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加サウスブルース 使用済み燃料処分場の受け入れ合意書を締結

14 May 2024

桜井久子

合意書に調印する、M.ゴエツ自治体長(左)とNWMOのL.スワミCEO(右)  ©NWMO

加オンタリオ州南部にあるサウスブルース自治体は51日、同自治体議会での議決を経て、カナダの核燃料廃棄物管理機関(NWMO)と使用済み燃料処分場の受け入れ合意書を締結した。サウスブルースは、2010年にNWMOが開始したサイト選定プロセスで選ばれた深地層処分場候補地2地点のうちの1つである。

NWMOは2002年に設立され、カナダの中・高レベル放射性廃棄物の安全かつ長期的管理を任務とし、カナダの使用済み燃料の深地層処分場の立地点を模索している。

受け入れ合意書では、サウスブルース自治体が自ら処分場を受け入れる意思を持ち、処分場サイトに最終的に選定された場合の条項を示す。サウスブルース自治体が受け入れの意思がない場合、または受け入れの意思はあるものの最終的にNWMOに選定されなかった場合の選定プロセスからの撤退についても定められている。サウスブルース自治体は今年10月に住民投票を実施し、処分場受け入れの是非について有権者に問う予定である。

カナダでは、原子力発電所の使用済み燃料を再処理せずに直接処分する方針であり、NWMOはそのための処分場建設に向け、2010年からサイト選定プロセスを開始した。処分場の受け入れに関心を表明した22自治体は、潜在的な適合性評価、サイト評価、環境影響評価などを経て、サウスブルースならびにオンタリオ州の北西部イグナス・タウンシップの計2地点に絞り込まれた。NWMO20226月、2地点とも処分場を建設できる技術的な見通しがあるとの結論を示した技術報告書を取りまとめている。NWMOは周辺の住民や環境の安全が確保されるだけでなく地元コミュニティに利益がもたらされることを確認した上で、1地点を年内に最終決定し、正式な協定を締結する方針である。なお、もう1つの候補地点であるイグナス・タウンシップとは、318日に受け入れ合意書を締結している。

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