エジプト エルダバ4号機が着工
30 Jan 2024
エルダバ4号機の着工式典はオンラインで開催された ©NPPA
エジプト初の原子力発電所建設サイトであるエルダバ原子力発電所(120万kW級ロシア型PWR =VVER-1200×4基)で1月23日、4号機が着工した。同サイトでは1号機が2022年7月、2号機が同11月、3号機が2023年5月にそれぞれ着工しており、4号機で最後となる。1号機は2028年の運転開始を目指している。
エルダバ原子力発電所は、カイロの北西約320km、地中海沿岸地域のエルダバ市にある。アフリカ大陸での原子力発電所建設は、南アフリカ共和国のクバーグ原子力発電所(PWR×2基、各97万kW)以来のこと。建設計画は、ロシア国営の原子力総合企業ロスアトム社が支援している。VVER-1200は、ロシアのレニングラード第Ⅱ原子力発電所(1、2号機)とノボボロネジ第Ⅱ原子力発電所(1、2号機)、ベラルーシのベラルシアン原子力発電所(1、2号機)で運転中。その他、中国とトルコで4基ずつ、バングラデシュで2基が建設中である。
エジプト政府は2015年11月に、原子力発電所建設プロジェクトに関する政府間協定(IGA)をロシア政府と締結、ロシアから最大250億ドルの低金利融資を受けることになった。2017年12月に調印した4基のVVER-1200建設の契約では、ロスアトム社は発電所を建設するだけでなく、60年間の運転期間を通じて燃料を供給するほか、使用済燃料専用の貯蔵施設の建設と貯蔵用キャスクの供給も請け負う。また、運転開始後10年間は、エジプトにおける原子力分野の人材育成とこの発電所の保守に協力する。