原子力産業新聞

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ポーランド SMR展開で英企業と提携

26 Mar 2024

桜井久子

IDA本社における調印式の模様。CVG社ターナーCEO(左)、IDAレシス社長(中央)、インダストリアのルマン社長(右)  ©IDA

ポーランド国営の産業開発会社(Industrial Development AgencyIDA)に所属する産業グループの「インダストリア(Industria)」は311日、英国に拠点を置く投資ファンドで、ゼロエミッション・エネルギー関連デベロッパーのチルターン・バイタル・グループ(Chiltern Vital GroupCVG)と、英ロールス・ロイスSMR社製小型モジュール炉(SMR)のポーランドへの導入に関する基本合意書に調印した。

昨年2月、インダストリアは、年間5万トンの水素を製造する計画の一環として、ロールス・ロイスSMR社製のSMR(PWR、47万kW)をエネルギー源に選定、同社と協力趣意書を交わしている

CVG社は、ロールス・ロイスSMR社などの英国のパートナーとともに、ゼロエミッション地域エネルギープロジェクトを立ち上げ、イングランド南西部のグロスターシャーのバークレー原子力発電所(閉鎖済みのマグノックス炉×2基)に隣接する敷地に、世界初のネットゼロ・原子力テクノロジーパークを創設、複数のネットゼロ技術とともにロールス・ロイスSMR社製のSMRを導入する計画だ。

基本合意書には、ポーランドでの人材育成、原子力専用部品の認証手続きを加速するノウハウの交換、大規模な低炭素地域テクノロジーパーク創設に向けた関連技術の共同開発、SMRプロジェクトの実施を確実にする民間融資モデルの策定における協力が含まれている。

インダストリアのS.ルマン社長は、「今回の合意は、戦略的に重要なポーランドと英国の官民パートナーシップのもう1つのステップ。SMRは地域の産業と家庭に少なくとも60年間電力を供給する、安定かつ低価格の低炭素エネルギー源である」と述べた。

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