原子力産業新聞

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ポーランド 原子力発電所建設準備に向け前進

09 Sep 2024

桜井久子

原子炉3基の完成予想図 ©PEJ

ポーランドの国営PEJは8月28日、ポーランド初となる原子力発電所建設に向けた準備作業を、建設サイトの地元県知事に申請した。

PEJは、ポーランド初の原子力発電所の建設および運転の実施主体で、国営の特別目的会社(SPV)。米ウェスチングハウス(WE)社のAP1000を3基、同国北部のポモージェ県ホチェボ自治体内のルビアトボ–コパリノ・サイトに建設する。初号機は2033年に運転開始予定だ。

準備作業の許可後、発電所の建設サイトでは、環境影響評価(EIA)で定められた条件に従い、植生の除去、植林、野鳥保護(巣箱設置)、測量作業、準備作業区域の柵設置などの準備作業を行う。PEJは今回、この作業許可申請と併せて、準備作業に係る環境影響の再評価報告書を提出した。報告書は、準備作業が環境に与え得る影響を分析したもので、2023年9月にポーランド環境保護総局(GDOŚ)がPEJに発給した、原子力発電所の建設・運転に関する環境決定の要件。準備作業は、約300 haのサイトで2段階に分けて行われ、実際の土木工事は、規制当局の国家原子力機関(PAA)およびポモージェ県知事が別途発行する建設許可の取得後に開始される。

ポーランド政府は8月28日、2025年予算案で、46億ズロチ(約1,700億円)を原子力発電所の建設準備に割り当てると発表。また同月半ば、原子力発電所建設へのファイナンスに係る法案の中で、約600億ズロチ(約2.2兆円)を上限としたPEJへの資金供給計画について明らかにした。残りの資金は、機器供給国を中心とする外国輸出信用機関、米輸出入銀行(US EXIM)などから調達を計画している。

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