フランス フラマンビル3号機が送電開始
23 Dec 2024
フラマンビル原子力発電所。一番手前が3号機(EPR) © EDF
フランス電力(EDF)のフラマンビル3号機(欧州加圧水型炉=EPR、165万kWe)が12月21日、送電網に接続し、送電を開始した。
同機は、今年9月3日に初臨界を達成。その後、一連の試験と検査を実施しながら、原子炉の出力を徐々に上げ、25%出力に達した時点で、送電網に接続された。
EDFのL. レモント会長兼CEOは、「フラマンビル3号機の送電開始は、原子力業界全体にとって歴史的な瞬間である。このプロジェクトで直面した課題に粘り強く取り組み、安全性に妥協することなく取組んできたすべてのチームに敬意を表したい」と述べた。
同機は2007年12月に着工。フランス国内で初のEPR建設だったこともあり、土木エンジニアリング作業の見直しのほか、福島第一原子力発電所事故にともなう包括的安全評価の実施、原子炉容器の鋼材組成の異常(炭素偏析)、2次系配管溶接部の品質上の欠陥等により、完成が当初予定の2012年から大幅に遅れた。建設コストも当初予定の4倍になるなど大幅超過した。同機は今後数か月間にわたり、100%の出力に達するまで、仏原子力安全規制当局(ASN)の監督の下、試験および送電網への接続・切断を繰り返す。
EPRはフランス国外ではすでに営業運転を開始している。中国の台山発電所では1、2号機がそれぞれ2018年12月、2019年9月に運転を開始。続いて欧州では、フィンランドのオルキルオト発電所3号機が2023年5月に運転を開始した。英国ではヒンクリー・ポイントC発電所の1、2号機が建設中だ。2022年2月には、フランスのE. マクロン大統領が、同国のCO2排出量を2050年までに実質ゼロ化するという目標の達成に向け、フランス国内で改良型の欧州加圧水型炉(EPR2)を新たに6基建設、さらに8基の建設に向けて調査を開始すると発表している。