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英国 原子力施設への気候変動の影響を評価へ

21 Mar 2024

桜井久子

ドーンレイ原子力発電所サイト(閉鎖済み)
©Dounreay Site Restoration Ltd (DSRL)

英原子力規制庁(ONR)はこのほど、気候変動の影響に対する取組みとレジリエンスの評価を行うため、主任原子力検査官(Chief Nuclear Inspector, CNI)による検査対象として5原子力施設を選定した。

主任原子力検査官が特定するテーマ別検査は、2017年に導入され、日常的な規制の検査活動よりも戦略的、またはより広範な規制事項を検査する。検査が重要な問題への認識を高め、原子力産業のみならず広範な公衆に対してONRの規制業務の重要性をアピールすることを目的としている。

ONR36日付発表によると、選定された5施設は、ヘイシャムB原子力発電所、サイズウェルB原子力発電所、セラフィールド施設(閉鎖炉や再処理施設等)、ドーンレイ原子力発電所(閉鎖炉)、核兵器施設(オルダーマストンとバーグフィールド)。これらは、運転寿命、安全性の重要度、知見の獲得の機会などの観点から選択されたという。

検査は4月から12月の間に行われ、検査完了後に報告書が公表される。

ONRのテーマ別検査チームは、英国環境庁(EA)、ウェールズ自然保護機関(NRW)、スコットランド環境保護庁(SEPA)と定期的に連絡を取るほか、海外の原子力規制当局とも本テーマへの取組みについて対話を続けている。

ONR2月、フランスの原子力安全規制当局(ASN)、オランダ原子力安全・放射線防護庁(ANVS)、ベルギー連邦原子力規制局(FANC)など各国規制当局と、気候変動が原子力部門に及ぼす影響について協議した

ONRは「4か国の環境面での類似性を考慮すると、気候変動の潜在的な影響への各国の準備の成熟度を比較し、規制のアプローチを共有することは大きな意味がある」「原子力施設のライフサイクルの各段階で気候変動に直面する際に効果的な規制を行い、原子力産業をその潜在的な悪影響から保護するため、国内ならびに国際的なガイダンス、基準、および良好事例との整合が不可欠である」とし、各規制当局が気候変動の影響に備えるための知見を共有、協力する国際的なネットワークを拡大することの意義を強調した。

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