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米コンステレーション社 2原子力発電所の出力増強へ

28 Feb 2023

ブレードウッド原子力発電所 
© Constellation Energy

米国のコンステレーション・エナジー社は221日、イリノイ州で運転中のブレードウッド原子力発電所(PWR×2基、各約120kW)とバイロン原子力発電所(PWR×2基、各約120kW)で合計約13.5kW相当の出力増強を行うため、8億ドル投資すると発表した。

これらの発電所は、電力市場の自由化にともなう経営の悪化で一時期早期閉鎖のリスクに晒されていたが、2021年に成立した州法と昨年8月に米国議会で成立したインフレ抑制法(IRA)により、税制優遇措置等の経済的支援が得られるようになった。今回の投資も、これらの法に基づいて可能になったと同社は説明。2つの原子力発電所では今後、燃料の交換時にメイン・タービンを高効率の最新鋭設備に段階的に取り換えていく。これにより、2026年~2029年に計13.5kW分の出力が増強される。

同社の発表では、今回の出力増強は風力発電換算で216基のタービンを新たに追加したことになる。また、このプロジェクトにともない、発電所周辺のコミュニティで経済の活性化が期待され、実施期間中に2つの発電所では合計で数千人規模の雇用が新たに生み出されるとしている。

コンステレーション社はメリーランド州のボルチモアを本拠地としており、米国北東部の卸売電力市場「PJM」の管内で同社が運転する原子力発電所は、8サイト・16基に及ぶ。同社は2012年、米国最大手の原子力発電事業者エクセロン社に買収されたが、米国社会が無炭素な未来に向けて移行するなかでエクセロン社は20221月、この動きを加速するのに最適な企業としてコンステレーション社を分離独立させると発表。翌2月にこの分離手続きは完了した。

コンステレーション社はその後、202210月にイリノイ州内で保有するクリントン原子力発電所(BWR109.8kW)とドレスデン原子力発電所(23号機、各BWR91.2kW1号機は閉鎖済み)の運転期間を、それぞれ20年延長する方針を表明している。

(参照資料:コンステレーション・エナジー社の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNA222日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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