原子力産業新聞

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フィンランド事業者 ポーランドの原子力導入を支援

06 Mar 2024

桜井久子

ルビアトボ–コパリノ地区におけるAP1000×3基の完成予想図 ©PEJ

フィンランドで原子力発電所を所有・運転するフォータム社とティオリスーデン・ボイマ(TVO)社は213日、ポーランド初の原子力発電所の導入にむけて技術支援を行うため、Polskie Elektrownie JądrowePEJ)社と2年間の枠組み契約を締結した。

PEJ社は国営の特別目的会社(SPV)で、ポーランド初の原子力発電所の建設および運転を担当する。この枠組み契約は、同国北部のポモージェ県に新設される3基の米ウェスチングハウス(WE)社製AP1000の設計、エンジニアリング、運転準備でのPEJ社支援が目的。今回、競争入札で選定されたフォータム社の原子力サービス本部とTVO社傘下のTVOニュークリア・サービス(TVONS)社が、原子力発電所の許認可手続きや設計段階で、運転者のPEJ社を支援する。

PEJ社は、将来の運転者としてのニーズへの対応や原子炉供給者であるWE社と主契約者であるベクテル社のコンソーシアムとの契約履行状況の確認のほか、燃料戦略や放射性廃棄物管理戦略の策定における協力とノウハウのシェアなどの支援も想定。フォータム社とTVONS社は、プラントスタッフの訓練計画や運転員の詳細な業務範囲を規定する行動計画の策定においてもPEJ社を支援する。

202211月、当時のポーランド政府は、同国北部ポモージェ県ホチェボ自治体内のルビアトボ–コパリノ地区に建設する原子力発電所の採用炉型として、WE社製「AP1000」を選定。同国の気候環境省は昨年7月、PEJ社に対して発電所建設の原則決定(DIP)を発給し、9月にはWE社、ベクテル社、PEJ社の3社がエンジニアリング・サービス契約を締結した。初号機は、2033年の営業運転開始を目指している。

 

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