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チェコ電力、ドコバニ原子力発電所での2基増設で立地許可を申請

01 Apr 2020

ドコバニ原子力発電所 ©CEZ社

チェコ国営電力のCEZ社グループは3月25日、経年化が進んでいるドコバニ原子力発電所(ロシア型PWR×4基、各51万kW)で、ネット出力が最大120万kWのPWRをⅡ期工事として新たに2基増設するための立地許可申請書を原子力安全庁(SUJB)に提出した。

準備作業にCEZ社が5年を費やした増設計画であり、これにより同計画は許認可プロセスへの移行準備が整う。包括的環境影響評価(EIA)についてはすでに昨年9月に、環境省が承認済みとなっている。

A.バビシュ首相は昨年11月、チェコのエネルギー自給を維持するためにドコバニⅡ期工事の最初の1基について2022年末までにプラント供給企業の選定を終え、遅くとも2029年までに建設工事を開始、2036年までに運転開始を目指すと発表していた。SUJBは今後原子力法の条項に則り、12か月以内に立地許可発給の是非について判断を下すとしている。

チェコ政府は2015年5月の「国家エネルギー戦略」のなかで、原子力発電シェアを当時の約30%から2040年までに60%近くまで上昇させる必要があると明記。同戦略のフォロー計画としてその翌月に閣議決定した「原子力発電に関する国家アクション計画(NAP)」では、化石燃料の発電シェアを徐々に削減していくのにともない、既存のドコバニとテメリン両原子力発電所で1基ずつ、可能であれば2基ずつ増設する準備を進める必要があるとしていた。

A.バビシュ首相はまた、地球温暖化防止のためCO2排出量の実質ゼロ化に向けた動きが欧州で活発化している点を指摘。チェコ政府内では、「石炭火力に代わる新規電源としては再生可能エネルギーでは不十分であり、原子炉を建設することが論理的」との認識が定着している。

CEZ社の発表によると、申請書に添付された文書は約1,600ページに達する膨大なもので、作成にはCEZ社のほかに水研究所や国立マサリク大学、原子力研究機関(UJV Rez)などの専門家30名以上が従事した。建設を支持する論拠として200以上の専門的な分析・調査結果が活用され、申請書を構成する重要部分として広範な「入札保証」報告書も付け加えられている。

内容は主に建設サイトの特性を評価・説明するもので、発電所近郊の自然状態や給水設備、人的活動などを検証。建設プロジェクトのコンセプトや質、周辺の住民と環境および将来的な廃止措置に関する影響なども評価している。 

建設用地そのものについては最も入念な分析が行われており、底土の状態を見極めるため専門家らは全長4km以上にわたる部分で170本以上の地層掘削を行った。これに加えて、最大深度150mの深井戸を30本掘削して地下水の状態を観察。周辺エリアにおいても66か所で試験掘削を実施したため、得られた岩石試料のコンテナは1,300本以上に達したとしている。

(参照資料:CEZ社グループチェコ原子力安全庁の発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの3月31日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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