エジプトでエルダバ2号機が本格着工
25 Nov 2022
エルダバ2号機の起工式 ©NPPA
エジプト初の原子力発電所建設を担当している同国の原子力発電庁(NPPA)は11月19日、北部の地中海沿岸にあるエルダバ原子力発電所(120万kWのロシア型PWR:VVER-1200×4基)建設サイトで2号機を本格着工したと発表した。
同炉の着工は、エジプトの原子力・放射線規制機関(ENRRA)が10月末日付で建設許可を発給したのにともなうもの。同サイトではすでに今年7月、エジプト初の商業炉となる1号機が着工しており、2028年の営業運転開始が見込まれている。
エルダバ発電所では第3世代+(プラス)のVVER-1200を4基建設することになっており、同発電所を所有・運転する予定のNPPAは2019年3月に4基分の「サイト許可」をENRRAから取得。その後、2021年6月に1、2号機の建設許可を、同年12月には3、4号機の建設許可を申請していた。
建設サイトでは19日に起工式が開催され、エジプト電力・再生可能エネルギー省のM.シャーケル大臣やNPPAのA.エル・ワキル長官、エルダバ市が属するマトルーフ行政区のK.シュイブ知事のほか、建設工事を請け負ったロシア国営の総合原子力企業ロスアトム社からA.リハチョフ総裁、プロジェクト管理を担当する傘下のアトムストロイエクスポルト社のA.カルチギン上級副総裁などが参加した。シャーケル大臣とリハチョフ総裁の二人は、2号機の原子炉建屋部分に最初のコンクリートを打設するゴーサインを出しており、同機の建設工事が主要段階に入ったことを祝福した。
リハチョフ総裁は祝辞のなかで、「エルダバ原子力発電所が完成すればエジプトの社会経済面に多大な利益をもたらすだけでなく、低炭素なエネルギー社会への移行に大きく貢献する」と指摘。このことは、エジプトが今後数十年にわたって持続可能な発展を遂げられるような、強力な基盤を形成することになると強調している。
(参照資料:NPPAの発表資料(アラビア語)➀、②、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月21日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)