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米国民の7割以上が原子力支持 米世論調査

17 Jun 2024

大野 薫

©ビスコンティ・リサーチ社

米国のビスコンティ・リサーチ社が6月10日に発表した世論調査結果によると、米国の原子力支持の割合が4年連続で過去最高レベルを記録した。同調査はビスコンティ・リサーチ社が4月30日から5月2日までの3日間、1,000人を対象に調査を実施。同調査によれば、米国民の4分の3以上にあたる77%が原子力利用を支持する結果となった。過去約10年間、電力供給の方法として原子力を「強く支持する」、または「やや支持する」とした人の割合は60%台で横ばいに推移していたが、2021年にこの数字が76%に増加した後、2022年に77%、2023年に76%、今年は77%と引き続き高い水準を維持している。

「原子力発電所の運転認可更新」について、回答者全体の88%が、安全基準を満たしている限り運転認可を更新することに賛同。ビスコンティ・リサーチ社は、現在90を超える米国の原子力発電所が運転認可を更新している現状をふまえ、運転免許証の更新と同様、安全運転が可能な場合、原子力発電所の運転認可は更新されるべき、との米国民の意識の表れとの見方を示している。また、「将来の新規建設」について、回答者全体の71%が支持し、3年連続で70%を超えた。

また、ビスコンティ・リサーチ社は、「強く支持する」と回答した人の割合は、「強く反対する」と回答した人の5倍に上るとした一方で、米国民の約3分の2が原子力に対して「やや支持する」「やや反対する」と答えた点に着目し、大多数が強い意見を持っていない「中立派」であると分析。女性の約4分の3が「中立派」であるとし、年齢層では、Z世代(1990年代後半から2000年代に生まれた世代)とX世代(1965年から1970年代に生まれた世代)が最も中立的な意見を持つ人々が多い層であると指摘した。また、知識量が多い人ほど原子力を支持する傾向にあり、知識量が非常に多いとされる人々の70%が原子力を「強く支持」していた一方、「強く反対する」と回答した人はわずか1%に過ぎなかったとしている。

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