韓国の新ハヌル2号機、送電開始
09 Jan 2024
右が新ハヌル2号機。左は1号機。©KHNP
韓国の新ハヌル原子力発電所2号機(PWR, 140万kW)が12月21日、送電網に接続し、送電を開始した。同機は韓国で4基目となるAPR1400を採用している。
新ハヌル原子力発電所(以前の名称は新蔚珍原子力発電所)の1号機は2022年5月22日に初臨界を達成し、同年6月9日に送電開始、12月7日に営業運転を開始している。
新ハヌル2号機は、2023年9月7日、韓国の原子力規制機関である韓国原子力安全委員会(NSSC)から運転認可を発給された。その後、規制側による予備検査を経て、9月11日~18日にかけて241体の燃料集合体を装荷。温態機能試験など各種試験を行った後、2023年12月6日に初臨界を達成した。同機を所有・運転する韓国水力・原子力会社(KHNP)によると、今後、定格出力まで各段階の出力で試験を行った後に、同国で運転中の26基目の商業炉として2024年上期を目途に営業運転を開始する。
韓国では、セウル1、2号機(以前の名称は新古里3、4号機)、新ハヌル1号機に続き、新ハヌル2号機が4基目のAPR1400となる。また、後続のAPR1400として、セウル3、4号機(新古里5、6号機)が建設中で、新ハヌル3、4号機の建設が計画中である。新ハヌル3、4号機は、ムン・ジェイン(文在寅)前大統領が始めた脱原子力政策で、2017年の「エネルギー転換(脱原子力)ロードマップ」と「第8次電力需給基本計画」に基づき、建設計画が一時白紙化されていた。国外では、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原子力発電所(4基)がAPR1400を採用しており、2021年4月に1号機、2022年3月に2号機、2023年2月に3号機が営業運転を開始、4号機は燃料装荷を終え、起動準備中である。これに続く輸出案件として、KHNP社は2022年10月、ポーランドのポントヌフ地域におけるAPR1400建設に向けてポーランドの国営エネルギー・グループ(PGE)、エネルギー企業のZE PAK社と3社間で協力意向書(LOI)を締結している。