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英ニュークレオ社 小型高速炉のGDA申請

10 Dec 2024

深澤伊弦

LFRのイメージ図©newcleo

英国の先進炉開発企業であるニュークレオ社は122日、同社が開発した電気出力20kWの鉛冷却高速炉(LFR)である「LFR-AS-200」について、英国の包括的設計審査(GDA)を申請したことを明らかにした。

GDAのプロセスが正式に開始されるには、英エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)がニュークレオ社のGDA申請書を事前に精査し、LFR-AS-200の評価基準適合を確認後、GDAへの参加を正式に承認する必要がある。その後、原子力規制庁(ONR)が同炉の安全性とセキュリティ面について、環境庁(EA)が環境影響面について、英国の基準を満たしているかを2段階で評価する。なお、建設サイト特定後の建設許可申請とは別の評価となる。ニュークレオ社は、GDAの完了を2027年春頃と見込んでいる。

今年10月には、ニュークレオ社の「European LFR AS Project」が、欧州委員会(EC)が2月に立ち上げた「欧州SMR産業アライアンス(European Industrial Alliance on SMRs)」の初回支援対象のSMRプロジェクトの一つとして選ばれている

ニュークレオ社は2021年の設立。これまでに、投資家から計53,700万ユーロ(857億円)を調達しており既に仏原子力・代替エネルギー庁(CEA)とLFR開発に関する提携契約を今年4月に締結している。2030年までに電気出力3kWの実証炉「LFR-AS-30」をフランスで建設し、2033年までに英国で商業規模に拡大したLFR-AS-200の建設をめざしている。

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