原子力産業新聞

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米WEと英コアパワー FNPPを共同開発へ

03 Dec 2024

深澤伊弦

浮揚式原子力発電所とeVinciの完成予想イメージ ©CORE POWER/Westinghouse Electric Company

米ウェスチングハウス(WE)社と英コアパワー社は11月25日、WE社のマイクロ炉「eVinci」を搭載した、浮揚式原子力発電所(FNPP)の設計と開発に関する協力協定を締結した。

今回の協定に基づき、両社はWE社のeVinciとヒートパイプ技術を用いて、FNPPの設計を進めるほか、FNPPの認可取得に向けた規制対応でも協力を行う予定。 

両社の発表では、コスト競争力があり建設も比較的容易なFNPPは、島しょ部や沿岸地域、港、そして産業プラントに原子力エネルギーを導入する画期的なアプローチであり、なかでもeVinciはメンテナンスが最小限で済み、燃料交換なしで8年間フル稼働が可能なため、FNPPに最適であるという。 

eVinciは、熱出力1.5万kW、電気出力0.5万kWのヒートパイプ冷却の可搬式原子炉で、軽水炉のような冷却ポンプは不要。工場で組み立てが可能で、燃料にはHALEU燃料を3重に被覆した燃料粒子「TRISO」を使用する。水素製造などに利用可能な高温の熱が発生するため、電源としての用途以外にも遠隔地のコミュニティへの熱電供給などが期待されている。 

コアパワー社が進めるFNPPプロジェクトには、2023年5月に日本の今治造船(愛媛県今治市)や尾道造船(兵庫県神戸市)など13社が出資したことが明らかになっている。同社は、主力事業として進める原子力船開発プロジェクトと合わせて、2030年までに最大で100億ドル(約1兆4,900億円)相当の受注獲得をめざしている。 

コアパワー社のM. ボーCEOは、eVinciを使用したFNPPについて、「クリーンで柔軟性があり、信頼性の高い電力を予算内でスケジュール通りに供給できる」と語り、急増する需要に応える完璧なソリューションとして現実的な選択肢となることを強調した。 

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