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英政府、サイズウェルC建設計画で環境認可関係のパブコメ開始

11 Jul 2022

サイズウェルC原子力発電所完成予想図 ©EDF Energy

英国の環境庁(EA)は7月4日、イングランド南東部サフォーク州でサイズウェルC(SZC)原子力発電所を建設・運転した場合の環境影響に関して、3種類の許可を発給する方針を提案。同提案を9月25日まで12週間にわたりパブリックコメントに付した。

同提案について、国民やエネルギー関係の産業界、学界、NGO等から幅広く意見を募集、その上で最終的な判断を下し2023年初頭に結果を公表するとしている。

EDFエナジー社の下でSZC計画を担当する子会社のNNB GenCo(SZC)社は2020年5月、SZC発電所の運転に際して放射性廃棄物を排出・処分する方針と、同発電所の予備電源としてディーゼル発電機を使用すること、および温排水と液体排出物を北海に放出する方針について、EAに許可申請書を提出した。EAは同年7月から10月までこの3つの申請書を審査した上で今回の判断を下したもので、これについては放射線影響に関する評価や周辺生態系の規制に関する評価、関係水域の水質や量に関する対策の枠組み評価等からも、EAの判断を支持する結果が得られたとしている。

EAでSZC計画を担当するS.バーロー・マネージャーは、「これは発電所を建設する何年も前からNNB GenCo社が申請していた許認可。プロジェクトの開始前に発給の判断を下せば、発電所の設計や資機材の調達、起動などの面で良い影響があるし、周辺環境や野生生物の保全という点でも万全だ」と指摘した。パブコメの募集に関しては「我々の提案を関係者およびその他の人々に広く知らしめた上で意見を伺いたいし、我々が見落としているかもしれない情報の提供もお願いする」と表明。最終判断を下す際には、得られた意見を注意深く考慮すると約束している。

SZC計画では、フラマトム社製の167万kWの欧州加圧水型炉(EPR)を2基建設する予定で、NNB GenCo(SZC)社は2020年5月、計画法(2008年制定)に基づき「開発合意書(DCO)」の申請書を計画審査庁(PI)に提出した。計画法によると、担当大臣は審査機関がDCO発給の可否に関する審査報告書を提出してから3か月以内に可否の判断を下さねばならず、SZC計画のDCOに関しては7月8日が、ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)のK.クワルテング大臣が議会に結果を報告する現時点での期限となっていた。

しかし、住宅・コミュニティ・地方自治省のP.スカリー閣外大臣は今月7日(※スカリー大臣は同日付でBEIS政務次官から異動)、議会の下院に対し「DCO発給の可否を公表する期限として新たに7月20日を設定した」と発表。理由として、BEIS大臣に十分な検討時間を与えるためだと説明している。

EDFエナジー社は現在、イングランド南西部サマセット州でヒンクリーポイントC原子力発電所(172万kWのEPR×2基)を建設中だが、このプロジェクトでは中国広核集団有限公司(CGN)が2016年9月に33.5%の出資を約束した。その際、CGNはSZC計画に関しても20%の出資を約束していたことから、DCOの発給判断を下すのに先立ち今一度熟慮が必要と見られている。

(参照資料:英国政府の発表資料英国議会の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの7月5日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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