UAE バラカ4号機が送電開始
26 Mar 2024
送電を開始したバラカ発電所4号機 ©ENEC
アラブ首長国連邦(UAE)で建設中だったバラカ原子力発電所4号機が3月23日、送電網に接続し、送電を開始した。同機(PWR=APR1400、140万kW)は、3月1日に起動、初臨界を達成していた。
首長国原子力会社(ENEC)によると、4号機の送電開始により、UAEの総電力需要の25%が原子力で供給される。
UAE初の原子力発電所であるバラカ発電所は、2012年7月からUAE北部のアブダビ首長国で建設工事が本格的に始まり、1、2、3号機はそれぞれ2021年4月、2022年3月、2023年2月から営業運転中である。いずれも韓国製のPWR(APR1400、140万kW)を採用し、運転や保守は2016年に設立されたENEC(株式保有シェア82%)と韓国電力公社(KEPCO)(同18%)の合弁企業であるNAWAHエナジー社が行っている。
4号機は今後、出力を徐々に上げながら試験運転を行い、フル出力運転をめざす。ENECによると、1~3号機の建設や運転で得られたノウハウは、4号機の建設に活かされており、今回の4号機の系統接続は1~3号機よりも効率的に実施できた。これは複数の原子炉を段階的に建設する大きな利点だという。
ENEC社のモハメド・アル・ハマディCEOは、「4号機の送電網接続により、バラカ発電所の全4基は商業運転への道を順調に歩んでいる。これにより、ネットゼロ経済に必要な年間400億kWhのクリーンなベースロード電力が供給可能になる。UAEの多くの企業の競争力を高め、産業の脱炭素化を実現するとともに、原子力産業界全体に世界的なベンチマークを提示する」と語った。