原子力産業新聞

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韓国 SMR「SMART100」の設計を承認

08 Oct 2024

桜井久子

SMART100発電所の完成予想図
© KAERI, KHNP and K.A.CARE

韓国原子力安全委員会(NSSC)は926日、韓国原子力研究院 (KAERI)、韓国水力・原子力 (KHNP)、サウジアラビアのアブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市公団 (K.A.CARE)が共同開発する小型モジュール炉(SMR)のPWRSMART100標準設計承認 (SDA) を発給した。

SMART(System-integrated Modular Advanced Reactor)は、2012年7月にSDAを取得。KAERI、KHNPおよびK.A.CAREが2019年12月にSDAを申請したSMART100はSMARTの改良版であり、SMARTの安全性、経済性、運転上の優位性を基に、完全受動的安全システムによる緊急時の原子炉の安全な停止と冷却を確保。熱出力を33kWから36.5kW、電気出力を10kWから11kWに向上させている。設計寿命は60年。SMART100の輸出を視野に、まずは技術開発の主要パートナーであるサウジアラビアへの輸出を目指している。

SMART100は発電に加え、海水淡水化、地域暖房、プロセス熱供給など多用途に設計されており、簡素化されたモジュール設計により経済性を向上。蒸気発生器や原子炉冷却ポンプなどの主要コンポーネントを原子炉容器にコンパクトに一体化し、大規模な配管破断などの重大事故のリスクを低減。さらに、原子炉は事故発生時にも非常用発電機や運転員の介入を必要とせず、安全な状態の維持が可能であるという。

KAERIは、このSDA取得を安全性と商業化への準備を実証する重要なマイルストーンと捉えており、SMART100で世界市場に進出したい考えだ。

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