原子力産業新聞

海外NEWS

韓国 HLW地下研のサイト提案を募集

25 Jun 2024

桜井久子

韓国の産業通商資源部(MOTIE)と韓国原子力環境公団(KORAD)は6月18日から高レベル放射性廃棄物研究のための地下施設のサイト候補地を募集している。韓国政府の第二次高レベル放射性廃棄物管理基本計画(2021年12月)と高レベル放射性廃棄物研究開発ロードマップ(2024年2月)に定められた放射性廃棄物管理技術開発方策に基づく措置。

地下研究施設は、実際の処分施設と同規模の深度、地下500mで韓国の岩盤特性と処分システムの性能を研究するための施設。同施設は、高レベル放射性廃棄物処分施設とは完全に別の場所に建設され、放射性廃棄物や使用済み燃料は施設エリア内に受け入れず、研究目的のみに使用される。

研究施設は、専門的な人材育成と国内の地質環境に適した処分技術の開発に主眼を置き、一般市民にも高レベル放射性廃棄物処分施設に近い環境を体験する機会を提供する。研究施設で開発された技術は、法令に基づき、高レベル放射性廃棄物処分施設のサイト選定、建設、管理の過程で活用される。

KORAD傘下のサイト評価委員会が、地方自治体から提出されたサイト提案を地質など8項目の基準で評価し、2024年内の選定プロセスの完了を目指す。2026年に着工、2032年の完成を計画しており、運転期間は2030年から約20年間を計画する。

MOTIEとKORADは、関心のある地方自治体向けにサイト選定プロセスを説明する説明会を6月25日に開催。関心表明とサイト提案は、それぞれ7月19日と8月2日までにKORADに提出を求めている。

cooperation