欧州SMR産業アライアンス 初支援のSMRを選定
16 Oct 2024
第1回総会(5月29~30日、ブリュッセル)の模様 © Sustainable Nuclear Energy Technology Platform (SNETP)
欧州委員会(EC)は10月11日、今年2月に立ち上げた「欧州SMR産業アライアンス(European Industrial Alliance on SMRs)」による初回の支援対象として9件のSMRプロジェクトを選定したことを明らかにした。
同アライアンスは、欧州域内での2030年代初頭までの小型モジュール炉(SMR)の導入加速と、熟練労働力の確保など堅固なSMRサプライチェーン確立を目的に今年2月に発足。SMR開発会社、電力会社、エネルギー集約型企業、サプライチェーン企業、研究機関、金融機関など300以上の組織が加入する。
アライアンスは6月、具体的なプロジェクトの成果をあげるべく、アライアンスのプロジェクト・ワーキング・グループ(PWG)への参加を希望するSMRプロジェクトの募集を開始。その後、寄せられた22件の申請について審査と評価を行い、初回の支援対象となる9件のプロジェクトを選定した。プロジェクト提案の評価にあたっては、実現可能性は考慮していないという。10月7日の理事会で選定された9件のSMRプロジェクトは以下の通り。
- EU-SMR-LFR project(伊・Ansaldo Nucleare, ベルギー・SCK-CEN, 伊・ENEA, ルーマニア・RATEN)
- CityHeat project(仏・Calogena, フィンランド・Steady Energy)
- Project Quantum(米・Last Energy)
- European LFR AS Project(英・Newcleo)
- Nuward(仏・EDF)
- European BWRX-300 SMR (ポーランド・OSGE)
- Rolls-Royce SMR(英・Rolls-Royce SMR Ltd)
- NuScale VOYGR SMR (ルーマニア・RoPower Nuclear SA)
- Thorizon One project (蘭・Thorizon)
PWGは5月下旬の総会にて設置が決定した8つの技術作業部会(TWG:①産業への応用、②技術および研究・開発・イノベーション、③サプライチェーン、④労働者の技能、⑤パブリック・エンゲージメント、⑥原子力安全と保障措置、⑦燃料サイクルと廃棄物管理、⑧ファイナンス)から、特定のニーズに応じて支援を受ける。各プロジェクトとの協力に関心のあるステークホルダーもPWGに参加することができる。なお、アライアンスから資金提供の支援はない。今回支援対象に選定されなかったプロジェクトに対しては、主な改善点の概要が示されており、2025年第2四半期に予定される第2回目の選考時に再申請が可能となっている。