フィンランド ロシア製原子炉に米製燃料を装荷
11 Sep 2024
ロビーサ発電所での燃料装荷作業 ©Fortum
フィンランドの電力会社であるフォータム社は9月2日、同社が所有/運転するロビーサ原子力発電所の2号機に、米ウェスチングハウス(WE)社製燃料集合体を8月の定期検査中に装荷したことを明らかにした。
ロビーサ発電所の1、2号機はロシア型PWRであるVVER-440(各53.1万kWe)を採用し、これまでロシア製燃料を使用してきた。フォータム社は燃料供給源の多様化を目指しており、今回の米製燃料の装荷は、信頼できる欧米の代替燃料利用の重要なマイルストーンとなった。フォータム社は2022年11月、米WE社とロビーサ発電所向けの新燃料設計、許認可取得、供給に関する契約を締結。2023年8月、同2号機の定期検査中に、WE社が製造したウランペレットを含まない試験要素を装荷、今年8月の定期検査中に試験要素が期待通りに動作していたことを確認した。
2023年2月、フィンランド政府はロビーサ1、2号機に2050年末までの運転期間延長(20年間)を許可している。
フィンランドでは、オルキルオト原子力発電所3号機(EPR、172万kWe)が2023年5月に営業運転を開始した。2023年には、計5基の原子力発電所で、フィンランドの総発電電力量の42%を供給した。なお、ロビーサ発電所は約10%を供給し、設備利用率は91%であった。