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スウェーデン オスカーシャム3号機の80年運転を検討へ

02 Oct 2024

大野 薫

オスカーシャム3号機 ©OKG社

スウェーデンのオスカーシャム原子力発電所を所有するフィンランド電力大手のフォータム社とドイツ電力大手のユニパー社は9月18日、3号機(BWR145.0kW)の運転期間を60年から80年に延長するための予備調査を開始する方針を明らかにした。同機は、2045年まで運転期間を延長し、60年運転を実施するとしていたが、両者は2060年代半ばまでさらに運転可能とみている。

同機は、1985年8月に営業運転を開始。2009年に大規模なバックフィットと出力増強を実施し、出力規模は当初の105.0万kWから145.0万kWに拡大。スウェーデン最大規模の原子炉であり、年間の発電電力量は約110億kWhに達する。なお、オスカーシャム原子力発電所への出資比率はユニパー社が54.5%、フォータム社が45.5%。同サイトには、運転中の3号機のほか、電力価格の低迷と高額な原子力発電税を理由に、2017年6月と2016年12月にそれぞれ閉鎖された1、2号機(BWR、1号機: 49.2万kW、2号機: 66.1万kW)が立地している。

ロシアからのガス供給量の減少で経営難に陥り、2022年にドイツ政府により国有化されたユニパー社はスウェーデン国内で、オスカーシャムのほか、リングハルス[1]現在リングハルスでは3、4号機(PWR、110万kW級×2基)が運転中、1、2号機(1号機: BWR、91.6万kW、2号機: PWR、96.3万kW)が廃止措置中である。(出資比率29.56%)、フォルスマルク(同8.5%)の運転中3サイト(計6基・718.4万kW)、および閉鎖されたバーセベック(同100%)サイトに出資。そのほか、原子力発電所を所有・運転する電力会社が共同出資して設立した「スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社」(SKB 社)にも出資している(同12%)。ドイツは2023年4月、2011年3月時点で運転中の商業炉17基を全廃し、国内での脱原子力を完了したが、国外での原子力事業は継続しているほか、国内にあるグロナウ濃縮工場(ウレンコ社)とリンゲン核燃料製造工場(仏フラマトム社)は、他国向けに事業を継続している。

スウェーデンでは6月にも、バッテンフォールが各発電所の所有者らとともに、フォルスマルク13号機とリングハルス3、 4号機の運転期間を60年から80年に延長する方針を決定しており、既存炉の最大限活用に向けた取組みが進められている。

 

脚注

脚注
1 現在リングハルスでは3、4号機(PWR、110万kW級×2基)が運転中、1、2号機(1号機: BWR、91.6万kW、2号機: PWR、96.3万kW)が廃止措置中である。

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