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EDF、今後のEPR輸出を見据えチェコ、ポーランド、インド等の企業と協力協定締結

07 Dec 2021

世界初のEPRとなった中国の台山1号機©TNPJVC

フランス国内の商業炉をすべて保有・運転しているフランス電力(EDF)は12月1日、傘下のフラマトム社が開発した第3世代+(プラス)のPWR設計「欧州加圧水型炉(EPR)」を欧州のみならず、世界中で建設していくため、チェコやポーランド、インドなどの複数の大手関係企業と協力協定を締結したと発表した。

協定への調印は、民間原子力コミュニティ最大のマーケットプレイスである「世界原子力展示会(WNE)」が11月30日 から12月2日まで、フランスのパリで開催されたのに合わせて行われた。EDFとしては低炭素な社会を将来、世界レベルで実現する上で原子力は欠かせないと考えており、地球温暖化の防止に資する今後数10年間の重要施策として、原子力の必要性を強力に提唱。また、長期的な連携協力を通じて原子力の恩恵や社会経済的価値を提供するため、フランスおよび国外での原子力発電所開発計画を支援している。

実際にEDFは、原子力発電所の設計エンジニアリングから建設、運転、保守点検、人材育成と能力開発、廃止措置、放射性廃棄物の管理に至るまで、原子力関係の専門的知見を保有。このため、発電所の全期間で必要となる関連サービスやノウハウ、およびフランスの様々な原子炉技術の販売促進活動を展開している。これらを背景にEDFは世界中のEPR建設を成功に導きたいとしており、今回の協力協定はその建設プロジェクトに、相手国のサプライチェーンや産業界の実質的な参画を保証する意味を持つものである。

まず、チェコとの協力では、EDFはドコバニ原子力発電所5、6号機増設計画の受注を念頭に、同国の産業界との連携を強化。同国のエンジニアリング関係企業で構成されるチェコ・エネルギー産業連合(CPIA)の立ち合いの下、スコダ社や国立原子力機関(UJV Rez)と協定を締結したほか、その他のエンジニアリング企業や関連機器製造企業のBAEST社、I&C Energo社、 Hutní montáže社、 MICo社、MSA社 、REKO Praha社、 SIGMA社とも協力協定を結んだ。

ポーランドについては、EDFは今年10月、原子力発電の導入を計画している同国政府に対し、2~3サイトで4~6基(660万~990万kW)のEPR建設を提案している。これに基づき今回は、同国の主要エンジニアリング企業であるDominion Polska社やEgis Poland社、Energomontaż-Północ Gdynia社、発電関係のEPC(設計・調達・建設)契約企業のRafako社、Zarmen社と協定を締結している。

インドとの協力に関しては、EDFは今年4月、南西部のジャイタプールでEPRを6基建設するプロジェクトについて、法的拘束力のある技術・商業面の契約条件提案書をインド原子力発電公社(NPCIL)に提出した。インド政府が世界の研究開発・製造ハブとなることを目指して掲げている国家産業政策「メイク・イン・インディア」に沿って、EDFはこれまでも数多くの地元サプライヤーと連携協力してきた。今回は確固たるインドの国産化戦略の一環として、インドの大手複合企業体であるラーソン&トゥブロ(L&T)社と2017年から続いている協力関係を延長した。

EDFはこのほか、フランスの大手ゼネコンであるブイグ公共土木事業(Bouygues Travaux Publics)社とも協力を強化するための枠組み契約を締結している。チェコやポーランド、あるいはサウジアラビアでのEPR建設が実現した場合、両社はこの契約に基づいて世界レベルの協力活動を展開する。なお、ブイグ社は同じ世界原子力展示会の場で、サウジアラビアの土木建設企業であるNesma & Partners社と了解覚書を締結。EDFがサウジアラビア初の原子力発電所を建設することになれば、Nesma & Partners社とともにすべての土木建築作業に参加することになる。

(参照資料:EDFの発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)

 

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