原子力産業新聞

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加サスクパワー SMRサイトを選定

12 Jun 2024

桜井久子

BWRX-300の発電所完成予想図 ©GEH

カナダ中西部サスカチュワン州の州営電力であるサスクパワー社は5月31日、州内初となる小型モジュール炉(SMR)であるGE日立・ニュクリアエナジー(GEH)社製の「BWRX-300」建設サイト候補地として、エステバン地域の2箇所を選定した。2025年初めに最終的なサイト選定を行う予定である。

エステバン地域は州の南東、米国との国境近くに位置し、同地域内のバウンダリーダム、ラファティ貯水池近くの2箇所を建設サイトの候補地に選定した。調査エリアの分析は、エステバン地域の他、同地域から北西に400kmほど離れたエルボー地域でも行われた。

サスクパワー社のR.パンダャ社長兼CEOは同日発表した声明の中で、「エステバン地域は、技術的適性に加え、エステバン市に近く、既存のサービス、熟練した労働力、宿泊施設、緊急サービス、インフラ、道路、送電網へのアクセス面で多くの利点がある」と強調した。

サスクパワー社は2024年中に各候補地の詳細なサイト評価作業を完了し、2025年初めには最終的なサイトを選定したい考えだ。その後、同社の最終投資決定(FID)は2029年を予定している。今後数か月の間に、地下水と地質工学的な詳細情報を収集するため追加調査を開始する。なお、エルボー地域についても将来の原子力開発の可能性を考え、土地権利者、先住民族や地方自治体のリーダー、コミュニティのメンバーと連携して調査を継続していくとしている。

サスクパワー社によると、今後、環境影響評価や、サイト準備、建設、運転に係る許可を得て、2029年にFIDで建設プロジェクトを進めることが決定された場合、順調に行けば2030年には「BWRX-300」(BWR、30万kWe)初号機を着工し、2034年に完成させる計画だ。同サイトに2基目を建設する可能性もあるという。同社はSMR導入にあたり、オンタリオ・パワー(OPG)社と包括的な評価作業の実施で緊密に協力。OPG社のダーリントン・サイトにおける「BWRX-300」導入を参照することで、初号機建設にともなうリスクを回避するため、2022年6月、サスカチュワン州で建設する初のSMRとして、同じ「BWRX-300」を選定した

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