原子力産業新聞

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米GNF社 高濃縮度燃料製造の認可を取得

08 Mar 2024

桜井久子

ノースカロライナ州にあるGNF工場
©GE Vernova

米国のGEベルノバ社は214日、傘下のグローバル・ニュークリア・フュエル(GNF)社がウラン235の濃縮度8%までの燃料製造、輸送、挙動解析で米原子力規制委員会(NRC)から認可を取得したことを明らかにした

この認可取得により、米ノースカロライナ州ウィルミントンにあるGNF社の施設は、濃縮度8%までの燃料製造認可を持つ米国初の商業施設となる。NRCは同時に、GNF社が自社のRAJ-II輸送コンテナを利用して、濃縮度8%までの燃料集合体の輸送を認可する適合証明書も発給した。また、GNF社が濃縮度5%を超える燃料解析を可能にする先進的な原子力解析法に関する許認可トピカルレポート(LTR)も承認した。

いずれも、GNF社とGEベルノバ社の先進事業部門が、米エネルギー省(DOE)の事故耐性燃料(ATF)開発プログラム下で実施した成果である。NRC20238月、国内商業炉に濃縮度5%超の燃料の装荷を初認可し、これにより、サザン・ニュークリア社はボーグル2号機で濃縮度6%までのATFを装荷することが可能となった。

現在、運転中の商業炉では濃縮度約4.8%までの低濃縮ウランが使用されている。濃縮度10%までの高濃縮度燃料(LEU+とも呼称)では、既設原子炉の他、先進炉や小型モジュール炉(SMR)を含む次世代原子炉で、出力増強等による経済性向上が期待できる。

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