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エジプト エルダバ3号機が本格着工

10 May 2023

エルダバ3号機の着工記念式典 ©NPPA

エジプト原子力発電庁(NPPA)の発表によると、同国初の原子力発電所として建設中のエルダバ発電所(120kW級ロシア型PWRVVER-1200×4基)で3号機が53日、本格着工した。

すでに今年の3月、原子力・放射線規制機関(ENRRA)が3号機の建設許可を発給していた。同工事を請け負っているロシアの原子力総合企業ロスアトム社は同日、3号機の原子炉建屋を設置する基礎部分に最初のコンクリートを打設、記念式典も開催した。

同発電所建設サイトでは20227月に1号機、同年11月に2号機の建設工事が始まり、現時点で建設予定の4基中3基の作業が並行して進められている。同国初の商業炉となる1号機では、今年3月にロシアのサンクトペテルブルク港からコア・キャッチャーの主要機器3点が到着、2028年の営業運転開始が見込まれている。

エジプトでは総発電量の90%以上を石油と天然ガスに依存しており、温室効果ガスを排出する主要因となっている。このため、同国は2035年までに石油と天然ガスによる発電量を全体の約5割に縮小することを計画。約10%だった再生可能エネルギーのシェアを約40%に拡大し、原子力では約3%を賄うことを目指している。

エジプト政府は201511月に、原子力発電所の建設プロジェクトに関する政府間協定(IGA)をロシア政府と締結しており、ロシア側から最大250億ドルの低金利融資を受けることになった。両国政府はまた、201712月にエルダバで4基のVVER-1200を建設するためのパッケージ契約書に調印。この契約により、ロシア側は発電所を建設するだけでなく、60年にわたる稼働期間中の原子燃料をすべて供給する。また、使用済燃料の貯蔵施設や貯蔵キャスクもエジプト側に提供。人材育成や設備のメンテナンスについても、運転開始後最初の10年間は協力する。

エルダバ原子力発電所は首都カイロの北西300km、地中海沿岸のエルダバ市域に位置している。採用設計の「VVER-1200」は第3世代+(プラス)の最新鋭PWR。この設計はロシア国内ではノボボロネジ原子力発電所Ⅱ期工事の12号機に採用され、これらは20172月と201910月にそれぞれ営業運転を開始した。レニングラード原子力発電所でも同型のⅡ期工事12号機が201810月と20213月から営業運転中である。

国外ではベラルーシのベラルシアン原子力発電所で1号機が20216月に営業運転を開始したほか、同2号機が20144月から建設中。このほか、中国とトルコで4基ずつ、バングラデシュでも2基が建設中である。

(参照資料:ロスアトム社NPPAの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNA53日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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