HALEU金属化のパイロットプラント建設で合意
05 Jun 2024
リッチランドにあるフラマトム社の燃料製造工場 ©Framatome
仏フラマトム社と米テラパワー社は5月29日、米ワシントン州リッチランドにあるフラマトム社の燃料製造工場を拡張し、HALEU燃料[1]U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウランの金属化パイロットプラントの建設で合意したことを明らかにした。
HALEUの金属化は、ウランを金属に変換し、先進炉燃料の製造を可能にする再転換プロセスの重要な部分。パイロットプラントにより、フラマトム社の二酸化ウラン(UO2)をHALEU金属へ変換する能力を検証し、米国内におけるHALEU燃料のサプライチェーンの構築ならびに先進炉市場の発展を支援する。テラパワー社のC.レベスクCEOは、「当社のフラマトム社へのパイロットプラントへの投資は、『Natrium』炉のような先進炉を市場に投入するための重要なステップ」と強調している。
フラマトム社は、米エネルギー省(DOE)が実施する米国内にHALEUサプライチェーンの確立を目的とする「HALEU利用プログラム」のうち、濃縮ウランを先進炉向けに金属、酸化物等の形態に再転換する事業の提案要請に応えて資金提供を申請した。
「Natrium」炉は、テラパワー社がGE日立・ニュクリアエナジー社と開発する先進炉。HALEU燃料を使用する電気出力34.5万kWのナトリウム冷却高速炉(SFR)で、熔融塩を使ったエネルギー貯蔵システムを併設し、ピーク時には電気出力を50万kWまで増強して5.5時間以上稼働が可能だ。ワイオミング州南西部のケンメラーで閉鎖予定の石炭火力発電所の近くに建設する計画で、今年3月末に米原子力規制委員会(NRC)に建設許可を申請した。
脚注
↑1 | U235の濃縮度が5~20%の低濃縮ウラン |
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