EU SMR産業アライアンスが発足
20 Feb 2024
欧州委員会ビル ©European Union, 2024
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会(EC)は2月6日、欧州で2030年代初頭までに小型モジュール炉(SMR)の展開を加速することを目的に「欧州SMR産業アライアンス(European Industrial Alliance on SMRs)」を立ち上げた。
同アライアンスの立ち上げにより、EU大での労働力確保などサプライチェーンを確立し、SMRの早期導入を目指す。同アライアンスの主な行動計画は以下の通り。
- アライアンスの支援対象となるSMRの選定
- 欧州のサプライチェーン(燃料および原材料を含む)の不安要素の特定および解決
- SMR開発にあたり資金調達問題の精査および新しい調達枠組みの検討
- SMRおよび先進的モジュール炉(AMR)に関する研究の将来ニーズの検討
- サプライチェーンのレベルを精査し、EU大や各国レベルで対処
アライアンス参加会員の募集も行われる。なお、アライアンスの範囲、目的、活動を網羅する普及イベントが3月にブリュッセルで開催される。
アライアンスの創設を主導する欧州原子力産業協会(nucleareurope)Y.デバゼイユ事務局長は、「SMRの導入は、エネルギー供給保障の確保、CO2排出量の削減、新たな雇用、経済成長など、欧州に大きな利益をもたらす。本アライアンスが欧州の原子力産業界のレベルを高める」とその意義を強調している。
ECは「2050年までにEUの気候中立」という合意目標達成の可能な道筋について、最新の影響評価に基づき、2040年までに1990年比で温室効果ガス排出量を90%削減することを提案、すべての利害関係者との協議を開始するとしている。