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英ニュークレオ社 高速炉開発で仏CEAと提携

22 Apr 2024

桜井久子

©newcleo

英国で2021年に設立された先進炉の開発企業であるニュークレオ社は49日、仏原子力・代替エネルギー庁(CEA)とニュークレオ社の鉛冷却高速炉(LFR)開発に関する提携契約を締結。両者はフランスにおける鉛冷却高速炉の開発シナリオ、燃料の適格性評価、計算コード、材料などの分野で協力する。

ニュークレオ社は、フランスで第4世代小型モジュール炉(SMR)を開発・建設・運転した後、欧州内外で展開させたい考えだ。同社は今年1月、第4世代高速中性子炉をめぐる産官学のあらゆるプレーヤーの支援を目的とし、フランスの超小型炉開発企業ナアレア(Naarea)社との戦略的・産業的提携を発表。両社は、他の企業にも提携・協力の門戸を開くとともに、燃料サイクルの完結に向けて注力していくとしている。

ニュークレオ社は、フランスの経済復興計画(Plan France Relance)の一環として仏・公共投資銀行(Bpifrance)が実施し、欧州連合(EU)が融資する「フランス2030」投資計画下の「革新的原子炉」プロジェクト公募で採用され、補助金を獲得した。ナアレア社の溶融塩高速中性子マイクロ炉も同公募で採用されている。

ニュークレオ社は、フランスにおいて電気出力3kWの鉛冷却高速中性子実証炉(LFR-30)とウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料製造工場の建設を目指している。20226月、ニュークレオ社は仏オラノ社とMOX燃料製造工場の設置に関する事業化調査の契約を発表した。これら2つのプロジェクト総投資額は30億ユーロ(約4,950億円)となる。またニュークレオ社は、英国で2033年までに電気出力20kWの初の商業炉(LFR-AS-200)を建設する計画だ。

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