英ニュークレオ社 高速炉開発でスロバキア企業と協力
16 Aug 2024
©newcleo
英国の先進炉の開発企業であるニュークレオ社は8月7日、スロバキアの大手原子力エンジニアリング企業であるVUJE社と、スロバキアにおける先進モジュール炉(AMR)と先進的な燃料サイクルの開発の協力強化で合意した。
具体的な協力分野は、ニュークレオ社が開発した鉛冷却高速炉(LFR)および、LFR向けMOX燃料。スロバキアが所有する使用済み燃料をMOX燃料としてLFRで再利用する可能性を探り、スロバキアの核燃料サイクルの完結を目指す。
ニュークレオ社は2023年以来、スロバキアの原子力産業および政府の主要企業と積極的に接触しており、同年12月には、スロバキア経済省および国営バックエンド企業のヤビス(JAVYS)と、協力機会の模索とAMR開発を目的とする覚書を結んでいる。
ニュークレオ社は、LFR建設を複数の国が関わるヨーロッパ大のプロジェクトと位置づけ、2021年の設立以来、欧州の多数の企業・機関との協力提携を推進している。2022年3月には、イタリア経済開発省の傘下で液体鉛の分野では世界レベルの新技術・エネルギー・持続可能経済開発局(ENEA)と枠組み協定を締結。2023年10月には、イタリアの機器製造企業のトスト・グループと、LFRの研究・設計から実証、商業化まですべての段階をカバーする協力・投資協定を締結した。同年6月には、LFRに装荷するMOX燃料の製造工場建設に向け、仏オラノ社に事業化調査を依頼。さらに今年4月には仏原子力・代替エネルギー庁(CEA)とフランスにおけるLFRの開発シナリオ、燃料の適格性評価、計算コード、材料などの分野で提携契約を締結している。ニュークレオ社は、2030年には、フランスにおいて電気出力3万kWの鉛冷却高速中性子実証炉(LFR-30)を、2033年には英国で電気出力20万kWの商業炉(LFR-AS-200)の初号機を完成させる計画だ。