原子力産業新聞

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カナダとポーランドが原子力協力協定を締結

13 Feb 2025

桜井久子

@CanadianPM/ X

カナダのJ. トルドー首相は128日、ポーランドのワルシャワを訪問し、ポーランドのD. トゥスク首相と原子力協力協定に調印した。

カナダ企業が原子力技術、燃料、サービスを提供することで、ポーランドのクリーンエネルギー部門を支援し、石炭火力発電の段階的廃止を加速させ、地域全体のエネルギー安全保障を強化することが期待されている。また、両国に高レベルの雇用機会を創出するとともに、原子力協力、不拡散、安全、安全保障に対する両国共通のコミットメント強化にも貢献するとしている。

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2月、両国の原子力規制機関である、カナダ原子力安全委員会とポーランド国家原子力機関は、小型モジュール炉(SMR)に関する協力覚書を締結し、SMR技術に関連するベストプラクティスと技術レビューに関する交流を深める道を開いた。

ポーランドはまだ商業規模での原子力発電を行っていないが、大型炉とSMRの両方を建設する計画である。カナダ輸出開発公社は202412月、ポーランド北部ポモージェ県のルビアトボ–コパリノに建設を予定する同国初の原子力発電所のプロジェクト向けに、カナダのサプライヤーによる製品およびサービスの提供への支援を目的とした、最大14.5億米ドル融資可能性の意向書を発行した。加オンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)社は同社のダーリントン・サイトで、2029年末までにGE日立製のSMRBWRX-300」の営業運転の開始を計画している。ポーランドもBWRX-300の導入を計画しており、カナダの状況を注視している。

カナダ原子力協会(CNA)のJ. クリスティディスCEOは、「原子力エネルギーは、世界のエネルギー安全保障に対するカナダのコミットメントの礎。本協定締結は、カナダが経済成長とイノベーションを促進しながら、強靭で低炭素なエネルギーシステムを構築するために同盟国をどのように支援できるかを例示するもの」と述べ、カナダの原子力技術の輸出を促進し、両国における高レベルの雇用創出と原子力産業へのさらなる投資の可能性に期待を寄せた。

 

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