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フィンランド OL3が試運転再開

10 Aug 2022

オルキルオト3号機©TVO

フィンランドのティオリスーデン・ボイマ社(TVO)は8月8日、オルキルオト原子力発電所で今年3月から試運転段階に入っている3号機(OL3)(欧州加圧水型炉=EPR、172万kW)でタービン系統の修理作業が完了、出力60%レベルで試運転を再開すると発表した。

OL3の建設工事を担当する仏アレバ社と独シーメンス社の企業連合は、OL3のタービンで今年5月に蒸気再加熱器の蒸気誘導プレートから異物の剥離が認められたとし、翌6月にTVOに対し同炉で点検・修理を実施すると連絡。この作業が7月末までと見通されたことから、営業運転の開始は今年の9月から同12月に延期されている。

TVOの今回の発表によると、OL3は実質的に約85万kWの発電が可能で、これは同発電所で稼働中の1、2号機(各BWR、92万kW)とほぼ同程度。この出力レベルであれば、OL3は試運転期間中にでもフィンランドの総電力需要の約10%をカバーできる。ただし、TVOは系統単独運転試験などを実施する際は、OL3を送電網から解列する方針である。 

同企業連合が提示した試験スケジュールでは、今月中旬以降にOL3で出力80%レベルの試運転を開始し、定格出力での最初の試験は9月に行う。TVOの想定では、12月以降の営業運転開始後OL3は国内総電力需要の約14%を賄う見通しで、これにより、フィンランドは電力輸入量をこれまでの半分以下に削減することができるという。

世界初のEPRを採用したOL3の建設プロジェクトは2005年8月にスタートし、当初の運転開始は2009年に予定されていた。しかし、技術的な課題を含む様々なトラブルが発生したため、スケジュールは大幅に遅延、建設コストもターンキー契約による固定価格の約30億ユーロ(約4,100億円)が倍以上に拡大した。OL3は2021年12月に初めて臨界条件を達成した後、今年3月に欧州初のEPRとして送電を開始している。

(参照資料:TVOの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月9日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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