中国の紅沿河6号機が送電開始
09 May 2022
紅沿河6号機の中央制御室 ©CGN
中国広核集団有限公司(CGN)は5月2日、遼寧省の紅沿河(ホンヤンフ)原子力発電所で建設していた6号機(PWR、111.9万kW)を同日の午後、初めて国内送電網に接続したと発表した。
接続プロセスの中で、6号機のパラメーターはすべて正常かつ安定しており、良好な状態。建設工事は最終負荷試験の段階に入り、168時間の試運転など各種の起動試験を経て、今年の後半にも営業運転を開始する見通しである。
同発電所では、同型の5号機が2021年7月末、同国内51基目の商業炉として営業運転を開始した。同年12月、山東省では華能山東石島湾原子力発電所(ペブルベッド型モジュール式高温ガス炉の実証炉、21.1万kW)が送電開始し、今年3月には福建省の福清原子力発電所6号機(「華龍一号」、115万kW)が営業運転を開始。紅沿河6号機はこれらに次いで、中国で54基目の商業炉になると見られている。
紅沿河5、6号機は同発電所のⅡ期工事に相当し、第3世代炉に分類される「ACPR1000」設計を採用。同設計は1~4号機で採用された第2世代改良型の「CPR1000」と同様、フランスのPWR技術をベースにCGNが開発したものである。Ⅱ期工事の建設は中国・東北地方の振興を支援する重大施策の一つに位置付けられており、同地方のエネルギー構造の合理化を目指すとともに環境汚染対策の一つにもなっている。
紅沿河Ⅱ期工事はまた、2011年3月の福島第一原子力発電所事故以降、CGNが国家発展改革委員会から2015年3月に初めて承認を受けた新規の原子炉建設計画。同発電所の建設と運営・管理は、CGN傘下の遼寧紅沿河核電公司(LHNPC)が担当しており、CGNと国家電力投資集団公司が45%ずつ出資。残りの10%は大連建設集団公司が出資している。
LHNPC は2015年3月に5号機を着工したのに続き、同年7月に6号機の建設工事を本格的に開始。今年の3月25日から28日にかけて、LHNPCは生態環境省・国家核安全局(NNSA)による監督の下、6号機に157体の燃料集合体を装荷、4月21日には同炉で初めて臨界条件を達成していた。
(参照資料:CGN、LHNPCの発表資料(中国語)、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの5月4日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)