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トルコのアックユ1号機に起動許可

14 Dec 2023

アックユ1号機 ©ANPP

トルコのアックユ原子力発電会社(ANPP社)は1212日、トルコ原子力規制庁(NDK)が同国初の商業炉となるアックユ原子力発電所(ロシア型PWR、出力120kW×4基)1号機の起動許可を発給したと発表した。

ANPP社は、建設工事を請け負ったロシアの原子力総合企業ロスアトム社が現地で設立したプロジェクト企業で、20184月に1号機の建設工事を開始。同社は今年の3月と8月、同炉の起動許可を2回に分けてNDKに申請しており、その際、起動段階に移行する準備が整ったことを示す文書を複数提出した。4月には、ロスアトム社の傘下企業が製造した1号機用の初装荷燃料が、地中海沿岸メルシン県の建設サイトに到着している。

今回の許可に基づいて、ANPP社は1号機の起動準備と安全運転に向けた調整作業を実施する。また、次の段階で燃料を装荷し運転プロセスに入れるよう、運転認可を申請する方針である。同発電所では後続の24号機も、それぞれ20204月と20213月、および20227月に本格着工、建設工事は順調に進展中である。

ANPP社のA.ゾテエバCEOによると、許認可の取得は原子力発電所のサイト選定から設計、建設と運転、廃止措置に至るまで、あらゆる段階で必要な重要事項だが、トルコ初の原子力発電設備となるアックユ発電所では、すべての許認可手続きが初体験。規制当局は、アックユ発電所と同型の原子炉が4基稼働するロシアの実績を頼りにしている。NDKの今回の起動許可発給で、同炉では建設に関するトルコの法令や国際基準の要件をすべて満たしていることが確認された。

アックユ原子力発電所建設プロジェクトは、20105月にトルコとロシアが結んだ政府間協定(IGA)に基づいて進められており、第3世代+(プラス)の120kW級ロシア型PWRVVER-1200)を4基建設する計画。約200億ドルと言われる総工費は差し当たりロシア側が全額負担するが、これを返済するため、トルコ電力卸売会社(TETAS)は発電所の完成後から15年にわたり、発電電力をANPP社から固定価格で購入する。

ロスアトム社はまた、IGAの規定に基づいて、ANPP社株の最大49%を最終的にトルコや第三国の企業に売却する方針。20176月、トルコの大手エネルギー・インフラ建設企業3社の連合体が49%の出資に合意したものの最終確定せず、以降ロスアトム社はその分の出資者を模索中である。

IGAではさらに、建設工事に必要な許可がすべて発給されてから7年以内の2025年までに、初号機の試運転を開始しなければならないと規定。ロスアトム社は2024年の1号機起動に向けて、今年中にその開始準備を整えたいとしている。

(参照資料:ANPPロスアトム社(ロシア語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNA1212日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

 

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