カナダ 米WEがエンジニアリングハブを開設
18 Jun 2024
開設記念式典にて。右から2人目がオンタリオ州V.フェデリ大臣。一番右にWE社のP.フラグマンCEO。
米国のウェスチングハウス(WE)社は6月11日、カナダのオンタリオ州キッチナーにグローバルエンジニアリングハブを開設した。
同ハブのサイト面積は約1,200m2。CANDU炉や海外の新設プロジェクトのサポートに特化した設計エンジニアリングチームのカナダ唯一の拠点となり、同社製の「AP1000」、小型モジュー炉(SMR)の「AP300」、マイクロ炉の「eVinci」の世界展開を支援する。ハブには、最先端のトレーニング施設や防火エンジニアリング・サービスの研究所も設置される。
開設記念式典に出席したオンタリオ州経済開発・雇用創出・貿易省のV.フェデリ大臣は、「オンタリオ州は北米で2番目に大きな技術者集団の中心地。多くの優秀な技術労働者がキッチナーおよびウォータールー地域に居住している。WE社のキッチナーのエンジニアリングハブへの投資は、オンタリオ州の原子力の新たな進歩を約束するもの」と指摘した。
同じく式典に出席したWE社のP.フラグマン社長兼CEOは、「現在、当社にはカナダを拠点に250人以上の専門家がいる。キッチナーの新しいエンジニアリングハブには、2025年までに約100人のエンジニアを増員予定。強固な国内サプライチェーンと実証済みの技術で何世代にもわたりカナダのクリーンエネルギーのニーズに応えていく」と強調した。
キッチナーのサイトは、WE社の5つのグローバルエンジニアリングハブの1つ。このサイトが選ばれた理由は、クライアントや多くのサプライヤーに近いだけでなく、理工系で有名なウォータールー大学など優秀な人材の育成機関に近接しているためだという。
なお、今年2月末、コンサルティングファームである英プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が、「カナダにおけるウェスチングハウス(WE)社製AP1000プロジェクトの経済的影響」を発表し、WE社がオンタリオ州に4基の「AP1000」を導入した場合の大きな経済的影響を示した。さらに、WE社とサスカチュワン研究評議会(SRC)は、カナダ初となるマイクロ炉「eVinci」の初号機をサスカチュワン州に2029年までに建設する計画だ。