南ア クバーグ1号機が60年運転へ
18 Jul 2024
クバーグ原子力発電所 ©Eskom
南アフリカの国営電力会社であるエスコム(Eskom)は7月15日、同社のクバーグ原子力発電所1号機(PWR、97万kWe)の運転を2044年7月21日までさらに20年間延長する認可を国家原子力規制委員会(NNR)から取得したと発表した。
クバーグ2号機(PWR、97万kWe)についても現在、NNRは20年間の運転期間延長に係る申請を審査中だが、同機の運転認可期限である2025年11月9日前にも、運転期間延長に関する決定を行う見込み。なお、エスコムは2021年、両機の運転期間を20年延長する申請書をNNRに提出していた。
クバーグ発電所は現在、アフリカ大陸で唯一稼働する発電所。同1、2号機は1984年と1985年にそれぞれ運転を開始。2019年、国のエネルギー・インフラ開発計画である統合資源計画(Integrated Resource Plan: IRP)で2024/2025年以降、エネルギー供給を引き続き継続するため運転期間を延長する方針が示されたこと受け、エスコムは各機で蒸気発生器3台の取替作業を含む、運転期間延長に向けた作業を重点的に進めてきた。
エスコムは今回の認可を受け、クバーグ発電所を40年間にわたり安全に運転し、今後も安全運転の継続を確実にするため、安全性の向上と広範なメンテナンスにこれまで投資してきたことに言及。同社のK.フェザーストーン原子力部門責任者は、「クバーグ発電所は長年にわたり、フランスと米国の原子力発電所の運転経験から安全性の改善策を特定し、実施してきた。その結果、通常は新しい近代的な原子力発電所でしか達成できないレベルまでリスクを低減することができた」と胸を張った。