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中国 初の産業用原子力蒸気供給プロジェクトが本格稼働

26 Jun 2024

桜井久子

©CAEA

中国核工業集団公司(CNNC)は619日、中国初の産業用原子力蒸気供給プロジェクト「和気1号」(Heqi-1)を完成、本格稼働を開始した

江蘇省連雲港市の田湾原子力発電所3、4号機(PWR=VVER-1000、各112.6kWe)から近隣の連雲港石油化学工場に蒸気を供給する。今年2月末に試運転が開始されていた。両機の二次系統から蒸気を取り出し、多段階の熱交換を経て、断熱された地上パイプラインで工場に運ぶ。パイプラインの総距離は23.36km。毎時600トン、年間8,000時間の連続運転による産業用蒸気の製造が可能で、年間480万トンのゼロカーボンの蒸気を発電所から工場への供給が期待されている。これは石炭の燃焼を年間40万トン削減することに相当し、それぞれ二酸化炭素(CO2=107万トン、二酸化硫黄(SO2=184トン、窒素酸化物(NOx=263トンの排出削減に相当するという。

CNNCは、国家能源局(NEA)と国家原子能機構(CAEA)下で国務院の「2024-2025省エネ・炭素削減行動計画」の実施に取り組んでおり、本プロジェクトは「グリーンで低炭素の先端技術実証プロジェクト」の第1陣の位置付け。グリーン、安全性、安定性、高効率を特徴としている。

CAEAの黄明全(Huang Mingquan)秘書長は、今後も発電だけでなく、産業、農業、医療、環境保護、安全保障などの分野で原子力の広範な利用を強力に推進していくと語った。

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