原子力産業新聞

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インド 米仏と原子力協力を一層拡大へ

26 Feb 2025

桜井久子

米ホワイトハウスでの記者会見
Ⓒ Prime Minister's Office of India

インドのN. モディ首相は213日、米ワシントンでD. トランプ大統領と2期目就任後初となる首脳会談を実施した。会談後の共同声明で両首脳は、石油、ガス、原子力を含む米印エネルギー安全保障パートナーシップを再確認した。特に原子力については、大規模な現地化と可能な技術移転を通じて、米国の設計による大型炉や小型モジュール炉(SMR)をインドに共同で建設する計画を前進させ、米印原子力協定を完全に実現すると表明。また印政府による、原子力法及び原子炉に対する民事責任法(Civil Liability for Nuclear Damage Act: CLINDA)の改正に関する21日の発表を受け、民事責任の問題に対処し、原子炉の製造及び展開における両国の産業界の協力促進のため、CLINDAに準拠した二国間取決めの確立に合意した。

モディー首相は訪米に先立つ212日、フランス・パリでE. マクロン大統領と会談。会談後の共同声明では、両者は原子力がエネルギー安全保障を強化し、低炭素経済に移行するためのエネルギーミックスの不可欠な部分であるとの共通認識を強調。両国の民生用原子力分野における協力、特にジャイタプール原子力発電所プロジェクト関連での取組みを確認した。また、民生用原子力協力に関する特別タスクフォースの第1回会合が1月に開催されたことを歓迎したほか、SMR及び先進型モジュール炉(AMR)のパートナシップ確立に関する基本合意書に署名。さらに、印原子力省(DAE)と仏原子力・代替エネルギー庁(CEA)間で、印・原子力エネルギー・パートナーシップ国際センター(GCNEP)と仏・国立原子力科学技術研究所(INSTN)を通じた原子力専門家の訓練及び教育における協力に合意した。なお、モディー首相はマクロン大統領とともに、210日~11日にパリで開催されたAIアクションサミットの共同議長を務めている。

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