月、HALEUなど先進原子燃料の研究開発や商業生産に向けた協力覚書(MOU)を締結し、2026年2月には施設整備に必要なインフラやサービスの提供に関する契約を交わしていた。今回の合意では、合弁事業の権益比率や役割分担を具体化。QLEが事業運営と資金調達を主導する一方、Necsaは施設用地の提供や核物質の保障措置、許認可・規制対応を支援する。試験設備はすでに建設されており、ペリンダバでは現在、同設備を収容するための施設の改修が進められている。また、QLEは2026年7月、南アフリカの電力・エネルギー省から、ウラン濃縮活動に必要な原料物質や原子力関連機器・技術の取り扱いに関する承認を取得している。 この計画をめぐっては、2024年10月に米テラパワー社とASPI社が、南アフリカでのウラン濃縮施設の建設と、テラパワー社が開発するナトリウム冷却高速炉「Natrium」向けHALEUの供給に関する基本条件を定めたタームシートを締結していた。今回の発表では、QLEが製造予定のHALEUについて、テラパワー社との供給契約をすでに締結していることも明らかにした。
21 Oct 2026
667

米航空宇宙局(NASA)と米エネルギー省(DOE)は10月8日、宇宙探査向け原子力技術開発の加速に向けて覚書「宇宙原子力発電・推進分野における米国の主導的地位の確立(Accelerating American Leadership in Space Nuclear Power and Propulsion)」を締結した。NASAの J. アイザックマン長官とDOEのC. ライト長官が署名し、2026年11月1日に発効する。今回の覚書は安全性を最優先に、先端研究や原子燃料の製造から、厳格な試験、打上げと運用に至るまで、宇宙用原子力技術の開発全般にわたる協力の枠組みを定めたもの。米国が宇宙探査における原子力技術の開発から実用化までを一体的に進め、国内の宇宙原子力産業基盤の強化と宇宙原子力分野での国際的な主導権の確保をめざしている。この協力の背景には、D. トランプ米大統領による2025年12月の大統領令「米国の宇宙における優位性確保」がある。同令ではNASAに対し、2030年までに月面原子炉を運用可能な状態にするよう指示。月面では、約2週間ごとに昼と夜が入れ替わるため、将来の長期滞在型のミッションでは日照条件に左右されない原子力による電力供給が重要になる。宇宙用原子力技術の中核となる計画の一つが、2028年までに打上げを予定する原子力電気推進(NEP)を採用した惑星間宇宙船「スペース・リアクター1(SR-1)フリーダム」。原子力推進技術を実際の深宇宙探査に適用する計画で、実現すれば、原子力推進技術が実験室での研究段階から実運用へと進むことになる。これに続く「ルナー・リアクター1(LR-1)」は、月面で使用する核分裂発電システムで、居住区や通信、機器、ローバー(探査車)など、月面の重要インフラにエネルギーを供給し、将来の火星ミッションを見据え、深宇宙探査で求められる厳しい電力供給条件に対応できる技術の確立を図る考えだ。NASAとDOEは、核分裂炉だけでなく、放射性同位体熱電気転換器(RTG)システムの活用も進める。RTGは放射性同位体の自然崩壊で生じる熱を利用する電源。2028年打ち上げ予定の土星の衛星タイタン探査機「Dragonfly」には、多目的RTGと24基の軽量放射性同位体ヒーターユニットが搭載される。これらは探査機への熱や電気の供給を担い、Dragonflyはタイタンの複数地点を飛行・探査し、生命の存在可能性を調べるという。また、火星で過去および現在の生命の可能性を調査する欧州宇宙機関(ESA)の「Rosalind Franklin」ローバーに対しても、NASAとDOEは同様のヒーターユニット24基を提供する計画である。
21 Oct 2026
719

米国船級協会(ABS)と米エネルギー省(DOE)原子力局は10月12日、海上での最新の商用原子力技術の活用促進に向けた覚書を締結した。本合意は、浮体式原子力発電所や原子力推進船舶に加え、それらの建造・維持に必要な港湾、造船所、産業基盤の整備を対象としている。優先事項として、浮体式原子力発電および原子力輸送ルートに関する概念・実現可能性調査のほか、原子力推進船を安全に建造・運用できる米国の造船業界の育成支援を掲げている。ABSは、米運輸省海事局(MARAD)傘下の米国海事イノベーションセンター(USCMI)を通じて、関連業務の調整を行う。ABSのJ. マクドナルド会長兼CEOは「先進原子力技術は構想から実用化へと移行しつつあり、海運業界はそれに備える必要がある」と述べ、DOEや業界と協力し、原子力技術を商業海事分野で安全かつ実用的に活用できる選択肢として確立していく意欲を示した。ABSは、原子力技術の海事利用に向けた取組みを先導しており、浮体式原子力発電所に関する業界初の包括的な船級規則を公表したほか、さまざまな原子力プロジェクトに基本設計承認(AiP)を発給している。一方、DOEは、浮体式原子力発電や原子力推進船舶の導入を進めるため、米国内の政府機関と海事産業との調整・連携を促進する。本覚書に基づき、ABSと海事原子力応用グループ(MNAG)を共同運営し、概念検討や実現可能性調査に関して、技術、規制、経済、政策の各面から検討を進める。また、DOE傘下の国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)は海事・原子力分野の専門家を結びつけ、海事分野における先進原子力技術の実証と商業化を促進するため、MNAGを支援している。DOEのT. ガリッシュ原子力担当次官補は「先進原子力技術には、商用海運業界を変革し、新たな市場を切り拓く可能性がある」と述べ、新興産業における米国の主導的な役割に期待を寄せた。
20 Oct 2026
678

スロバキアのモホフチェ原子力発電所4号機(VVER-440, 47.1万kWe)は10月15日、送電を開始した。同機は6月29日に燃料装荷を開始、8月6日に初臨界を達成していた。系統連系は原子炉出力20%の段階で実施され、まず同機の2基あるタービン発電機のうち、最初の1基が送電網に接続された。2基目のタービン発電機も送電網と同期後、出力を段階的に上げていく一連の試験を実施し、定格出力に至るまで、技術、制御、安全各システムの性能を検証する。同機の本格稼働後は年間約35億kWhの発電が見込まれ、スロバキアの電力消費量の77.5%を原子力発電が担うことになる。スロバキアは、世界で最も原子力シェアが高い国の一つとなる。スロバキアでは現在、モホフチェ発電所で3基(1~3号機、VVER-440)、ボフニチェ発電所で2基(3~4号機、VVER-440)の計5基が運転中。両発電所の運転者はスロバキア電力で、同社は2024年3月に石炭火力発電所をすべて閉鎖し、原子力発電、水力発電、太陽光発電による脱炭素電源100%を達成している。また、電力需要の増加を受け、政府はボフニチェ発電所5号機として最大出力120万kWeの新設を計画。米ウェスチングハウス(WE)社製AP1000の採用が有力視されており、今年4月末、米国、スロバキア、WE社間で基本設計(Front-End Engineering Design, FEED)調査の開始で合意している。スロバキア政府は10月7日、ボフニチェ・サイトでの新規建設準備を目的に2009年12月に設立された合弁企業のスロバキア原子力発電会社(JESS)の株式49%をチェコ電力(ČEZ)から買い取った。残る51%はスロバキア国営原子力・廃止措置会社(JAVYS)が所有しており、今回の取得により、JESSはスロバキア側が全株式を保有する企業となった。同国のR. フィツォ首相は、今回の株式取得により新規建設を大幅に加速できると述べ、欧州委員会が推進する化石燃料からの段階的なエネルギー移行や産業界の電化、AIやデータセンターによる電力需要の拡大に応えるには、新規建設以外に選択肢はないと強調した。
19 Oct 2026
683

米カリフォルニア州のG. ニューサム知事(民主党)は9月30日、州議会で成立した2つの法案に署名した。1つ目は州内に新たに原子力発電所を建設する可能性について、包括的な評価の実施に関するもの、2つ目は核融合の研究開発促進と産業の育成に関する法案である。2045年までに電力の100%をゼロカーボン電源で賄う目標に向けて、従来の原子力モラトリアム(禁止・制限措置)を再検討する動きとして注目される。原子力発電所の新設可能性を包括的に評価することを定めた法案AB 2647(原子力発電所:評価)では、カリフォルニア州エネルギー委員会(CEC)が、州内の重要インフラにおける先進原子力技術の役割や新規建設について、州全体の電力需要に対する費用対効果や2045年までの電力のゼロカーボン目標への貢献度から検討し、2028年1月1日までに包括的な評価を作成することを定めている。法案を提出したL. カルデロン州下院議員は、州内の電力需要が増大する中、電力のゼロカーボン目標の達成には安定したクリーン電力供給が必要と強調。同州の家庭・企業が全米でも高い水準の電気料金を支払っていることから、電力料金の手頃さも重視し、先進的な原子力発電の選択肢を残しておくことは不可欠と指摘した。また、少なくとも他の5州((米エネルギー省によると、原子力モラトリアムを撤廃したのは、イリノイ州、ケンタッキー州、モンタナ州、ニュージャージー州、ウィスコンシン州、ウェストバージニア州の6州。))は、50年前の技術に基づく時代遅れの制限が現代のクリーンエネルギー目標と両立しないことを認識し、同様の原子力モラトリウムを撤廃または修正していると言及した。新法は、こうした課題を踏まえ、現在の先進原子力技術と電力需要に即して原子力の役割を再評価し、将来の政策判断につなげるための第一歩と位置付けられる。当初提出された法案では、2005年1月1日以降に米原子力規制委員会(NRC)の認可を受けた先進原子炉について、従来の新設制限を適用しない方針を示していたが、審議の過程で法案の内容が変更され、最終的には州内の新規建設と先進原子炉の役割を包括的に評価するものとなった。カリフォルニア州では1976年、新規建設を事実上制限する法律が制定された。同州では唯一、ディアブロキャニオン原子力発電所(DCPP)1-2号機(PWR、各119.7万kWe)がそれぞれ1984年、1985年から運転している。所有者であるパシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)社は当初の運転期間40年に加えて、20年間の運転継続を計画していたが、電力供給地域における需要の伸び悩みと再生可能エネルギーによる発電コストの低下を理由に、各40年の運転期間満了にともない閉鎖する計画を2016年8月に州公益事業委員会(CPUC)に提出、2018年1月に承認された。しかし、2020年の熱波による州全域の計画停電と2022年に発表された新たな需要予測を受け、カリフォルニア州議会は2022年9月、DCPPの2030年までの稼働を支持する法案を可決。これを受け、PG&E社はNRCにDCPPの運転認可延長を申請し、今年4月、NRCの認可により各機の運転期限はそれぞれ2044年11月、2045年8月となった。NRCはDCPPが今後20年間の運転継続が安全かつ環境的に適合していると判断したが、州法上、2030年以降の運転継続には州議会の承認が必要になる。DCPPによる発電電力量は現在、カリフォルニア州の総発電電力量の約10%、クリーンエネルギーの約20%を占める。一方、核融合については、法案SB 925により、CECが核融合エネルギーの戦略計画を策定する。計画には、研究開発機会の拡大や商業化戦略の策定、核融合関連製造業の育成などが含まれる。州内には、サンディエゴのDIII-D国立核融合施設や、ローレンス・リバモア国立研究所の国立点火施設(NIF)があり、研究基盤を産業化につなげるねらいがある。
19 Oct 2026
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米原子力新興企業のディプロイアブル・エナジー(Deployable Energy)社は10月7日、アイダホ国立研究所(INL)内の国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)が運営する「マイクロ炉実験機の実証(Demonstration of Microreactor Experiments: DOME)」テストベッドで、2027年に同社が開発するマイクロ炉のフルパワー試験を行う事業者に選定されたことを明らかにした。今回の選定を受け、同社はマイクロ炉「ユニティ・ニュークリア・バッテリー(Unity Nuclear Battery)」の商業展開に向けた取組みを推進していく。「ユニティ」は今年6月30日、INLでゼロ出力臨界試験を成功裏に完了した。2025年5月に発令された大統領令「エネルギー省における原子炉試験の改革」で設定された7月4日(独立記念日および建国250周年)までに少なくとも3基の先進炉の臨界到達という目標を達成した4基のうちの3基目である。ユニティはプロジェクト開始から約150日後に臨界を達成。ディプロイアブル社はNRICの「Nuclear Energy Launch Pad」イニシアチブの下で臨界を達成した初企業である。DOMEでの試験は、2026年7月の申請を経て選定され、試験に係るコストは自己負担となる。「ユニティ」は、0.1万kWeの軽水減速・ヘリウム冷却式のマイクロ炉。コンパクトなモジュール式、かつ運搬可能な原子力発電システムで、遠隔地のコミュニティ、緊急対応活動、防衛任務、重要インフラのレジリエンス強化、産業用エネルギー需要など、幅広い用途への活用が想定されている。DOMEは、先進原子力への需要拡大を背景に、産業界向けの実証用に開発され、2026年4月に稼働を開始した。こうしたニーズに対応できる専用の試験環境は、米エネルギー省(DOE)の国立研究所のみが提供可能とされている。2025年5月に発令された先進原子力の開発加速に関する大統領令を受け、テストベッドの建設は当初計画より約1年前倒しで進められた。DOMEは、高さ約30m、直径約24m、高速増殖実験炉II(EBR-II)の格納容器構造を再利用して建設された。同施設で、実験用原子炉の概念試験や将来の商業用ライセンス申請に活用可能な性能データを収集する。原子炉の開発時間やコストの削減、プロジェクトリスクの低減につなげるのが目的。最大2万kWtの熱出力をもつマイクロ炉の実験用に特別に設計され、初臨界時には安全性を重視した閉じ込め機能を持つなど、世界で唯一の試験施設だという。ディプロイアブル社のB. ギャラガー共同創業者兼CEOは「DOMEにより、実験のために特注の原子力施設を建設することなく、フルパワー試験運転へ持ち込むことができる。原子炉を建設し、迅速に学び、製造段階へ移行する――これこそが、先進原子力産業に必要なモデル。INLでの2027年の実証実験により、『ユニティ』は実用化に一歩近づく」と述べた。同社はユニティの開発において、1. 工場での燃料装荷、2. 燃料装荷済み原子炉の輸送、3. DOMEへの原子炉の設置・展開および定格出力運転の実施、4. DOMEでの運転終了後、INL内での原子炉の再配置、5. 燃料の処分完了、の一連の取組みを実施し、原子炉システムのライフサイクル全体を実証する計画である。これにより、原子炉とその支援システム全体にわたる統合的な性能データを得て、再現性のある製造、輸送、運転の基盤を築きたい考え。臨界試験と同様に、DOMEでのフルパワー試験を米原子力規制委員会(NRC)は注視しており、ディプロイアブル社は、商用展開の実現に必要な許認可取得への取組みにおいて重要な一歩になるとしている。ディプロイアブル社は今後数か月にわたり、NRICおよびINLと協力し、2027年の試験に向けた設計、実験計画、燃料、安全性、および運用準備に取組む。なお、同社はDOMEで自社技術をテストする2社目の企業。これに先だち、ラディアント(Radiant Industries)社が開発する電気出力約0.12万kWのヘリウム冷却マイクロ炉「カレイドス」(Kaleidos)が試験を実施している。同炉は、2025年8月にDOEの先進炉の実用化に向けた「原子炉パイロットプログラム」の対象炉。
16 Oct 2026
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米BWXテクノロジーズ(BWXT)社は10月5日、カナダのプロディジー・クリーン・エナジー社、先住民族のパビノー・ファースト・ネーションおよびイール・リバー・バー・ファースト・ネーションがカナダ東部ニューブランズウィック州のベルデューンに設置を計画する、洋上の可搬型原子力発電所(Transportable Nuclear Power Plant, TNPP)の商用パイロット事業に、自社のマイクロ炉「BANR」が採用されたことを明らかにした。同事業では、ベルデューンに最大5万kWeの発電能力を持つTNPPを建設し、2030年代初めの運転開始をめざす。TNPPは先住民族が所有する計画で、ニューブランズウィック州政府はTNPPの電力を購入する意向をプロディジー社と先住民族側に示している。本事業を通じて、TNPPの輸送・設置や運転に必要な要件を実証するほか、カナダ北部や海外市場で可搬型原子力発電所を大規模展開するための商業モデルの確立をめざす。同国の北部地域や僻地では、鉱山、港湾、空港などに安定した電熱供給が必要とされており、ディーゼル発電に代わる、より低炭素で経済性に優れたエネルギー源が求められている。今回採用されたマイクロ炉BANR(BWXT Advanced Nuclear Reactor)は、熱出力7.5万kWt、電気出力2.2万kWeの高温ガス炉。高純度低濃縮ウラン(HALEU)を用いたTRISO(3重被覆層燃料粒子)燃料を採用し、受動的冷却機能を備えるほか、需要に応じて柔軟な発電で対応する設計となっている。BWXT社は従来、CO2を排出するエネルギー源に依存してきた産業用の熱・電力需要などに応える技術として、BANRの開発を進めている。プロディジー社のTNPPは、単一または複数のBANRを組込んだ輸送可能な発電設備で、工場で製造・組立てた後、現地へ輸送・設置する。製造から現地への輸送・設置までを約18か月で完了することをめざし、設置後には燃料装荷を経て運転を開始できるという。工場での製造・組立てにより、現地工事の負担を抑え、複数地域への展開を容易にするねらいがある。本事業には、BWXTカナダ社とBWXT社傘下のカナダのキネクトリックス(Kinectrics)社が参加し、設計・エンジニアリング、規制対応、製造、サプライチェーンの整備などを支援する。ベルデューン向けのBANR×2基と関連設備は、主にカナダ・オンタリオ州にあるBWXT社の施設で製造予定。カナダ国内のCANDU炉の改修や新設計画を通じて拡大している原子力産業の人材・製造基盤も活用する。カナダの原子力技術と国内製造能力を活用し、輸送可能なマイクロ炉の商用化を実証する先行事業の位置づけである。プロディジー社は9月下旬、採用する炉型選定の方針として、安全性や環境保護の観点に加え、早期商用化に向けた準備状況、特に2030年代初めまでに運転を開始できる見通しや、カナダ国内のサプライチェーンの活用、先住民族や地域住民への長期的な利益を重視すると示していた。当初はTNPPへの搭載炉として、米ニュースケール社の小型モジュール炉(SMR)「ニュースケール・パワー・モジュール(NPM)」(PWR, 7.7万kWe)および米ウェスチングハウス社のマイクロ炉「eVinci」(ヒートパイプ冷却炉, 0.5万kWe)が検討されていた。プロディジー社は現在、共同開発、設計、許認可、サプライチェーン、資金調達、建設・展開に関する正式契約の締結に向けて、BWXT社と協議している。今後は商業・産業分野に加え、防衛分野も対象として、世界市場への展開をめざす考え。
15 Oct 2026
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原子力規制委員会(規制委)は10月28日の定例会合で、原子炉等規制法などに基づく許認可制度と国内保障措置制度について、事務局の原子力規制庁(規制庁)が示した見直しの概要案を了承した。 概要案への意見公募を29日から11月27日まで実施している。規制委は、原子力安全、核物質防護、保障措置の分野ごとに2026年6月までに見直しの方向性などを示し、事業者との意見交換を経て一つの概要案にまとめた。 概要案には、発電用原子炉施設の建て替えや商業用再処理施設の操業開始への対応に加え、国際原子力機関(IAEA)の総合規制評価サービス(IRRS)などの提言や、中部電力浜岡原子力発電所の不適切事案が反映された。このうち、浜岡原子力発電所の基準地震動の策定をめぐる事案では、不適切な手法が使われ、審査会合で虚偽の説明があったことを規制委が確認している。 これを受け、概要案では、申請内容が基準に適合しているかを事業者が自ら確認し、設計に関する重要な資料を保存するよう求めるとともに、申請書類の虚偽記載に罰則を設ける方針が盛り込まれた。審査手続きでは、IRRSの提言を踏まえ、建て替えなどの設置許可申請の前に、地震・津波などの自然現象に関する設計条件について規制委の確認を受けられる制度を創設する。 許可内容の変更や、設計及び工事の計画(設工認)に関する30日前届出は廃止し、審査が必要な変更は許認可、軽微な変更は事後の届出とする。 電気事業法と重複する原子力安全規制の手続きは、原子炉等規制法に一本化する方向で、規制庁が経済産業省と調整している。核物質が兵器に転用されていないことを示す保障措置では、六ヶ所再処理施設の本格操業を見据え、IAEAの24時間態勢の査察に対応する公的機関を新設する。 組織形態は独立行政法人を含めて検討している。今後、見直し概要は意見公募の結果を踏まえて規制委が決定し、規制庁はその後、制度改正案の検討を進める。
30 Oct 2026
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IHIは10月28日、シンガポールのST Engineering社と、原子力分野におけるサプライチェーンの構築・強化に向けた協業可能性を検討するための覚書(MOU)を締結したと発表した。今回のMOUのもと、両社はそれぞれの製造技術やデジタル技術を活かし、原子力施設向けの構造物の製造や、AI・ロボット技術を活用した製造工程の高度化などの分野における協業を検討する。さらに、IHIの機器製造経験とST Engineering社の先進的なエンジニアリング技術やデジタル技術を活かし、自動化・デジタル化・AIの導入による品質、生産性およびトレーサビリティの向上についても検討を進めるという。ST Engineering社は、航空宇宙、防衛、安全保障など様々な領域で事業を展開しているグローバル企業。10月27日にはシンガポールのSembcorp Utilities Pte Ltd社と、原子力分野における協力可能性を探るためMOUを締結。両社は今後、サプライチェーンや人材育成などについて知見を共有する方針だ。
30 Oct 2026
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日本原子力研究開発機構(JAEA)は10月28日、有楽町朝日ホール(東京都千代田区)で、第21回原子力機構報告会を開催した。会場には約400人が来場し、YouTubeでのライブ配信 も行われた。今回は「未来に価値を」をテーマに、原子力の持続可能性を高めるバックエンド分野の研究開発に焦点を当てた。JAEAの研究者らが日頃の研究風景を収めた映像などを交えながら、最新の研究成果やその意義を紹介した。 冒頭、小口正範理事長が基調報告を行った。小口理事長は、福島第一原子力発電所事故以前と、原子力の役割が再び注目される現在とでは、原子力の平和利用の方向性そのものが変化しているとの認識を示した。そのうえで、従来のエネルギー供給に加え、脱炭素社会の構築や経済安全保障、国家安全保障といった新たな価値が求められていると指摘。また、原子力の平和利用の継続性については「いまだ合格点がつけられる状況にはない」とし、放射性廃棄物の処理・処分や原子力施設の廃止措置を課題に挙げた。続く「サスティナビリティの最前線」と題した個別報告では、3件の研究成果が紹介された。新型転換炉原型炉「ふげん」で廃止措置に携わる木浦滉太氏は、クリアランス金属の再利用について報告。設備や機器の解体で生じた金属を除染し、国の確認を受けて資源として再利用する取り組みを、自転車で再利用先を訪ねる映像や作業現場の様子を交えて紹介した。 原子力科学研究所のNXR開発センターからは、高レベル放射性廃棄物に含まれる有用な元素の回収技術が紹介された。実際の高レベル放射性廃液から、医療利用が期待されるストロンチウムを回収することに成功し、2029年度には大学などの研究機関への試験的な供給開始をめざしている。また、福島廃炉安全工学研究所からは、福島第一原子力発電所のALPS処理水の第三者分析について報告があった。 今回は、原子力になじみのない人にも研究への関心を持ってもらえるよう、発表内容や演出を工夫したという。その一環として、科学実験の動画配信などで人気のサイエンスアーティスト、市岡元気氏(元気先生)を初めて招いた。市岡氏は、3Dプリンターで製作した原子の模型や実験、クイズなどを交えながら、JAEAの研究内容や、その背景にある科学の仕組みを子どもにも分かりやすい形で解説した。 会場では、JAEAの研究成果を紹介する展示のほか、研究拠点が立地する自治体のPRブースも設置され、特産品などを販売。休憩時間には参加者が発表者に直接質問できる機会も設けられた。
30 Oct 2026
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東京大学大学院工学系研究科と原子力発電環境整備機構(NUMO)は10月28日、初の社会連携講座「地層処分AI・マルチフィジックス連携」の一環として開催する第1回解析コード比較検討会の参加者募集を開始した。解析コード比較検討会は、高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全評価に用いられる複数の解析コードの比較を通じて、解析結果の差異やその要因を議論し、解析技術の高度化や信頼性向上に向けた知見の共有を図るとともに、産学連携による人材育成を推進することを目的としている。第1回解析コード比較検討会は11月25日13時から東京大学本郷地区キャンパス工学部8号館84講義室で開催される。3つの解析コードの解析結果の発表後、結果を比較し、全体で議論を行う。大学、民間企業、研究機関等、幅広い機関に所属する参加者を募集しており、オンラインでの参加も可能。申し込みはこちらから。
30 Oct 2026
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東京電力ホールディングス(東京電力HD)は10月27日、原子力規制委員会(規制委)から、柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135.6万kW)の長期施設管理計画の認可を取得したと発表した。これにより、今年11月に運転開始から30年を迎える同機は、改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)として初めて、30年超運転が可能となった。長期施設管理計画は、運転開始から30年を超えて運転する場合に10年ごとの認可が必要となる制度。東京電力HDは2025年12月に規制委に認可申請し、その後今年に入って3回の補正書提出を行っていた。ABWRとして初の30年超運転に向けた審査であり、ABWRの設計上の特徴を長期運転の劣化評価にどう反映するかが、議論された。柏崎刈羽6号機は2026年4月に営業運転を再開し、福島第一原子力発電所事故後、東京電力HDの原子力プラントとして初めて再稼働を果たした。
28 Oct 2026
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経済産業省の総合資源エネルギー調査会・特定放射性廃棄物小委員会は10月26日、高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定プロセスの明確化に向けた議論を行った。小委員会の開催は2025年4月以来、約1年半ぶり。政府が7月の原子力関係閣僚会議で示した最終処分基本方針の改定をふまえ、自治体の負担軽減や、処分地選定の実現性を高めるための仕組みについて意見を交わした。 会合で事務局は、現行の処分地選定プロセスや自治体から寄せられた意見を説明した。政府は最終処分地の選定に向け、自治体からの応募に加え、国が主体的に文献調査を申し入れる取り組みを進めている。今年5月には東京都小笠原村の南鳥島、10月には茨城県常陸大宮市で新たに文献調査が始まり、実施地域は全国3自治体から5自治体に拡大した。一方、自治体側からは、首長への批判の集中や、次の調査段階に進む際の判断に伴う負担を指摘する声が上がっており、選定プロセスの見直しが求められている。 委員からは、選定プロセスの見直しにあたっての課題が挙げられた。八木絵香委員(大阪大学教授)は、複数地域で調査を進める以上、最終的に処分地として選定されない地域が生じることをふまえ、調査の開始や進め方だけでなく、「終わり方」についても検討する必要があると指摘。先行して調査を受け入れた地域への配慮や、新たなルールを既存の調査地域にどう適用するかについても検討を求めた。また、寿楽浩太委員(東京電機大学教授)は、国が主体的に文献調査を申し入れる取り組みについて、事前に小委員会で議論すべきだったとの考えを示し、地域の意思を尊重する仕組みを維持する重要性を訴えた。事務局は、文献調査の実施地域が5自治体に増えたものの、さらなる拡大が必要との認識を示し、国主導の申し入れを継続すると説明。同時に、自治体が先を見通せるよう、処分地選定プロセスの明確化も進める考えを示した。また、国が責任を持つ部分と地域の判断に委ねる部分のバランスについて議論する必要があるとした。委員の意見を整理し、次回会合で引き続き議論する。
27 Oct 2026
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東北電力は10月26日、東通原子力発電所(BWR、110.0万kW)構内に増設する倉庫に、中部電力・浜岡1、2号機(BWR、1号機:54.0万kW、2号機:84.0万kW)の廃止措置工事によって生じたクリアランス金属を、建築資材として使用することを発表した。クリアランス金属は鉄筋に加工して再利用し、同日に東通発電所に納入された。 東北電力ではこれまで、日本原子力発電・東海発電所の廃止措置工事で生じたクリアランス金属を用いたリサイクルベンチを、同社の女川原子力PRセンターに設置するなど活用してきたが、建築資材としてのクリアランス金属の活用は初めて。 クリアランス金属とは、原子力発電所の運転や廃止措置などに伴って発生した金属のうち、放射線量が極めて低く、人の健康への影響を無視できると国が確認した金属を指す。所定の基準((自然界から受ける放射線量の100分の1以下にあたる、年間0.01ミリシーベルトに相当する放射能濃度))を満たし、国の確認を受けたものについては、一般の金属と同様に再利用や処分が可能。 クリアランス金属の再利用は、循環型社会への貢献や、廃止措置の円滑化につながるもので、2025年7月に関西電力も建築資材として使用したほか、2026年2月には福井県で、初めてクリアランス金属が公共工事に活用された。
27 Oct 2026
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京都大学複合原子力科学研究所の中村秀仁助教らは10月23日、大阪府庁で記者会見を開き、在大阪・神戸米国総領事館の後援のもと、11月3日(火・祝)10時から18時まで、JR大阪駅アトリウム広場で「学びの対話ラウンジ @ N-project2026~ごく普通の高校生の科学の学びを聞いてみない?!~」を開催すると発表した。同イベントでは、スケッチブックを手にした高校生たちが、行き交う人に科学を語りかける。スケッチブックは一冊ずつ手書きで、同じものは一つもない。Nプロジェクトは、中村助教が母校の大阪高等学校(大阪市東淀川区)で進める教育活動。高校生が学んだ科学を市民に伝える「参加型社学共創システム」を開発し、科学に理解のある社会づくりを目指している。対象は、科学を苦手と感じる文系の生徒も含む、ごく普通の高校生たちだ。放射線など社会的に関心の高いテーマをクイズ形式で学び(インプット)、その内容をスケッチブックにまとめて、街頭で一般の人に伝える(アウトプット)。中村助教は「科学は学問である前に、人と対話するためのツール」と語る。米国との連携のきっかけは、駅前でスケッチブックを手に話しかける生徒たちの姿だった。これを見た米国総領事館のスタッフが「アートだ」と注目し、科学と芸術を結ぶSTEAM教育の「A(アート)」の実践例として評価した。2025年の大阪・関西万博では、日米共同のイベントが実現。米国独立250周年にあたる今年は、大阪高等学校の新入生オリエンテーションに総領事館スタッフが参加し、米国の最新の科学技術を紹介するなど、交流が続いている。11月3日のイベント会場には、大阪・関西万博アメリカ館の公式マスコット「スパーク」も登場する。11時30分から12時30分には、米国総領事館から領事が来場する予定だ。中村助教は、万博で生徒たちが実感した「科学は世界共通言語」という思いを、1年ぶりに披露したいと話す。そのうえで、「ぜひ子どもたちが一生懸命話しかける姿を見に来てほしい」と呼びかけている。
26 Oct 2026
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四国電力は10月23日、伊方発電所1号機(PWR、56.6万kW)の廃止措置計画について、愛媛県および伊方町から、廃止措置計画を第2段階に移行する了解を得たと発表した。2025年11月に愛媛県および伊方町に、安全協定に基づく事前協議の申し入れを行い、2026年4月と6月に補正の申し入れを行っていた。2026年7月には原子力規制委員会(規制委)から、第2段階の実施に向けた計画変更認可申請書の認可を取得した。今回の了解を受け、四国電力は2027年度から廃止措置計画を第2段階へ移行する。第2段階では、管理区域内設備のうち、原子炉領域周辺のポンプ・タンクなど放射能レベルが比較的低い設備の解体撤去に着手する。作業にあたっては、作業員の被ばく低減と放射性物質の飛散防止を重視し、密閉型の囲いや局所排風機を活用するほか、粉じん抑制のための適切な工法が採用されるという。伊方発電所では現在、3号機(PWR、89.0万kW)が運転中で、1・2号機はそれぞれ2017年、2021年より廃止措置作業が開始されている。現在の計画では、1号機は2056年度頃、2号機は2059年度頃の廃止措置完了を見込んでいる。
26 Oct 2026
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中国電力は10月23日、島根原子力発電所2号機(BWR、82.0万kW)で計画するプルサーマル発電について、MOX燃料の使用に係る設計及び工事計画認可を原子力規制委員会に申請した。 同社は2008年10月にMOX燃料の使用に係る原子炉設置変更許可を取得。2021年9月には、MOX燃料の使用を前提とした新規制基準への適合性に係る原子炉設置変更許可を受けている。このほどMOX燃料の詳細設計をとりまとめ、設工認を申請した。同社は、プルサーマル発電の開始時期について、2029年度を想定している。 島根2号機のプルサーマル計画について、立地県の島根県は2009年3月に了解している。島根県は10月14日、中国電力に対し、今後の規制審査や燃料の輸送・検査などの状況について、引き続き丁寧な説明を求める考えを示した。また、周辺自治体の鳥取県では、平井伸治知事が10月22日に赤澤亮正経済産業大臣と会談。立地自治体と周辺自治体の財源格差への対応などを要望している。
26 Oct 2026
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政府は10月23日、2025年度の「エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2026)を閣議決定した。 エネルギー政策基本法に基づく法定白書で、今回が23回目。 2026年2月末に始まった中東危機への対応を第1部の柱に据え、「石油危機以来積み上げてきた対策だけでは対応しきれない事態が起こる時代に入った」と総括した。 対応策として、化石燃料の調達安定化を図り、原子力の活用などGX(グリーン・トランスフォーメーション)の取組みを加速・強化する「パワーGX」も紹介した。同白書によると、日本の原油輸入の中東依存度は1987年度に67.9%まで下がった後、2024年度には95.9%まで再び上昇した。 一方、一次エネルギー供給に占める石油の割合自体は、1970年代の約70%から2024年度には約35%まで低下している。 政府は2026年3月11日、世界に先駆けて石油備蓄の放出方針を決定。 4月の原油輸入量は前年同月比で60%以上減ったが、原油処理量の減少は同14%にとどまった。 米国などからの代替調達も拡大し、原油処理量は5月以降、前年同月並みとなった。 同白書は、エネルギー源の多角化や省エネルギー、石油備蓄などの政策により、今回は石油危機時のような全国的な節電要請や営業制限といった大規模な需要抑制措置を講じるには至っていないとしている。一方、同白書によると、日本全体として必要な量は確保できていたものの、ナフサなどの石油製品では流通の目詰まりや供給の偏りが生じた。 同白書はこれにより「日本のエネルギー需給構造の脆弱性が改めて明らかとなった」と指摘した。パワーGXは、政府が8月に取りまとめた「エネルギー需給構造の強靱化総合パッケージ」の通称。 同白書の概要資料によると、安全性を大前提とした原子力の最大限活用を掲げている。 2040年代に2~5基、2050年代に11~14基という建て替え見通しを踏まえ、次世代革新炉の社会実装に向けた措置を具体化するとしている(既報)。第1部のもう一つの柱である福島復興では、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉について、2026年1月の1号機の大型カバー設置完了や、3月の3号機の格納容器内調査などを紹介した。 4月に始まった第3期復興・創生期間の5年間は「福島復興の実現に向けた正念場」と位置づけた。第2部の原子力政策の章では、2026年2月に東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機(ABWR、135.6万kW)が発電を開始し、3月時点で全国の計15基が再稼働していることを記した。 政府が4月に「次世代革新炉開発ロードマップ」を策定・公表したことも盛り込んだ。 一方、中部電力浜岡原子力発電所の基準地震動策定を巡る不適切事案については、「安全性に対する国民の信頼を大きく損なうものであり、あってはならないもの」とし、原子力規制委員会による審査停止などの対応に触れた。
23 Oct 2026
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鳥取県の平井伸治知事は10月22日、経済産業省で赤澤亮正経済産業大臣と会談し、中国電力が島根原子力発電所2号機(BWR、82.0万kW)で計画するプルサーマル発電について、原子燃料サイクルの確立や原子力防災対策の充実などを要望した。赤澤大臣は、青森県六ヶ所村の再処理工場の竣工に向け、国として責任を持って取り組む方針を示した。 平井知事は、鳥取県と米子市、境港市の連名による要望書を提出。島根原子力発電所からおおむね30km圏内のUPZ(緊急防護措置を準備する区域)には、境港市全域と米子市の一部が含まれる。要望書では、発電所の安全確保と事故時の対応、原子燃料サイクルの確立、特定重大事故等対処施設の早期整備、避難道路を含む原子力防災対策の充実、立地自治体と周辺自治体の財源格差への対応の5項目を求めた。 これに対し赤澤大臣は、六ヶ所再処理工場の竣工を「必ず成し遂げるべき重要課題」と位置づけ、工程全体の進捗管理や必要な人材の確保に取り組む考えを示した。また、使用済みMOX燃料については、日仏共同の実証研究を含め、2030年代後半をめどに再処理技術の確立をめざすと説明した。 鳥取県と米子市、境港市は、10月14日に中国電力に対し、プルサーマル計画に関する10項目の意見を提出している。平井知事は、中国電力が次の規制審査に進むことを了承したと説明。プルサーマル発電の実施については、審査結果や国の対応をふまえ、改めて判断する考えを示した。なお、平井知事は会談前日の21日、来春の知事選への不出馬を表明している。
23 Oct 2026
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