米国 ターキーポイントが80年運転認可を回復
07 Oct 2024
ターキーポイント原子力発電所 ©FPL
米原子力規制委員会(NRC)は9月17日、フロリダ・パワー&ライト社(FPL)のターキーポイント原子力発電所3号機および4号機(PWR、各82.9万kWe)について、それぞれ2052年および2053年までの運転期間延長を回復した。これにより80年運転が可能となった。
両機は2019年12月、NRCより国内初の2度目となる運転期間延長認可(20年)を受け、それぞれ2052年7月および2053年4月までの運転期間延長が可能となった。しかし、NRCは2022年2月、国家環境政策法(NEPA) に基づく一般環境審査 には、気候変動を含む潜在的環境リスクの見直しに伴い追加情報が必要であるとし、最初の運転期間延長認可期限である2032年7月と2033年4月を有効期限に再設定した。これを受け、FPL社はサイト固有の環境影響声明書に対する追加文書をNRCに提出し、厳格な再評価プロセスを完了。2度目の運転期間延長認可の回復となった。
NRCはこれまでに、送電開始以降の運転期間を合計で80年とする認可をターキーポイント3、4号機の他、コンステレーション・エナジー社とPSEG社が共同所有するピーチボトム2、3号機(BWR、各141.2万kW)、ドミニオン社のサリー1、2号機(PWR、各89万kW)、ノースアナ1、2号機(PWR、各100万kW級)に対して発給している。そのうち、ピーチボトム2、3号機については、再評価完了まで80年運転認可の効力が一時停止している。
ターキーポイント3号機は1972年に、同4号機は1973年に営業運転を開始(1、2号機の火力発電所は閉鎖。5号機のガス火力発電所は運転中)。フロリダ州マイアミの南40kmに位置する同発電所のサイト面積は44㎢。保護区域にあるマングローブ湿地帯と全長270km、面積27㎢の冷却水路に囲まれている。100万世帯の家庭や企業に電力を供給し、人口増加中のフロリダ州を支える一方、絶滅危惧種であるアメリカワニやその他の在来種の生息地を提供するという重要な役割を担っている。
FPLは、フロリダ州で、同発電所のほか、セントルーシー原子力発電所(1、2号機、PWR 100万kWe級)を運転中。同社の総発電電力量に占める原子力シェアは20%。なお、同社はNRCに、セントルーシー発電所1、2号機の2度目となる運転期間延長認可を2021年8月に申請している。
ターキーポイント原子力発電所は、1992年のハリケーン「アンドリュー」(カテゴリー5:最大クラス)の直撃に耐え、強力な自然災害にも耐えられる設計となっており、洪水や高潮から守るために海抜6mの高さに立地している。