スペイン トリリョ発電所の運転期間延長へ
07 Aug 2024
トリリョ原子力発電所 ©CNAT
スペインの原子力安全委員会(CSN)は7月24日、トリリョ原子力発電所(PWR、106.6万kWe)の運転期間に関し、10年間の運転期間延長を支持する報告書を公表した。
同発電所の運転者であるCentrales Nucleares Almaraz-Trillo(CNAT)社は2023年3月、運転期間延長をCSNに申請。今回公表された報告書は、環境移行・人口問題省(MITERD)に送付され、運転認可が発給される見込みだ。その場合、2034年11月16日まで運転期間が延長される。
運転認可の更新申請(10年毎)には、申請者による定期安全レビューが必要。CSNによる評価の結果、安全性向上のための様々な提案がなされたが、その大部分は、作成された定期安全レビューの中で確認された。2028年に同発電所が運転期間40年を超えて長期運転に入ることを考慮して、統合的な経年劣化評価と管理計画も含め、プラントの安全状況について徹底的なレビューが実施されたという。
スペインで現在稼働する原子炉は、5サイト・計7基、原子力発電設備容量は計739.7万kWe。これまでにトリリョ発電所を除く計6基が40年超の運転認可を取得済だ。2023年の原子力発電量は総発電量の約2割を占める。稼働率は約90%と高い。スペインの原子力政策は現状、「脱原子力」で、2027年から2035年までに原子力発電所は順次閉鎖される予定となっている。原子力は2030年までに約320万kWeに縮小し(現在運転中の7基中4基が閉鎖)、閉鎖スケジュールの見直しがない限り、2035年には脱原子力を達成する見込みである。