中国 UAEやフランスとの関係強化
12 Jun 2024
CNNCとENECのMOU調印 ©CNNC
中国の北京において5月30日、中国の習近平国家主席とアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領の立会いのもと、原子力の平和利用に関する二国間協力文書が調印されたことを受け、中国核工業集団(CNNC)と首長国原子力会社(ENEC)は、戦略的協力に関する覚書(MOU)を締結した。
CNNCの余剣鋒理事長とENEC社のモハメド・アル・ハマディCEOが調印した本MOUは、短期および長期の燃料サイクル調達、民生用原子力施設の運転・保守(O&M)におけるベストプラクティスの開発などにおける協力の枠組みとなる。研究開発における協力分野には、水素製造技術や海水淡水化などにおける原子力利用が含まれている。
本MOUは、2023年12月にUAEで開催された第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)にて両社が締結した高温ガス炉(HTGR)などの第三国での新規原子力発電所の建設と先進原子炉技術の展開の機会を探るための覚書をベースにしている。
また同じく5月30日、CNNCの余剣鋒理事長はフランス電力(EDF)のL.レモント会長兼CEOと会談し、原子力に関連する様々な分野での協力の一層強化をはかるため、両国間の原子力エネルギーに関する包括的協力協定を締結したほか、先進的な原子力発電所建設に関する特別協力協定も締結した。
今年は中国とフランスの外交関係樹立60周年、EDFの中国原子力市場への参入40周年にあたる。5月上旬の習近平国家主席の訪仏を機に、5月6日にパリで開催された第6回中仏企業委員会において、中国広核集団(CGN)の楊長利理事長とEDFのレモント会長兼CEOは「原子力分野での協力深化に関する基本合意書(LOI)」に調印。原子力エンジニアリング、建設、人材育成などの分野での協力をさらに拡大・強化するとしている。CGNとEDFは、中国とフランスの民生用原子力協力の戦略的パートナーとして、広東省の大亜湾原子力発電所の建設以来40年間緊密な協力関係にある。