原子力産業新聞

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米・韓企業 北欧2か国での新設に向けて提携

30 Sep 2024

桜井久子

© Westinghouse Electric Company

米ウェスチングハウス(WE)社と韓国の現代E&C(現代建設)社は910日、スウェーデンとフィンランドにおけるAP1000PWR125kWe)導入に向けて提携することで合意した。

同合意に基づき、WE社はAP1000の設計と開発を提供し、現代E&C社は、エンジニアリングおよび建設サービスの提供で提携。これは、20225月に両社が締結したAP1000のグローバル展開に共同参画する戦略的協力合意に基づく。

今回の提携合意は、スウェーデンの電力会社であるバッテンフォール社が今年2月に発表した、同社のリングハルス原子力発電所サイトでの大型炉または小型モジュール(SMR)の建設計画に関連し、年内の採用炉決定を念頭に置くもの。バッテンフォール社は、2030年代前半にも初号機を稼働させる方針である。さらに、WE社はフィンランドの電力会社であるフォータム社と20236月に了解覚書を締結、フィンランドとスウェーデンにおいて、WE社製AP1000SMRAP300を建設する可能性や前提条件の調査を目的としている。なお、フォータム社は、スウェーデンにあるオスカーシャム原子力発電所とフォルスマルク原子力発電所の共同所有者であり、それぞれ43%22%余りを所有している。

WE社傘下のWEエナジー・システムズ社のD. リップマン社長は、「世界でトップクラスのEPC企業の現代E&C社とのパートナーシップにより、スウェーデンとフィンランドにさらに100年のエネルギー安全保障を提供していく」と語った。現代E&C社のY. ヨンジュンCEOは、「当社は、世界市場で24基の大型原子力発電所の建設を通じて、原子力EPCの競争力、技術力、および建設管理システムの運用ノウハウを蓄積してきた。両社のシナジー効果を最大限に発揮していく」と抱負を述べた。

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